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土曜日。正午を少し過ぎた頃に、奈未がマンションにやって来た。
ギリギリまで部屋の片付けをしている俺のことをぼんやりと眺めていたチビは、奈未が玄関のチャイムを鳴らしても、床にぺたんと座り込んだまま立ち上がろうともしなかった。
「お邪魔します。ハルヒサ、ケーキ買ってきたよ」
ドアを開けると、奈未が四角い箱を顔の傍まで持ち上げてにこっと笑った。
「おー、ありがと。上がって」
奈未を部屋に通すと、まだ床に座り込んだままのチビが不思議そうな顔をして俺と彼女をじっと見上げてくる。
「はじめまして。あたし、お兄ちゃんの彼女の奈未です。えっと、お名前は?」
奈未はチビの前にしゃがむと、にっこりと笑いながら愛想よく自己紹介をした。
けれどチビは、目の前の奈未をじっと見つめたまま何も言わない。チビが何も言わないから、笑顔だった奈未の口元が徐々に引き攣ってくる。
「奈未。そいつ、もうほっといていいよ。いつもそんなだから」
俺はしゃがんでいる奈未の腕を引っ張った。
俺に引っ張られた奈未が、不服そうな顔をする。せっかく最高に愛想よく微笑んでみせたのに、チビが少しも反応示さなかったことが不満だったようだ。
「奈未が持ってきてくれたケーキ食べよう。準備するから、手伝ってくれる?」
誘いかけると、奈未は俺と一緒に狭いキッチンについてきた。
キッチンに足を踏み入れた奈未が、俺の服の裾を引っ張って、冷蔵庫の影へと連れていく。
キッチンは部屋と一続きになっていて筒抜けだけど、冷蔵庫の前に立てばキッチンはチビのいる部屋から死角になった。
「ねぇねぇ、ハルヒサ。あの子、今日どこかに出かけたりしないの?」
奈未が小さな声で俺の耳元に囁く。
チビのあまりの反応の悪さに、奈未はあいつへの興味を完全に失ったらしい。
「あぁ、いつも土日は家にいるな。あいつ」
俺の言葉に、奈未はふて腐れたように小さく頬を膨らませた。
「ええ。つまんない」
奈未が駄々を捏ねるようにそう言って、ピンク色の綺麗なネイルが施された指に、ミルクティ色の髪の毛の先をクルクルと巻きつける。
奈未の発言はやや自分勝手だけれど、不貞腐れた仕草は可愛くてわりと好きかもしれない。
俺は唇の片端を引き上げるようにして少し笑うと、奈未の柔らかなミルクティー色の髪に手を差し込んだ。
後頭部をつかんでぐっと引き寄せると、艶々したピンク色のグロスが塗られた奈未の唇に、啄ばむような軽いキスを落とす。
「ハ、ハルヒサ!」
自分から人を死角に誘い込んだくせに、奈未が一続きの部屋にいるチビを気にかける。
「お前が誘ったんじゃん」
「そんなことな────」
顔を赤くしている奈未の反応が可愛くて、少し苛めたくなる。
奈未の腰を引き寄せて抱きしめると、半開きになっていた奈未の口に舌を差し込んで、今度は深いキスをした。
唇を重ねながら、奈未の着ているトップスの裾からゆっくり手を差し入れたとき、奈未が俺の胸を手の平で押しのけた。
「ハルヒサ。さすがに、今はダメ……」
奈未が頬を赤く染めながら、もっともらしく首を横に振る。
「えー」
俺は不満げにそう言うと、本気で胸を押し返してくる奈未の身体を渋々離した。
「ケーキ食べたら、チビはどっかに遊びに行かす。それで、続きね」
「バカ」
耳元で囁くと、顔を真っ赤にした奈未に思いきり小突かれた。
「いてぇな」
奈未に小突かれたところを大袈裟にさすると、彼女と一緒に今度こそケーキを出して紅茶を用意した。
奈未が持ってきてくれたケーキは、苺のショートケーキ、苺とブルーベリーが載ったタルト、レアチーズケーキの3種類。
部屋のローテーブルの上に、ケーキを載せた皿を並べると、チビはその中でも一番見た目の華やかなタルトをやけに熱心な目で見つめていた。
「どうぞ。好きなの食べていいよ」
奈未がにっこりとチビに笑いかけて、もう一度愛想を振り撒く。
けれど、チビは奈未のことをチラッと見上げただけで、黙って苺とブルーベリーのタルトの皿を自分の方へと引き寄せた。
チビの失礼な反応に、奈未が俺に不満そうな視線を向けてくる。それに対して俺は、苦笑いを返すしかなかった。
奈未に対して一言も口を聞かないくせに、チビは彼女が持ってきたケーキだけは綺麗にちゃっかり平らげた。それがまた、奈未の不満を募らせる。
奈未の笑顔が不自然になり、少しずつ口数が減っていくのに気付いた俺は、ケーキを食べ終えたチビに声をかけた。
