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2章 千年前の女勇者
19 母と娘
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王女コンスタンスの誕生は、長年ネクロザールに苦しめられた人々に、希望をもたらした。王女の実の父が史師エリオンとの噂もあり、希望はますます膨れ上がる。
カリマは乳が出なかったので、産婆のオレーニアが乳母となって育てた。コンスタンスが二歳となり乳離れしたころ、白髪の産婆は去っていった。
コンスタンスは、すくすくと育っていった。緑色と青色のオッドアイ。金色がところどころ混じるブルネットの巻き毛。
伝説と化しつつある史師エリオンも、緑色の眼とブルネットの巻き毛だった。
育つにつれ、ますます人々は確信を強めていった。王女の実の父が、史師エリオンだと。
女王は都の外に出かけ、城を留守にすることが多かった。水害に襲われた地域の見舞い、争う領主たちの調停など、カリマは自ら乗り込んだ。
女王の留守は、宰相となったマルセルが中心となって政を進めた。
「マルセル、マルセル!」
四歳になった王女が、城の廊下を渡る宰相の元に駆け寄ってきた。
侍女たちが王女を追いかけ、老女クロエは「王女様! マルセル様のお仕事を邪魔してはなりません」と注意する。
マルセルは、たちまち顔をほころばせた。
「王女様。どうしました? なにか見つけたんですかい?」
コンスタンスは小さな手でマルセルのズボンを掴む。
背後から側近が「マルセルさま~、鉄鉱石の売人がお待ちです~」と呼び止めた。
「わりい。俺、忙しいんだ。旨いワインとパンを出して、そうだ、ロベールにリュート弾かせりゃお客さん退屈しねえだろ。ちょっと待っててもらってくれ」
部下たちに接待を指示すると、幼い王女に先導され、城の奥の林を抜けた。
「お花いっぱいなの!」
開けた草むらには、赤や黄色の小さな花が咲き乱れていた。
「ああ、こりゃあ、マーガレットですねえ」
リュシアンは、白いマーガレットの花束を手にして。シャルロットにプロポーズした。
マルセルの胸に苦い思い出がよみがえる。
「マルセル?」
王女が小さな手を男の目の前でヒラヒラさせた。
「ああ、なんでもないですよ。かわいいお花、よく見つけましたね」
男は王女のブルネットの巻き毛をポンポンと撫でる。
「かあさまに見せたいなあ」
小さな王女は寂しそうにこぼす。
忙しい女王は、幼子が満足できるほど遊んでやる暇がない。
「そうですかい。でも、明日、女王様と長旅に出ると聞きましたよ」
魔王ネクロザールを倒した勇者たちは、ゴンドレシア大陸平和のため、五年に一度集まり話し合うことになっていた。
いよいよ最初の会合が開かれることとなった。女王カリマは王女コンスタンスを連れていくと言う。
「へへへ、かあさまと一緒」
この笑い方は母親に似てるなあ、とマルセルは、小さな王女が眩しいものかのように、目を細めて見つめた。
遠くから侍女が声をかけた。
「女王様がお戻りです」
「かあさま!」
途端、コンスタンスは、マルセルなど忘れたように、パタパタとサンダルを鳴らして去っていった。
「ははは、おっかさんが一番だよな」
カリマが身籠ったと知った時、マルセルは子供の父親らしき男に激しく嫉妬した。
が、赤子が生まれた日からそのような嫉妬はどこへやら、ただただ王女が愛おしくてならない。
「あ、やばい! 俺、お客さん待たせてた!」
ラテーヌの宰相は、バタバタと城の廊下を駆け抜けた。
翌朝、ラテーヌ王国を率いる母娘は、下働きの夫婦だけを連れて旅立っていった。
コンスタンスはカリマの手を引きはしゃぎ回る。
「久しぶりに、あたしが鳥を仕留めてやるよ」
「えー、とりさん、かわいそう」
「あんたは優しい子だねえ。いいお嫁さんになるよ」
「およめさん?」
「母さんはね、コンスタンスには好きな人と一緒になってほしいんだ」
微笑ましい母と娘の会話にマルセルの心が温まる。
都の門まで見送ってから城に戻った。
女王の留守には慣れていたが、今度は三か月ほどになろう。
「さて、女王様が戻ったときに、もっと都をきれいにしてやらないと」
宰相は青空に向かって手を伸ばす。
ふと彼は不安を覚えた。母と娘は戻ってくるのか? と。
カリマが長い旅に幼い娘を連れていった理由は、会合の場、魔王城にある。
史師エリオンが、ネクロザールの魂を封印するため、残りの生涯を定めた場所。
カリマは、娘コンスタンスを父エリオンに会わせたいのだろう。
もし、親子三人が出会ったら?
