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字下げは、絶対ルールではない
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小説投稿エッセイ、鬱々な愚痴が続きましたが、たまには小説に直接関係するネタを提供しましょう。
今回のテーマは「字下げのルール」。といってもルールの解説ではなく、タイトル通り、ルールがわからないよ~という話です。あれ? 結局、愚痴じゃん。
1 マイルール
最初に、私なりの字下げルールを述べます。
・改行したら、次の行は全角スペース一つ空ける。
・ただし次の行の始まりが、開きカギカッコ 『「( の前は、空けない。
・箇条書の行頭記号 ・ などの前は、空けないけど、空けることも。
私は、小学校で習った作文をベースに市販の小説を参考にして書いています。が、自分は国語の先生でも文章のプロでもないので、このルールが絶対とは申しません。
プロ志望の方は、出版社の校正ルールを参考にされていることでしょう。私のような趣味の小説投稿者は、ウェブ上での見やすさに配慮し、一つの作品ではルールを統一すればいいかと思います。
なら、こんなエッセイを書く必要はないのですが、SNSのモヤモヤな意見を見かけると、なにか言いたくなるんです。
たまに「ルールを守らない小説は読まない」という方がいます。小説の取捨選択は自由ですが、こういう投稿を見かけると
「あなたの言うルールは絶対正しいのか?」
と突っ込みたくなります。突っ込みたいルールの一つが「字下げ」です。
2 印刷本の場合でも、細かいルールはそれぞれ
小学校の作文の授業で「改行したら次は一マス空ける」ことを習いました。この書き方は、明治時代に始まったようです。行頭の空白は、段落の始まりを表しています。前の段落が行末までびっちり詰まっていると、次の行で一マス空けないと段落の区切りがわかりません。
印刷本の場合は、字下げというルールは問題ないようですが……ひとつはっきりしないルールを見つけました。
改行後の開きカギカッコの前は、空白を入れるのでしょうか?
「あれは銀行です」
「これもペンです」
どっちが正解なんですかね?
この問題をリサーチしたところ、小学校の作文では、カギカッコ「 の前に一マス空けるのが多いみたいです。正確には、段落の初めに一マス空けるがルールなので、同じカギカッコでも、段落の途中ならスペースを入れない、段落の最初なら一マスを空ける、だそうな。
手元の小説を見たところ、カギカッコ「 の前は、スペースを入れないのが多数派です。ただし古い小説や児童書では、カギカッコ「 の前にスペースを入れる場合があります。
Webで書くときは、多数派に習い、カギカッコ「 の前はスペースを入れない方が無難でしょうか。
3 Webの場合は、もっとそれぞれ
ここからWeb限定の話に移ります。
ニュースサイトをいくつか見たところ、字下げについてはマチマチです。新聞社や出版社系のサイトは字下げしている場合が多いです。NHKは字下げしていません。またWeb文章の指南サイトで「字下げは一般的にしない」との記事を見つけました。なのでWeb限定小説なら、字下げは拘らなくていい気がします。
私はそれより重要なルールを見つけました。多くのニュースサイトで、ひと段落ごとに空行を入れているのです。
印刷物はスペースに限りがあるので、文字を詰めながら段落を表すため、一マス空けるというルールにしたのでしょう。しかし、Webはスペースに余裕があります。なので見やすさに配慮し、段落ごとに空行を入れています。
ところで市販の小説では、頻繁な改行が主流です。多くの小説で一・二文ごとに改行を入れているようです。私も投稿する前は、小説をそのように書いてきました。以下は、大昔に書いた小説の冒頭です。というか、冒頭だけ書いて終わった小説です。
******
朝の目覚めは、引き裂かれるような悲しみを覚える。ああ、会社行かなくちゃ、、、。朝ご飯なんか食べてられない。洗いざらしのシャツにベストをかぶせて、しわをごまかす。
「行ってきます」六畳一間の安いアパートで、私の声を聞くのは、クマたんとウサぽんだけ。
今日もギリギリ遅刻せずタイムカードをスタンプする。えらいぞ自分。
「おはようございます」
あいさつもそこそこ、パソコンを立ち上げ、業務ソフトの入力画面を表示させる。これから長い一日が始まるのだ。
******
うう、恥ずかしいっす。まあ恥ずかしさはともかく、Webを意識しないで書いたので、空行は入れていません。基本的に一つのシーンが終わるまで空行は挟まず書いていました。この書き方のままWebで表示すると、ギュッとつまり見にくいですね。
さらに検索したら、以下の例の方が問題だという意見を見かけました。
******
そこで投稿小説初心者の私が、図々しくも挑戦します!
