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6 主人公は、あっさりワナにはまる
(38)エキゾチックな魔女キルケ
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パリスとゼノンは、すんなりとスパルタの王宮に到着した
門に向かうところで、パリスは足を止めた。入り口で、二人の門番が女とやり取りしている。
若者の目は、女に吸い寄せられた。女に目が吸い寄せられるのはパリスの日常だったが、よこしまな気持ちから由来する関心ではない。
とにかく彼女は目立っていた。
女の衣は緑と赤と黄色に染められている。大きな貝殻のネックレスがジャラジャラと音を響かせている。
パリスはゼノンの手を引いて「ちょっと待っててね」と断り、門番とやり取りする女に近づき、彼女の横顔を見つめる。
小麦色の肌。線を引いたようにまっすぐな一重まぶた。少女のように美しい肌だが、表情が乏しく年寄りにも見える。
アカイアでもトロイアでも見たことがないタイプの女性で、ますます目が離せない。
門番は慣れた風に応対している。会話の詳細はわからないが、女は何度も王宮に来ているようだ。
パリスは、女が背負っている大きな籠に目をとめた。黒い布で覆われ中身はわからないが、ぎっしり詰まっているようだ。どうやら彼女は、王宮に出入りする商人らしい。
パリスはゼノンの手を離し、女の背後にまわった。
「お姉さん、重そうだね。僕も王宮に入るから、それ貸してよ」
小さな背中から大きな籠を外そうと、手を伸ばす。
「やめて!」
籠に触れた途端、パリスの指はビリビリした振動に襲われた。
「うわっ! あちっ!」
「触らないで! 盗まれないように魔法をかけています」
「へー、魔法使えるんだ。カッコいいなあ」
「カッコいい?」
無表情な眼がピクリと反応する。
「魔法なんて普通、使えないよ。すごい修業したんでしょ?」
女は細い目をさらに細めて俯く。
「メネラオス様に届ける大切な品物を守るためです」
「本当にカッコいいなあ。王様のために魔法を使うんだ」
女の小麦色の頬が赤みを帯びてきた。
パリスは極上の微笑を女に向ける。衣装も顔つきも珍しく年もわからないが、俯いて頬を染める様子が可愛らしい。
いい雰囲気になったところで、当然邪魔が入る。
「ちょっとパリス様、王宮に用があるなら、さっさと入ってくださいよ」
門番が手招きした。二か月前スパルタ王宮にやってきた美青年を、門番はしっかり覚えていた。
「キルケさんも、ほら入って」
パリスは女の名を耳にした途端、硬直した。
キルケ――それは、アカイア中に知られている魔女の名だった。
パリスは、ヒポクラテスの弟子になって間もなく、患者たちから恐ろしい魔女の噂を聞いた。
魔女キルケは、南の島に立派な館を建てて暮らしている。彼女は若い男を館に連れ込み楽しむが、飽きると豚に変身させ、家畜小屋に閉じ込めるらしい。
男を豚に変身させる魔女が、目の前にいる。パリスはゼノンの小さな肩に手を伸ばし、ギュッと掴む。
「痛いよお」
子供の訴えでパリスは「ごめんごめん」と我に返った。
「あ、あなたがあの有名なキルケさんかあ」
目一杯笑顔を見せるが、頬が不自然に引きつる。キルケはパリスに嘆息を返すのみ。
門番は魔女が怖くないのか、「早くしてくださいよ」と、ぶっきらぼうに催促した。
侍女がパリスたちを出迎え、広間に案内した。他の侍女たちが三脚の椅子を一列に並べる。パリスとキルケは、ゼノンを挟んで座った。目の前に大きなテーブルが置いてある。
案内した侍女が、重要なことを伝えた。
「メネラオス様はアウリスの競技会へ発たれました。しばらく留守にされます」
パリスはがっくり肩を落とす。キルケはわずかに眉を寄せ「では王に会うため、アウリスに行きます」と答えた。
侍女が言うには、メネラオスの兄アガメムノンが、アウリスにアカイア中の戦士を集め競技会を開くとのこと。
「参加者のなかには、あのアキレウスもいるんですよ」
「いくー!」
幼い声が広間に響く。王宮で初めて発せられた子供の声。ゼノンは目を輝かせ、若者に「早く早く」とせがむ。
ヘルミオネとミノタウロスとの結婚を阻止するため、メネラオスに会わなければならない。どのみち、アウリスに行く必要がある。アウリスから船に乗れば、トロイアに帰れる。
「みなさま、今日はこちらにお泊り下さい。お食事を用意します」
「ありがとう! ゼノン君、やったね。おいしい物が食べられるよ」
おいしい食べ物を予告されたが、ゼノンの反応は乏しい。が、パリスへの催促は収まり、大人しく脚をぶらぶらさせた。
侍女は「ではお待ちください」と退室し、大人の男女と子供が残された。
男を豚に変身させる魔女を前にして、パリスは落ち着かない。どうしたものかと広間の天井や壁の装飾に目を向ける。
「私が怖いのですか?」
唐突に魔女に話しかけられ、パリスは露骨にうろたえた。
「話は聞いてるけど、人間を豚に変身させるなんて、すごい魔法だね」
笑ってみせるが、唇がぶるぶる震える。魔女に遊ばれ捨てられるまではむしろ大歓迎だが、豚にはなりたくない。
キルケは大きくため息をついた。
「パリス。あなたは、若い女に嘘をついてトロイアに連れて行くんですね」
「あー、それ! 違うって! あ……」
若者は女と視線を交わす。
パリス自身も見に覚えのない噂を立てられて困っているくせに、魔女の悪評を鵜呑みにした。自分の浅はかさが恥ずかしくなってきた。
「ごめんなさい。あなたみたいな素敵な女性が、男の人を弄んで豚に変えるはずないよね」
「それは、本当のことです」
「げっ!」
思いっきりパリスはのけ反った。
「あ、えーと……男と遊んで捨てるのはわかるけど……なんで豚に変身させるの?」
もしかして食料にするためだろうか? パリスはうっかり尋ねそうになるが、言葉を飲み込んだ。
「男が豚に変えろと望みました」
「へ?」
キルケはパリスの驚きに応えず、隣で脚をぶらぶらさせるゼノンを優しく見つめた。おずおずと手を伸ばし、子供の栗色の巻き毛に指を滑らせる。
「この子から、不思議な力を感じます」
顔つきも衣装も普通の女とは違う。表情に乏しく少女にも老婆にも見える。が、その乏しい表情の中から溢れる子供への優しさは、愛の女神アフロディテを思い起こさせた。
目の前の女性と噂で聞く恐ろしい魔女とは、イメージが重ならない。
「キルケさん、あなたは、理由もなく男を豚に変身させる人じゃないよね」
魔女は子供の背中をポンポンと軽く叩き、パリスに笑いかけた。
「年取った女の話を聞きますか?」
パリスは「聞きたい! 僕はあなたのことをもっと知りたいよ」と力強く頷いた。
門に向かうところで、パリスは足を止めた。入り口で、二人の門番が女とやり取りしている。
若者の目は、女に吸い寄せられた。女に目が吸い寄せられるのはパリスの日常だったが、よこしまな気持ちから由来する関心ではない。
とにかく彼女は目立っていた。
女の衣は緑と赤と黄色に染められている。大きな貝殻のネックレスがジャラジャラと音を響かせている。
パリスはゼノンの手を引いて「ちょっと待っててね」と断り、門番とやり取りする女に近づき、彼女の横顔を見つめる。
小麦色の肌。線を引いたようにまっすぐな一重まぶた。少女のように美しい肌だが、表情が乏しく年寄りにも見える。
アカイアでもトロイアでも見たことがないタイプの女性で、ますます目が離せない。
門番は慣れた風に応対している。会話の詳細はわからないが、女は何度も王宮に来ているようだ。
パリスは、女が背負っている大きな籠に目をとめた。黒い布で覆われ中身はわからないが、ぎっしり詰まっているようだ。どうやら彼女は、王宮に出入りする商人らしい。
パリスはゼノンの手を離し、女の背後にまわった。
「お姉さん、重そうだね。僕も王宮に入るから、それ貸してよ」
小さな背中から大きな籠を外そうと、手を伸ばす。
「やめて!」
籠に触れた途端、パリスの指はビリビリした振動に襲われた。
「うわっ! あちっ!」
「触らないで! 盗まれないように魔法をかけています」
「へー、魔法使えるんだ。カッコいいなあ」
「カッコいい?」
無表情な眼がピクリと反応する。
「魔法なんて普通、使えないよ。すごい修業したんでしょ?」
女は細い目をさらに細めて俯く。
「メネラオス様に届ける大切な品物を守るためです」
「本当にカッコいいなあ。王様のために魔法を使うんだ」
女の小麦色の頬が赤みを帯びてきた。
パリスは極上の微笑を女に向ける。衣装も顔つきも珍しく年もわからないが、俯いて頬を染める様子が可愛らしい。
いい雰囲気になったところで、当然邪魔が入る。
