7 / 44
2章 千年前の女勇者
5 辺境の男女四人物語
しおりを挟む
ゴンドレシア大陸には、代々聖王アトレウスの子孫が王として君臨していた。
しかし聖王の時代から千年経ち、王の権威は失墜。地方領主たちが台頭し、領地をめぐっての争いが始まった。
この動乱は、青年ネクロザールの出現で速やかに終息した。彼は、自らを聖王アトレウスの生まれ変わりと名乗り、相争う領主たちを支配下においた。
大陸は、かつての栄光と平和を取り戻したかにみえた。
が、それはひとときのこと。ネクロザールの統一によって、大陸はさらなる苦難に見舞われる。
彼は、かつての領主たちより重い税や労役を、民に課した。
不作の年でも税を取り立てるため、多くの民が飢え死にする。若者は里を捨てて山に逃げ込む。しかし山に逃げ込んでも、ネクロザールの兵士たちにすぐに連れ戻され、囚人として過酷な労役に処せられた。
心ある領主は民を思い、税の取り立てを見合わせた。が、そのような温情ある領主を、ネクロザールが派遣した役人たちは「法に背いた」と処刑する。処刑のあと、領地はネクロザールの直轄地となった。
さらにネクロザールは、聖妃アタランテを甦らせるためとして、多くの幼子を各地から集め、生け贄に捧げた。
うず高く積み上げられた屍を前に、人々は慟哭する。
しかし彼が聖王アトレウスの生まれ変わりと称する以上、民は従うしかなかった。
ネクロザールの台頭から二十年が経った。
ラテーヌ地方の辺境の村ラサでは小麦や葡萄がよく実ったため、統一王ネクロザールの重税をなんとか凌ぎ、村人は慎ましくも穏やかに暮らしていた。
「こりゃ、足踏みの板が壊れてんな」
ラサの鍛冶屋マルセルは今年で二十才。織り機の前にしゃがみこみ、器用に金槌をトントンと叩いていた。
「よっしゃ、これで新しい板に交換したぞ」
マルセルは立ち上がり、織り機のペダルをリズミカルに踏んだ。
張られた縦糸たちが交互に波を打つ。
「マルセル! すごいわ。あなたってなんでも直せるのね!」
赤毛を編み上げた美しい女が、琥珀色の大きな目を輝かせ、鈴の音のような声を響かせる。
二つ年上の幼馴染みの眩しさをマルセルは直視できず、俯いた。
「シャルロットさん。俺はこれで」
マルセルはボサボサ頭をかき、シャルロットに背を向けた。
「待って!」
シャルロットは、壁棚に置いてある毛糸で編んだ紺色の帽子を手に取った。
「はい、お礼」
機織り娘は、鍛冶屋の若者のボサボサ頭に、ふんわりと毛糸の帽子を被せた。
「あら男前ね! マルセルによく似合ってる」
若者は気恥ずかしさに耐えきれず織り機に顔を向けた。
「シャルロットさん、ずいぶん立派な織物だな」
布地にはワシのような図柄がうかんでいる。
「ええ、織るのが難しくて……」
村評判の美女は、頬を染めて俯く。
「あ、じゃあ」
マルセルは、たった今もらった帽子を目深にかぶり、機織り小屋を出ようと扉を開けた。
そこには、シャルロットより小柄の赤毛の少女が立っていた。少女はチュニックにズボンと男のなりをして、弓を手にしている。
「あれ、マルセル来てたんだ」
「よお、カリマ、上手く仕留めたか?」
シャルロットの妹カリマは今年で十五歳だ。
姉は、狩りから戻った妹を迎えた。
「カリマ、狩猟は無事に終わったのね。怪我はない?」
「へへ姉ちゃん。大きな鹿を一矢でやっつけたよ。リュシアンさんが後で肉をわけてくれる」
カリマは弓を掲げ、ラサの若き村長の名をあげた。
この十五歳の少女は弓の名人で、鹿狩りのときは村長から必ず呼ばれる。
「そう。リュシアン様が……それなら安心ね」
シャルロットの頬が赤く染まる。美女の微笑みは、マルセルの胸を冷たく凍らせた。
しかし美女は、幼馴染の表情の変化には目を止めず、妹の肩をさする。
「でもカリマ。あたしが機織りで稼ぐから、無理しないで」
