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黒の帳 『一つ目の帳』
運が悪い
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弁当箱を手に教室を出る。B組はすぐ隣だから大丈夫!B組の教室の扉は開いていたので、そこからこっそり顔だけを出して覗いてみる。
C組とはまた違う奇抜な不良さん達が沢山いる。しかし、全員、ある異様さがあった。皆がどこかしら怪我をしているのだ。頬に大きな絆創膏があったり、足を引きずっていたり、頭に包帯を巻いている人も居る。クリミツが、やったんだろうか。B組を全員倒したというクリミツの話を思い出した。ちょっと怖くて身震いする。
不良さんの間や、教室の隅の方まで目を通したが、クリミツは見当たらない。誰かに目をつけられない内に、顔を引っこめ、廊下で考える。
教室に居ないとなると、何処を探したらいいのだろうか。トイレかな。待っていたら会えるだろうか。
クリミツを探そうが探すまいが、お腹はすく。我慢出来なくなった私は、スマホのメッセージアプリで先に行く旨を伝え、階段の方へ向かう。屋上に向かう階段は二つあるが、A組側でもE組側でも距離は変わらないので、何となくE組側の階段へ歩き出した。
そう、何となくだったんだ。
だから、これは最悪の偶然なんだろう。
E組の後ろへ差し掛かり、角を曲がれば階段という所だった。目の前の扉が開き、三人の不良さんが出てきた。
「…マジだって、本当だから」
「うるせぇぞ明石。そんな美人が本当に居るなら目の前に連れてこい、本当ならな」
赤いメッシュの人に、黒髪の人に、褐色の黒髪で短髪の人。
最後の一人は分からないけど、最初の二人は、二度も私に絡んできたあの人たちだ。
逃げなきゃいけないのに、突然の事に何も出来ない私はただ突っ立っていた。
そのまま立ち去ってくれたら良かったけど、二人が私に気づいてしまった。
「…やっほー、さっきぶりだね」
「二度も逃げられるなんてなァ、三度目はねぇぞ。渡来、コイツだ」
赤い人…明石君が微笑み、そこで漸く硬直が解けた私は走り出そうとしたけど、明石君にガッチリ手首を掴まれてしまった。必死に手を引き剥がそうとしても、さらに強い力で抑え込まれ、褐色の人の前に差し出される。褐色さんは随分背が高く、身長がクリミツと同じくらいある。180は固いだろう。
「コイツが?ただの陰キャじゃねぇか」
「いやぁ俺達も最初はそう思ったんだよ。顔、自分で見てみなよ」
褐色さんの大きな手がのっそりとこちらに迫ってくる。必死に抵抗するが、黒髪の佐野君にも抑え込まれ、私の前髪はあっさり退けられてしまった。
私の顔立ちを見て、褐色さんが目を見開く。
「……おー、どこ連れてく?」
「ですよねー」
「ほーら言った通りじゃねえかよ。どうする?体育館倉庫は先輩達が使ってたしな、明石」
「空き教室はどうよ。他の奴らは交代の見張りで乗り切る感じで」
どうしたらいい、私は。抵抗しないと。
でも、抵抗はさっきした。意味が無い、どうしたら、どうしたらいいんだ。
このまま、連れて行かれて、彼らの好きにされるんだろうか。
彼らの会話が、視線が、これからやることがただの暴力でないことを示している。
どう、しよう、怖い。
恐怖で固まる私を覗き込み、褐色さんがにんまりと笑う。
「大丈夫、そんな怯えんなって。優しくするから…。美人だな、うん…本当に…、可愛いな」
「……ぁ……ぅ」
大きな手が髪を撫で、片手は愛おしそうに頬を包んでくる。瞳は甘く、視線は優しい。恋人気取りのそれが、私をさらに恐怖へ陥れた。気味が悪いし、意味が分からない。抵抗する私を拘束しておきなから、どうしてそんな顔と言葉を向けられるのか。
明石君に手首を掴まれ、佐野君に背中を押され、私は階段の方へ連れて行かれそうになる。悲しいことに私の抵抗は殆ど意味を成していない。
ならば、と誰かに助けて欲しくて周りを見たが、興味が無いか見て見ぬふりをするかどちらかしか居ない。誰か、誰か、私を助けてくれるような変わり者は居ないだろうか。祈りを込めてここからは遠いC組を見る。
