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6 主人公は、あっさりワナにはまる
(3)数学者の息子の後悔
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話を戻そう。
パリスが飛び出して数日経ち、トロイア王宮は以前のように落ち着いてきた。
「賢者さん、元気出してくださいよ~」
トリファントスが滞在している客室で、眠そうな目をした王族アイネイアスが監視対象を慰めている。
「パリスさんもヘクトルさんも、旅の間はふざけて『兄さん』『弟よ』なんて呼び合ってたのに、こっち着いてから変わったんだよ。俺が変なことを言わなければよかった」
数学者の息子は、自分の頭をポカポカと叩き出した。
アイネイアスは監視を命じられただけあり、トリファントスが未来人であり、トロイアの滅亡を予言したことを知っている。
「あれは、ヘクトル兄さんが悪いと思います。パリスはトロイア王族らしい顔をしているから、王子なのは納得感ですよ。でも、いきなり兄さんの跡継ぎと言われてもねえ」
「それも俺が悪いんす。トロイアが滅亡するなんて言っちゃったから」
「滅亡は嫌だけど、僕はパリスが跡継ぎっていい線かもって、見直したんです」
トリファントスの顔がパアッと明るくなる。
「パリス、やる気ないから訓練サボってたけど、本気出したら、追っ手を振りきって城から逃げ出しましたよねえ。すごい身体能力ですよ」
王族アイネイアスは、パリスの隠れた能力を評価した。
「パリスさんはやっぱトロイアの英雄なんだな。それに比べて俺はダメだ。半端もんは別世界に行っても半端もんだ」
トリファントスは寝台に横になった。彼のいた世界、ローマ帝国では、貴族の男性は、横に寝そべって歓談する習慣があった。
「そんなことないですよ。お陰で王宮の食事、メッチャ旨くなりました。香草をたくさんいれて羊肉を長く煮こんだスープ、トリファントスさんのリクエストでしょ?」
「そうか。アンドロマケさんが何度も食事の味はどうか聞いてきたのは、そういうことか」
異世界に来て当初、トリファントスは、古代飯の不味さに閉口した。このところ慣れてきたのは自分の適応力と思っていたが、それだけではなかったらしい。あの背の高い貴婦人が、気を遣ってくれたのだ。
そんな風にみんな気を遣わってくれるのに、自分は何もできない。トロイアで飯を食べているだけでいいのか? できるのは、中途半端な算術だけ。
数学者の息子はムクっと起き上がった。
「パリスさんは、今ごろ自由にしてるんだろうな」
「自由かあ。僕もパリスやヘクトル兄さんみたいに旅したいなあ。アカイアがどんなところか、見てみたいですねえ」
アイネイアスは首を上げて、部屋の入り口に顔を向けた。
「大丈夫ですって。あんたはヘクトルさんより、もっとすごい旅をするんですから」
「トリファントスさん。ようやく僕の未来を教えてくれましたね」
未来人はあわてて口を抑えた。
「し、しまったああ! 俺は、二度と余計なことを言うもんかと決めたのに」
「どうせトロイアが滅亡するなら、思い残すことなく遊び倒したいなあ」
「ダメですよ、アイネイアスさん。自分を大切にしないと。長生きするかもしれないし」
未来人は手を振り回す。
「僕は長生きするんですねえ。それは安心だ。でもトロイアが滅亡した後、生き延びるのは、嫌ですねえ」
「あああ、いやそーだけど、わわわ、違う! もう俺は……くそ!」
トリファントスは、頭を掻きむしる。なぜ彼は悩んでいるのか?