途中で投げ出した小説の「第一部完」に使えそうな文章を書いてみます。
こんなの書いても、そのままではまず使えないでしょう。が、書き手のモヤモヤ解消のヒントに……なるかな? なるといいな。
******
こちらは、現在連載している小説『勇者の冒険は続く』の第一話です。このエッセイの目的は私の小説の宣伝なので、許してください。さて、文例ではなにが問題でしょうか?
その意見によると「段落の区切りルールが統一されていない」ことが問題らしいです。つまり、字下げの位置と空行の位置が一致していないので、どっちが段落の区切りかわからない、ということです。
私は今まで段落を意識していませんでした。あえて言うなら、字下げは小段落、空行は大段落のイメージでしょうか。言い訳ですが、トップランクのウェブ小説も似たような形式で書かれています。ただしニュースサイトでは、字下げの有無はともかく、空行を段落の区切りとしています。なるほど、一理あります。
そこで今回私は、段落ごとに空行を入れるルールでエッセイを書いてます。小学校以来守ってきたルールを修正して書くのは、抵抗があります。今後小説も、Webでの見やすさをもっと意識して書いた方がいいのか、迷うところです。
4 そろそろ結論
・紙に小説を書く場合は、段落の初めは字下げしよう。
・Webの場合は、字下げに拘らなくてもいいかも。
・むしろ、Webでの見やすさに配慮しよう。
なんか今回も、普通の結論になっちゃいました。最後に一言。
「ルールを守らない小説は読まない」とおっしゃる方へ。小説の取捨選択は自由です。ルールを基準にするのもいいでしょう。ただ、そのルールは絶対ではない、作者はあなたと違うルールで書いているのかもしれない、ということを頭に入れてもらえると、嬉しいなあ。
今回もモヤモヤあやふやな話で終わりました。次回はまた小説の宣伝です。テーマは小説の中の音楽。あっさりサクッとしたお話になると思います。
今回のテーマは「字下げのルール」。といってもルールの解説ではなく、タイトル通り、ルールがわからないよ~という話です。あれ? 結局、愚痴じゃん。
1 マイルール
最初に、私なりの字下げルールを述べます。
・改行したら、次の行は全角スペース一つ空ける。
・ただし次の行の始まりが、開きカギカッコ 『「( の前は、空けない。
・箇条書の行頭記号 ・ などの前は、空けないけど、空けることも。
私は、小学校で習った作文をベースに市販の小説を参考にして書いています。が、自分は国語の先生でも文章のプロでもないので、このルールが絶対とは申しません。
プロ志望の方は、出版社の校正ルールを参考にされていることでしょう。私のような趣味の小説投稿者は、ウェブ上での見やすさに配慮し、一つの作品ではルールを統一すればいいかと思います。
なら、こんなエッセイを書く必要はないのですが、SNSのモヤモヤな意見を見かけると、なにか言いたくなるんです。
たまに「ルールを守らない小説は読まない」という方がいます。小説の取捨選択は自由ですが、こういう投稿を見かけると
「あなたの言うルールは絶対正しいのか?」
と突っ込みたくなります。突っ込みたいルールの一つが「字下げ」です。
2 印刷本の場合でも、細かいルールはそれぞれ
小学校の作文の授業で「改行したら次は一マス空ける」ことを習いました。この書き方は、明治時代に始まったようです。行頭の空白は、段落の始まりを表しています。前の段落が行末までびっちり詰まっていると、次の行で一マス空けないと段落の区切りがわかりません。
印刷本の場合は、字下げというルールは問題ないようですが……ひとつはっきりしないルールを見つけました。
改行後の開きカギカッコの前は、空白を入れるのでしょうか?
「あれは銀行です」
「これもペンです」
どっちが正解なんですかね?
この問題をリサーチしたところ、小学校の作文では、カギカッコ「 の前に一マス空けるのが多いみたいです。正確には、段落の初めに一マス空けるがルールなので、同じカギカッコでも、段落の途中ならスペースを入れない、段落の最初なら一マスを空ける、だそうな。
手元の小説を見たところ、カギカッコ「 の前は、スペースを入れないのが多数派です。ただし古い小説や児童書では、カギカッコ「 の前にスペースを入れる場合があります。
Webで書くときは、多数派に習い、カギカッコ「 の前はスペースを入れない方が無難でしょうか。
3 Webの場合は、もっとそれぞれ
ここからWeb限定の話に移ります。
ニュースサイトをいくつか見たところ、字下げについてはマチマチです。新聞社や出版社系のサイトは字下げしている場合が多いです。NHKは字下げしていません。またWeb文章の指南サイトで「字下げは一般的にしない」との記事を見つけました。なのでWeb限定小説なら、字下げは拘らなくていい気がします。
私はそれより重要なルールを見つけました。多くのニュースサイトで、ひと段落ごとに空行を入れているのです。
印刷物はスペースに限りがあるので、文字を詰めながら段落を表すため、一マス空けるというルールにしたのでしょう。しかし、Webはスペースに余裕があります。なので見やすさに配慮し、段落ごとに空行を入れています。
ところで市販の小説では、頻繁な改行が主流です。多くの小説で一・二文ごとに改行を入れているようです。私も投稿する前は、小説をそのように書いてきました。以下は、大昔に書いた小説の冒頭です。というか、冒頭だけ書いて終わった小説です。
******
朝の目覚めは、引き裂かれるような悲しみを覚える。ああ、会社行かなくちゃ、、、。朝ご飯なんか食べてられない。洗いざらしのシャツにベストをかぶせて、しわをごまかす。
「行ってきます」六畳一間の安いアパートで、私の声を聞くのは、クマたんとウサぽんだけ。
今日もギリギリ遅刻せずタイムカードをスタンプする。えらいぞ自分。
「おはようございます」
あいさつもそこそこ、パソコンを立ち上げ、業務ソフトの入力画面を表示させる。これから長い一日が始まるのだ。
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うう、恥ずかしいっす。まあ恥ずかしさはともかく、Webを意識しないで書いたので、空行は入れていません。基本的に一つのシーンが終わるまで空行は挟まず書いていました。この書き方のままWebで表示すると、ギュッとつまり見にくいですね。
さらに検索したら、以下の例の方が問題だという意見を見かけました。
******
そこで投稿小説初心者の私が、図々しくも挑戦します!
途中で投げ出した小説の「第一部完」に使えそうな文章を書いてみます。
こんなの書いても、そのままではまず使えないでしょう。が、書き手のモヤモヤ解消のヒントに……なるかな? なるといいな。
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こちらは、現在連載している小説『勇者の冒険は続く』の第一話です。このエッセイの目的は私の小説の宣伝なので、許してください。さて、文例ではなにが問題でしょうか?
その意見によると「段落の区切りルールが統一されていない」ことが問題らしいです。つまり、字下げの位置と空行の位置が一致していないので、どっちが段落の区切りかわからない、ということです。
私は今まで段落を意識していませんでした。あえて言うなら、字下げは小段落、空行は大段落のイメージでしょうか。言い訳ですが、トップランクのウェブ小説も似たような形式で書かれています。ただしニュースサイトでは、字下げの有無はともかく、空行を段落の区切りとしています。なるほど、一理あります。
そこで今回私は、段落ごとに空行を入れるルールでエッセイを書いてます。小学校以来守ってきたルールを修正して書くのは、抵抗があります。今後小説も、Webでの見やすさをもっと意識して書いた方がいいのか、迷うところです。
4 そろそろ結論
・紙に小説を書く場合は、段落の初めは字下げしよう。
・Webの場合は、字下げに拘らなくてもいいかも。
・むしろ、Webでの見やすさに配慮しよう。
なんか今回も、普通の結論になっちゃいました。最後に一言。
「ルールを守らない小説は読まない」とおっしゃる方へ。小説の取捨選択は自由です。ルールを基準にするのもいいでしょう。ただ、そのルールは絶対ではない、作者はあなたと違うルールで書いているのかもしれない、ということを頭に入れてもらえると、嬉しいなあ。
今回もモヤモヤあやふやな話で終わりました。次回はまた小説の宣伝です。テーマは小説の中の音楽。あっさりサクッとしたお話になると思います。
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