教室の前で、クリミツと龍牙が話していた。携帯を覗き込み、何やら話している。今叫べば声が届くかもしれない。
「…ぁ、りゅっ、りゅうっ、ん…んん!?」
「ダメだよ~。アイツ覚えあるわ、俺らのこと殴ってきた奴だよ」
「おお危なかったな、明石ナイスー」
声を出そうとした瞬間、明石君に口を抑え込まれる。だけど、ここで粘っていれば気づいてくれるかもしれない。
でも、私の願いは叶わず、二人は反対側の階段へ向かってしまった。そうだ、私、携帯で先に行くって言っちゃったんだ。きっと、屋上に行った後に、私が居ないことに気づくだろう。でも、その前にどこかに連れ込まれたら、もう見つけてもらえないかもしれない。
「…うわ待ってー、やばい。口も柔らかい…肌スベスベだし、マジ最高」
「早く行こうぜ、渡り廊下で向こうだっけ?」
「俺場所知ってるよ。佐野、代わりに抑えといて」
「了解」
「やっ、…やだ、やめて、触らないでっ…」
どれだけ抵抗しても、抗議しても、明石君達は私を離さない。それどころか、その抵抗さえ可愛いというかのように、どんどん笑みが深まっていく。よく不良さん達が使う、大人しくしていれば~という常套文句すら使わない。それだけ私は力が弱いんだろう。
結局、私の抵抗は意味を成さず、部屋まで連れて行かれてしまった。三階の空き教室だ。
でも私は諦めない。素直にヤられてただろ、とか言われたくない。渡り廊下を渡ったし、私が屋上に行ったと思っている龍牙達には、ここを見つけることは難しいだろう。もう誰も助けに来ないだろうけど、私は最後まで抵抗する。
だけど、そんな意志に、感情はついてこなかった。
「…あれ、泣いてる」
「やっぱ怖いんだな。渡来、お前顔怖えんだって、見張りいけよ」
「あ?見張り要らねぇだろ。佐野、鍵かけてこい。こんな美人滅多に会えねぇし、誰かが見張りとか不公平だろ。…泣くなって、ほら、痛くしないから…」
悔しい、怖い、それらを通り越してもう情けなくなってくる。それでも涙が止められない。
まるで女の子のような扱いだ。渡来君に頭を撫でられたり、涙を拭われたり、落ち着かせるように肩を抱かれたりする。不気味だ。無理やり押さえ込んで行為に及ぶ方が、まだ理解出来る。
色々な感情が混沌として、視界はぼやけたまま戻らない。
「…やっ、だ、触ん、ないでっ…、きもち、わるいっ」
「…渡来、これ埒明かねえって。佐野ー」
「了解。さあさあ、…肌ってやっぱ白いだろうな~」
佐野君が私の服に手をかける。学ランが取り払われ、下に来ていたワイシャツの前まで開けられた。明石君が私の両腕を抑え、佐野君が私の両足の間に座ると、渡来君から不満の声が上がる。
「おいっ、まだ泣いてんだろうが」
「レイプすんのに何言ってんの…あ!マジか、乳首ピンクとか可愛い~♡」
「うっわ白、スベスベ…、マジで女じゃん。これチンコついてても全然ヤれる。ねえ美人ちゃんって処女?」
「うるさいっ…、やめてって、いい加減っ、に…ん…!?」
佐野君の金髪がやたらと近いと思ったら、次の瞬間にはキスされていた。昨日といい今日といい、どうして恋人でもない人の口を自分の口で塞げるんだ。佐野君は何度も角度を変え、口を当ててくる。私はぎゅっと息を止め、相手から与えられる物を出来る限り拒否する。
「んっ、んん…」
「こんなに可愛くてその上処女とかだったら…マジ暴発するかも」
「佐野!テメェの汚ぇ口つけてんじゃねぇよ!!」
「うるさいよ渡来、そもそもこんな美人と仲良くなろうって考えがはなからおかしいって。美人が俺ら相手にするわけないっしょ。佐野、俺にもチューさせて」
「ま、て、まってっ…」
明石君に引っ張られ、覆いかぶさっていた佐野君が私から離れる。
今、明石君は、私が彼らを相手にするわけが無いと言った。そんなこと、ないのに。誰とだって、私は、仲良くしたいのに。
佐野君が離れると同時に、明石君の顔が近づいてきて、ああまたキスするのかと思い、抵抗していると、廊下の方から轟音が聞こえた。ガラスの割れる音と、扉に何かが激しく打ち付けられる音。
「…は?」
「ウソウソ待ってよぉ、三回目は誰なの…」
「誰だっ!センコーじゃねぇな、…あ!?」
「ちわーっす」
「……ぅ、あ…」
