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6 主人公は、あっさりワナにはまる
(15)朝焼けに輝く海
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ヘクトルは、いつものように朝の光を浴びて伸びをした。
太陽が水平線から顔を覗かせ、海を眩いばかりのオレンジ色に染める。
――太陽が水平線?
おかしい。トロイアでは海は西側に見える。彼はよく、館のテラスから夕陽を眺めていた。海に隠されたアカイアの地に顔を向けて。
朝日が昇る海。ここはトロイアではなく、アカイアということか? また旅に出たのか?
いや、旅はやめたのだ。父王はめっきり年老いた。アカイア勢に備えるため、城壁を厚くし、兵士を鍛え、武器と防具を増やす。青銅の武具を作るためには、貴重な錫の調達が欠かせない……。
ヘクトルは朝日に照らされた大地を見渡す。草原は途切れ、遥か下に海が覗ける。ここは崖の上らしい。
――町が見当たらない!
海の反対側に、オリーブの林と小さな集落が見える。日干しレンガを積み上げた小さな小屋が、五軒建っている。
集落から現れた人影が、こちらに走ってくる。若い娘だ。なぜかヘクトルの胸が高鳴ってきた。
「ふふ、ヘクトル。ここにいたんだ」
背の高い村娘が笑っている。彼がよく知っている女だが、幾分若い。
「アンドロマケか」
顔は間違いない。が、肌は薄汚れ、生成りの粗末な衣をかぶっている。裾は短く、くるぶしが見えている。
彼の知る妻は、髪を金の髪飾りで纏めて、赤い花を刺繍した衣を着けていた。
「ヘクトル、ここ好きだよね」
よく耳にする声だが、彼の知る女はこのような口の聞き方はしない。が、ヘクトルの胸はますます熱くなる。
「朝の海を見てると、力が湧くんだ」
「それってトロイアがあったから?」
――トロイアが、『あった』?
「ヘクトルは、トロイアの王子様だもんね」
「王子なんて、関係ねーだろ? トロイアなんて、とっくの昔に消えちまったんだ」
――トロイアが消えた!? 自分は何を言っている?
「でも、ヘクトルの本当のお父さんとお母さん、アカイアに殺されて、お城も燃やされたって。ひどいよ」
「泣くなよ、そんなくだらねえことで」
涙を流す女に、男はキスをした。妻を慰めるために、いつもしていることだ。
「ちょっと! どしたの!」
が、彼女の反応はいつもと違った。娘は腕を突っぱねて逃げようとする。ヘクトルは慌てて、女の腕を引っ張り、つなぎとめる。
「どーしたもこーしたもないだろ。お前、俺の女じゃないか」
アンドロマケは、目を見開き硬直した。
「あ、あたしが? うそ! 夢? ヘクトルのお、おんな? そ、それって……」
「お前が俺の嫁になるのは、昔から決まってたじゃないか」
二人の結婚は、互いの父親が決めたことだ。
「だ、だってヘクトルそんな感じじゃなかったし、父さんも母さんも、身分が違うんだから諦めろって言ってたし」
「身分? んなの知らねーよ。俺、トロイアの城のこと、なんも覚えてねーし」
「う、嬉しい。でも、ヘクトル、あたしじゃなくて、もっときれいなお姫様と一緒になれたのに」
「しつこいぞ。気取った姫様なんて、めんどくせーだけだ。それに」
ヘクトルは泣きじゃくるアンドロマケの頬を撫でる。
「お前よりいい女なんか、トロイアにもアカイアにもいねーよ」
「や! は、恥ずかしいよ!」
男は、顔を赤らめる娘を引き寄せ、もう一度キスをした。
「俺、お前さえいれば、あとはどうでもいいんだ」
この腕の中の温かさ以上に大切なものがあるはずがない。トロイア? 滅んだ国なんか今さら関係ない。関係ない……。
「そんなこと、あってはならない!」
叫びと共にヘクトルは目覚める。寝台から跳ね起きて、テラスに飛び出した。
太陽が東の山々を照らす。西の海は霞んでいる。
毎朝目にする景色。間違いない。ここはトロイアの王宮。旅から戻って一か月経った。
夢を見ていた。海が見えるアカイアの大地にいた。トロイアは滅亡していた。そんな夢自体許せないのに、もっと許せないのは、それを飄々と受け入れていた自分。
「ええい!」
拳をテラスのヘリに叩きつける。と、サンダルの音が近づいてきた。
「お目覚めでしたのね」
背の高い女に覗き込まれた。
ヘクトルのよく知る妻だ。オレンジ色に染めた衣の裾は床を引きずっている。王家の妃に相応しい装いだ。
妻の顔を見つめた。滑らかな頬、整った鼻筋、引き締まった唇。
夢の少女と同じ顔だが、なにもかも違う。山の麓、聖なる都テーベの王女。いずれトロイアの王妃となる高貴な女。
気取った姫なんてめんどくさい? 夢の自分は何を言った?
「どうなさったのです? 不吉な夢を見たのですか?」
「夢? そう、あれは夢だ」
「では、夢占い師を呼びましょう」
背中を向けたアンドロマケの手首を取った。
「やめろ! 俺は、夢占い師は好きではない」
ヘクトルは、これまで夢占いを疑ったことはなかった。
が、生まれたばかりの弟アレクサンドロスが夢占い師のお告げで捨てられたと知り、彼らに疑念を抱くようになった。
パリスが王宮から脱走した時、だれも彼を止められなかった。それほどまでの身体能力。アレクサンドロスがそのまま王宮で育てば、ヘクトルを超える戦士となったかもしれない。
「あなた、夢は神様のお告げなのに……」
アンドロマケは、怪訝な表情でヘクトルを窺う。
「いい夢だったよ。お前がいたからな」
男は女を抱き寄せた。女は、男の腕の中で身を固くする。
「そ、その……夢の私は、おかしなことをしていませんでした?」
「かわいかったな」
夢の娘はヘクトルを一途に慕ってくれた。目覚めた今も、高貴とは無縁な娘を愛おしむ気持ちが残っている。
「朝から、恥ずかしいことを言わないでください」
テラスで抱き合う夫婦の耳に、奥の間から「はは~、ちち~」と幼子の呼び声が聞こえてきた。
乳母に手を引かれたアステュアナクスが、片方の拳を握りしめ、頬を膨らませている。
ヘクトルは妻の体を離した。
「おそい~、おなかすいたの~」
「お父様と一緒に朝食をいただきましょう」
子供は小さな右手で母の手を、左手で父の手を引く。館を出ると、南の向こうに山々が見えた。
「お前の母は、あの山の向こうから嫁いできたのだぞ」
「いつか連れてってあげましょう。今日は、遥か遠くのイデ山が見えるわ。イデ山にはね、アポロン様がいらっしゃるのよ」
「かみさま? あいたいなあ」
「私も会いたいわ。そうそう、カッサンドラ様、坊やの叔母様はね、アポロン様とお話ができるんですって」
親子三人は立ち止まり、神が住むと伝わる山に目を凝らす。が、ヘクトルは異変に気がついた。
「ん? なんだ、あの雲は」
突然、遥か南のイデ山に群雲が現れ、瞬く間に広がった。青空が一瞬にして、黒雲に覆われる。
ゴロゴロと雷が鳴り出した。
「朝から荒れそうだな。俺は、南の様子を見てくる」
ヘクトルは、幼い息子の頭を撫でて、駆け出した。
アンドロマケは、夫の背中に呼びかける。
「気を付けて行ってらっしゃいませ。私は、カッサンドラ様にお願いして、神のお告げなのか伺ってみます」
絶え間のない雷鳴が響き渡る。太陽は群雲に覆い隠され、トロイアの朝は不吉色に染められた。
太陽が水平線から顔を覗かせ、海を眩いばかりのオレンジ色に染める。
――太陽が水平線?
おかしい。トロイアでは海は西側に見える。彼はよく、館のテラスから夕陽を眺めていた。海に隠されたアカイアの地に顔を向けて。
朝日が昇る海。ここはトロイアではなく、アカイアということか? また旅に出たのか?
いや、旅はやめたのだ。父王はめっきり年老いた。アカイア勢に備えるため、城壁を厚くし、兵士を鍛え、武器と防具を増やす。青銅の武具を作るためには、貴重な錫の調達が欠かせない……。
ヘクトルは朝日に照らされた大地を見渡す。草原は途切れ、遥か下に海が覗ける。ここは崖の上らしい。
――町が見当たらない!
海の反対側に、オリーブの林と小さな集落が見える。日干しレンガを積み上げた小さな小屋が、五軒建っている。
集落から現れた人影が、こちらに走ってくる。若い娘だ。なぜかヘクトルの胸が高鳴ってきた。
「ふふ、ヘクトル。ここにいたんだ」
背の高い村娘が笑っている。彼がよく知っている女だが、幾分若い。
「アンドロマケか」
顔は間違いない。が、肌は薄汚れ、生成りの粗末な衣をかぶっている。裾は短く、くるぶしが見えている。
彼の知る妻は、髪を金の髪飾りで纏めて、赤い花を刺繍した衣を着けていた。
「ヘクトル、ここ好きだよね」
よく耳にする声だが、彼の知る女はこのような口の聞き方はしない。が、ヘクトルの胸はますます熱くなる。
「朝の海を見てると、力が湧くんだ」
「それってトロイアがあったから?」
――トロイアが、『あった』?
「ヘクトルは、トロイアの王子様だもんね」
「王子なんて、関係ねーだろ? トロイアなんて、とっくの昔に消えちまったんだ」
――トロイアが消えた!? 自分は何を言っている?
