10 / 12
リコの秘密
しおりを挟む
噴水公園では、犬の散歩をする人、読書をする人、チェロの練習をする大学生、様々な人たちが、思い思いに過ごしていた。
夕焼けが空を包み、噴水の水面はゆらゆらとオレンジ色に染まっていく。
モモとサッチは茂みに隠れながら、リコを探した。
「いたわ。」
「えっ、どこ?」
「噴水の向こう。」
噴水の淵に本を片手に座っているリコがいた。
「あいつ、読書なんかしたっけ。」
しばらくすると、リコは立ち上がった。大きな犬が噴水の向こう側から走ってきて、尻尾を振りながらリコに近づいて来るのが見える。リコは笑いながら両手で犬の長い毛並みをを整えるように撫でた。
すぐに犬の飼い主と思われる女性がやってきて、リコと親しそうに話を始めた。
「あの美人は誰だろう。」
「なるほどね、、最近付き合いが悪いと思ったら。そういうことですか。」
「サッチ、帰るわよ。」
モモはそう言いうと、駅に向かって足早に歩き出した。
「えっ、ちょっと待ってよ。夕飯は?おなかすいちゃったよ。」
「本日の夕飯は各自とします。以上解散。」
モモは歩くのをやめずにそう言うと、駅に向かって一人で行ってしまった。
「モモ、なんか怒ってる?」
夕暮れ時の噴水公園で一人、サッチは肩をすくめた。
「うーん。あの人、どこかで見たような・・そんなことより、夕ご飯、夕ご飯。」
サッチは明かりが灯り始めた繁華街のほうに歩き出した。
夕焼けが空を包み、噴水の水面はゆらゆらとオレンジ色に染まっていく。
モモとサッチは茂みに隠れながら、リコを探した。
「いたわ。」
「えっ、どこ?」
「噴水の向こう。」
噴水の淵に本を片手に座っているリコがいた。
「あいつ、読書なんかしたっけ。」
しばらくすると、リコは立ち上がった。大きな犬が噴水の向こう側から走ってきて、尻尾を振りながらリコに近づいて来るのが見える。リコは笑いながら両手で犬の長い毛並みをを整えるように撫でた。
すぐに犬の飼い主と思われる女性がやってきて、リコと親しそうに話を始めた。
「あの美人は誰だろう。」
「なるほどね、、最近付き合いが悪いと思ったら。そういうことですか。」
「サッチ、帰るわよ。」
モモはそう言いうと、駅に向かって足早に歩き出した。
「えっ、ちょっと待ってよ。夕飯は?おなかすいちゃったよ。」
「本日の夕飯は各自とします。以上解散。」
モモは歩くのをやめずにそう言うと、駅に向かって一人で行ってしまった。
「モモ、なんか怒ってる?」
夕暮れ時の噴水公園で一人、サッチは肩をすくめた。
「うーん。あの人、どこかで見たような・・そんなことより、夕ご飯、夕ご飯。」
サッチは明かりが灯り始めた繁華街のほうに歩き出した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
リ・ボール
よもや
青春
自身の夢『サッカーワールドカップ』の舞台についに…監督として、その足を踏み入れた『仁界 巡』。遅くして芽生えたサッカーへの熱い思いを遂げるため、常に全力で試合に臨んでいた。
しかしその最中、彼はトラックに跳ねられ命を落としてしまう。彼の人生は、サッカーに対する知識と情熱を完全燃焼させられないままその人生に幕を閉じてしまった。
しかし、目を覚ますと自分の記憶を保ったまま0歳の赤ん坊に戻っているではないか。
記憶と情熱はそのまんま『リ・ボーン』。ワールドカップの舞台を踏むという人生の目標を成し遂げるために、今度は『選手』として…再びボールを蹴りだす。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……
紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz
徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ!
望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。
刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。
打ち抜きレッドライン〜平々凡々な僕と噂のビッチゲーマーが大会Lv.99へ挑戦する〜
どっぽは苦手なんだ
青春
近未来、没入型VRゲームが流行する時代。主人公、山田健一は平々凡々な大学生。その日常は活気もなく、バイトと学業が中心だった。そんな彼の生活は、喫煙所で出会った後輩に話しかけられたことで一変する。
学年を飛び越え、様々な男を連れ込むビッチと噂のある女。周囲は冷ややかな視線を向けていたが、実際にはゲームに情熱を注ぐ繊細な少女であることを誰も知らなかった。彼女の願いは名が残る大会で「実績」を残すこと。
この物語は、愛と友情、挫折と成功、努力の結果を描いた青春の物語。彼女の思惑に健一は揺れ動く。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる