半世紀生きて、やっと小説完成しました

さんかく ひかる

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炎上商法でページビューを稼ぐ?

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 またまた嫌な感じのタイトルをつけた小説投稿エッセイです。
 今回も、京都アニメーション放火殺人事件をきっかけに考えたことを話します。

 事件の青葉被告は、京アニに盗作されたと思い込み、恐ろしい行動に出ました。
 直接のきっかけは盗作かもしれませんが、被告は、投稿した小説が読まれず失望したことを述べています。

 彼は、どんな小説を書いたのでしょう? 今後、裁判の証拠として小説が提出されるのか、すでに提出されたのか、そもそも小説が残っていないのか、私は知りません。
 が、ネットニュースの掲示板で、彼の小説を読みたいと言う方をチラホラ見かけます。
 私も……正直に告白すると、公開されたら読むかもしれません。

 被告の小説が公開されたら、相当なページビューになるでしょう。ダントツトップ間違いなし。教科書以外の小説を読んだことない人も、読むでしょう。
 そうなると自分、「交通違反すらしたことないのに(ゴールド免許だよ)、あんな凶悪犯罪したヤツの小説の方が読まれるんだ~」と、ブラックになります。
 仮定の話をしてブラックになるなよ。


 この事件はともかく、凶悪事件の犯人が書いた本は、結構出版されています。
 そういう本は、社会学的に心理学的に、また犯罪抑止のために、貴重な資料なのでしょう。社会的意義はおいといても、そういう本は、人々の好奇心を煽ります。

 一方、書き手のほとんどは、善良な市民です。善良な作品のほとんどは、凶悪犯罪者の著作ほど読まれません。
 著作の印税の行方も気になりますが、仮に印税を全て慈善団体に寄付し一円も作者の懐に入らなくても、多くの人に読まれること自体に、モヤモヤします。
 これが前世紀……は、二十世紀で自分の青春時代だ……じゃなくて、前々世紀の凶悪犯罪者だったら、上品じゃない純粋な好奇心で読めそうです。が、同時代人だと生々しくて、もや~っとします。

 ドン引きしましたか?
 うちの近所で事件が起きたら、私が疑われるな。動機が小説のページビューを稼ぐためって……情けなすぎる。どうせなら恋愛がらみの方がネタ的には面白いけど、幸か不幸か、色っぽい話とは縁がないんだよ。色っぽい話を書くのは好きなのに。

 考えるまでもなく、悪いことしてページビューが上がるぐらいなら、小市民やってページビューゼロの方が、ずーーーーーーっと幸せな人生です。
 決して消えない重苦しい罪を背負って生きるの、苦しいじゃありませんか。
 一方、ページビューゼロは悲しいけど、迷惑かけてないし、自虐ネタ増えるし、それはそれで貴重な人生体験です。ほとんどの知り合いは気を遣って「小説書けるだけですごいよー」と慰めてくれます。


 小説のページビューを稼ぐために罪を犯すのは、もったいない、というか、普通はしないよね。
 では犯罪ではないけど、炎上発言で注目を集めてページビューを稼ぐのはどうでしょう?
 炎上発言もうっかりすると名誉棄損になりますが、法に抵触しない範囲なら?

 私はアリだと思います。私、ネットの炎上、見ちゃうんです。他人の炎上、なんで楽しいんでしょ?
 ああ自分、またドン引きされるぞ。
 付け加えるなら、ヘイトや個人攻撃、容姿や出身をいじるのもダメでしょう。努力ではどうにもならないことをあげつらうのは、恥ずかしいことです。

 なお、意図せず炎上する場合があります。無邪気に幸せな報告をして妬まれるケースです。気の毒としか言いようがありません。
 幸せを妬む気持ち、すごーくわかります。が、それをあからさまにするのって、惨めじゃありません?
 悔しかったらスルーするか、素直に「くやし~うらやまし~!」と明るく返そうよ。

 さらにもうひとつ。私が嫌いな炎上者は「本気じゃないよ。炎上狙っただけ」と、あとで言い訳する奴です。
 あのさあ、炎上狙うなら覚悟しろよ! 予想以上に厳しい反応があったら「言い過ぎました。ごめんなさい」と素直に謝れ!


 ということで、がんばって炎上発言を考えてみました。

『知性と教養のない人には、私の小説の良さはわからない』

 おおお! マジ言ってみたい! 知性と教養を詰め込みまくった小説を書いてみたいが……ないもんは詰められないんだよ~!!!


『文章の基本ルールができてない小説を見ると、目が腐る』

 にゃはははは~、誤字脱字帝王の自分、どれだけ多くの目を腐らせたんだ?


『作者の願望丸出しの小説は、ただ気持ち悪い』

 悪いか! 女はなあ、八十歳になってもイケメンにちやほやされたいんだよ!


 はい。炎上商法でバズろうと思いましたが、自分はまだまだ修業が足りないようです。

 ということで、京都アニメーション放火殺人事件がらみの話は、今回で終わります。
 次回は久しぶりに表記の話、「字下げ」について語ります。
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