【完結R18】君を待つ宇宙 アラサー乙女、年下理系男子に溺れる

さんかく ひかる

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1章 アラサー女子、年下宇宙男子と出会う

1-5 缶ジュースで乾杯

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 卒業論文の話から地球全滅なんて怖い話になってしまった。
 運転中に怖い話、聞かせないでほしい。特に右折中は勘弁して。間違いなくまだ運転免許を持ってないだろう彼は、運転者に対する気遣いがわからないのよ。
『右折中&車線変更中は話しかけるな』は、基本中の基本。宇関で暮らすからには、免許がなくても知ってほしい。

「ア、アサカワ君。あまり怖い話、しないでほしいな~」

 が、彼は、私が車線変更で忙しくしてるのにかかわらず、お喋りをやめない。

「全ての超新星爆発で起きるわけじゃありませんよ。素芦もとあしさんが知ってる千年前の超新星爆発では、なかった。もっと巨大な星だと最後、とてつもないエネルギーを出しますが、それがガンマ線バーストです。直撃する確率は低いから大丈夫でしょう。ま、発生する時は一瞬で、今の僕らにはどうにもなりません。むしろ、ガンマ線バーストは宇宙生成の謎を解くのに重要な手掛かりになるから、もっと発生してほしいですね」

 また、話長いよ。
「……えーと、じゃあ、今すぐ、全滅することはないのね。それさえわかればいいよ」
 よくわからないが、そんな物騒もの、もっとちょうだいって言ってる気がするが、気のせい? 私の勘違い? そうだとしたら、この子、ヤバくない?
 大体、なんで初対面の男の子と全滅とか怖い話してるんだろう?

 話題を変えよう。
「宇宙が好きなのは、真智先生の影響かな?」
「それはありません」
 気を利かしたつもりの質問なのに、あっさりと否定された。


 いつのまにか目的地の大学に着いた。
 暗くてよくわからないが、スライド式の重厚な黒い門扉の向こうに、現代建築らしい建物がいくつか見える。
 子どもの時、私はここでよく遊んでいた。あれから十年以上経つ。
 懐かさと寂しさがこみ上げてきた。
 いや、新しく宇関にやってきた助手席の少年に、私の郷愁は関係ない。

「今日は勉強になったわ。高校生のあなたがこんなに宇宙のことを知ってるんだから、真智君はもっとすごいんだろうな」
「どうなんでしょう」
 と、ボサボサ頭の少年は、再びうつむいた。
 大学から歩ける距離にアサカワ君の自宅はあるのだろう。が、時間は夜十時を過ぎている。
「家はどこ? 遅いからそこまで送るわ」


 そこは新しいマンションだった。十階建てぐらいか。百戸は余裕でありそう。
 本当にこの土地は変わってしまった。
 マンションの前はロータリーになっている。ロータリーの中央が円形の植え込みになっている。私は車を進め入り口近くに停めた。ジュースの自動販売機の明かりがあたりを照らしている。

「着きましたよ。こんな立派なマンションに住めるなんてうらやましいなあ。お疲れさま」
 到着を知らせたのに、アサカワ君はシートベルトをつけたまま動かない。

「どうしたの? 着いたよ」
「ええ、そうなんですが……」
 彼の様子がおかしい。

「具合悪いの? 車に酔った?」
「ああ、大丈夫ですよ……えっ、ちょっと待ってください」

 彼がなぜ動けないのか察知した私は、助手席のシートに身を寄せ、アサカワ君の左手を取った。
「シートベルトの外し方、わからないんでしょ?」
「ふへっ?」

 ずばり言い当てられたのが恥ずかしいのか、彼の声がひっくり返った。
「アサカワ君はお坊ちゃんなのね。今までご両親か運転手さんにベルト外してもらってたんでしょ?」
「あ、そ、そんな……」
「でもね、自分一人で車に乗り降りできるようにならないと、宇関では生きていけないよ。そう、こっちでベルトをしっかり持ってね」