「違うよ姉ちゃん。あたしは狩りが好きなんだ。あ、マルセル」
少女は、マルセルの頭に顔を向けた。
「あれ? それ姉ちゃんの編んだ帽子だ。へー、マルセル、良かったじゃん」
若者は俯き「ああ、機織り、動くようになったぞ」とぶっきらぼうに答え、外に出た。
すると今度は、森から精悍な若者が現れた。
「やあ、マルセルも来てたのか。ラサの美しい姉妹はいるかな?」
若者は、白いマーガレットの花束を手にしている。
マルセルは、ラサの村長に答えた。
「リュシアンさん。シャルロットさんも、カリマもいますよ」
「カリマとはさっき、鹿狩りで一緒だった。そうだ。マルセルも立ち会ってくれないか?」
マルセルは、若き村長をしげしげと見つめる。
豊かな長い黒髪。小麦色の肌。チュニックがはち切れそうな熱い胸板。
――やせこけてみすぼらしい俺とは、何もかも違う。
気乗りしないが村長に請われ、仕方なしにマルセルは姉妹の家に戻った。
リュシアンが手にする白い花束から、これから起こる出来事は予想できる。そこに立ち会えと言うからには、男前の村長は自信あるんだろうなと、マルセルは寂しくなった。
村長の訪れに、姉妹は顔を輝かせる。
「リュシアンさん」
「やあ、カリマ。君のおかげで今日も鹿狩りが上手くいった。ラサの村が豊かなのは、カリマのお陰だ」
カリマは「へへ」と笑いつつも、マルセルにチラチラと視線を送る。
シャルロットは、リュシアンに極上の微笑みを見せた。
「リュシアン様。鹿狩りでカリマがいつもお世話になっています」
村長は咳払いをしたあと、マーガレットの花束をシャルロットに差し出した。
「シャルロット、どうか私の妻になってほしい」
マルセルの顔がさっと暗くなる。まさに予想通りの展開だった。
一方、シャルロットは、薔薇色の頬を輝かせる。
「え、リュシアン様、で、でもあたしには、この子が……」
姉は妹の小さな肩を抱き寄せた。
「ね、姉ちゃん、あたしのことなんて気にしなくていいよ」
リュシアンは姉妹に微笑みかけた。
「カリマも一緒に暮らそう。私の家から、いずれ花嫁として送り出してやりたい」
シャルロットの目尻がキラッと輝いた。
「夢みたい! あたしがリュシアン様のお嫁さんになれるなんて!」
マーガレットの花束にシャルロットは顔をうずめた。
「やったあ!」とリュシアンは村長の威厳を投げ捨て、美女を抱きしめる。
「姉ちゃん、良かったね」
カリマは手を叩きつつ、マルセルをチラチラ見やる。
鍛冶屋の若者は大きく頷いた。
「シャルロットさん、おめでとうございます」
ペコっと頭を下げて、姉妹の家をあとにした。
夜も更け、マルセルは粗末な寝台に転がり、天井の梁を見つめていた。
シャルロットとカリマ。ラサ村評判の美人姉妹。
物心ついたときからシャルロットとよく遊んだ。そのうちカリマが生まれ、三人で過ごすようになった。
マルセルの親も姉妹の親も、早く亡くなった。親たちを失ってから、三人で寄り添うように生きてきた。
シャルロットは「カリマが嫁ぐまであたしはひとりでいいの」と宣言していた。
ラサ村の若者の多くがシャルロットに憧れ、なかには結婚を申し込む者もいたが、それらをシャルロットは斥けた。
マルセルは、ずっと三人の時間が続くものだと思っていた。
しかし三人の時間は終わりを迎えた。
目が冴えてきて、何度も寝がえりをうつ。今夜は寝られそうもない。
夜、小屋の粗末な扉がコンコンと鳴った。
ひとりぼっちの鍛冶屋を訪ねる者がいた。
しかし聖王の時代から千年経ち、王の権威は失墜。地方領主たちが台頭し、領地をめぐっての争いが始まった。
この動乱は、青年ネクロザールの出現で速やかに終息した。彼は、自らを聖王アトレウスの生まれ変わりと名乗り、相争う領主たちを支配下においた。