「ちょっとパリス様、王宮に用があるなら、さっさと入ってくださいよ」
門番が手招きした。二か月前スパルタ王宮にやってきた美青年を、門番はしっかり覚えていた。
「キルケさんも、ほら入って」
パリスは女の名を耳にした途端、硬直した。
キルケ――それは、アカイア中に知られている魔女の名だった。
パリスは、ヒポクラテスの弟子になって間もなく、患者たちから恐ろしい魔女の噂を聞いた。
魔女キルケは、南の島に立派な館を建てて暮らしている。彼女は若い男を館に連れ込み楽しむが、飽きると豚に変身させ、家畜小屋に閉じ込めるらしい。
男を豚に変身させる魔女が、目の前にいる。パリスはゼノンの小さな肩に手を伸ばし、ギュッと掴む。
「痛いよお」
子供の訴えでパリスは「ごめんごめん」と我に返った。
「あ、あなたがあの有名なキルケさんかあ」
目一杯笑顔を見せるが、頬が不自然に引きつる。キルケはパリスに嘆息を返すのみ。
門番は魔女が怖くないのか、「早くしてくださいよ」と、ぶっきらぼうに催促した。
侍女がパリスたちを出迎え、広間に案内した。他の侍女たちが三脚の椅子を一列に並べる。パリスとキルケは、ゼノンを挟んで座った。目の前に大きなテーブルが置いてある。
案内した侍女が、重要なことを伝えた。
「メネラオス様はアウリスの競技会へ発たれました。しばらく留守にされます」
パリスはがっくり肩を落とす。キルケはわずかに眉を寄せ「では王に会うため、アウリスに行きます」と答えた。
侍女が言うには、メネラオスの兄アガメムノンが、アウリスにアカイア中の戦士を集め競技会を開くとのこと。
「参加者のなかには、あのアキレウスもいるんですよ」
「いくー!」
幼い声が広間に響く。王宮で初めて発せられた子供の声。ゼノンは目を輝かせ、若者に「早く早く」とせがむ。
ヘルミオネとミノタウロスとの結婚を阻止するため、メネラオスに会わなければならない。どのみち、アウリスに行く必要がある。アウリスから船に乗れば、トロイアに帰れる。
「みなさま、今日はこちらにお泊り下さい。お食事を用意します」
「ありがとう! ゼノン君、やったね。おいしい物が食べられるよ」
おいしい食べ物を予告されたが、ゼノンの反応は乏しい。が、パリスへの催促は収まり、大人しく脚をぶらぶらさせた。
侍女は「ではお待ちください」と退室し、大人の男女と子供が残された。
男を豚に変身させる魔女を前にして、パリスは落ち着かない。どうしたものかと広間の天井や壁の装飾に目を向ける。
「私が怖いのですか?」
唐突に魔女に話しかけられ、パリスは露骨にうろたえた。
「話は聞いてるけど、人間を豚に変身させるなんて、すごい魔法だね」
笑ってみせるが、唇がぶるぶる震える。魔女に遊ばれ捨てられるまではむしろ大歓迎だが、豚にはなりたくない。
キルケは大きくため息をついた。
「パリス。あなたは、若い女に嘘をついてトロイアに連れて行くんですね」
「あー、それ! 違うって! あ……」
若者は女と視線を交わす。
パリス自身も見に覚えのない噂を立てられて困っているくせに、魔女の悪評を鵜呑みにした。自分の浅はかさが恥ずかしくなってきた。
「ごめんなさい。あなたみたいな素敵な女性が、男の人を弄んで豚に変えるはずないよね」
「それは、本当のことです」
「げっ!」
思いっきりパリスはのけ反った。
「あ、えーと……男と遊んで捨てるのはわかるけど……なんで豚に変身させるの?」
もしかして食料にするためだろうか? パリスはうっかり尋ねそうになるが、言葉を飲み込んだ。
「男が豚に変えろと望みました」
「へ?」
キルケはパリスの驚きに応えず、隣で脚をぶらぶらさせるゼノンを優しく見つめた。おずおずと手を伸ばし、子供の栗色の巻き毛に指を滑らせる。
「この子から、不思議な力を感じます」
顔つきも衣装も普通の女とは違う。表情に乏しく少女にも老婆にも見える。が、その乏しい表情の中から溢れる子供への優しさは、愛の女神アフロディテを思い起こさせた。
目の前の女性と噂で聞く恐ろしい魔女とは、イメージが重ならない。
「キルケさん、あなたは、理由もなく男を豚に変身させる人じゃないよね」
魔女は子供の背中をポンポンと軽く叩き、パリスに笑いかけた。
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