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またまた。わからせてあげる!

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 司祭様に家まで送り届けてもらい、ベッドに寝かされてからすぐ。
 私はそのまま深い眠りに落ちていた。

 目を覚ますと、外はすっかり日が暮れて。
 もちろんそこに司祭様の姿はなくて。

「あ。……いつのまに……!」

 私の姿はすっかりサキュバススタイルに変わっていた。
 昼にレーゼから受けた怪我の痛みもすっかり癒えている。これは司祭様の治癒のおかげだろう。
 司祭様は、おそらく街に出てレーゼを追っているに違いない。確信がある。

「もぅ。ひとりで何ができるっていうのよ。昼も夜も、アタシが居なきゃダメなんだから!」

 はやる気持ちそのままに私は司祭様を探しに窓から飛び立った。

―――

 先ずは教会に飛んで行く。
 当たり前ながら、もうあの忌々しい結界は張られてはいなかった。
 ふわ、と教会の屋根に降り立つ。

「待っていたぞ」
「ひゃぁん!?」

 すぐさま下から声を掛けられてびっくりした。
 見下ろすと、そこに厳めしい顔をした司祭様が、いかにも思い詰めた顔で立って私を見上げている。

「な、なによぅ。待ってたって……貴方がそんなこと、言うなんて……」
「……業腹だが、おまえの力が必要だ。……夢魔よ、……ミーアよ、頼む。……力を、貸して欲しい」

 司祭様はすっかり憔悴した顔で、いつもはきっちり撫で付けて後ろに流した髪も少しほつれていた。
 昼間見たときより更にやつれたようにも見える。
 司祭様、自分ひとりじゃレーゼをどうにかできないと思って、私に頼ろうってこと?
 珍しく素直で驚いてしまう。セレミアが怪我したことがよほど堪えたのかもしれない。
 私は屋根から降りて司祭様の前にふわっと浮かぶ。

「随分ムシがいいじゃない。アタシのこと、追い払ったくせに。まんまとあの女に騙されてたってやっとわかたんでしょう? だから言ったのに、バカね!」
「……ぐ、……ぅ。……す、すまなかった。おまえの、言うことを、頭ごなしに否定して……それは、本当にすまない……」

 呻いて悔しげに、屈辱的とでも言わんばかりに歪む顔をしばらく堪能して。
 やつれた頬に手を添える。こしょこしょとくすぐりながら、笑いかけた。

「いいわ。しょうがない司祭様ね。……アタシにどうして欲しいの?」
「あ、あの悪魔を、倒す……のを、手伝って欲しい。……お、おまえの、望むことは、なんでも……、……なんでも、する」
「またそんなこと言って。やっぱりダメって約束破ろうとするんでしょ」
「今度ばかりは! ……わ、私のせいで、怪我を、させてしまった娘がいる……。あの悪魔を、必ずや討ち滅ぼさねば……私は、彼女に顔向けできん……」

 私は思い詰める彼のこけた頬をぎゅうっと引っ張って抓った。

「いひゃッ……!?」
「アタシというものがありながら、よその女のことなんて。……困った司祭様ね? ……いいわ、あんな女にホイホイ騙されてアタシに酷いこと言ったことも、そのせいで女の子を怪我させたことも、まんまと悪魔を逃がしたことも、全部まとめて……みっちり、わからせてあげる」
「……、……、……ぁ、ま、待て、そ、そうは言っても、お、お手柔らかに……」

 司祭様の声がやや怯えた気配をまとう。
 じゃり、と半歩下がる足。引け腰の往生際の悪い様子に思わず盛大に顔をしかめた。
 細い顎を捉え、ぐいと上向かせる。
 そうして問答無用で口付けをした。

「んんっ……!っふ、ぅ、ぁ」

 ガリッと薄い下唇を噛み、痛みに口を開いたところで舌を割り込ませる。
 歯列をなぞり、舌を絡めてじゅうと吸い付き、呼吸もままならないほどに深く長く口内を貪った。
 銀糸を引きながら口を離すと、荒い呼吸で顔を歪める司祭様。その頬は上気していつもより血色が良い。

「あの悪魔も追わなきゃ。でも、アタシも力の補充が必要だし、かなりムカついてるから、容赦なんてしてあげない!」
「っ、ぅ、あ、ンくっ」

 司祭様の眦も赤味がかかる。じわりと目が潤んで、蕩けた顔。
 催淫効果のある夢魔の唾液をたっぷり交換してあげたから無理もない。
 私はすでに腰砕けの司祭様を抱え上げ、そのまま教会の二階へ飛び彼の私室に窓から入った。