安堵で、流れていた涙の量が増え、何も見えなくなる。視界は見えなくても、その、低い声は私の耳に届いた。
「紅陵…さんっ…」
「よォ、クロちゃん」
C組とはまた違う奇抜な不良さん達が沢山いる。しかし、全員、ある異様さがあった。皆がどこかしら怪我をしているのだ。頬に大きな絆創膏があったり、足を引きずっていたり、頭に包帯を巻いている人も居る。クリミツが、やったんだろうか。B組を全員倒したというクリミツの話を思い出した。ちょっと怖くて身震いする。
不良さんの間や、教室の隅の方まで目を通したが、クリミツは見当たらない。誰かに目をつけられない内に、顔を引っこめ、廊下で考える。
教室に居ないとなると、何処を探したらいいのだろうか。トイレかな。待っていたら会えるだろうか。
クリミツを探そうが探すまいが、お腹はすく。我慢出来なくなった私は、スマホのメッセージアプリで先に行く旨を伝え、階段の方へ向かう。屋上に向かう階段は二つあるが、A組側でもE組側でも距離は変わらないので、何となくE組側の階段へ歩き出した。
そう、何となくだったんだ。
だから、これは最悪の偶然なんだろう。
E組の後ろへ差し掛かり、角を曲がれば階段という所だった。目の前の扉が開き、三人の不良さんが出てきた。
「…マジだって、本当だから」
「うるせぇぞ明石。そんな美人が本当に居るなら目の前に連れてこい、本当ならな」
赤いメッシュの人に、黒髪の人に、褐色の黒髪で短髪の人。
最後の一人は分からないけど、最初の二人は、二度も私に絡んできたあの人たちだ。
逃げなきゃいけないのに、突然の事に何も出来ない私はただ突っ立っていた。
そのまま立ち去ってくれたら良かったけど、二人が私に気づいてしまった。
「…やっほー、さっきぶりだね」
「二度も逃げられるなんてなァ、三度目はねぇぞ。渡来、コイツだ」
赤い人…明石君が微笑み、そこで漸く硬直が解けた私は走り出そうとしたけど、明石君にガッチリ手首を掴まれてしまった。必死に手を引き剥がそうとしても、さらに強い力で抑え込まれ、褐色の人の前に差し出される。褐色さんは随分背が高く、身長がクリミツと同じくらいある。180は固いだろう。
「コイツが?ただの陰キャじゃねぇか」
「いやぁ俺達も最初はそう思ったんだよ。顔、自分で見てみなよ」
褐色さんの大きな手がのっそりとこちらに迫ってくる。必死に抵抗するが、黒髪の佐野君にも抑え込まれ、私の前髪はあっさり退けられてしまった。
私の顔立ちを見て、褐色さんが目を見開く。
「……おー、どこ連れてく?」
「ですよねー」
「ほーら言った通りじゃねえかよ。どうする?体育館倉庫は先輩達が使ってたしな、明石」
「空き教室はどうよ。他の奴らは交代の見張りで乗り切る感じで」
どうしたらいい、私は。抵抗しないと。
でも、抵抗はさっきした。意味が無い、どうしたら、どうしたらいいんだ。
このまま、連れて行かれて、彼らの好きにされるんだろうか。
彼らの会話が、視線が、これからやることがただの暴力でないことを示している。
どう、しよう、怖い。
恐怖で固まる私を覗き込み、褐色さんがにんまりと笑う。
「大丈夫、そんな怯えんなって。優しくするから…。美人だな、うん…本当に…、可愛いな」
「……ぁ……ぅ」
大きな手が髪を撫で、片手は愛おしそうに頬を包んでくる。瞳は甘く、視線は優しい。恋人気取りのそれが、私をさらに恐怖へ陥れた。気味が悪いし、意味が分からない。抵抗する私を拘束しておきなから、どうしてそんな顔と言葉を向けられるのか。
明石君に手首を掴まれ、佐野君に背中を押され、私は階段の方へ連れて行かれそうになる。悲しいことに私の抵抗は殆ど意味を成していない。
ならば、と誰かに助けて欲しくて周りを見たが、興味が無いか見て見ぬふりをするかどちらかしか居ない。誰か、誰か、私を助けてくれるような変わり者は居ないだろうか。祈りを込めてここからは遠いC組を見る。
教室の前で、クリミツと龍牙が話していた。携帯を覗き込み、何やら話している。今叫べば声が届くかもしれない。
「…ぁ、りゅっ、りゅうっ、ん…んん!?」
「ダメだよ~。アイツ覚えあるわ、俺らのこと殴ってきた奴だよ」
「おお危なかったな、明石ナイスー」
