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黒の帳 『一つ目の帳』
龍牙の妹
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私と少し話した後、龍牙は家に帰っていった。
やべえ叱られる!って帰っていったけど、大丈夫かな。怒らないであげて欲しい。私を看病してくれたから、遅れてしまったんだ。
連絡しておこう。
携帯を取り出し、先程龍牙に教えてもらった連絡先を押す。数回の呼出音がプツリと切れ、電話が繋がった。
『もしもしっ、え…えっと、こちら片桐です!』
「ふふ、何だか軍隊みたいだよ?こちら紫川です!」
可愛い声だ。自宅の固定電話にはあまり出たことがないのか、慌てた様子で女の子が電話に出た。あの家の女の子といえば、一人だけ。
『あっ、鈴ちゃんだ!』
「そうだよ~。久しぶりだね、彩ちゃん。彩ちゃんはもう中学…一年生だったっけ?」
『うんっ、私ね、バスケットボール部に入ったの。友達いっぱいできて、前仲良かったモモちゃんにも会えてね、それで』
「彩ちゃん、ごめんだけど、今すぐ伝えて欲しいことがあるんだ。龍牙の帰りが遅くて、お母さんが怒ってるかもしれない。龍牙はね、体調が悪い私の看病をして遅れちゃったんだ。私がワガママを言ったから、龍牙は悪くないんだ。それを伝えてくれないかな」
龍牙の妹の、片桐彩ちゃん。彼女は今は中学一年生らしい。
龍牙の両親は、二人が新しい学校に上がることを考えて引越しを決めたんだろうか。誰だって、幼い頃から住んでいる故郷がいいから、中途半端な時に越してしまうのは寂しさが募るだろう。
きっと、彩ちゃんも幼なじみや友達と再会できて、楽しい日々を送っているんだろう。小学生の時のように、また片桐家に遊びに行きたいな。
『お母さんねー怒ってないの』
「あれ、そうなの?ならいいんだけど…」
『青春ねーって言って笑ってた。お兄ちゃんね、恋してるの』
「……龍牙が?」
龍牙が、恋?
一体誰だろう、高校の人かな。それとも全く別の人かな。あのやんちゃな龍牙が好きになんて、相当包容力のある人だな。
…まずくないか。
クリミツは龍牙が好きなのに!
龍牙が好きな人はクリミツで、両思いだったー!みたいな展開ないかな。じゃないと、色々大変だ。
どちらにしろあの二人の関係は変わるだろう。だから、悪い方向に変わって欲しくない。
だって二人は大切な友人だから。
『うんっ!相手が誰かは分かんないけど…私には分かるよ、あれは恋する顔だ!ってね。ぽーって考え込むこと多いの。お兄ちゃん、中学でモテモテだったのに、片思いなんて珍しいなあって』
「龍牙…中学でモテモテだったの?」
『あっ、ヤバ!これ鈴ちゃんにはナイショって言われたんだった…聞かなかったことにしてっ!私、怒られちゃう』
「うん、分かったよ。龍牙には言わないから安心して」
龍牙、中学で大人になったんだな…。
あの素振りじゃ分からなかった。やっぱり龍牙はモテるんだ。
『あっ、お兄ちゃん帰ってきた!じゃあね鈴ちゃん。今度遊びに来てよ!私、シナノンちゃんとマイメモちゃんのぬいぐるみ用意して待ってるからっ』
「あっ、あ、ありがとう!!そっ、それじゃあね」
通話を切り、一息つく。よし、当初の目的は果たしたぞ。
彩ちゃん…なんてお誘いなんだ。行くしかないじゃないか。都合が良い日を聞いて、是非遊びに行きたい、是非。
そういえば、私も持ってるんだよな…。クローゼットを開き、中身を隠すように隅の方に押し込んである袋を取り出した。
今度遊びに行く時は、この子を持っていこう。可愛い可愛いシナノンちゃん。汚してしまうのが嫌で、一度も袋から出していなかった。ゆっくりと袋から出せば、つぶらな瞳が見える。
…可愛いなあ、本当に可愛い。モフモフだし、耳だってこのフォルム、考えた人は神様だ。
私はシナノンちゃんを持ったまま、テーブルの上のコップ…いや、その隣に目を向けた。
可愛い可愛い、シナノンちゃんのコースター。雅弘さんや氷川さんがいる時は、恥ずかしくて言えなかった。シナノンちゃんの顔の上にコップ乗せないで、なんて、男子高校生の言うことではない。
カフェ、楽しかったな。
紅陵さんが悦に入りすぎて喘いだ(?)のは驚いたけど、あの時の顔はとっても可愛かった。
また、行けるかな。今度はカフェじゃなくて、買い物に行ってみたい。紅陵さんってどんな私服なんだろう。身長が高いから、着るものに困ってそうだ。でも、スタイルが良いから何を着てもモデルさんみたいに格好いいだろうな。
紅陵さんに、会いたい。
会って、話をしたい。
暴力を止めて、だなんて、裏番さんだし聞いてくれないかもしれない。望んでその座に着いたのであれば尚更だ。
周りも許さないだろう。氷川さんより強いから、トップがその座を引くとなると、周りは騒がしくなるだろう。きっと、後釜を狙う人が出てくる。紅陵さんは極道の息子の氷川さんとは違うから、紅陵先輩が登り詰めたなら俺だっていけるだろう、みたいな人達が出てくるに違いない。そうなったら、ただでさえ騒がしい中央柳高校、そんな場所の秩序が、目も当てられないことになる。
そもそも、もし、万が一の話だが、紅陵さんを私が変えてしまったら、だ。前の紅陵さんはギラギラしてました!何でふぬけちゃったんすか!みたいな人が出てくるだろうな。
優秀な人間は、良くも悪くも注目を集める。本人の意思とは関係無く、崇拝や憧れの対象にされることもある。きっと、紅陵さんもその一人だ。彼に関する噂が多すぎる。紅陵さんは手が早いから周りに人が寄っていないだけだ。その強さに陶酔する不良さんは沢山いる…と思う。その不良さん達はずーっと付き纏うだろうなあ。
…訪れるかも分からない困難を考えてどうする。そもそも、まだ紅陵さんと話が出来ると決まったわけじゃない。
……どうしよう、会いたいな。
…
……
………
落ち着け私!これではまるで逢瀬を待ち侘びる恋人じゃないか!!
頬をぺちんと叩き、横切ったおかしな考えを頭から振り払った。シナノンちゃんを袋に戻し、クローゼットに仕舞う。
もう夜も遅い。だが、散々寝たせいか、眠気は無い。とりあえず、お風呂に入ろうかな。
浴室で髪を洗っていると、鏡で自分の顔が見えた。
周りに、可愛い可愛いと持て囃される、この顔。
どうせ、女の子の代用品だ。そう、思いたかった。
でも、嬉しそうに私に化粧を施そうとした女の子達を思い出した。
『リンリンは可愛いっていうより綺麗なんだよね!』
『正直メイクなんかしなくても出来上がっちゃってる』
なら何故あの時化粧したんだ…。まあ、その時は好きだったマイちゃんが居たから逆らえなかった。腰まである黒髪が綺麗だったなあ。付き合うことは出来たけど、『優しすぎて物足りない』と彼女は筋肉質なイケメンに惚れてしまった。
もしこの高校生活でまた好きな人が出来たとして、その人の好みのタイプが格好いい人だったらどうしようか。
…紅陵さんと顔を交換したい。
紅陵さんは格好いい系のイケメンだ。ちょっと無気力そうで、何事にもクールに対応しそうな、頼りがいのある人。でも紅陵さんはクールなだけじゃない。可愛いんだ、あのパフェを頬張る顔といったら…。
あの人のあんな一面を知る人は、一体どれだけいるのだろう。噂の中に、裏番は甘党だ、スイーツ男子だ、なんてものは無かった。限られた人しか知らないのかな。ちょっとした優越感を覚えてしまう。
そうだ、今度会う時はお菓子を持っていこう。私が見た、彼が食べていたものは、ペッキーとトッペ。チョコが好きなのかな。カントリーマームとか、板チョコとか好きだろうか。
土日に買いに行かなくちゃ。
鏡に向かってにっこり笑ってみる。どうせこんな顔じゃどんな表情を浮かべても何か言われるんだ。だったら、笑ってた方がいいに決まってる!
