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3章 アラサー女子、ふるさとの祭りに奔走する

3-13 昼下がりのアパートで乱れる ※R

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 彼の熱い腕の中で私は目を閉じる。
「嬉しいな」
 またこんな時間を一緒に過ごせるなんて、夢みたい。
 自然と顔を見合わせてキスを、深い貪るようなキスを繰り返す。
「本当に、嬉しいの」
 彼の首にしがみついて思わず微笑んでしまう。
 全てを忘れたくて、私は彼にもたれかかった。
「僕は、あなたがわからない」
「わからなくていいの。私もわからないから」
「やはり、あなたの中には、いろんなあなたがいるんだね」

 彼のマンションに泊まった時のことを思い出す。
 同じ宇宙の中にある、全く別の理論。
「相対性理論と量子論みたいに?」
「理論の統一なんて、待ってられない!」
 痛くなるほどきつく抱きしめられた。
 固くなった彼自身が私の下腹部に押し付けられた。
 それが、恥ずかしくて、でも……嬉しく、押し付けられた下腹部から甘いしびれが全身に広がる。
 彼にしがみつき私から頬に何度もキスをした。
「一つだけわかった。あなたはこういうことが好きなんだ」
 そう言われても腹が立たない。事実だから。


「いつも、どこで寝てるの?」
 私は襖の方向に顔をむける。
 自然とゆっくり立ち上がり、私はそっと襖を開けた。
 しまった。布団が出しっぱなしだ。恥ずかしい。
「準備してたんだ」
 流斗君が、少し意地悪そうにつぶやいた。
 そう。私はこういうことが好き。理解されなくていい。どう理解されてもいい。
 答えの代わりに私は布団の上に座った。
 彼も合わせて座り、キスを繰り返した。


 昼間の狭いアパートの一室で、私たちは抱き合う。
 彼の手が私の両の乳房をわしづかみする。
「い、痛いの。も、もう少し優しくして」
「ご、ごめん」
 彼の手の力が抜け、さするように胸の先に触れてくる。
 思わず私は嬌声を抑えられず首にしがみついた。
「これ、気持ちいいんだ」
 私は応える代わりに彼の髪を掻き揚げた。執拗に指は先端をもてあそぶ。

 シャツのボタンが外される。一つ一つ丁寧にゆっくり私は解放される。そのゆったりした時間がもどかしい。
 が、シャツをすべてはがされたとき私は反射的に身を隠した。
「ダメ?」
 流斗君が心の底から悲しそうな表情をする。
 ダメじゃないけど……下着がダサい。見られたくない。全く色気のない無地の肌色のインナー。完全におばさんだ。
「あ、ねえ……あの、赤ちゃんできたら困るよね?」

 咄嗟に重要なことを切り出す。
「子ども欲しいと言ってなかった?」
 流斗君が自分のシャツのボタンを外しながら尋ねる。
「ま、まだシングルマザーになる覚悟はないわ」
「そんなことには……でもわかった。持ってくる」

 彼がいなくなった隙に、私は、キャミソールを脱いだ。
 ブラもショーツも何かおばさんくさい。
 布団の中で全裸で待つのと、ダサい下着を見せるの、どちらが恥ずかしいだろうか?
 葛藤しているうちに、彼が避妊具を手にして戻ってきた。
 用意周到だ。そういうつもりもあって来たのか。それが嬉しい。嬉しく思う自分が恥ずかしい。

 ブラを外そうと座り込んでいる私を見て、彼はまた意地悪そうに笑った。
「乗り気なんだ」
 彼は私の背中に回ってしゃがみ込む。じれったい時のあと、私の胸は拘束から解放される。
 背中越しに、胸を触れられる。初めて彼の指が直接突起にあたり私は声を上げてしまう。
 私の身体を倒そうとする流斗君を抑えた。
「まってスカートが皺になっちゃう」
「どこ外せばいい?」
 彼の指がウエストをなぞり背中で留まった。フックが外された。私は両足を使ってスカートを脱ぐ。

 いつのまにか裸になった彼が私を布団に沈めた。
 思ったより胸板が厚い。無邪気な子どものような童顔とのギャップが何か気恥ずかしく思える。
 これまでにない笑顔を向けられた。
「胸、大きいと思ってたけど、生で見るとすごい」
「そういうこと言わないで、セクハラ教授さん」
「いつのまにか偉くなった。でも教授はまだまだ先だから待ってて」
 そういって彼は左の乳房に舌を這わせた。
「ん、う、んん……こんな、こと、したら……教授、になる前、クビよ」
 私は彼のくせ毛をクシャクシャにかき乱した。
「そしたら、毎日、ずっと、こうしてられる」
 今度は右の乳頭を口に含み嘗め回す。
「う、宇宙、は、ど、どうなるの」
「大丈夫。こうしている間にも、アイデアが浮かんでくるから」

 そういうものなの? 男の人はそんな余裕があるの? 私は何も考えられないのに。
 が、与えられる刺激が疑問をかき消す。
 下半身に熱い物が湧き濡れてきたのがわかる。
 私は彼の背中にしがみついた。思ったより大きな背中。彼は大人の男性だ。
 ずっと乳房をいじられもてあそばれ、別の刺激が欲しくなる。もどかしさが私の口から洩れた
「もっと、欲しいの」
 あさましい望みが恥ずかしく私は顔を背けた。
「那津美さんかわいい」
 額に口づけされたと思うと、彼の体温が遠ざかった。ぺりっと何か破れる音が聞こえた。ゴム製の長い袋を取り出す音らしい。もう避妊具をつけるの?
 戸惑いの中、私を覆う最後の一枚の布が剥がされ、互いを阻むものは何もなくなる。
 熱を持った物体が私の中心に押し当てられた。

 ま、まって! まだ私は……
 戸惑いの中、私は彼の身体を押し戻すが「欲しいんでしょ?」と彼が責めるように畳み掛け、侵入してくる。
 圧迫感と痛みで私は涙をにじませた。
 ち、ちがうの、欲しいのは、それじゃなくて……でも言えない、触ってほしい、なんて恥ずかしくて。
「きついな」と彼は退いた。私は解放されるが悲しくなる。彼を失望させたことで。
 彼の指が「ここだよね」と私の裂け目をこすり、中に入っていた。
 痛くはないが異物感は拭えない。寂しさと幸せがまざった心地よさが私を包み込む。中の生き物が動き出し、あらぬところを刺激し始めた。
「ま、まって! あまり動かさないで、ああ」
「難しいんだね」と彼は指を抜いてくれた。
 これで終わらせてしまうのが申し訳なく、私は腕を伸ばし、彼の顔に触れた。
「好きなの」
 再び顔が近づきディープキスを繰り返す。

 彼が好き。ざらついた舌が厚い唇が好き。が、すぐに彼は離れ身を起こした。
 私は膝頭を抑えられ、脚を広げられた。が、再びそれが押し付けられることはなく、彼の顔が近づいてくる。
 やだ! 見ないで! そこは汚いところなの。私は顔を背け手で覆った。
 彼の指先が入り口や上の襞をもてあそぶ。
 反射的に膝を閉じようとするが、許してくれない。
 彼の指の動きで私のそこはますます熱く濡れてしまう。

「ご、ごめん、もう僕……」
 再び、彼自身が私の内部に侵入を始めた。
 それは戸惑い角度を変えながらより私の奥深くを侵す。痛いがもう私はそこから逃れることを放棄した。
 私の中の生き物は大人しくせず、動き始める。
「あ、ま、待って、だめ、痛い、ああ」
 中でうごめく熱い塊に私はなすすべもなく叫んだ。
 彼もことばにならない声を何度も発する。
 何かがビクンと跳ねる。
「くっ、あああ」
 彼の絶叫と共に、全てが放たれた。
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