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三国志ってなんだろう? 前編

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 昔作ってた読書感想文ホームページからコピー&ペーストしただけの企画。
 インド編は、マニアックな本を一冊紹介しただけで終わり、いよいよ古代中国編に突入です。

 そこで『正史 三国志』を紹介しようと思ったのですが、そもそも『三国志』ってなに? という方もいらっしゃるでしょう。
 といっても、ゼロから三国志について語るのもなあ……とためらっていたら、ちょうどいいページを見つけました。
 私は、昔、ホームページで読書感想の他、三国志について語っていました。なので今回は、読書感想の前段階として、昔のHPの三国志コーナーからコピーペーストします。
 長くなりますが、お付き合いください。
 二十年以上前の記事なので、ご了承のほどを。

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私が三国志や史記に出会うまでの話
1999年10月 記


1.本当になんにも知らない頃の私

漢文もゲームも三国志マンガも知らなかった頃の私にとって、三国志とはこんな話でした。

・いつかわからないが昔の中国のお話。

・劉備という正義の味方が、関羽や張飛というお友達と兄弟の契りを結んで、乱れた世の中を救うために立ち上がる!

・そこで諸葛孔明という天才が現れ、劉備ら兄弟正義の味方チームを助けて、ますます彼らは強くなる。

・敵は、曹操という悪逆非道の大魔王。

・「死せる孔明生ける仲達を走らす」なんて諺あるなあ。
よくは分からないが、孔明は目茶目茶天才で、仲達って人は憎らしい敵であるがかなり間抜けな人。だって生きている仲達が死んでいる孔明に負けるんだから、お馬鹿サンだよね。

・ビジネス雑誌にはよく特集される。三国志に詳しくなると、お金儲けができたり出世できたりするんだろう。
(私は、お金儲けや出世からどんどん遠ざかっている……なぜ?)

三国志に縁のない人のイメージは、私に限らずこんなもんかな?(ここまではひどくないか)
回りに聞いても、三国志で知っている人物は諸葛孔明と劉備・関羽・張飛の三兄弟ぐらい。曹操なんて知っている人少ないです。仲達は諺のおかげでちょっと有名。

知っている人からすれば、曹操が大魔王とか仲達が間抜けなど結構めちゃめちゃですが、一番肝心の知識が抜けています。

●三国志はなぜ、三国志と言うの?

難しい意味じゃありません。
三国志の「志」とは何か200字以内で説明せよ、なーんて試験に出たら私には何も答えられません。え? その程度で古代中国コーナーなんか作るな?
三つの国の話ってことでしょ? ところがこのイメージだと、劉備・孔明陣営と曹操・仲達陣営の二つしかでてこないわけ。

●もう一つの国はどこへいったの?

○○三国志というネーミングが、三つ巴の戦いの意味で使われることは知っていました。
(この○○にはどんな言葉でも入れられそう。グルメ・スノーボード・DVD……やっぱり無理があるか)
でも本家大元の三国志に対しては、正義の劉備・諸葛亮と悪の曹操・司馬懿の対決、としか認識していなかったんです。


2.人形劇三国志の印象

NHKで人形劇三国志が放送されました。
エンディングテーマは細野晴臣
解説は、紳介・竜介。
なお、狂言回しとして紳々・竜々が登場しますが、よく似ていてカワイイ。

人形は美しいのだが、私はそれほど惹かれなかった。
ストーリーが結構難しいから着いていけなくなったのね。
てっきり、「正義の劉備」が悪を倒して出世する話だと思っていたら、中々彼は出世しない。そのうち話の中心が曹操に移る。悪役曹操はどんどん出世するのに、正義の劉備はいつまでたっても衣装も地味。

よって殆ど見ていないのですが、ちょっと印象に残ったエピソードを二つ。


一つは、曹操陣営の話。
曹操に投降したばかりのホウ徳って人は、曹操のために決死の覚悟で戦い、敵に捕まって自害する。
一方、曹操陣営に30年仕えていた将軍于禁は降伏し捕虜となる。
それを知った曹操は「于禁は30年も仕えていたのに」とさびしげに呟いた。

曹操ってただの悪役じゃないんだ。


もう一つは最終回。
諸葛孔明は司馬仲達に戦いを挑むが、まもなく陣没。
一方、対する仲達が、星占いで諸葛孔明の死を確信。今が好機と攻めるが、なんと孔明は崖の上から睨みつけている! 仲達は180度回転し勢いよく退散。
やがて孔明の部下達が、仲達を追い払った孔明の亡骸の瞼を閉じた。
墓が並んだ。結局、劉備達三兄弟も孔明も一つのところへ帰っていった……。


三国志って

「正義の劉備が中国に平和をもたらす話」

じゃなかったの!?
死せる孔明が生ける仲達を走らすって、死んだ孔明が生きている仲達に勝ったわけじゃなくて、ただ追っ払っただけなのね……。
劉備も孔明も勝者になれなかったが悲しかった。

三つ目の国は相変わらず、わからなかった……。


3.目覚める前の三国志との遭遇

●『天地を喰らう』を読んで

少年ジャンプに、本宮ひろ志の三国志マンガ『天地を喰らう』が連載されました。
本宮ひろ志が普通の三国志マンガを描くわけない。
劉備はワイルドなコソドロだし、諸葛孔明はカワイイ坊や。
この二人が天上界へ行って竜王の娘と仲良くして、大冒険。
三国志のオープニングで大活躍する黄巾党(一種の農民武装宗教結社か?)のリーダー張角って人は、なんと魔界の大王。大王は劉備に敗れるが、その身体は108に分裂し地上に飛び散り、乱世のはじまりはじまりイー!
(まさに水滸伝!!)

インパクトあるキャラクターばかりですが、特に強烈なのが、ローマの戦士のようなカッコイイ体育会系兄貴と、かなり悪女でかつ妖艶なその妹。
ローマ戦士の兄貴は呂布といい、妹は貂蝉といいます。
貂蝉という名前のアヤしさから、この二人はぜーったいに本宮ひろ志のオリジナルキャラと思った。
(兄妹という設定は本宮ひろ志のオリジナルだが、元の三国志にも登場する。)
さほど三国志が騒がれていなかったためか、途中で打ちきられています。
今だったら、もっと話題になったかも。

これ、元の三国志と大分違うだろうなと、知らないなりに読んでいました。


●漢文のテスト

予備校の漢文のテストで、三国志のこんな話が出題されました。

劉備が、スカウトしたばかりの新参者、諸葛孔明をエコヒイキする。長い間付き従ってきた関羽と張飛は、それを見てやきもちを焼く。
劉備は、「私にとって諸葛孔明が必要なのは、魚が水を必要とするのと同じなんだ。文句いわないでよ」と宥め、二人は納得したとさ。
(多分、出典は正史三国志の諸葛亮伝)

漢文のテストにおなじみのキャラクターが出て、ちょっと幸せ。
でも、テストの結果はボロボロ。暗記物は嫌いだァ!


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長くなったので、分けます。
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