「なぁ。俺とこのお姉ちゃん、これから大学の大事な課題をやらないといけないんだ。だから、夕方まで外で遊んで来い」
俺にそう言われたチビは、なんとも腑に落ちないという表情を浮かべながらも頷いた。
黙ったまま立ち上がると、猫のキャラクターが描かれた小さなショルダーバッグを持って家を出て行く。
チビが出て行ったのを確認すると、奈未が眉をしかめながらふぅっと小さく息をついた。
「なに、あの子! いくら子どもだからって、感じ悪すぎじゃない? ハルヒサ、よくあんな子と一緒に暮らしてるよね」
俺に愚痴をこぼす奈未の機嫌は、すこぶる悪かった。
「一緒に暮らしてるっていうより、俺の空間にただ『居る』っていう感覚しかないけどな」
息を吐いて立ち上がると、テーブルの上の皿と紅茶のカップを台所のシンクに運ぶ。
洗いものはあとから片付けることにして、俺はまだ機嫌の悪い奈未の傍に戻った。
「早く実家に引き取ってもらえればいいのにね」
ミルクティ色の長い髪に指を絡ませながら、奈未が唇を尖らせる。
俺はクスクスと笑うと、ふて腐れた子どもみたいな顔をした奈未を後ろから抱きしめた。
「いい加減機嫌なおせば? 相手は7歳の子どもだろ」
「だって──」
奈未が唇を尖らせたまま、俺を振り返る。その顎を指でつかまえると、口先を尖らせた彼女の唇を塞いだ。
キスに応えながら、奈未が俺の腕の中で身を捩じらせる。そうして俺の膝の上に座って向かい合うような体勢になると、奈未が俺の首に腕を回して抱きついてきた。
「チビもいなくなったことだし、大事な課題をやらないとな」
膝の上の奈未を抱きかかえて立ち上がると、彼女の耳元に囁く。
「何よ、大事な課題って」
「あるじゃん。すげぇ大事なやつ」
奈未が俺の顔に頬を寄せながらクスクスと笑う。可愛い笑い声をたてる奈未の頬にちゅっと唇を押し付けると、彼女の身体をそっとベッドに降ろす。そして、彼女に覆いかぶさった。
「あの子が途中で戻ってきたらどうする?」
奈未が俺の頬に手をあてながら、悪戯っぽく笑う。
「いいよ、別に」
俺は頬に触れる奈未の手をとると、指を絡ませ、握って、彼女の顔を横に押し付けた。
「教育上、よくないよ?」
「思ってもないくせに」
ふざけて笑う奈未の唇を塞ぐ。
狭いシングルベッドの上。俺は追い払ったチビのことなど忘れて、彼女と抱き合った。
ギリギリまで部屋の片付けをしている俺のことをぼんやりと眺めていたチビは、奈未が玄関のチャイムを鳴らしても、床にぺたんと座り込んだまま立ち上がろうともしなかった。
「お邪魔します。ハルヒサ、ケーキ買ってきたよ」
ドアを開けると、奈未が四角い箱を顔の傍まで持ち上げてにこっと笑った。
「おー、ありがと。上がって」
奈未を部屋に通すと、まだ床に座り込んだままのチビが不思議そうな顔をして俺と彼女をじっと見上げてくる。
「はじめまして。あたし、お兄ちゃんの彼女の奈未です。えっと、お名前は?」
奈未はチビの前にしゃがむと、にっこりと笑いながら愛想よく自己紹介をした。
けれどチビは、目の前の奈未をじっと見つめたまま何も言わない。チビが何も言わないから、笑顔だった奈未の口元が徐々に引き攣ってくる。
「奈未。そいつ、もうほっといていいよ。いつもそんなだから」
俺はしゃがんでいる奈未の腕を引っ張った。
俺に引っ張られた奈未が、不服そうな顔をする。せっかく最高に愛想よく微笑んでみせたのに、チビが少しも反応示さなかったことが不満だったようだ。
「奈未が持ってきてくれたケーキ食べよう。準備するから、手伝ってくれる?」
誘いかけると、奈未は俺と一緒に狭いキッチンについてきた。
キッチンに足を踏み入れた奈未が、俺の服の裾を引っ張って、冷蔵庫の影へと連れていく。
キッチンは部屋と一続きになっていて筒抜けだけど、冷蔵庫の前に立てばキッチンはチビのいる部屋から死角になった。
「ねぇねぇ、ハルヒサ。あの子、今日どこかに出かけたりしないの?」
奈未が小さな声で俺の耳元に囁く。
チビのあまりの反応の悪さに、奈未はあいつへの興味を完全に失ったらしい。
「あぁ、いつも土日は家にいるな。あいつ」
俺の言葉に、奈未はふて腐れたように小さく頬を膨らませた。
「ええ。つまんない」
奈未が駄々を捏ねるようにそう言って、ピンク色の綺麗なネイルが施された指に、ミルクティ色の髪の毛の先をクルクルと巻きつける。
奈未の発言はやや自分勝手だけれど、不貞腐れた仕草は可愛くてわりと好きかもしれない。