ここで一般的に知られているトロイア伝説について述べる。
アイネイアスは、パリスやヘクトルと比べると(少なくとも日本では)マイナーな英雄だ。造物主も、トロイア伝説を調べるまで知らなかった。(マジな話をすると、造物主が彼を知ったのは、阿刀田高の『新トロイア物語』だ)
彼は、プリアモス王の子供ではない。パリスやヘクトルとは曽祖父でつながるので、また従弟に当たる。
マイナーな英雄だが、彼はトロイア滅亡後も生き延び、(造物主はよくわかってない)いろいろなことがあってイタリア半島に上陸し、さらに(やっぱり造物主にはよくわからないが)いろいろあって、新天地の王となる。
アイネイアスの子孫に、ロムルスとレムルという双子がいる。この双子は狼に育てられ、やがてローマを建国する。狼の乳を吸う双子の像は、よく知られているだろう。あの像を造物主は見たことないが、日本にもあるらしい。
つまり、アイネイアスはローマ建国の祖なので、ローマ帝国市民トリファントスにとって、ある意味パリスやヘクトルよりずーっと重要な人物なのだ。
「俺がうっかり『滅亡』なんて言うから……待てよ? 本当にトロイアは滅亡したのか?」
古代ローマ帝国では、ゲルマン人の奴隷ですら知っているトロイアの伝説。劇によって些細な違いはあるが、トロイアが滅亡する。それは変わらない……いや?
トリファントスの頭に、思い出したくもない父との会話が浮かんできた。
――アレキサンドリア図書館で、すごい書を見つけたぞ。
――へえへえ、ピタゴラスですかい? それともアルキメデス?
――もっと新しいぞ。たかだか二百年前じゃ。ディオン・クリュソストモスという哲学者が『トロイア陥落せず』という論文を書いたんじゃ。
――へっ? トロイアって、ギリシャが攻め込んで滅亡したんすよね?
――それがこの書によると、パリスとヘレネは、ヘレネの父に認められちゃんと結婚したのじゃ。それを他のギリシャの王が妬み、トロイアに攻め込んだんじゃと。
――それ……トンデモ本じゃねえ?
――その後も面白いぞ。なんとヘクトルがアキレウスを倒し、ギリシャ軍は負けトロイアは益々栄えたそうな。いや~、なかなか見事な弁論じゃ。
――数学と関係ねえインチキ書物にひっかかってんじゃねえよ……
ディオン・クリュソストモスという哲学者が書いた『トロイア陥落せず』。トリファントスは、インチキ書物に騙される数学オタクの父に呆れ、それきり忘れてしまった。
「俺、ヘクトルさんとこ行ってくる!」
トリファントスは飛び出した。慌ててアイネイアスが後を追い「ヘクトル兄さんなら、宮の裏庭にいるんじゃないかな」と声を掛ける。
裏庭に駆け付けると、「ぐはっ!」「うおっ!」と野太い叫び声が聞こえてくる。
衣を脱いだ大きな男が長槍を次から次へと投げている。
「賢者殿にアイネイアスか。久しぶりに槍投げ競争をするか?」
汗だくになったヘクトルが、二人の男に笑顔を向けた。
「いいですねえ。でもその前に」
アイネイアスは、トリファントスを促した。
「ヘクトル兄さんに言いたいことあるんでしょ?」
「賢者殿、最近、元気がないから心配していたぞ」
「すんません。ヘクトルさん。思い出したんです。俺たちの時代には、もう一つ伝説があったんです」
トリファントスは、ヘクトルがアキレウスを倒した伝説を語る。
「ヘクトルさんのお陰でアカイア軍は敗走し、トロイアはいつまでも栄えたって話が伝わってるんです」
当のヘクトルとアイネイアスは目を見開き、自然口元が緩んできた。
「それにパリスさん、ヘレネを誘拐したんじゃなくて、向こうのお父さんが認めて結婚したんですよ」
未来人の言葉を耳にした途端、ヘクトルはがっくりと肩を落とした。
「そうか……残念だがヘレネは十五年前にメネラオスと結婚した。今はスパルタの王妃だ」
途端、トリファントスは、口を覆った。やっぱりあの書は、親父が騙されたトンデモ本に過ぎなかった! また余計なことを口走ってしまった。
「あ、で、でも……ヘクトルさんがアキレウスを倒すかもしれないし……」
ヘクトルは、オロオロする未来人に応えず、槍を手に取った。目いっぱい後ろに引き付けてから、勢いよく全身を前に倒し、槍を高く放り投げる。飛び出した槍は、彼方の木の的に見事突き刺さり、ガツンと大きな音を庭に響かせていた。
トリファントスは、元の世界でスポーツ競技をあまり見たことがない。英雄の力強い技に、ただただ見とれた。
槍を投げ終えた英雄は、笑った。
「俺こそ、賢者殿に頼ってばかりだった。運命は神が定めたもの。が、運命とどう戦うかは、人が決める。では、アイネイアス、運命と戦うための腕を見せてくれ」
「そうだねえ。あ、トリファントスさん、やってみない?」
眠そうな目をした王子から、未来人は槍を渡される。
「うわ! こんな長くて重いの投げられないっす!」
アイネイアスは「見ててね」と、フワッと槍を軽く投げた。本気でないことは、トリファントスにもわかった。
「じゃあ、やってみますかね」
古代世界に転移したからには仕方ないと未来人は諦め、長い槍を投げる。いや、投げたつもりだが、槍は目の前にゴロンと落ちた。
途端、ヘクトルが「ははは、お前、賢者殿に失礼だぞ」とアイネイアスの背中を叩いた。叩かれた男も「この前、アステュアナクス君が投げたのと同じだったね」と笑い転げた。未来の賢者は、古代において、幼い子と同じ体力レベルらしい。
中年男が、自分より若い青年に小ばかにされている。
しかしトリファントスは、伝説の英雄二人に笑われても不快ではなく、こそばゆい気持ちになった。
このトロイア物語は、元の言い伝えをかなり変えている。
ただ、紀元一世紀ごろの哲学者ディオン・クリュソストモスの著作『トロイア陥落せず』は、造物主のでっち上げ書物ではなく、本当に存在する。
優れた哲学者の著作をインチキトンデモ本扱いして、申し訳ない。
こんな昔からif歴史物が存在していたこと、トロイアの滅亡を悲しみ(かなり無理はあるが)弁論の力でトロイア滅亡をなかったことにした人の存在を、いちトロイアファンとして嬉しく思う。
パリスが飛び出して数日経ち、トロイア王宮は以前のように落ち着いてきた。
「賢者さん、元気出してくださいよ~」
トリファントスが滞在している客室で、眠そうな目をした王族アイネイアスが監視対象を慰めている。
「パリスさんもヘクトルさんも、旅の間はふざけて『兄さん』『弟よ』なんて呼び合ってたのに、こっち着いてから変わったんだよ。俺が変なことを言わなければよかった」
数学者の息子は、自分の頭をポカポカと叩き出した。
アイネイアスは監視を命じられただけあり、トリファントスが未来人であり、トロイアの滅亡を予言したことを知っている。
「あれは、ヘクトル兄さんが悪いと思います。パリスはトロイア王族らしい顔をしているから、王子なのは納得感ですよ。でも、いきなり兄さんの跡継ぎと言われてもねえ」
「それも俺が悪いんす。トロイアが滅亡するなんて言っちゃったから」
「滅亡は嫌だけど、僕はパリスが跡継ぎっていい線かもって、見直したんです」
トリファントスの顔がパアッと明るくなる。
「パリス、やる気ないから訓練サボってたけど、本気出したら、追っ手を振りきって城から逃げ出しましたよねえ。すごい身体能力ですよ」
王族アイネイアスは、パリスの隠れた能力を評価した。
「パリスさんはやっぱトロイアの英雄なんだな。それに比べて俺はダメだ。半端もんは別世界に行っても半端もんだ」
トリファントスは寝台に横になった。彼のいた世界、ローマ帝国では、貴族の男性は、横に寝そべって歓談する習慣があった。
「そんなことないですよ。お陰で王宮の食事、メッチャ旨くなりました。香草をたくさんいれて羊肉を長く煮こんだスープ、トリファントスさんのリクエストでしょ?」
「そうか。アンドロマケさんが何度も食事の味はどうか聞いてきたのは、そういうことか」
異世界に来て当初、トリファントスは、古代飯の不味さに閉口した。このところ慣れてきたのは自分の適応力と思っていたが、それだけではなかったらしい。あの背の高い貴婦人が、気を遣ってくれたのだ。
そんな風にみんな気を遣わってくれるのに、自分は何もできない。トロイアで飯を食べているだけでいいのか? できるのは、中途半端な算術だけ。
数学者の息子はムクっと起き上がった。
「パリスさんは、今ごろ自由にしてるんだろうな」
「自由かあ。僕もパリスやヘクトル兄さんみたいに旅したいなあ。アカイアがどんなところか、見てみたいですねえ」
アイネイアスは首を上げて、部屋の入り口に顔を向けた。
「大丈夫ですって。あんたはヘクトルさんより、もっとすごい旅をするんですから」
「トリファントスさん。ようやく僕の未来を教えてくれましたね」
未来人はあわてて口を抑えた。
「し、しまったああ! 俺は、二度と余計なことを言うもんかと決めたのに」
「どうせトロイアが滅亡するなら、思い残すことなく遊び倒したいなあ」
「ダメですよ、アイネイアスさん。自分を大切にしないと。長生きするかもしれないし」
未来人は手を振り回す。
「僕は長生きするんですねえ。それは安心だ。でもトロイアが滅亡した後、生き延びるのは、嫌ですねえ」
「あああ、いやそーだけど、わわわ、違う! もう俺は……くそ!」
トリファントスは、頭を掻きむしる。なぜ彼は悩んでいるのか?
ここで一般的に知られているトロイア伝説について述べる。
アイネイアスは、パリスやヘクトルと比べると(少なくとも日本では)マイナーな英雄だ。造物主も、トロイア伝説を調べるまで知らなかった。(マジな話をすると、造物主が彼を知ったのは、阿刀田高の『新トロイア物語』だ)
彼は、プリアモス王の子供ではない。パリスやヘクトルとは曽祖父でつながるので、また従弟に当たる。
マイナーな英雄だが、彼はトロイア滅亡後も生き延び、(造物主はよくわかってない)いろいろなことがあってイタリア半島に上陸し、さらに(やっぱり造物主にはよくわからないが)いろいろあって、新天地の王となる。
アイネイアスの子孫に、ロムルスとレムルという双子がいる。この双子は狼に育てられ、やがてローマを建国する。狼の乳を吸う双子の像は、よく知られているだろう。あの像を造物主は見たことないが、日本にもあるらしい。
つまり、アイネイアスはローマ建国の祖なので、ローマ帝国市民トリファントスにとって、ある意味パリスやヘクトルよりずーっと重要な人物なのだ。
「俺がうっかり『滅亡』なんて言うから……待てよ? 本当にトロイアは滅亡したのか?」
古代ローマ帝国では、ゲルマン人の奴隷ですら知っているトロイアの伝説。劇によって些細な違いはあるが、トロイアが滅亡する。それは変わらない……いや?
トリファントスの頭に、思い出したくもない父との会話が浮かんできた。
――アレキサンドリア図書館で、すごい書を見つけたぞ。
――へえへえ、ピタゴラスですかい? それともアルキメデス?
――もっと新しいぞ。たかだか二百年前じゃ。ディオン・クリュソストモスという哲学者が『トロイア陥落せず』という論文を書いたんじゃ。
――へっ? トロイアって、ギリシャが攻め込んで滅亡したんすよね?
――それがこの書によると、パリスとヘレネは、ヘレネの父に認められちゃんと結婚したのじゃ。それを他のギリシャの王が妬み、トロイアに攻め込んだんじゃと。
――それ……トンデモ本じゃねえ?
