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人類は、昔から禁断ネタ大好き

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 小説投稿万年初心者のエッセイです。

 会社や学校、または家庭で「Aさんが、言ってたよ」「みんなに言われているよ」「先生に叱られるよ」と、間接的な言い方で注意されません? え? 自分は注意なんかされたことはない? いや、それは素晴らしいや。
 私は、本当にダメダメ会社員で、入社したての頃、よく注意されました。今は年取りすぎて諦められたみたいですが。
 ダメ過ぎて、注意されていることすら気がつきませんでした。

「私の知り合いの子でね、パンチをこういう使い方をする子がいるのよ。このガイドを使えばいいのに」

「前の会社の女の子がね、ちゃんとお手本を見せているのに全然直らなくて、それ、人をよく見てないってことなのよ」

 先輩のこの発言、何か胸にチクチクささりました。が、私はダメ過ぎて、その「知り合いの子」「前の会社の女の子」が自分を指しているとわかったのは、その先輩と縁がなくなって何年も経ってからでした。

 先輩は先輩なりの流儀で注意したのでしょう。が、本当にダメな奴には通じないんです。いい歳した大人に? と呆れるでしょうが、直接ハッキリキッパリ「お前のココがダメなんだ」と注意していただけるとありがたいです。
 新人指導に苦労している上司に「こういう姿を見せているのに、なぜアイツは察しないんだろう」ってぼやかれますが、察せないやついます。

 みなさま、直接注意するのは心苦しいから、察してちゃん、するんでしょうが、わからない奴には意味がありません。いつまで経っても通じないことに、ストレスがたまるだけです。
 もちろん、暴力的な言い方は厳禁ですが。
「あなたは穴あけパンチをこう使っていたけど、これだと紙が痛むよ。ガイドを使うのよ」と、何でこんなことイチイチ言わなきゃいけねーんだよ~、とイライラするでしょうが、どうか耐えてください。

 なお、私は自分が察せないくせに察してほしい、という最悪の人間です。とはいえこの経験から、私は直接注意を心掛けています。

 ここまで書くと、私の小説やエッセイにバシバシ注意がやってきそうだなあ。はい、大丈夫です。が「時間の無駄」「キモ」「ウザ」「消えろ」「害悪」というレベルで言われるのは凹むので、穏やかな直接注意でお願いします。


 前回、小説の中身は自由でいいんじゃないか? と、語らせていただきました。その傍証として私は今回「虎の威を借る狐」をやらせていただきます。
 かなーり昔、まだ「小説」誕生以前から語り継がれてきた物語を持ち出して、昔の人だってそれなりに自由にしてたよ、という結論に持っていくわけです。
 また前置きが長くなったよ。しかも、前置きと正反対のこと主張しているよ。


 ということで、虎の威を借る狐企画『古代人も禁断や萌えが好きだった』
 まず一つ。古代インドの神様賛歌『リグ・ヴェーダ』から。
 ご存じでしょうか? 世界史の授業で名前は出たかもしれません。私もそんなに知りませんが、紀元前千五百年~千年にできたそうです。日本は縄文時代でしょうか。相当古いですね。

 ここで、ヤマとヤミーという双子の兄妹神に登場してもらいましょう。

 妹ヤミーは、兄さんヤマが大好き。今回のテーマは『禁断』ですから、普通の好きではありません。
 ヤミーは「兄さんが好きなの。だから夫婦になりましょう」と迫ります。
 兄は「俺たち兄妹だからやばいよ」と断ります。
 しかし妹、何度も兄に「兄妹だからダメ」と拒絶されてもめげません。「運命だから」「神が命じているから」などとあの手この手で、兄をモノにしようと迫ります。

 対話の結末は書いてありません。妹が何度目かの説得を試みたところで終わっています。
 では、この二人はどうなったのでしょうか? 彼らは夫婦になり人類の祖となりました。
 兄に心境の変化があったのでしょうか。うーん、そこ、知りたいですねえ。書いてあったけど失われたのか、古代人的にはそこは興味なかったのか?
 妹が積極的に兄ちゃんに迫る、というのがポイントです。


 もう一つ。『ギルガメッシュ叙事詩』ってご存じでしょうか?
 メソポタミアにある世界最古の文学と言われ、一説によると、元の話は四千年~五千年前にはあったそうです。(今残っているのは三千年前バージョン)
 この世界最古の物語、萌え要素たっぷりなんです。

・ライバルと格闘の末、友情が芽生える
・元ライバルの友人がヒーローの身代わりになって死ぬ
・ヒーロー、友の亡骸に「花嫁のベール」をかけてあげる

 熱血スポコンありBL要素あり、てんこ盛りです。
 大昔から人間って、萌えが好きなんですね。

 他にも、古代ギリシアで誰もが絶賛する悲劇『オイディプス王』は、知らずに結ばれてしまった母と息子の禁断愛。
 源氏物語で、中宮の藤壺は、義理の息子光源氏の子供を産みます……いやドロドロすごい……昔の人もそういうドラマ好きだったんですね。


 一方、記述のルールって、昔の方が厳格だったみたいです。
 私は全然この手のルール知りませんが、神様賛歌『リグ・ヴェーダ』は叙事詩ですから、韻律に乗って描かれているのでしょう。
 古代ギリシア悲劇は、舞台に同時に立つのは三人まで。俳優は男性限定なので歌舞伎みたいなものですね。悲劇の場合、題材は神話から取るので、オリジナルキャラのオリジナルストーリーはありません。

 源氏物語はどうなんでしょう? ごめん、古文ダメダメだから、わからないや。ただ、二重敬語は帝限定とか、文章作法における上下関係は厳しいようです。
 そもそも、長い間、文学は韻文でした。散文が出てきたのは新しく、話ことばがそのまま文章に登場したのは、人間の歴史からすると新しいんじゃないかな。
 昔の人からすれば、我々は好き勝手に書いているんでしょう。


 知識ないからこれ以上何も書けないや。オチがつけられなくてごめん。
 とにかく、昔から今まで禁断の愛は、語り継がれてきたみたいです。
 身分違いの恋やら不倫やら、リアルじゃやめとけ、ですが、物語としては面白い。

 が、昨今のラノベは、源氏物語でいうなら、正妻の葵の上ポジションの話が主流ですね。いわゆる悪役令嬢もの、婚約破棄ものは、逆の立場の話です。
 大昔は、虐げられる貧しい愛人がヒロインでしたが、今は、愛されない正妻の苦しみにフォーカスされているようです。ハーレクインでいう契約結婚ジャンルなんか、まさにソレだし。

 この「愛されない正妻」物語について話そうと思ったのですが、長くなったので、次に回します。大した話じゃないので、次回はあっさり終わります。
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