「でも、ヘクトルの本当のお父さんとお母さん、アカイアに殺されて、お城も燃やされたって。ひどいよ」
「泣くなよ、そんなくだらねえことで」
涙を流す女に、男はキスをした。妻を慰めるために、いつもしていることだ。
「ちょっと! どしたの!」
が、彼女の反応はいつもと違った。娘は腕を突っぱねて逃げようとする。ヘクトルは慌てて、女の腕を引っ張り、つなぎとめる。
「どーしたもこーしたもないだろ。お前、俺の女じゃないか」
アンドロマケは、目を見開き硬直した。
「あ、あたしが? うそ! 夢? ヘクトルのお、おんな? そ、それって……」
「お前が俺の嫁になるのは、昔から決まってたじゃないか」
二人の結婚は、互いの父親が決めたことだ。
「だ、だってヘクトルそんな感じじゃなかったし、父さんも母さんも、身分が違うんだから諦めろって言ってたし」
「身分? んなの知らねーよ。俺、トロイアの城のこと、なんも覚えてねーし」
「う、嬉しい。でも、ヘクトル、あたしじゃなくて、もっときれいなお姫様と一緒になれたのに」
「しつこいぞ。気取った姫様なんて、めんどくせーだけだ。それに」
ヘクトルは泣きじゃくるアンドロマケの頬を撫でる。
「お前よりいい女なんか、トロイアにもアカイアにもいねーよ」
「や! は、恥ずかしいよ!」
男は、顔を赤らめる娘を引き寄せ、もう一度キスをした。
「俺、お前さえいれば、あとはどうでもいいんだ」
この腕の中の温かさ以上に大切なものがあるはずがない。トロイア? 滅んだ国なんか今さら関係ない。関係ない……。
「そんなこと、あってはならない!」
叫びと共にヘクトルは目覚める。寝台から跳ね起きて、テラスに飛び出した。
太陽が東の山々を照らす。西の海は霞んでいる。
毎朝目にする景色。間違いない。ここはトロイアの王宮。旅から戻って一か月経った。
夢を見ていた。海が見えるアカイアの大地にいた。トロイアは滅亡していた。そんな夢自体許せないのに、もっと許せないのは、それを飄々と受け入れていた自分。
「ええい!」
拳をテラスのヘリに叩きつける。と、サンダルの音が近づいてきた。
「お目覚めでしたのね」
背の高い女に覗き込まれた。
ヘクトルのよく知る妻だ。オレンジ色に染めた衣の裾は床を引きずっている。王家の妃に相応しい装いだ。
妻の顔を見つめた。滑らかな頬、整った鼻筋、引き締まった唇。
夢の少女と同じ顔だが、なにもかも違う。山の麓、聖なる都テーベの王女。いずれトロイアの王妃となる高貴な女。
気取った姫なんてめんどくさい? 夢の自分は何を言った?
「どうなさったのです? 不吉な夢を見たのですか?」
「夢? そう、あれは夢だ」
「では、夢占い師を呼びましょう」
背中を向けたアンドロマケの手首を取った。
「やめろ! 俺は、夢占い師は好きではない」
ヘクトルは、これまで夢占いを疑ったことはなかった。
が、生まれたばかりの弟アレクサンドロスが夢占い師のお告げで捨てられたと知り、彼らに疑念を抱くようになった。
パリスが王宮から脱走した時、だれも彼を止められなかった。それほどまでの身体能力。アレクサンドロスがそのまま王宮で育てば、ヘクトルを超える戦士となったかもしれない。
「あなた、夢は神様のお告げなのに……」
アンドロマケは、怪訝な表情でヘクトルを窺う。
「いい夢だったよ。お前がいたからな」
男は女を抱き寄せた。女は、男の腕の中で身を固くする。
「そ、その……夢の私は、おかしなことをしていませんでした?」
「かわいかったな」
夢の娘はヘクトルを一途に慕ってくれた。目覚めた今も、高貴とは無縁な娘を愛おしむ気持ちが残っている。
「朝から、恥ずかしいことを言わないでください」
テラスで抱き合う夫婦の耳に、奥の間から「はは~、ちち~」と幼子の呼び声が聞こえてきた。
乳母に手を引かれたアステュアナクスが、片方の拳を握りしめ、頬を膨らませている。
ヘクトルは妻の体を離した。
「おそい~、おなかすいたの~」
「お父様と一緒に朝食をいただきましょう」
子供は小さな右手で母の手を、左手で父の手を引く。館を出ると、南の向こうに山々が見えた。
「お前の母は、あの山の向こうから嫁いできたのだぞ」
「いつか連れてってあげましょう。今日は、遥か遠くのイデ山が見えるわ。イデ山にはね、アポロン様がいらっしゃるのよ」
「かみさま? あいたいなあ」
「私も会いたいわ。そうそう、カッサンドラ様、坊やの叔母様はね、アポロン様とお話ができるんですって」
親子三人は立ち止まり、神が住むと伝わる山に目を凝らす。が、ヘクトルは異変に気がついた。
「ん? なんだ、あの雲は」
突然、遥か南のイデ山に群雲が現れ、瞬く間に広がった。青空が一瞬にして、黒雲に覆われる。
ゴロゴロと雷が鳴り出した。
「朝から荒れそうだな。俺は、南の様子を見てくる」
ヘクトルは、幼い息子の頭を撫でて、駆け出した。
アンドロマケは、夫の背中に呼びかける。
「気を付けて行ってらっしゃいませ。私は、カッサンドラ様にお願いして、神のお告げなのか伺ってみます」
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