――その後も面白いぞ。なんとヘクトルがアキレウスを倒し、ギリシャ軍は負けトロイアは益々栄えたそうな。いや~、なかなか見事な弁論じゃ。
――数学と関係ねえインチキ書物にひっかかってんじゃねえよ……
ディオン・クリュソストモスという哲学者が書いた『トロイア陥落せず』。トリファントスは、インチキ書物に騙される数学オタクの父に呆れ、それきり忘れてしまった。
「俺、ヘクトルさんとこ行ってくる!」
トリファントスは飛び出した。慌ててアイネイアスが後を追い「ヘクトル兄さんなら、宮の裏庭にいるんじゃないかな」と声を掛ける。
裏庭に駆け付けると、「ぐはっ!」「うおっ!」と野太い叫び声が聞こえてくる。
衣を脱いだ大きな男が長槍を次から次へと投げている。
「賢者殿にアイネイアスか。久しぶりに槍投げ競争をするか?」
汗だくになったヘクトルが、二人の男に笑顔を向けた。
「いいですねえ。でもその前に」
アイネイアスは、トリファントスを促した。
「ヘクトル兄さんに言いたいことあるんでしょ?」
「賢者殿、最近、元気がないから心配していたぞ」
「すんません。ヘクトルさん。思い出したんです。俺たちの時代には、もう一つ伝説があったんです」
トリファントスは、ヘクトルがアキレウスを倒した伝説を語る。
「ヘクトルさんのお陰でアカイア軍は敗走し、トロイアはいつまでも栄えたって話が伝わってるんです」
当のヘクトルとアイネイアスは目を見開き、自然口元が緩んできた。
「それにパリスさん、ヘレネを誘拐したんじゃなくて、向こうのお父さんが認めて結婚したんですよ」
未来人の言葉を耳にした途端、ヘクトルはがっくりと肩を落とした。
「そうか……残念だがヘレネは十五年前にメネラオスと結婚した。今はスパルタの王妃だ」
途端、トリファントスは、口を覆った。やっぱりあの書は、親父が騙されたトンデモ本に過ぎなかった! また余計なことを口走ってしまった。
「あ、で、でも……ヘクトルさんがアキレウスを倒すかもしれないし……」
ヘクトルは、オロオロする未来人に応えず、槍を手に取った。目いっぱい後ろに引き付けてから、勢いよく全身を前に倒し、槍を高く放り投げる。飛び出した槍は、彼方の木の的に見事突き刺さり、ガツンと大きな音を庭に響かせていた。
トリファントスは、元の世界でスポーツ競技をあまり見たことがない。英雄の力強い技に、ただただ見とれた。
槍を投げ終えた英雄は、笑った。
「俺こそ、賢者殿に頼ってばかりだった。運命は神が定めたもの。が、運命とどう戦うかは、人が決める。では、アイネイアス、運命と戦うための腕を見せてくれ」
「そうだねえ。あ、トリファントスさん、やってみない?」
眠そうな目をした王子から、未来人は槍を渡される。
「うわ! こんな長くて重いの投げられないっす!」
アイネイアスは「見ててね」と、フワッと槍を軽く投げた。本気でないことは、トリファントスにもわかった。
「じゃあ、やってみますかね」
古代世界に転移したからには仕方ないと未来人は諦め、長い槍を投げる。いや、投げたつもりだが、槍は目の前にゴロンと落ちた。
途端、ヘクトルが「ははは、お前、賢者殿に失礼だぞ」とアイネイアスの背中を叩いた。叩かれた男も「この前、アステュアナクス君が投げたのと同じだったね」と笑い転げた。未来の賢者は、古代において、幼い子と同じ体力レベルらしい。
中年男が、自分より若い青年に小ばかにされている。
しかしトリファントスは、伝説の英雄二人に笑われても不快ではなく、こそばゆい気持ちになった。
このトロイア物語は、元の言い伝えをかなり変えている。
ただ、紀元一世紀ごろの哲学者ディオン・クリュソストモスの著作『トロイア陥落せず』は、造物主のでっち上げ書物ではなく、本当に存在する。
優れた哲学者の著作をインチキトンデモ本扱いして、申し訳ない。
こんな昔からif歴史物が存在していたこと、トロイアの滅亡を悲しみ(かなり無理はあるが)弁論の力でトロイア滅亡をなかったことにした人の存在を、いちトロイアファンとして嬉しく思う。
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