13 / 16
第1章 水属性の聖女は、鈴木氷雨なのでござる!
第8話 初恋との再会なのでござる!
しおりを挟む
あたくしは、水の聖女の討伐戦に負けてしまった。
親とは不仲、そして、姉には住まわしてもらっている形で、あたくしは無一文の状態となるだろう。
「よく頑張ったでござるな」
どこからか声がしたかと思うと、目の前にいたのは、佐藤君。
鮫のパーカーを着た、緑髪の佐藤スズキ君という、あたくしの幼馴染だった。
「佐藤君・・・・?」
「強くなれなくても、水の聖女になれなくても、頑張ったでござるな。
これからは、ずっと一緒にいようでござるよ」
あたくしは・・・・、あたしは泣いてしまった。
「ずっと、ずっと、頑張ったでござる・・・・!
頑張ったんだよ・・・・。
佐藤君に会いたくて、あたくしは強くなりたくて・・・・・。
あたしが、ここで負けたら、佐藤君に会えないんじゃないかって、ずっと・・・・・」
「君には、幸せになってほしいでござるよ。
わたくしに守られてばかりでいいでござる。
だから、わたくしと結婚しようなのでござる」
「うん、あたしはずーと、佐藤君だけが、スズキ君だけが大好き・・・・」
水の聖女にはなれなくても、あたしは、スズキ君と再会することができた。
この10年間、あたしは幼馴染と再会することのためだけに頑張ってきた。
だから、強くなれなかったら、聖女討伐戦に負けたら、終わりと思っていたけれど、向こうから会いに来てくれるとは思わなかった。
あたしと、スズキ君は二人になれた。
あたしは、ひさめ君にある日に会いに行った。
「叔母さん、しばらくどこに行ってたの?
帰ってこなかったから、心配したよ」
「ごめん」
「叔母さん、鮫のパーカーは?
しかも、その髪の色・・・・。
いつもと、話し方が違う・・・・」
あたしは、元の黒髪黒目となり、鮫のパーカーも着なくなり、話し方も普通に戻っていた。
「今まで、ありがとう、ひさめ君。
あたしは、これからは旅に出るよ」
「出るって・・・・?」
「あたしは、婚約者ができたの。
だから、同棲しようと思うからさ、ずっと一緒にいてくれてありがとう」
「そんな、急に?」
「ほんと、急だよね」
「叔母さん、なんか落ち着いてない?
何があったの?」
「なんでもない。
とにかく、ありがとう。
また、何かの縁があったら会おうね」
あたしは、ひさめ君に挨拶をしたら、すぐに姿を消した。
あたしの人生は、鈴木氷雨ではなく、佐藤氷雨としての人生が始まろうとした。
まだ、結婚できる年齢でもないから、これから先の話だけど、まずは高校を卒業しよう。
話はそこからだ。
そして、両親に反発して、家出したことを謝ろうと今のあたしなら思える。
親とは不仲、そして、姉には住まわしてもらっている形で、あたくしは無一文の状態となるだろう。
「よく頑張ったでござるな」
どこからか声がしたかと思うと、目の前にいたのは、佐藤君。
鮫のパーカーを着た、緑髪の佐藤スズキ君という、あたくしの幼馴染だった。
「佐藤君・・・・?」
「強くなれなくても、水の聖女になれなくても、頑張ったでござるな。
これからは、ずっと一緒にいようでござるよ」
あたくしは・・・・、あたしは泣いてしまった。
「ずっと、ずっと、頑張ったでござる・・・・!
頑張ったんだよ・・・・。
佐藤君に会いたくて、あたくしは強くなりたくて・・・・・。
あたしが、ここで負けたら、佐藤君に会えないんじゃないかって、ずっと・・・・・」
「君には、幸せになってほしいでござるよ。
わたくしに守られてばかりでいいでござる。
だから、わたくしと結婚しようなのでござる」
「うん、あたしはずーと、佐藤君だけが、スズキ君だけが大好き・・・・」
水の聖女にはなれなくても、あたしは、スズキ君と再会することができた。
この10年間、あたしは幼馴染と再会することのためだけに頑張ってきた。
だから、強くなれなかったら、聖女討伐戦に負けたら、終わりと思っていたけれど、向こうから会いに来てくれるとは思わなかった。
あたしと、スズキ君は二人になれた。
あたしは、ひさめ君にある日に会いに行った。
「叔母さん、しばらくどこに行ってたの?
帰ってこなかったから、心配したよ」
「ごめん」
「叔母さん、鮫のパーカーは?
しかも、その髪の色・・・・。
いつもと、話し方が違う・・・・」
あたしは、元の黒髪黒目となり、鮫のパーカーも着なくなり、話し方も普通に戻っていた。
「今まで、ありがとう、ひさめ君。
あたしは、これからは旅に出るよ」
「出るって・・・・?」
「あたしは、婚約者ができたの。
だから、同棲しようと思うからさ、ずっと一緒にいてくれてありがとう」
「そんな、急に?」
「ほんと、急だよね」
「叔母さん、なんか落ち着いてない?
何があったの?」
「なんでもない。
とにかく、ありがとう。
また、何かの縁があったら会おうね」
あたしは、ひさめ君に挨拶をしたら、すぐに姿を消した。
あたしの人生は、鈴木氷雨ではなく、佐藤氷雨としての人生が始まろうとした。
まだ、結婚できる年齢でもないから、これから先の話だけど、まずは高校を卒業しよう。
話はそこからだ。
そして、両親に反発して、家出したことを謝ろうと今のあたしなら思える。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる