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5 定番ですが、主人公は王子様
(8)カメオの美女
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「ヘクトルのバカヤロー!」「兄さんなら弟に優しくしろー!」「こっから出せー!!」
暗い倉庫でパリスは訴えた。
自分は旅の仲間を擁護しただけだ。ヘクトルがトロイアに来いと言ったのだ。この仕打ちは到底納得できない。
ポセイドンのようにデンと立つ兵士の向こうに、王宮の石壁が見える。馬に乗った鎧の男。カポンカポンと石畳が鳴っている。
「馬かあ……ナウシカは馬ともよく話していたなあ」
パリスは、旅の仲間を思い出す。
虫を愛し、動物と言葉を交わす勇ましい姫君。故郷の島に着いただろうか? トリファントスの予言によると、島にやってきたオデュッセウスという妻子持ちに恋するとか。
「僕、本当にナウシカをかわいいと思うよ」
でも、婿になる気はない。ナウシカの婿になったら、他の女の子と仲良くできない。
「僕も動物と話せたら……あのお馬さんにお願いして、ここから出してもらえるのかな」
パリスは遠ざかる馬に『助けて』と念じた。が、彼に動物と話すスキルはないため、人を乗せた馬はいなくなった。
「そうだ! 僕は動物とは話せない! でも」
彼は思い出した。動物には効かなくても、人間相手に発動できるスーパースキルがあるじゃないか!
「ねえ、強いお兄さん」
輝くばかりの美青年は、屈強そうな兵士にここぞとばかりの笑顔を見せ、太い二の腕をさすった。
「いくら頼まれても、王子様の許しがない限り、出さねえよ。諦めな」
「わかってる。でも僕、トロイアに憧れてたんだ。ここ、道はきれいで変な匂いしないし、お兄さんみたいな立派な人たちに守られてて、ステキな町だね。ねえ? 僕に王宮を案内してくれない?」
パリスは、兵士の頬を包み込み、囁いた。彼のスキル、スーパーチャームは男女問わず、威力を発揮する。
「だ、だめだだめだだめだ! ヘクトル様に殺される!」
「ヘクトルには僕から言っておくから、ね? お兄さんみたいなカッコいい人と、一緒に歩きたいなあ」
「や、やめんか!」
ここぞとばかりにチャラ男の本領を発動する。よし、コイツはもう少しで落ちるぞ!
そのときだった。
「王宮なら、私が案内してさしあげましょう」
澄み切った声が響いた。スラッとした女が倉の外で微笑んでいる。
「あ、あなたはもしかして!」
パリスは女の顔に見覚えがあった。
「若奥様!」
兵士はパリスを突き飛ばし、頭を下げる。
「いっ! いったいなあ」
尻餅を着いたパリスに、女が手を差し伸べた。
「いけませんわ。ヘクトル様の大切なお客様に」
パリスを立ち上がらせた女は微笑んだ。
「始めまして。アンドロマケと申します。パリス様のことは、ヘクトル様から伺っていますわ」
女は、旅の仲間からしつこいほど見せつけられたカメオの美女と同じ顔をしていた。
「いけえ、いけえ、キマイラ、やっつけろー」
幼子の声が、王宮の広間に響き渡る。
「キマイラとは勇ましいな。おい、髪をひっぱるなよ。もう少ししたら、ちゃんとした馬乗りを教えてやるからな」
背中に子供を乗せた大男が、四つ足でのっしのっしと這いずり回る。子供は「あっちー」「こっちー」と腕を伸ばし、キャッキャとはしゃいでいる。
侍女たちは「どうしましょ?」「でも王子様、楽しそうだし」と、ひそひそ顔を見合わせる。
「アステュアナクス、もういいだろ? 父は旅から帰ったばかりだ。いささか疲れたぞ」
「やだあやだあ、キマイラ、やっつけるー」
馬にさせられた父親が背中の我が子に困っているところへ、サンダルの音がピタピタと近づいてきた。
「アステュアナクス、なにしているの! お父様を困らせてはダメでしょ!」
女は、背中の赤子を奪うように抱きかかえた。
馬役から解放された父親は、ゆっくりと起き上がり、腰をトントンと叩いた。
「アンドロマケ、助かった。アステュアナクスは重くなったな」
女は息子をあやしながら、口を尖らす。
「いい? お父様はね、トロイアを守る大切な仕事をされているの。馬にしていい方ではないのよ」
ヘクトルは笑いながら首を横に振る。
「いや、遊べるうちに遊んでやらんとな。いずれ、お前もこのトロイアを守らなければならない」
男は息子の右尻をさすった。
「アポロン様から盾の力を授かったのだからな。さて、父は母と話がしたい。また遊ぼうな」
ヘクトルは、アステュアナクスの小さな額にキスを贈る。