―――

 ぼふっ、と司祭様をベッドに投げ捨てる。
 その体をまたぐように仁王立ちして見下ろした。

「服を脱ぎなさい、司祭様」

 私が命じると、司祭様は一瞬躊躇うような顔をした。
 その胸板に、ぐりっとヒールをえぐり込む。

「っあ!」
「時間はあんまりないの、もたもたしてアタシをこれ以上怒らせないで。ね、司祭様。これはアタシを信じなかった罰、そして守るべき者を守れなかった罰なの。そういうのってお仕置きが必要でしょ? わかったら早く、言うとおりになさい?」

 ぐりぐりとヒールで胸板を踏みにじりながら言うと、司祭様はぐっと奥歯を噛み締めた。
 おずおずと言われた通りにズボンのベルトに手をかける。
 その間もずっと胸板をヒールで踏みつけ、たまに爪先で胸の頂をぎゅっとにじった。

「んっ、ぁっ……!」

 すると堪らずにとでもいうような司祭様の声が漏れ、びくりと体が震える。
 白い指が黒詰め襟の上着をはだけ、白いシャツのボタンを外してそれも脱ぐと、司祭様は一糸纏わぬ姿になった。

「偉いわ、よくできました。……ね。司祭様。お仕置きで踏みにじられて、随分と気持ち良くなってるのね?」

 司祭様の体の中心で、すでに硬く昂ぶって鎌首をもたげるモノを爪先でぐりっと踏む。
 また司祭様から声が漏れる。痛いからだけではない、鼻にかかった甘ったるい声。
 ぐりぐりと踏みにじるたび弾力を持って強く押し返してくるそれが面白くて、しばらくそれを踏むことを楽しむ。

「っあ、ふ、ふぅ、あっ……ゃ、やめ、ぁ……!」
「ん、ふふ。これ、そんなにいいの? ……ヒールでぐりぐり踏まれて、痛いでしょう? なのにちっとも萎えないんだから。相変わらずね」

 踏みにじられているのに感じてしまう、そのことに司祭様は顔を歪めて苦悩しているようにも見える。
 でもアタシはもう知っているの。司祭様は、いじめられるくらいの方が好きってこと。

「いけない。お仕置きするんだった。気持ち良くなってちゃダメよね」

 敏感に高まっていくソレを踏みにじるのをやめて足をどけると、司祭様が一瞬物足りなさそうな顔で私の脚を見た。
 その顔にゾクゾクする。

「なぁに、いまの、もっとして欲しかった?」
「っ、な、なにを……そんな訳……!」
「あ、そう。じゃあもうしてあげない。……ちゃんとお仕置きしましょうね。ほら、いらっしゃい司祭様」

 司祭様の顔がまた一瞬だけ、放り捨てられた子どもみたいに頼りなくなる。
 それを無視して、私は椅子に座るとぽんぽんと膝の上を叩いて示した。
 司祭様の表情は困惑に歪む。それも無視してもう一度。

「いらっしゃい、司祭様。……ヘルムート。お仕置きの時間でしょう?」
「っ、あ、……、う、」

 敢えて名前を呼びつけると、司祭様の目が揺れてあからさまに狼狽えた。
 焦れったい。

「何度も言わせないで、ヘルムート。ここに、いらっしゃい」

 ぽん、とまた膝の上を叩いて示す。
 観念したように司祭様がのろのろとベッドから降り、椅子に座る私のところまでやってきた。
 まだ躊躇いを見せるその手を取り、優しく司祭様の体を腹這いになるよう私の膝の上に導いた。司祭様の長い手は床につき、膝も床につく。

 膝の上で司祭様の薄い胸からドクドクと激しい鼓動が響いてくる。これから自分が何をされるか司祭様もわかっているのだろう。
 体は緊張して強張りうっすらと汗が浮いている。青白い顔は熱が集まっているのか耳まで真っ赤なのがうかがえた。

「ふふ。良い子ね」

 笑いながらその後ろ頭を撫でてあげると、司祭様の体がびくっと震えた。
 何度か肉の薄い司祭様のお尻を手のひらですりすりと優しく撫でる。そうして。

 バチンッ!