俺は唇の片端を引き上げるようにして少し笑うと、奈未の柔らかなミルクティー色の髪に手を差し込んだ。
後頭部をつかんでぐっと引き寄せると、艶々したピンク色のグロスが塗られた奈未の唇に、啄ばむような軽いキスを落とす。
「ハ、ハルヒサ!」
自分から人を死角に誘い込んだくせに、奈未が一続きの部屋にいるチビを気にかける。
「お前が誘ったんじゃん」
「そんなことな────」
顔を赤くしている奈未の反応が可愛くて、少し苛めたくなる。
奈未の腰を引き寄せて抱きしめると、半開きになっていた奈未の口に舌を差し込んで、今度は深いキスをした。
唇を重ねながら、奈未の着ているトップスの裾からゆっくり手を差し入れたとき、奈未が俺の胸を手の平で押しのけた。
「ハルヒサ。さすがに、今はダメ……」
奈未が頬を赤く染めながら、もっともらしく首を横に振る。
「えー」
俺は不満げにそう言うと、本気で胸を押し返してくる奈未の身体を渋々離した。
「ケーキ食べたら、チビはどっかに遊びに行かす。それで、続きね」
「バカ」
耳元で囁くと、顔を真っ赤にした奈未に思いきり小突かれた。
「いてぇな」
奈未に小突かれたところを大袈裟にさすると、彼女と一緒に今度こそケーキを出して紅茶を用意した。
奈未が持ってきてくれたケーキは、苺のショートケーキ、苺とブルーベリーが載ったタルト、レアチーズケーキの3種類。
部屋のローテーブルの上に、ケーキを載せた皿を並べると、チビはその中でも一番見た目の華やかなタルトをやけに熱心な目で見つめていた。
「どうぞ。好きなの食べていいよ」
奈未がにっこりとチビに笑いかけて、もう一度愛想を振り撒く。
けれど、チビは奈未のことをチラッと見上げただけで、黙って苺とブルーベリーのタルトの皿を自分の方へと引き寄せた。
チビの失礼な反応に、奈未が俺に不満そうな視線を向けてくる。それに対して俺は、苦笑いを返すしかなかった。
奈未に対して一言も口を聞かないくせに、チビは彼女が持ってきたケーキだけは綺麗にちゃっかり平らげた。それがまた、奈未の不満を募らせる。
奈未の笑顔が不自然になり、少しずつ口数が減っていくのに気付いた俺は、ケーキを食べ終えたチビに声をかけた。
「なぁ。俺とこのお姉ちゃん、これから大学の大事な課題をやらないといけないんだ。だから、夕方まで外で遊んで来い」
俺にそう言われたチビは、なんとも腑に落ちないという表情を浮かべながらも頷いた。
黙ったまま立ち上がると、猫のキャラクターが描かれた小さなショルダーバッグを持って家を出て行く。
チビが出て行ったのを確認すると、奈未が眉をしかめながらふぅっと小さく息をついた。
「なに、あの子! いくら子どもだからって、感じ悪すぎじゃない? ハルヒサ、よくあんな子と一緒に暮らしてるよね」
俺に愚痴をこぼす奈未の機嫌は、すこぶる悪かった。
「一緒に暮らしてるっていうより、俺の空間にただ『居る』っていう感覚しかないけどな」
息を吐いて立ち上がると、テーブルの上の皿と紅茶のカップを台所のシンクに運ぶ。
洗いものはあとから片付けることにして、俺はまだ機嫌の悪い奈未の傍に戻った。
「早く実家に引き取ってもらえればいいのにね」
ミルクティ色の長い髪に指を絡ませながら、奈未が唇を尖らせる。
俺はクスクスと笑うと、ふて腐れた子どもみたいな顔をした奈未を後ろから抱きしめた。
「いい加減機嫌なおせば? 相手は7歳の子どもだろ」
「だって──」
奈未が唇を尖らせたまま、俺を振り返る。その顎を指でつかまえると、口先を尖らせた彼女の唇を塞いだ。
キスに応えながら、奈未が俺の腕の中で身を捩じらせる。そうして俺の膝の上に座って向かい合うような体勢になると、奈未が俺の首に腕を回して抱きついてきた。
「チビもいなくなったことだし、大事な課題をやらないとな」
膝の上の奈未を抱きかかえて立ち上がると、彼女の耳元に囁く。
「何よ、大事な課題って」
「あるじゃん。すげぇ大事なやつ」
奈未が俺の顔に頬を寄せながらクスクスと笑う。可愛い笑い声をたてる奈未の頬にちゅっと唇を押し付けると、彼女の身体をそっとベッドに降ろす。そして、彼女に覆いかぶさった。
「あの子が途中で戻ってきたらどうする?」
奈未が俺の頬に手をあてながら、悪戯っぽく笑う。
「いいよ、別に」
俺は頬に触れる奈未の手をとると、指を絡ませ、握って、彼女の顔を横に押し付けた。
「教育上、よくないよ?」
「思ってもないくせに」
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