鏡の中の私は、自信満々な笑顔を浮かべていた。
やべえ叱られる!って帰っていったけど、大丈夫かな。怒らないであげて欲しい。私を看病してくれたから、遅れてしまったんだ。
連絡しておこう。
携帯を取り出し、先程龍牙に教えてもらった連絡先を押す。数回の呼出音がプツリと切れ、電話が繋がった。
『もしもしっ、え…えっと、こちら片桐です!』
「ふふ、何だか軍隊みたいだよ?こちら紫川です!」
可愛い声だ。自宅の固定電話にはあまり出たことがないのか、慌てた様子で女の子が電話に出た。あの家の女の子といえば、一人だけ。
『あっ、鈴ちゃんだ!』
「そうだよ~。久しぶりだね、彩ちゃん。彩ちゃんはもう中学…一年生だったっけ?」
『うんっ、私ね、バスケットボール部に入ったの。友達いっぱいできて、前仲良かったモモちゃんにも会えてね、それで』
「彩ちゃん、ごめんだけど、今すぐ伝えて欲しいことがあるんだ。龍牙の帰りが遅くて、お母さんが怒ってるかもしれない。龍牙はね、体調が悪い私の看病をして遅れちゃったんだ。私がワガママを言ったから、龍牙は悪くないんだ。それを伝えてくれないかな」
龍牙の妹の、片桐彩ちゃん。彼女は今は中学一年生らしい。
龍牙の両親は、二人が新しい学校に上がることを考えて引越しを決めたんだろうか。誰だって、幼い頃から住んでいる故郷がいいから、中途半端な時に越してしまうのは寂しさが募るだろう。
きっと、彩ちゃんも幼なじみや友達と再会できて、楽しい日々を送っているんだろう。小学生の時のように、また片桐家に遊びに行きたいな。
『お母さんねー怒ってないの』
「あれ、そうなの?ならいいんだけど…」
『青春ねーって言って笑ってた。お兄ちゃんね、恋してるの』
「……龍牙が?」
龍牙が、恋?
一体誰だろう、高校の人かな。それとも全く別の人かな。あのやんちゃな龍牙が好きになんて、相当包容力のある人だな。
…まずくないか。
クリミツは龍牙が好きなのに!
龍牙が好きな人はクリミツで、両思いだったー!みたいな展開ないかな。じゃないと、色々大変だ。
どちらにしろあの二人の関係は変わるだろう。だから、悪い方向に変わって欲しくない。
だって二人は大切な友人だから。
『うんっ!相手が誰かは分かんないけど…私には分かるよ、あれは恋する顔だ!ってね。ぽーって考え込むこと多いの。お兄ちゃん、中学でモテモテだったのに、片思いなんて珍しいなあって』
「龍牙…中学でモテモテだったの?」
『あっ、ヤバ!これ鈴ちゃんにはナイショって言われたんだった…聞かなかったことにしてっ!私、怒られちゃう』
「うん、分かったよ。龍牙には言わないから安心して」
龍牙、中学で大人になったんだな…。
あの素振りじゃ分からなかった。やっぱり龍牙はモテるんだ。
『あっ、お兄ちゃん帰ってきた!じゃあね鈴ちゃん。今度遊びに来てよ!私、シナノンちゃんとマイメモちゃんのぬいぐるみ用意して待ってるからっ』
「あっ、あ、ありがとう!!そっ、それじゃあね」
通話を切り、一息つく。よし、当初の目的は果たしたぞ。
彩ちゃん…なんてお誘いなんだ。行くしかないじゃないか。都合が良い日を聞いて、是非遊びに行きたい、是非。
そういえば、私も持ってるんだよな…。クローゼットを開き、中身を隠すように隅の方に押し込んである袋を取り出した。
今度遊びに行く時は、この子を持っていこう。可愛い可愛いシナノンちゃん。汚してしまうのが嫌で、一度も袋から出していなかった。ゆっくりと袋から出せば、つぶらな瞳が見える。
…可愛いなあ、本当に可愛い。モフモフだし、耳だってこのフォルム、考えた人は神様だ。
私はシナノンちゃんを持ったまま、テーブルの上のコップ…いや、その隣に目を向けた。
可愛い可愛い、シナノンちゃんのコースター。雅弘さんや氷川さんがいる時は、恥ずかしくて言えなかった。シナノンちゃんの顔の上にコップ乗せないで、なんて、男子高校生の言うことではない。