 ふいに振り上げた手を鞭のように振り下ろした。

「ひっ……!」

 司祭様の腰がびくっと跳ねる。
 青白い尻たぶに赤々と手の跡が浮かんできた。痛々しくて可愛い。

「痛い?」

 尋ねながら、答えも聞かずに私はまた手を振り上げて振り下ろす。

 バチンッ!
 
 とまたいい音がして、真っ赤な跡が浮かび上がっていく。

「っあ、うぅ!」

 ただの平手でも、その手のひらには魔力を込めて打ち据えている。女の細腕と侮れば相当に不意打ちの痛みだろう。
 じわじわと浮かぶ脂汗が司祭様の感じている痛みを物語る。その様子に私は気を良くして、次々と平手を繰り出していく。

バチンッバチンッ、パンッパンッ!

 打つたびに音が響いて、次々と真っ赤な跡が浮かび、司祭様の真っ白だったお尻は猿のようにすぐに真っ赤になっていった。

「うっ、ぁ、ぁあ! ……ふ、ぅ……っ、ぁ、んっ!」

 バチンバチンと尻を打ち据えるたび、司祭様の体が跳ね、腰が揺れ、逃げを打つようにもぞもぞと動く。
 それをいましめるように細い腰に腕を回し、一層強く尻を打ち据えた。パンッパンッと音が鳴るたびに、司祭様の声も漏れ、それは少しずつ湿り気と熱を帯びてもいく。

「ね。司祭様、どう? 少しは反省できた。ねえ、ヘルムート。ちっともアタシの言葉に耳を貸さないで、あんな女に頼られてデレデレ鼻の下伸ばして! 情けないったら! そうは思わないの!」

パンッ! と打ち据えながら言うと、司祭様の体がまたびくんと跳ねる。

「っあ、ん、ぅ、……ふ、ふぅ、! あっ、わ、わる、かった……き、君の、ことを、もっと……ぁ、っ! し、信じる、べきだった……ぁんッ、ひっ、い、痛っ、いたい……み、ミーア、も、もう、頼む。わかったから。こんな……こんなの、は、恥ずかしい……」
「……えぇ、そうね。もっとアタシのことを信じてくれるべきだったわ。そうよね、恥ずかしいわよね。ねえ、司祭様。ヘルムート。……お仕置きでお尻ペンペンされて、なのに、こんなに大きくしちゃって。ほんとに恥ずかしいわね?」

 膝の上で、叩かれるたびに質量を増し、腰を揺らしながら私の膝に擦りつけられているモノ。それを膝でぐりっと押し込む。

「ふぁっ……!」

 私の膝と自分のお腹とでサンドされた昂ぶりに、司祭様の腰がガクガクと震えて脚の力が抜けて行くのがわかる。
 トロ、とした粘液が私の膝を汚したのも。

「……ん、ふふ。堪え性のない……ダメな司祭様ね!」

 一層強い力でバチッとお尻を叩いてあげると、それがダメ押しだったみたいにドクドクと白いものを溢れさせ、司祭様はがくりと床に座り込んでしまった。

「お仕置きだってわかってる? ……どうして勝手にイッちゃうの……? それも、叩かれてるだけで。とんだ変態ねぇ」
「っは、ぁ、……ふ、……す、すまない、すまない……わ、私は……本当に、最低な、男だ……」

 呆然としてつぶやきながら、司祭様が私の膝に縋り付くように額を寄せてくる。
 べっとりと膝を汚した自分のもので司祭様の髪も汚れた。その頭を撫でてあげながら、つい口元が緩んでしまう。

「本当に最低ね。貴方を庇って怪我した子に恥ずかしいと思わないの? ……ね。司祭様」
「ぁ、そ、それは……っ、わ、私は……嗚呼、もう、彼女に合わせる顔など……」

 どんどん深刻に項垂れていく。本当はそこまで気にしなくてもいいのだけれど、追い詰められている司祭様を見て少しだけ溜飲が下がるのもたしかなこと。
 爪先で司祭様の顎を上に向けさせ、にっこりと微笑んだ。

「ね。自分でやってるとこ見せて。それがちゃんとできて、あの悪魔を倒せれば、貴方の大事なその子もきっと許してくれるわ」
「ぇ、……じ、……そ、そんな、こと……」
「ヘルムート。……何度も口答えしないで。貴方に拒否権なんてないでしょう?」