アンドロマケは心得たとばかり、侍女の一人に息子を託した。幼いながらもアステュアクナスは慣れているのか、侍女の腕の中で大人しくなった。
男は女の肩を抱き寄せ、広間を出て寝室に向かった。
「ヘクトル様、旅から戻ったばかりでお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」
男はサンダルと帯を外し、体を横たえた。女は毛布を男の体にかける。
「客人の様子はどうか?」
「はい。トリファントス様は、大層恐縮されていました。ただ、食事が口に合わないようです。元の世界では、美味しい物を召し上がっていたのでしょう」
ヘクトルは妻に、旅の仲間の事情をすでに説明している。
「未来の世界で今より食事がおいしくなるのは、よいことだ。トリファントス殿の好みを聞いておくがよい」
「ええ、なるべくお気持ちに沿うようにいたしましょう。それと、スエシュドス様なのですが……」
「じいさんが、どうした?」
「身体を洗ってさしあげたくても、頑なに拒まれるのです。せめて汚れた服を替えたいのですが、触るな! とおっしゃるので、どうにもなりません」
「人に身体を見せたくないのか……ひどい傷跡があるのかもしれない」
「ですから、水を張った壺と布、それに着替えを置いて、おひとりにしてさしあげました」
「助かる。戻った早々仕事をさせてすまない。お前も休むか」
ヘクトルはアンドロマケの腕をグイっとひっぱり、寝台に引き寄せた。
「待って! 話は終わっていません。大切な弟君を、粗末に扱ってはなりません」
男の動きがピタリと止まった。
「あいつがどうした?」
「倉に閉じ込めるなんて、兄君として、あんまりではございませんか?」
「……あいつは気がいいから、なにも考えず余計なことをしゃべる。市井の者ならそれでよいが、トロイアの王族としては問題だ」
「今まで民の中で暮らしてきたのですよ。王族としての心得は、これからヘクトル様が、教えてさしあげればいいのではありませんか?」
「そんな暇はないが。で、お前は優しいから、あいつを倉から出してやったんだろ?」
「はい。王宮の客間にお通ししました。私の侍女たちに任せてあります」
「まずいぞ!」
男はムクっと起き上がり、立ち上がった。帯を締めてサンダルをつっかける。
「あなた、侍女たちにはパリス様を丁重にもてなすよう、言い聞かせてあります」
「だからだ! あいつを若い娘と一緒にしたら、なにするかわからん」
「大丈夫ですよ。侍女は四人います。念のため、二人きりにはならないよう、伝えてあります」
「四人だと! ますますあいつが喜ぶだけだ!」
ヘクトルは、サンダルの紐をズルズル引きずったまま、パリスのいる客間へ走っていった。
暗い倉庫でパリスは訴えた。
自分は旅の仲間を擁護しただけだ。ヘクトルがトロイアに来いと言ったのだ。この仕打ちは到底納得できない。
ポセイドンのようにデンと立つ兵士の向こうに、王宮の石壁が見える。馬に乗った鎧の男。カポンカポンと石畳が鳴っている。
「馬かあ……ナウシカは馬ともよく話していたなあ」
パリスは、旅の仲間を思い出す。
虫を愛し、動物と言葉を交わす勇ましい姫君。故郷の島に着いただろうか? トリファントスの予言によると、島にやってきたオデュッセウスという妻子持ちに恋するとか。
「僕、本当にナウシカをかわいいと思うよ」
でも、婿になる気はない。ナウシカの婿になったら、他の女の子と仲良くできない。
「僕も動物と話せたら……あのお馬さんにお願いして、ここから出してもらえるのかな」
パリスは遠ざかる馬に『助けて』と念じた。が、彼に動物と話すスキルはないため、人を乗せた馬はいなくなった。
「そうだ! 僕は動物とは話せない! でも」
彼は思い出した。動物には効かなくても、人間相手に発動できるスーパースキルがあるじゃないか!
「ねえ、強いお兄さん」
輝くばかりの美青年は、屈強そうな兵士にここぞとばかりの笑顔を見せ、太い二の腕をさすった。
「いくら頼まれても、王子様の許しがない限り、出さねえよ。諦めな」
「わかってる。でも僕、トロイアに憧れてたんだ。ここ、道はきれいで変な匂いしないし、お兄さんみたいな立派な人たちに守られてて、ステキな町だね。ねえ? 僕に王宮を案内してくれない?」
パリスは、兵士の頬を包み込み、囁いた。彼のスキル、スーパーチャームは男女問わず、威力を発揮する。
「だ、だめだだめだだめだ! ヘクトル様に殺される!」
「ヘクトルには僕から言っておくから、ね? お兄さんみたいなカッコいい人と、一緒に歩きたいなあ」
「や、やめんか!」
ここぞとばかりにチャラ男の本領を発動する。よし、コイツはもう少しで落ちるぞ!
