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小説書けないのに作家になりたい
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小説投稿のあれこれを語るエッセイ、始めます。
今回のタイトル「小説書けないのに作家になりたい」
そんな奴いるのか? みなさん信じられないでしょう。
が、確実にここに一人います。はい、私がまさにそうでした。
また読者が減る話になりますが、小説書けない、小説読まない読めないのに作家になりたがった人間の話をします。
私は、子供の頃はそれなりに勉強していました。が、大学で落ちこぼれ、家に引きこもるようになります。
留年を繰り返しなんとか卒業。親のコネで就職。しかし電話ひとつまともに取れない自分は、数年経って、大学をサボったのと同じように出社拒否を繰り返します。
ダメだ。私に会社員は無理だった。
こんな自分にできる仕事なんてあるわけない……そうだ! 小説家という仕事があるじゃないか!
私はプログラムも英語もできず絵も描けない。
しかし文章なら書ける。夏休みの宿題の作文は嫌いではなかった。無駄に文章を引き伸ばし、原稿用紙のマス目を埋めるのは得意だ。三日坊主日記だって何年かに一度、書いている。
漠然としているけど、ドラクエとか三国志など、書きたいもののイメージはある。
行けるぞ!
会社に行かなくても私は生きていけるぞ!
私は、カルチャーセンターの小説教室に、通いました。
まったく小説を書いたことがない人でも書けるようになる、魔法の技を教えてくれるんだろうと期待して。
だって三万円も払ったんだよ。
教室はこんな感じでした。
生徒さんは、与えられたテーマに沿った400字の小説を書いて提出します。そのときのテーマは「色」だったと思います。
先生は提出作品の中からいくつか取り上げ講評し、生徒同士で意見を交換します。
え? 小説の書き方をゼロから教えてくれるんじゃないの?
小説が書けないからお金払って書き方教えてもらおうと思ったのに。
しかもみなさんの作品、ちゃんと400字のなかで小説している。私には全然わからない時事用語、経済用語を出して、都会の働くバリキャリ女子が書きそうなオーラが小説から漂っています。
結局私は、スクールで他の生徒さんの小説の講評を聞いて、みんなすごいなあ、と感心して終わりました。
出社拒否を繰り返し私は会社を辞めます。どう考えても解雇で当然なのに会社は優しく、自己都合退職として扱ってくれました。
作家になれば会社に行かなくてもお金稼げる。作家というと賢いイメージがある。
そんな憧れの職業に就くため私は何をしたか?
小説の書き方本と公募ガイドを買ったのです。
前に通ったカルチャーセンターではレベルが高かった。まず、本を読んで書き方を勉強しよう! と意気込みます。
結構読みました。小説だけでなく、一般的な文章読本も読みました。
でも私は小説を書けませんでした。
書いても序盤で止まります。頭のなかにはこんな小説を書きたいと夢が膨らみ、タイトルばかり増えていきます。
一方書店には、一流作家の小説がずらりと並んでいます。プロになるということは、これらの小説を越えなければならないわけです。
しかし、いくら小説の書き方を勉強しても、何も書けない自分。
鬱々とした日々を二年ほど送り、またコネで就職します。
もうあとがありません。出社拒否したくなる自分と戦い、いつの間にか二十年経ちました。
さすがに、プロの作家になるのは諦めました。
しかし、小説のなり損ないばかり積み上げてきた自分、一作ぐらいはちゃんと小説になっているものを完成させたい
よし、ドラクエみたいな壮大な世界ではなくて、身近な世界を舞台にしよう、ボキャブラリーがないから文章は稚拙にならざるを得ない。でも、最低限、どんな出来事が発生しているかわかるように書こう。
英雄たちの気持ちはわからないから、普通の人間を書こう。弱いけど弱いなりに生きている人の話を書こう……。
そこまで開き直って、自分の好きを詰め込んで、ようやく小説らしいものが書けました。
小説書けないし、大して好きでもないのに、会社に行かず賢そうに見られたいという理由で作家を目指す。
多くの人は、そういう人間を軽蔑するでしょう。
しかし私は、過去の自分に対して呆れるし笑っちゃうけど、自分なりに足掻いていたなあと、懐かしく思うのです。
かつての私みたいな方いらっしゃいますか? いないか。
もし、私みたいな人がいたとして。
他人が何を言おうがそれは自然な感情だから、あまり自分を責めないでほしいのです。
案外、ふとしたきっかけで書けるようになるかもしれません。
今回、ますます読者が減るエッセイになりました。次回こそ、そろそろ連載中の小説の話をするつもりです。
今回のタイトル「小説書けないのに作家になりたい」
そんな奴いるのか? みなさん信じられないでしょう。
が、確実にここに一人います。はい、私がまさにそうでした。
また読者が減る話になりますが、小説書けない、小説読まない読めないのに作家になりたがった人間の話をします。
私は、子供の頃はそれなりに勉強していました。が、大学で落ちこぼれ、家に引きこもるようになります。
留年を繰り返しなんとか卒業。親のコネで就職。しかし電話ひとつまともに取れない自分は、数年経って、大学をサボったのと同じように出社拒否を繰り返します。
ダメだ。私に会社員は無理だった。
こんな自分にできる仕事なんてあるわけない……そうだ! 小説家という仕事があるじゃないか!
私はプログラムも英語もできず絵も描けない。
しかし文章なら書ける。夏休みの宿題の作文は嫌いではなかった。無駄に文章を引き伸ばし、原稿用紙のマス目を埋めるのは得意だ。三日坊主日記だって何年かに一度、書いている。
漠然としているけど、ドラクエとか三国志など、書きたいもののイメージはある。
行けるぞ!
会社に行かなくても私は生きていけるぞ!
私は、カルチャーセンターの小説教室に、通いました。
まったく小説を書いたことがない人でも書けるようになる、魔法の技を教えてくれるんだろうと期待して。
だって三万円も払ったんだよ。
教室はこんな感じでした。
生徒さんは、与えられたテーマに沿った400字の小説を書いて提出します。そのときのテーマは「色」だったと思います。
先生は提出作品の中からいくつか取り上げ講評し、生徒同士で意見を交換します。
え? 小説の書き方をゼロから教えてくれるんじゃないの?
小説が書けないからお金払って書き方教えてもらおうと思ったのに。
しかもみなさんの作品、ちゃんと400字のなかで小説している。私には全然わからない時事用語、経済用語を出して、都会の働くバリキャリ女子が書きそうなオーラが小説から漂っています。
結局私は、スクールで他の生徒さんの小説の講評を聞いて、みんなすごいなあ、と感心して終わりました。
出社拒否を繰り返し私は会社を辞めます。どう考えても解雇で当然なのに会社は優しく、自己都合退職として扱ってくれました。
作家になれば会社に行かなくてもお金稼げる。作家というと賢いイメージがある。
そんな憧れの職業に就くため私は何をしたか?
小説の書き方本と公募ガイドを買ったのです。
前に通ったカルチャーセンターではレベルが高かった。まず、本を読んで書き方を勉強しよう! と意気込みます。
結構読みました。小説だけでなく、一般的な文章読本も読みました。
でも私は小説を書けませんでした。
書いても序盤で止まります。頭のなかにはこんな小説を書きたいと夢が膨らみ、タイトルばかり増えていきます。
一方書店には、一流作家の小説がずらりと並んでいます。プロになるということは、これらの小説を越えなければならないわけです。
しかし、いくら小説の書き方を勉強しても、何も書けない自分。
鬱々とした日々を二年ほど送り、またコネで就職します。
もうあとがありません。出社拒否したくなる自分と戦い、いつの間にか二十年経ちました。
さすがに、プロの作家になるのは諦めました。
しかし、小説のなり損ないばかり積み上げてきた自分、一作ぐらいはちゃんと小説になっているものを完成させたい
よし、ドラクエみたいな壮大な世界ではなくて、身近な世界を舞台にしよう、ボキャブラリーがないから文章は稚拙にならざるを得ない。でも、最低限、どんな出来事が発生しているかわかるように書こう。
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そこまで開き直って、自分の好きを詰め込んで、ようやく小説らしいものが書けました。
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多くの人は、そういう人間を軽蔑するでしょう。
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かつての私みたいな方いらっしゃいますか? いないか。
もし、私みたいな人がいたとして。
他人が何を言おうがそれは自然な感情だから、あまり自分を責めないでほしいのです。
案外、ふとしたきっかけで書けるようになるかもしれません。
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