 逡巡する司祭様に冷たく言い放つ。
 狼狽え、心細げに揺れる瞳が私を見上げた。薄い唇がまだ何かを言いたげにわなないて、ぐっと閉じられる。

 やがて司祭様の手が出したばかりで萎えたモノに触れ、ゆっくりやわやわと扱き始めた。
 それはまだ熱も余韻もくすぶっていたのか、わずかの刺激ですぐに硬く芯を持ちおもむろにそそり立っていく。
 そう時間もかからずに天を突き、反り返って薄いお腹にくっつきそうにまでなった。
 思わず笑ってしまう。

「司祭様ったら! あんなに渋ってたのに、すぐそんなにしちゃって。……ね、いつもどんな風に自分を慰めているの?誰のことを考えてるの? 全部アタシに見せてちょうだい。ヘルムート」
「ぐっ……ん、ふぅ、っ、ふ、あ。  そんな……の、考えて……などっ……」
「そうなの? ……本当に? ……アタシにされた夜のこと、思い出して疼いたりしないの?」

 そんな日があればいいのに。
 なんて思いながら、ふっと脚を包むヒールの革ブーツを消して裸足になる。爪先で司祭様の顎の下をくすぐるように撫でて。

「思い出して、ヘルムート。アタシの足、指、舌、それに尻尾の感触。……貴方に、ぜ~んぶ刻み込みたいの」

 自らを上下に扱く司祭様のその手の中で、トロトロと先走りの透明な汁が溢れだし始める。
 くちゅ、くちゅ、手との摩擦に滑るそれが淫靡な音をさせ出した。司祭様の口から漏れ出る息も熱いものになっていく。
薄ら開いたその口元に裸足の爪先を運びツンツンとつついた。戯れるようにくすぐってみる。

「はっ、ぁ、……ぁあ、」

 耐え兼ねたような吐息と共に、司祭様の舌が私の爪先をチロチロと舐めて這い出した。

「ンッ、ゃん! 司祭様っ」

 指の間を割り開き丁寧に舐る舌が熱くてぬるぬるとくすぐったくて、私の声もつい弾む。
 ちゅ、ちゅぱ、と指を吸いながら一層激しく扱く司祭様の手の中で、グチュグチュとますますいやらしい音が聞こえる。
 爪先をしゃぶりながら扱く、それが官能を高めるみたいに司祭様の息はさらに熱く湿って荒いものになった。

「ふっ、ぅ、ぅう、ぁ……!」
「ん、ふふ、アタシの足、美味しい?」

 ベロベロと唾液に濡れた爪先で、司祭様の口の中をつつき舌をくすぐりながら問い掛ける。答えなんてもともと期待もしていない。

「はっ、……ンッ、ぅ……ぁあ! っっ……ミ、ッア……」

 司祭様の手の中で、雄々しくそそり立つモノがビクンビクンと脈打ち痙攣して、白いものをパッと吐き出した。
 それは司祭様自身のお腹を汚し、私のもう片方の足にもかかってトロリと垂れる。

 聞き間違い? 気のせい?
 いま、私の名前を呼びながら果てなかった?

 荒く肩で息をする司祭様は、どこか放心したように項垂れている。
 私は身の内から駆け上がるゾクゾクするような快感と満足感で震える体をぎゅっと抱きしめて息を吐いた。

「よくできました! 司祭様……ヘルムート」
「んむぉっ……!」

 司祭様の頭をぎゅうと抱きしめて胸の中に押し込めた。そうしながらお腹を汚した白いモノを爪先でちょいと掬って綺麗にする。
 司祭様の精気が私を満たして、力がみるみる漲ってくるのがわかった。
 司祭様のこけた頬を両手で挟み、その顔を覗き込む。

「仇は必ずアタシが取ってあげる。だから、……また、仲良くしましょ。司祭様」
「……っ、は、……だ、誰が、あ、悪魔、なんぞと、……んんっう!」

相変わらず意地っ張りな司祭様の唇をちゅううう! っと奪って、私はひらりと部屋を出る。

「ま、待て……や、やつを、探しに行くなら、わ、私も、一緒に!」

 ふらふらしながら立ち上がる司祭様は、正直足手まといな気もしたけれど。

「しょうがないわね、早く服着て。一緒に行きましょ、司祭様」
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