 私は彼の左手を引き寄せ、バックルに止められたベルトを握らせた。
 そして右手をとってバックルに添える。

「ちょっと、いや、あ」
 慣れない動作で緊張しているのか、彼の手首の震えが私の指に伝わる。相当、力が入っている。恥ずかしいんだろう。
「ここのボタンを押すの。こっちの手でしっかりベルトを持ってね、そう」
 解放されたベルトはするするっとシートの後部に吸い込まれた。アサカワ君は「うそ、うわ、やば」など大げさな声を出している。

「わかった? 次から一人で車から降りられる?」
「それぐらいできます!」
 薄暗い車内でアサカワ君が怒りだした。高校男子のプライドを傷つけてしまったらしい。
「ごめんね。そんな怖い顔しないで。でも知らないって恥ずかしいことじゃないよ」
「そうじゃなくて! 僕は、車に乗せてくれたお礼を考えてたんです」

 律儀な少年だ。
「気にしなくていいのに。さっき宇宙の話してくれたから、充分よ」
 それでもアサカワ君は考え込み、キョロキョロあたりを見回している。
「そうだ! 降りるんでエンジン止めてください」
 言われるまま私はエンジンを止める。と、アサカワ君は車から降りた。あれ? なんでエンジン止めないといけないんだろう?

 彼は素早く運転席側に回り、私の前のドアを開けてくれた。
「ジュース奢ります。素芦もとあしさん、好きなの選んでください」
 そういって彼は、ロータリーを照らす自販機に顔を向けた。


 彼を降ろしてそのまま車を走らせようと思ったが、降りるしかない。
 それにしても、誰かに車のドアを開けてもらうというのは、姫様になってエスコートされた気分で、ちょっと嬉しい。
 こんなことしてもらうのも何年ぶり? 父が契約していたタクシー会社の谷さんを思い出す。父は谷さんを気に入って指名していたため、父専属の運転手のようだった。そしてもう一人思い出しそうになるが、腹が立つので頭から消去。

 私たちは飲料の自動販売機に向かった。
 アサカワ君はドリンクの説明を始めた。
「お汁粉がお勧めです。ゆずレモンはイマイチ。むらさき紅茶物語もまあまあかな」
 彼は先に梅ソーダを選んだ。甘いドリンクが好きらしい。
「では、まあまあの紅茶、お願い」と少年にご馳走してもらう。
 緑色の冷たいアルミ缶と、紫色の熱いスチール缶で乾杯。


 風がさらさら流れる。ロータリーの中央に植えられた若木の肌がつやつや光っている。桜のようだ。暗がりの中、目を凝らすと、蕾が膨らんでいるようにも見える。
「あの木、桜でしょ? いいな、お家で花見ができるなんて。十年も経つと立派な木に育つよ」
「十年も僕はここにいるかな……」

 目の前の高校生も十年経てば、就職しているか、宇宙の研究を始めているかもしれない。
「アサカワ君みたいな子は、田舎のよく知らない大学より、首都の有名大学に行きたいだろうね」
 途端、彼にギロっと睨まれた。

「西都科技大は、もともと首都の大学ですが、宇関にはすごい装置がいっぱいあります、あらゆる分野で」
「私、田舎者だから首都の大学って、首都総合大学しか知らなくて」
「首都総大は素晴らしい大学です。でも科技大もマイナーですが悪くないですよ。ユニークな研究が多いので、僕は好きです」

 このマンションに住んでいるということは、この子のお父さんかお母さんは大学関係者だ。親の勤務先に誇りをもっているに違いない。いいことだ。
「ごめんね。私、国語担当だから、理科系の大学のことはよくわからなくて」


 そのあとが続かない。アサカワ君がゴクっと梅ソーダを飲み込む。
 会話が途切れてしまった。
 宇宙の始まりについて聞いたらいくらでも喋ってくれそうだが、また全滅なんて怖い話されたら嫌だな。
 そもそも、何で見ず知らずの少年と、ジュース飲んでいるんだろう。
「どうしたんですか? あ、梅ソーダ気になるんでしょ?」
 私の視線を勘違いしたアサカワ君は、ソーダの缶を突きつけた。