大陸は、かつての栄光と平和を取り戻したかにみえた。
が、それはひとときのこと。ネクロザールの統一によって、大陸はさらなる苦難に見舞われる。
彼は、かつての領主たちより重い税や労役を、民に課した。
不作の年でも税を取り立てるため、多くの民が飢え死にする。若者は里を捨てて山に逃げ込む。しかし山に逃げ込んでも、ネクロザールの兵士たちにすぐに連れ戻され、囚人として過酷な労役に処せられた。
心ある領主は民を思い、税の取り立てを見合わせた。が、そのような温情ある領主を、ネクロザールが派遣した役人たちは「法に背いた」と処刑する。処刑のあと、領地はネクロザールの直轄地となった。
さらにネクロザールは、聖妃アタランテを甦らせるためとして、多くの幼子を各地から集め、生け贄に捧げた。
うず高く積み上げられた屍を前に、人々は慟哭する。
しかし彼が聖王アトレウスの生まれ変わりと称する以上、民は従うしかなかった。
ネクロザールの台頭から二十年が経った。
ラテーヌ地方の辺境の村ラサでは小麦や葡萄がよく実ったため、統一王ネクロザールの重税をなんとか凌ぎ、村人は慎ましくも穏やかに暮らしていた。
「こりゃ、足踏みの板が壊れてんな」
ラサの鍛冶屋マルセルは今年で二十才。織り機の前にしゃがみこみ、器用に金槌をトントンと叩いていた。
「よっしゃ、これで新しい板に交換したぞ」
マルセルは立ち上がり、織り機のペダルをリズミカルに踏んだ。
張られた縦糸たちが交互に波を打つ。
「マルセル! すごいわ。あなたってなんでも直せるのね!」
赤毛を編み上げた美しい女が、琥珀色の大きな目を輝かせ、鈴の音のような声を響かせる。
二つ年上の幼馴染みの眩しさをマルセルは直視できず、俯いた。
「シャルロットさん。俺はこれで」
マルセルはボサボサ頭をかき、シャルロットに背を向けた。
「待って!」
シャルロットは、壁棚に置いてある毛糸で編んだ紺色の帽子を手に取った。
「はい、お礼」
機織り娘は、鍛冶屋の若者のボサボサ頭に、ふんわりと毛糸の帽子を被せた。
「あら男前ね! マルセルによく似合ってる」
若者は気恥ずかしさに耐えきれず織り機に顔を向けた。
「シャルロットさん、ずいぶん立派な織物だな」
布地にはワシのような図柄がうかんでいる。
「ええ、織るのが難しくて……」
村評判の美女は、頬を染めて俯く。
「あ、じゃあ」
マルセルは、たった今もらった帽子を目深にかぶり、機織り小屋を出ようと扉を開けた。
そこには、シャルロットより小柄の赤毛の少女が立っていた。少女はチュニックにズボンと男のなりをして、弓を手にしている。
「あれ、マルセル来てたんだ」
「よお、カリマ、上手く仕留めたか?」
シャルロットの妹カリマは今年で十五歳だ。
姉は、狩りから戻った妹を迎えた。
「カリマ、狩猟は無事に終わったのね。怪我はない?」
「へへ姉ちゃん。大きな鹿を一矢でやっつけたよ。リュシアンさんが後で肉をわけてくれる」
カリマは弓を掲げ、ラサの若き村長の名をあげた。
この十五歳の少女は弓の名人で、鹿狩りのときは村長から必ず呼ばれる。
「そう。リュシアン様が……それなら安心ね」
シャルロットの頬が赤く染まる。美女の微笑みは、マルセルの胸を冷たく凍らせた。
しかし美女は、幼馴染の表情の変化には目を止めず、妹の肩をさする。
「でもカリマ。あたしが機織りで稼ぐから、無理しないで」
「違うよ姉ちゃん。あたしは狩りが好きなんだ。あ、マルセル」
少女は、マルセルの頭に顔を向けた。
「あれ? それ姉ちゃんの編んだ帽子だ。へー、マルセル、良かったじゃん」
若者は俯き「ああ、機織り、動くようになったぞ」とぶっきらぼうに答え、外に出た。
すると今度は、森から精悍な若者が現れた。
「やあ、マルセルも来てたのか。ラサの美しい姉妹はいるかな?」
