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そしてオープン初日。
柏原さんが扉の防犯用強制ロックを間違えて掛けるとかいうバカみたいなハプニングがありつつ、なんとかオープン。
オープンは知り合いを集めてスタート。
一番最初に来たのはなんと、じいちゃんだった。
「じいちゃん!」
「よっ!」
「フレッドさん!」
その後ろからびっちりスーツを決めた父さん、よそ行きの服着た母さん登場。じいちゃんと光也さん、カウンター越しに抱き合う。なぜだ、普通そこは俺だろう。
「お久しぶりです!」
「元気だった?似合ってるじゃないか!」
母さん、それを見て苦笑い。取り敢えず光也さんもじいちゃんから離れて両親に会釈。
「お父さんは初めまして…ですね。志摩と申します」
「ああ、息子がどうも、転がり込んでしまって、はたまた就職までさせていただいて…」
「いえ…一緒に出来て光栄です」
騒ぎを聞きつけ柏原さん、厨房から登場。両親に深々お辞儀。
「この度はお忙しい中ありがとうございます。オーナーの柏原と申します。
こうして息子さんと晴れて一緒に店が開くことが出来て誠に光栄でございます。彼のおかげもあってここまでやってこれました。これからももし機会があれば何卒よろしくお願いします」
「なんか照れるな…」
「いえ…うちの息子で良ければいくらでも使ってやってください。こちらこそ、こいつ、料理の道が夢だったようなので…よかったです」
なんか一応ビシッとしとこうかな。
「俺も立派な店欲しいよー」
なのにじいちゃんがマイペースに言うから。
一瞬間をおいて光也さん、笑い出す。
「フレッドさんにもあるじゃないですか。立派なお店。俺あれすげぇなって思いますよ」
「俺もお噂は予々聞いてますがゆくゆくはそーゆーのにしよっかなって。
かっこいーですよ。全国自由にでしょ?俺の店なんてここしかないですから。それをやろうって魂がいいっすね。俺は好きです」
それは流石にちょっと謙遜してるだろう。しかしじいさんはちょっと機嫌よくなって、「そうかなぁ?」とか照れてる。流石、話を乗せるの上手いな。
「名前なんてぇんだっけ兄さん、俺あんた気に入ったわ。ちょくちょく来るね。光也も真里もいるし」
「柏原要です。気に入ってくれてよかった。俺も真里じい気に入りました。お友だちになりたいなー」
「はっはっは!うるせぇじじいだけどよろしくね。俺フレデリックだよ。フレッドね」
うるせぇ自覚あったのかじいちゃん。
「どうぞよろしくー。お母さんお父さんも暇があったら息子さんを見に来てやってくださいねー。
さてさて、真里、しばらくはこっちいていいよ。オーダー取ったら戻って来いなー 」
そう言って柏原さんは一人、厨房に戻っていった。
「よかったな、真里」
「…そだね。良い人だよ」
何より、父さんにそう言ってもらえてよかった。
父さん母さんはカウンター横のテーブル席、じいちゃんだけはカウンター席に座った。
少ししてから光也さんの姉夫婦が到着。こっちはいつも通り、ラフな格好だ。
「よっ!」
「おー、いらっしゃい」
どうやら子供は連れてこなかったらしい。そりゃそっか。
二人はカウンターの真ん中あたりに座った。二人の趣味をわかっているだけあって、おしぼりと共にさっそく酒を出していた。
「あらあらマリちゃんお久しぶりー」
「うぃっす」
「やめろ姉ちゃん。そちらに…」
と言って光也さんが両親を見ていたので、「あ、いーよ別に。父さん母さん、この人のお姉さん夫婦!」と俺から紹介。両者軽く会釈。
「お姉さんと似てるね光也!」
そこにじいちゃん。紹介する前に割って入る。
「あれ真里のじいちゃん」と光也さんがねぇさんに小さく耳打ちしてから、「そうですか?」と話をする。珍しくねぇさん器用だなぁ。
「似てる似てる。鼻の高さとかな!」
「あらそれみんな一緒!」
なんだかんだでじいちゃんとねぇさん意気投合。二人で初対面なのに盛り上がってしまい、光也さんは旦那と二人、静かに話している。
「ご無沙汰してます」
「…就職おめでとう」
そう言って二人でなんとなく乾杯して二言三言話している。大丈夫かな。知る限りだとあれ以来…じゃないのかな。
そんな心配をしていたら両親に呼ばれ、オーダーが入ったので早速初仕事となった。
俺が厨房に入ると、いつまにか柏原さんはカウンターに戻り、それぞれと話をしに行っていた。光也さんと旦那のところにも顔を出していて、なんとなく雰囲気が明るくなった気がしたので、まぁまぁ心配せずに仕事をすることにした。大体大人だしな。
やはりこの機会は俺にとってもあの人にとっても柏原さんにとっても、よかったのかもしれない。
俺もその日はカウンターに出たり厨房に出たりして、二組が帰るまではそうやって仕事をした。
異変は、二組が帰る頃合いに起きた。