カリマとコンスタンスは、エリオンと暮らすことを選ぶのでは?
そうなれば、このラテーヌはどうなる? 魔王を倒した勇者だからこそ、カリマは女王になれた。
しかし、彼女が愛を選び王位を放棄したら、このラテーヌはどうなる?
王国の行く末以前に、マルセル自身がそんなことに耐えられない。
カリマの心が自分に向いていなくても、彼女の傍にいたい。
侍女頭のクロエは、ドスドスと城を走り回るマルセルをからかい気味にたしなめる。
「マルセル様、いくら女王様がご不在で寂しいからといって、壁に八つ当たりはやめてくださいね」
「べ、別に俺は、寂しくなんかねえ!」
実にもどかしい三か月だった。
だから、小間使いが女王と王女が都に向かっていると食事中のマルセルに知らせるやいなや、彼はパンを咥えたまま、城を飛び出した。
カリマが戻ってきた!
彼女が帰ってきたのは、マルセルを選んだからではない。愛より使命を選んだにすぎない。
それでもマルセルは走り続ける。
カリマを抱き締めて口づけしたい。
そんな不埒をしでかせば、女王に対する不敬で捕縛され処刑されるだろう。
構わないとも! 許されるなら、優れた射手であるカリマ自身の矢で殺されたい! 聖王と聖妃は地獄に落とすだろうが、それでも魂は天国に昇れる!
浮かれマルセルが城門を潜ったところで、カリマたちが戻ってきた。
はやる心を抑え、マルセルは足を止める。
「じょ、女王様、王女様、お帰りなさい。よく無事にお戻りで」
重々しく恭しく、いかにも女王第一の重臣の威厳を繕って、頭を下げる。
しかしゆっくりと頭をあげた彼は、眉を寄せた。
女王と王女の様子がおかしいのだ。
「コンスタンス、城に戻ったら、こんなもんでは済まないからな」
「……かあさま、ごめんなさい。ごめんなさい」
カリマは厳しい顔でコンスタンスを叱っている。
王女は今にも泣き出しそうだ。
旅立ちのとき、母娘は朗らかに笑い合っていた。
まあ、母と娘、しかも女王と王女だ。時には厳しいしつけも必要だよな、とマルセルはさほど気に留めなかった。
カリマは乳が出なかったので、産婆のオレーニアが乳母となって育てた。コンスタンスが二歳となり乳離れしたころ、白髪の産婆は去っていった。
コンスタンスは、すくすくと育っていった。緑色と青色のオッドアイ。金色がところどころ混じるブルネットの巻き毛。
伝説と化しつつある史師エリオンも、緑色の眼とブルネットの巻き毛だった。
育つにつれ、ますます人々は確信を強めていった。王女の実の父が、史師エリオンだと。
女王は都の外に出かけ、城を留守にすることが多かった。水害に襲われた地域の見舞い、争う領主たちの調停など、カリマは自ら乗り込んだ。
女王の留守は、宰相となったマルセルが中心となって政を進めた。
「マルセル、マルセル!」
四歳になった王女が、城の廊下を渡る宰相の元に駆け寄ってきた。
侍女たちが王女を追いかけ、老女クロエは「王女様! マルセル様のお仕事を邪魔してはなりません」と注意する。
マルセルは、たちまち顔をほころばせた。
「王女様。どうしました? なにか見つけたんですかい?」
コンスタンスは小さな手でマルセルのズボンを掴む。
背後から側近が「マルセルさま~、鉄鉱石の売人がお待ちです~」と呼び止めた。
「わりい。俺、忙しいんだ。旨いワインとパンを出して、そうだ、ロベールにリュート弾かせりゃお客さん退屈しねえだろ。ちょっと待っててもらってくれ」
部下たちに接待を指示すると、幼い王女に先導され、城の奥の林を抜けた。
「お花いっぱいなの!」
開けた草むらには、赤や黄色の小さな花が咲き乱れていた。
「ああ、こりゃあ、マーガレットですねえ」
リュシアンは、白いマーガレットの花束を手にして。シャルロットにプロポーズした。
マルセルの胸に苦い思い出がよみがえる。
「マルセル?」
王女が小さな手を男の目の前でヒラヒラさせた。
「ああ、なんでもないですよ。かわいいお花、よく見つけましたね」
男は王女のブルネットの巻き毛をポンポンと撫でる。
「かあさまに見せたいなあ」
小さな王女は寂しそうにこぼす。
忙しい女王は、幼子が満足できるほど遊んでやる暇がない。
「そうですかい。でも、明日、女王様と長旅に出ると聞きましたよ」
魔王ネクロザールを倒した勇者たちは、ゴンドレシア大陸平和のため、五年に一度集まり話し合うことになっていた。
いよいよ最初の会合が開かれることとなった。女王カリマは王女コンスタンスを連れていくと言う。
「へへへ、かあさまと一緒」
この笑い方は母親に似てるなあ、とマルセルは、小さな王女が眩しいものかのように、目を細めて見つめた。
遠くから侍女が声をかけた。
「女王様がお戻りです」
「かあさま!」
途端、コンスタンスは、マルセルなど忘れたように、パタパタとサンダルを鳴らして去っていった。
「ははは、おっかさんが一番だよな」
カリマが身籠ったと知った時、マルセルは子供の父親らしき男に激しく嫉妬した。
が、赤子が生まれた日からそのような嫉妬はどこへやら、ただただ王女が愛おしくてならない。
「あ、やばい! 俺、お客さん待たせてた!」
ラテーヌの宰相は、バタバタと城の廊下を駆け抜けた。
翌朝、ラテーヌ王国を率いる母娘は、下働きの夫婦だけを連れて旅立っていった。
コンスタンスはカリマの手を引きはしゃぎ回る。
「久しぶりに、あたしが鳥を仕留めてやるよ」
「えー、とりさん、かわいそう」
「あんたは優しい子だねえ。いいお嫁さんになるよ」
「およめさん?」
「母さんはね、コンスタンスには好きな人と一緒になってほしいんだ」
微笑ましい母と娘の会話にマルセルの心が温まる。
都の門まで見送ってから城に戻った。
女王の留守には慣れていたが、今度は三か月ほどになろう。
「さて、女王様が戻ったときに、もっと都をきれいにしてやらないと」
宰相は青空に向かって手を伸ばす。
ふと彼は不安を覚えた。母と娘は戻ってくるのか? と。
カリマが長い旅に幼い娘を連れていった理由は、会合の場、魔王城にある。
史師エリオンが、ネクロザールの魂を封印するため、残りの生涯を定めた場所。
カリマは、娘コンスタンスを父エリオンに会わせたいのだろう。
もし、親子三人が出会ったら?
カリマとコンスタンスは、エリオンと暮らすことを選ぶのでは?
そうなれば、このラテーヌはどうなる? 魔王を倒した勇者だからこそ、カリマは女王になれた。
しかし、彼女が愛を選び王位を放棄したら、このラテーヌはどうなる?
王国の行く末以前に、マルセル自身がそんなことに耐えられない。
カリマの心が自分に向いていなくても、彼女の傍にいたい。
侍女頭のクロエは、ドスドスと城を走り回るマルセルをからかい気味にたしなめる。
「マルセル様、いくら女王様がご不在で寂しいからといって、壁に八つ当たりはやめてくださいね」
「べ、別に俺は、寂しくなんかねえ!」
実にもどかしい三か月だった。
だから、小間使いが女王と王女が都に向かっていると食事中のマルセルに知らせるやいなや、彼はパンを咥えたまま、城を飛び出した。
カリマが戻ってきた!
彼女が帰ってきたのは、マルセルを選んだからではない。愛より使命を選んだにすぎない。
それでもマルセルは走り続ける。
カリマを抱き締めて口づけしたい。
そんな不埒をしでかせば、女王に対する不敬で捕縛され処刑されるだろう。
構わないとも! 許されるなら、優れた射手であるカリマ自身の矢で殺されたい! 聖王と聖妃は地獄に落とすだろうが、それでも魂は天国に昇れる!
浮かれマルセルが城門を潜ったところで、カリマたちが戻ってきた。
はやる心を抑え、マルセルは足を止める。
「じょ、女王様、王女様、お帰りなさい。よく無事にお戻りで」
重々しく恭しく、いかにも女王第一の重臣の威厳を繕って、頭を下げる。
しかしゆっくりと頭をあげた彼は、眉を寄せた。
女王と王女の様子がおかしいのだ。
「コンスタンス、城に戻ったら、こんなもんでは済まないからな」
「……かあさま、ごめんなさい。ごめんなさい」
カリマは厳しい顔でコンスタンスを叱っている。
王女は今にも泣き出しそうだ。
旅立ちのとき、母娘は朗らかに笑い合っていた。
まあ、母と娘、しかも女王と王女だ。時には厳しいしつけも必要だよな、とマルセルはさほど気に留めなかった。
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