ギリシャ神話ファンタジーを書いてます ～パリスの大冒険～

４ 古代ギリシャで謎といったらスフィンクス！

（15）その後のスフィンクス

　テーバイのピキオン山に、女の顔と獅子の身体を持った怪物が住んでいる。
　大人たちが止めるのも聞かず、子供らが集まってきた。

「わーい。スフィンクスだあ、またなぞなぞ出してよ」

　子供らが怪物のもとに駆け寄ると、美女は笑顔を向けた。

「そうだねえ。ちょっと難しいが、こんななぞなぞはどうじゃ？」


　ディオファントスは一生のうち
　６分の１を少年として過ごし
　その後、１２分の１はあごひげを生やしていた
　さらに７分の１を経て結婚式を挙げ
　５年後に子どもをもうけた
　しかし息子は、父の一生の半分しか生きずに世を去った
　子を失って４年後にディオファントスも亡くなった


「えー、わかんないー」
「他の謎ないのー？」
「ほら、朝には足４本ってやつ、あれがいいなあ」

　子供たちに囲まれて、スフィンクスは上機嫌だ。

「ほほほ、同じ謎ばかりでは、つまらないだろう？」

　次から次へと謎を出す怪物スフィンクスは、テーバイの子供たちの人気者だ。

「じゃあ、ディオファントスって人は８４歳で死んだんだね」
「アテネの神殿の柱は８本なんだあ」

　いくつもの謎が、テーバイの子供たちから語り継がれていった。


　アテネのアクロポリス神殿の柱の数は、なぜ８本と１７本なのか？

　天才数学者は、ディオファントス一生の歌を、幼いころ奴隷から聴いた。奴隷は自分の親からこの歌を聴いたという。
　では、奴隷の親は誰から聴いたのか？

　これらの謎は、ディオファントス親子のように、パリスたちの世界に紛れ込んだ者が持ち帰って伝えたのかもしれない──


　え？　オチとして無理がある？
　そうかもしれないし、そんな気もしないでもないが、今回の話は、異世界転移ものにありがちなオチで、勘如願いたい。