 え? これを飲んでくださいってこと? 一時間前に知り合った少年と、ドリンクを交換?
 この宇宙オタクは、私の戸惑いがわからないのだろう。
 彼の好意を無下にするのも申し訳ないので、私はおずおずと緑色の缶を受け取った。
 途端にアサカワ君はためらいなく「じゃ、僕はこっち」と、私から紫色のスチール缶を奪うように取っていった。そして缶の飲み口をじっと見つめている。
 私はあまり化粧をしないが、さすがに出勤日は口紅ぐらいつけている。口紅がべったり缶についてたら、気持ち悪いだろうな。申し訳ない。

「いただきます」
 少年の喉仏が上下に大きく動いた。味見という割にはかなり大胆に飲み干している。
「ああ、すごい美味しいなあ」
 素直な感想を述べた彼の声は、低く掠れている。

「そっちはどうです?」
 アサカワ君が催促してきた。これで飲んだら間接キスだ、ホンの一時間前知り合った少年と。いや、すでに彼からすれば私と間接キスしたことになるから同じか? いや、それもなんか違うよね。
 この無邪気な少年は、間接キスなんて全く意識してないのだろう。彼は貴重な塾生候補。機嫌を損ねたくない。
 私は勇気を出してアルミ缶にそっと口をつけた。

 炭酸がここちよく喉を刺激する。
「さっぱりして飲みやすいわね」
 我ながら、何の個性もない普通の感想だ。

「この自販機のジュース制覇目指してます。このミルクティーは苦いと思ったけど、こうして飲んでみるとおいしいな」
 笑顔も汚れない少年そのものだ。
「自由にジュースが飲めるって、最高の幸せと思いませんか?」
 それが幸せ、というと、この子はさぞ厳しく育てられたのかな? と思ってしまう。おやつは絶対禁止、お母様の作るオーガニックフード以外ダメとか。
「ごちそうさま」
 アルミ缶とスチール缶を再度交換した。
 気がついてしまった。アサカワ君の手って、大きくてゴツゴツしていて、ちゃんと男の人の手だ。

 小柄で、髪はボサボサで、無邪気な笑顔を見せるけど、手は大人だ。
 意識しだすと、意外に彼の頸も太く、ジュースを飲み干した喉仏も大きく見える。男子高校生って、身体は成人男性と同じだ。パーカーで隠れて見えないが、肩幅だってそれなりにある。

 汚れない無邪気な宇宙少年とは別の、得体の知れない生き物が隠れているような気がした。
 今は正体を隠している謎の生き物も、数年のうちに姿を現すだろう。そうなれば、初対面のおばさんと、無邪気にジュースを交換なんてできなくなる。生き物が正体を現わせば、助手席の女の子を見つめるだけで済ませるはずがない。彼は、ゴツゴツした手を伸ばし、彼女に触れ……。
 何を考えているの! 高校生に対してこのような感情を抱くなんて!

 これまで同じ年代の塾生に対して乱れた気持ちを持ったことはない。可愛い弟のようなものだ。弟はいないも同然だが、もし弟がそばにいればこんな気持ちだろう、と塾の男の子に接してきた。
 いくら三十歳手前で処女だからといって、ずっと彼氏がいないからといって、初対面の高校生に変な妄想をいだくなんて、欲求不満ひどすぎる。

 これ以上長居してはいけない。
 バスに乗りそこねた気の毒な少年を無事に送った。職場の宣伝もした。これ以上することはない。
「アサカワ君、カメノ塾で待ってますね! 真智君の理科以外にも、私の国語とか、他の先生も外国語とかあるので、よろしくね!」
 わざとらしく明るい声を出し、一歩を踏み出そうした。
「待って!」

 甲高い声に引き留められた。
 アサカワ君は、ミルクティーの缶を持つ私の手元を指さした。
「その缶、捨てておきます。邪魔でしょう?」

 送ったお礼にジュースを奢ってくれるし、今の高校生にしては気が利く。いや、私たちより今の子の方がコミュニケーションには敏感かもしれない。遠慮なくスチール缶を渡した。
 彼は、器用に片手に二つの缶を抱えたまま、じっと私を見つめ、微笑んでいる。私は軽く頭を下げその場を去り、車を発進させた。
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