柏原さんが扉の防犯用強制ロックを間違えて掛けるとかいうバカみたいなハプニングがありつつ、なんとかオープン。
オープンは知り合いを集めてスタート。
一番最初に来たのはなんと、じいちゃんだった。
「じいちゃん!」
「よっ!」
「フレッドさん!」
その後ろからびっちりスーツを決めた父さん、よそ行きの服着た母さん登場。じいちゃんと光也さん、カウンター越しに抱き合う。なぜだ、普通そこは俺だろう。
「お久しぶりです!」
「元気だった?似合ってるじゃないか!」
母さん、それを見て苦笑い。取り敢えず光也さんもじいちゃんから離れて両親に会釈。
「お父さんは初めまして…ですね。志摩と申します」
「ああ、息子がどうも、転がり込んでしまって、はたまた就職までさせていただいて…」
「いえ…一緒に出来て光栄です」
騒ぎを聞きつけ柏原さん、厨房から登場。両親に深々お辞儀。
「この度はお忙しい中ありがとうございます。オーナーの柏原と申します。
こうして息子さんと晴れて一緒に店が開くことが出来て誠に光栄でございます。彼のおかげもあってここまでやってこれました。これからももし機会があれば何卒よろしくお願いします」
「なんか照れるな…」
「いえ…うちの息子で良ければいくらでも使ってやってください。こちらこそ、こいつ、料理の道が夢だったようなので…よかったです」
なんか一応ビシッとしとこうかな。
「俺も立派な店欲しいよー」
なのにじいちゃんがマイペースに言うから。
一瞬間をおいて光也さん、笑い出す。
「フレッドさんにもあるじゃないですか。立派なお店。俺あれすげぇなって思いますよ」
「俺もお噂は予々聞いてますがゆくゆくはそーゆーのにしよっかなって。
かっこいーですよ。全国自由にでしょ?俺の店なんてここしかないですから。それをやろうって魂がいいっすね。俺は好きです」
それは流石にちょっと謙遜してるだろう。しかしじいさんはちょっと機嫌よくなって、「そうかなぁ?」とか照れてる。流石、話を乗せるの上手いな。
「名前なんてぇんだっけ兄さん、俺あんた気に入ったわ。ちょくちょく来るね。光也も真里もいるし」
「柏原要です。気に入ってくれてよかった。俺も真里じい気に入りました。お友だちになりたいなー」
「はっはっは!うるせぇじじいだけどよろしくね。俺フレデリックだよ。フレッドね」
うるせぇ自覚あったのかじいちゃん。
「どうぞよろしくー。お母さんお父さんも暇があったら息子さんを見に来てやってくださいねー。
さてさて、真里、しばらくはこっちいていいよ。オーダー取ったら戻って来いなー 」
そう言って柏原さんは一人、厨房に戻っていった。
「よかったな、真里」
「…そだね。良い人だよ」
何より、父さんにそう言ってもらえてよかった。
父さん母さんはカウンター横のテーブル席、じいちゃんだけはカウンター席に座った。
少ししてから光也さんの姉夫婦が到着。こっちはいつも通り、ラフな格好だ。
「よっ!」
「おー、いらっしゃい」
どうやら子供は連れてこなかったらしい。そりゃそっか。
二人はカウンターの真ん中あたりに座った。二人の趣味をわかっているだけあって、おしぼりと共にさっそく酒を出していた。
「あらあらマリちゃんお久しぶりー」
「うぃっす」
「やめろ姉ちゃん。そちらに…」
と言って光也さんが両親を見ていたので、「あ、いーよ別に。父さん母さん、この人のお姉さん夫婦!」と俺から紹介。両者軽く会釈。
「お姉さんと似てるね光也!」
そこにじいちゃん。紹介する前に割って入る。
「あれ真里のじいちゃん」と光也さんがねぇさんに小さく耳打ちしてから、「そうですか?」と話をする。珍しくねぇさん器用だなぁ。
「似てる似てる。鼻の高さとかな!」
「あらそれみんな一緒!」
なんだかんだでじいちゃんとねぇさん意気投合。二人で初対面なのに盛り上がってしまい、光也さんは旦那と二人、静かに話している。
「ご無沙汰してます」
「…就職おめでとう」
そう言って二人でなんとなく乾杯して二言三言話している。大丈夫かな。知る限りだとあれ以来…じゃないのかな。
そんな心配をしていたら両親に呼ばれ、オーダーが入ったので早速初仕事となった。
俺が厨房に入ると、いつまにか柏原さんはカウンターに戻り、それぞれと話をしに行っていた。光也さんと旦那のところにも顔を出していて、なんとなく雰囲気が明るくなった気がしたので、まぁまぁ心配せずに仕事をすることにした。大体大人だしな。
やはりこの機会は俺にとってもあの人にとっても柏原さんにとっても、よかったのかもしれない。
俺もその日はカウンターに出たり厨房に出たりして、二組が帰るまではそうやって仕事をした。
異変は、二組が帰る頃合いに起きた。
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