カフェ、楽しかったな。
紅陵さんが悦に入りすぎて喘いだ(?)のは驚いたけど、あの時の顔はとっても可愛かった。
また、行けるかな。今度はカフェじゃなくて、買い物に行ってみたい。紅陵さんってどんな私服なんだろう。身長が高いから、着るものに困ってそうだ。でも、スタイルが良いから何を着てもモデルさんみたいに格好いいだろうな。
紅陵さんに、会いたい。
会って、話をしたい。
暴力を止めて、だなんて、裏番さんだし聞いてくれないかもしれない。望んでその座に着いたのであれば尚更だ。
周りも許さないだろう。氷川さんより強いから、トップがその座を引くとなると、周りは騒がしくなるだろう。きっと、後釜を狙う人が出てくる。紅陵さんは極道の息子の氷川さんとは違うから、紅陵先輩が登り詰めたなら俺だっていけるだろう、みたいな人達が出てくるに違いない。そうなったら、ただでさえ騒がしい中央柳高校、そんな場所の秩序が、目も当てられないことになる。
そもそも、もし、万が一の話だが、紅陵さんを私が変えてしまったら、だ。前の紅陵さんはギラギラしてました!何でふぬけちゃったんすか!みたいな人が出てくるだろうな。
優秀な人間は、良くも悪くも注目を集める。本人の意思とは関係無く、崇拝や憧れの対象にされることもある。きっと、紅陵さんもその一人だ。彼に関する噂が多すぎる。紅陵さんは手が早いから周りに人が寄っていないだけだ。その強さに陶酔する不良さんは沢山いる…と思う。その不良さん達はずーっと付き纏うだろうなあ。
…訪れるかも分からない困難を考えてどうする。そもそも、まだ紅陵さんと話が出来ると決まったわけじゃない。
……どうしよう、会いたいな。
…
……
………
落ち着け私!これではまるで逢瀬を待ち侘びる恋人じゃないか!!
頬をぺちんと叩き、横切ったおかしな考えを頭から振り払った。シナノンちゃんを袋に戻し、クローゼットに仕舞う。
もう夜も遅い。だが、散々寝たせいか、眠気は無い。とりあえず、お風呂に入ろうかな。
浴室で髪を洗っていると、鏡で自分の顔が見えた。
周りに、可愛い可愛いと持て囃される、この顔。
どうせ、女の子の代用品だ。そう、思いたかった。
でも、嬉しそうに私に化粧を施そうとした女の子達を思い出した。
『リンリンは可愛いっていうより綺麗なんだよね!』
『正直メイクなんかしなくても出来上がっちゃってる』
なら何故あの時化粧したんだ…。まあ、その時は好きだったマイちゃんが居たから逆らえなかった。腰まである黒髪が綺麗だったなあ。付き合うことは出来たけど、『優しすぎて物足りない』と彼女は筋肉質なイケメンに惚れてしまった。
もしこの高校生活でまた好きな人が出来たとして、その人の好みのタイプが格好いい人だったらどうしようか。
…紅陵さんと顔を交換したい。
紅陵さんは格好いい系のイケメンだ。ちょっと無気力そうで、何事にもクールに対応しそうな、頼りがいのある人。でも紅陵さんはクールなだけじゃない。可愛いんだ、あのパフェを頬張る顔といったら…。
あの人のあんな一面を知る人は、一体どれだけいるのだろう。噂の中に、裏番は甘党だ、スイーツ男子だ、なんてものは無かった。限られた人しか知らないのかな。ちょっとした優越感を覚えてしまう。
そうだ、今度会う時はお菓子を持っていこう。私が見た、彼が食べていたものは、ペッキーとトッペ。チョコが好きなのかな。カントリーマームとか、板チョコとか好きだろうか。
土日に買いに行かなくちゃ。
鏡に向かってにっこり笑ってみる。どうせこんな顔じゃどんな表情を浮かべても何か言われるんだ。だったら、笑ってた方がいいに決まってる!
鏡の中の私は、自信満々な笑顔を浮かべていた。
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