声を出そうとした瞬間、明石君に口を抑え込まれる。だけど、ここで粘っていれば気づいてくれるかもしれない。
でも、私の願いは叶わず、二人は反対側の階段へ向かってしまった。そうだ、私、携帯で先に行くって言っちゃったんだ。きっと、屋上に行った後に、私が居ないことに気づくだろう。でも、その前にどこかに連れ込まれたら、もう見つけてもらえないかもしれない。
「…うわ待ってー、やばい。口も柔らかい…肌スベスベだし、マジ最高」
「早く行こうぜ、渡り廊下で向こうだっけ?」
「俺場所知ってるよ。佐野、代わりに抑えといて」
「了解」
「やっ、…やだ、やめて、触らないでっ…」
どれだけ抵抗しても、抗議しても、明石君達は私を離さない。それどころか、その抵抗さえ可愛いというかのように、どんどん笑みが深まっていく。よく不良さん達が使う、大人しくしていれば~という常套文句すら使わない。それだけ私は力が弱いんだろう。
結局、私の抵抗は意味を成さず、部屋まで連れて行かれてしまった。三階の空き教室だ。
でも私は諦めない。素直にヤられてただろ、とか言われたくない。渡り廊下を渡ったし、私が屋上に行ったと思っている龍牙達には、ここを見つけることは難しいだろう。もう誰も助けに来ないだろうけど、私は最後まで抵抗する。
だけど、そんな意志に、感情はついてこなかった。
「…あれ、泣いてる」
「やっぱ怖いんだな。渡来、お前顔怖えんだって、見張りいけよ」
「あ?見張り要らねぇだろ。佐野、鍵かけてこい。こんな美人滅多に会えねぇし、誰かが見張りとか不公平だろ。…泣くなって、ほら、痛くしないから…」
悔しい、怖い、それらを通り越してもう情けなくなってくる。それでも涙が止められない。
まるで女の子のような扱いだ。渡来君に頭を撫でられたり、涙を拭われたり、落ち着かせるように肩を抱かれたりする。不気味だ。無理やり押さえ込んで行為に及ぶ方が、まだ理解出来る。
色々な感情が混沌として、視界はぼやけたまま戻らない。
「…やっ、だ、触ん、ないでっ…、きもち、わるいっ」
「…渡来、これ埒明かねえって。佐野ー」
「了解。さあさあ、…肌ってやっぱ白いだろうな~」
佐野君が私の服に手をかける。学ランが取り払われ、下に来ていたワイシャツの前まで開けられた。明石君が私の両腕を抑え、佐野君が私の両足の間に座ると、渡来君から不満の声が上がる。
「おいっ、まだ泣いてんだろうが」
「レイプすんのに何言ってんの…あ!マジか、乳首ピンクとか可愛い~♡」
「うっわ白、スベスベ…、マジで女じゃん。これチンコついてても全然ヤれる。ねえ美人ちゃんって処女?」
「うるさいっ…、やめてって、いい加減っ、に…ん…!?」
佐野君の金髪がやたらと近いと思ったら、次の瞬間にはキスされていた。昨日といい今日といい、どうして恋人でもない人の口を自分の口で塞げるんだ。佐野君は何度も角度を変え、口を当ててくる。私はぎゅっと息を止め、相手から与えられる物を出来る限り拒否する。
「んっ、んん…」
「こんなに可愛くてその上処女とかだったら…マジ暴発するかも」
「佐野!テメェの汚ぇ口つけてんじゃねぇよ!!」
「うるさいよ渡来、そもそもこんな美人と仲良くなろうって考えがはなからおかしいって。美人が俺ら相手にするわけないっしょ。佐野、俺にもチューさせて」
「ま、て、まってっ…」
明石君に引っ張られ、覆いかぶさっていた佐野君が私から離れる。
今、明石君は、私が彼らを相手にするわけが無いと言った。そんなこと、ないのに。誰とだって、私は、仲良くしたいのに。
佐野君が離れると同時に、明石君の顔が近づいてきて、ああまたキスするのかと思い、抵抗していると、廊下の方から轟音が聞こえた。ガラスの割れる音と、扉に何かが激しく打ち付けられる音。
「…は?」
「ウソウソ待ってよぉ、三回目は誰なの…」
「誰だっ!センコーじゃねぇな、…あ!?」
「ちわーっす」
「……ぅ、あ…」
安堵で、流れていた涙の量が増え、何も見えなくなる。視界は見えなくても、その、低い声は私の耳に届いた。
「紅陵…さんっ…」
「よォ、クロちゃん」
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