そのときだった。
「王宮なら、私が案内してさしあげましょう」
澄み切った声が響いた。スラッとした女が倉の外で微笑んでいる。
「あ、あなたはもしかして!」
パリスは女の顔に見覚えがあった。
「若奥様!」
兵士はパリスを突き飛ばし、頭を下げる。
「いっ! いったいなあ」
尻餅を着いたパリスに、女が手を差し伸べた。
「いけませんわ。ヘクトル様の大切なお客様に」
パリスを立ち上がらせた女は微笑んだ。
「始めまして。アンドロマケと申します。パリス様のことは、ヘクトル様から伺っていますわ」
女は、旅の仲間からしつこいほど見せつけられたカメオの美女と同じ顔をしていた。
「いけえ、いけえ、キマイラ、やっつけろー」
幼子の声が、王宮の広間に響き渡る。
「キマイラとは勇ましいな。おい、髪をひっぱるなよ。もう少ししたら、ちゃんとした馬乗りを教えてやるからな」
背中に子供を乗せた大男が、四つ足でのっしのっしと這いずり回る。子供は「あっちー」「こっちー」と腕を伸ばし、キャッキャとはしゃいでいる。
侍女たちは「どうしましょ?」「でも王子様、楽しそうだし」と、ひそひそ顔を見合わせる。
「アステュアナクス、もういいだろ? 父は旅から帰ったばかりだ。いささか疲れたぞ」
「やだあやだあ、キマイラ、やっつけるー」
馬にさせられた父親が背中の我が子に困っているところへ、サンダルの音がピタピタと近づいてきた。
「アステュアナクス、なにしているの! お父様を困らせてはダメでしょ!」
女は、背中の赤子を奪うように抱きかかえた。
馬役から解放された父親は、ゆっくりと起き上がり、腰をトントンと叩いた。
「アンドロマケ、助かった。アステュアナクスは重くなったな」
女は息子をあやしながら、口を尖らす。
「いい? お父様はね、トロイアを守る大切な仕事をされているの。馬にしていい方ではないのよ」
ヘクトルは笑いながら首を横に振る。
「いや、遊べるうちに遊んでやらんとな。いずれ、お前もこのトロイアを守らなければならない」
男は息子の右尻をさすった。
「アポロン様から盾の力を授かったのだからな。さて、父は母と話がしたい。また遊ぼうな」
ヘクトルは、アステュアナクスの小さな額にキスを贈る。
アンドロマケは心得たとばかり、侍女の一人に息子を託した。幼いながらもアステュアクナスは慣れているのか、侍女の腕の中で大人しくなった。
男は女の肩を抱き寄せ、広間を出て寝室に向かった。
「ヘクトル様、旅から戻ったばかりでお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」
男はサンダルと帯を外し、体を横たえた。女は毛布を男の体にかける。
「客人の様子はどうか?」
「はい。トリファントス様は、大層恐縮されていました。ただ、食事が口に合わないようです。元の世界では、美味しい物を召し上がっていたのでしょう」
ヘクトルは妻に、旅の仲間の事情をすでに説明している。
「未来の世界で今より食事がおいしくなるのは、よいことだ。トリファントス殿の好みを聞いておくがよい」
「ええ、なるべくお気持ちに沿うようにいたしましょう。それと、スエシュドス様なのですが……」
「じいさんが、どうした?」
「身体を洗ってさしあげたくても、頑なに拒まれるのです。せめて汚れた服を替えたいのですが、触るな! とおっしゃるので、どうにもなりません」
「人に身体を見せたくないのか……ひどい傷跡があるのかもしれない」
「ですから、水を張った壺と布、それに着替えを置いて、おひとりにしてさしあげました」
「助かる。戻った早々仕事をさせてすまない。お前も休むか」
ヘクトルはアンドロマケの腕をグイっとひっぱり、寝台に引き寄せた。
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「……あいつは気がいいから、なにも考えず余計なことをしゃべる。市井の者ならそれでよいが、トロイアの王族としては問題だ」
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「はい。王宮の客間にお通ししました。私の侍女たちに任せてあります」
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男はムクっと起き上がり、立ち上がった。帯を締めてサンダルをつっかける。
「あなた、侍女たちにはパリス様を丁重にもてなすよう、言い聞かせてあります」
「だからだ! あいつを若い娘と一緒にしたら、なにするかわからん」
「大丈夫ですよ。侍女は四人います。念のため、二人きりにはならないよう、伝えてあります」
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