若者は、白いマーガレットの花束を手にしている。
マルセルは、ラサの村長に答えた。
「リュシアンさん。シャルロットさんも、カリマもいますよ」
「カリマとはさっき、鹿狩りで一緒だった。そうだ。マルセルも立ち会ってくれないか?」
マルセルは、若き村長をしげしげと見つめる。
豊かな長い黒髪。小麦色の肌。チュニックがはち切れそうな熱い胸板。
――やせこけてみすぼらしい俺とは、何もかも違う。
気乗りしないが村長に請われ、仕方なしにマルセルは姉妹の家に戻った。
リュシアンが手にする白い花束から、これから起こる出来事は予想できる。そこに立ち会えと言うからには、男前の村長は自信あるんだろうなと、マルセルは寂しくなった。
村長の訪れに、姉妹は顔を輝かせる。
「リュシアンさん」
「やあ、カリマ。君のおかげで今日も鹿狩りが上手くいった。ラサの村が豊かなのは、カリマのお陰だ」
カリマは「へへ」と笑いつつも、マルセルにチラチラと視線を送る。
シャルロットは、リュシアンに極上の微笑みを見せた。
「リュシアン様。鹿狩りでカリマがいつもお世話になっています」
村長は咳払いをしたあと、マーガレットの花束をシャルロットに差し出した。
「シャルロット、どうか私の妻になってほしい」
マルセルの顔がさっと暗くなる。まさに予想通りの展開だった。
一方、シャルロットは、薔薇色の頬を輝かせる。
「え、リュシアン様、で、でもあたしには、この子が……」
姉は妹の小さな肩を抱き寄せた。
「ね、姉ちゃん、あたしのことなんて気にしなくていいよ」
リュシアンは姉妹に微笑みかけた。
「カリマも一緒に暮らそう。私の家から、いずれ花嫁として送り出してやりたい」
シャルロットの目尻がキラッと輝いた。
「夢みたい! あたしがリュシアン様のお嫁さんになれるなんて!」
マーガレットの花束にシャルロットは顔をうずめた。
「やったあ!」とリュシアンは村長の威厳を投げ捨て、美女を抱きしめる。
「姉ちゃん、良かったね」
カリマは手を叩きつつ、マルセルをチラチラ見やる。
鍛冶屋の若者は大きく頷いた。
「シャルロットさん、おめでとうございます」
ペコっと頭を下げて、姉妹の家をあとにした。
夜も更け、マルセルは粗末な寝台に転がり、天井の梁を見つめていた。
シャルロットとカリマ。ラサ村評判の美人姉妹。
物心ついたときからシャルロットとよく遊んだ。そのうちカリマが生まれ、三人で過ごすようになった。
マルセルの親も姉妹の親も、早く亡くなった。親たちを失ってから、三人で寄り添うように生きてきた。
シャルロットは「カリマが嫁ぐまであたしはひとりでいいの」と宣言していた。
ラサ村の若者の多くがシャルロットに憧れ、なかには結婚を申し込む者もいたが、それらをシャルロットは斥けた。
マルセルは、ずっと三人の時間が続くものだと思っていた。
しかし三人の時間は終わりを迎えた。
目が冴えてきて、何度も寝がえりをうつ。今夜は寝られそうもない。
夜、小屋の粗末な扉がコンコンと鳴った。
ひとりぼっちの鍛冶屋を訪ねる者がいた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
麗しのラシェール
真弓りの
恋愛
「僕の麗しのラシェール、君は今日も綺麗だ」
わたくしの旦那様は今日も愛の言葉を投げかける。でも、その言葉は美しい姉に捧げられるものだと知っているの。
ねえ、わたくし、貴方の子供を授かったの。……喜んで、くれる?
これは、誤解が元ですれ違った夫婦のお話です。
…………………………………………………………………………………………
短いお話ですが、珍しく冒頭鬱展開ですので、読む方はお気をつけて。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる