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For Someone
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今日は後部座席を空けてあげた。
最初は雑談をしていたが、そのうちみっちゃんは寝てしまった。
「マリちゃん」
「ん?」
「マリちゃんはさ、みっちゃんのどんなとこが好き?」
「んー、どこだろう。なんだかんだで抜けてるとこも可愛いし、そうだなぁ…あと、全部をね、受け入れてくれようとする優しさとか…言ってて恥ずかしいな…。
あ、嘘が吐けないとことか。嘘吐きだけど、嘘が吐けないっていうか…。あとはなんかさ、守ってあげたくなるっていうかなんだろ…。
でもとにかく、一緒にいるのは切ない。けど、暖かいし心地はいいんだよね。
わかんないや。とにかく、幸せを本気で願う相手なんだよなー」
「幸せを、本気で願う相手…」
「うん。この人が幸せそうにしてると俺も幸せなんだよ、純粋に」
「なんか…」
「いや多分ね、小夜にも同じ感情は抱いてるけど、もっと違うんだよ。なんて言ったらいいんだろう、恋って」
「うーん…」
「恋をしないと多分わからないな、これは。
例えばこんなさ、寝顔見るだけで凄く幸せなんだよ。もう何?自分のこと以上に。寝れてよかったねとか、どんな夢見てんだろ、とか。夢は幸せなのかなとか。嘘みたいだと思うかもしれないけど本当に思うんだよ」
「うん」
「でも言葉にすると薄っぺらいな。もっと違う。もっと暖かいしもっと重いし、なんつーんだろうな」
とにかく、想いはわかった気がする。どれだけみっちゃんを大切に思っているかも…。
「あ、わかった。
俺死ぬときはこの人の隣で死にたい。俺が笑って死ねなくてもいい。この人に穏やかに死んで欲しい。
うーん。これだけ言うとちょっと痛い奴だな」
「痛いほど思いは…わかれたかなぁ?」
「小夜にはいない?そーゆーやつ」
「うーん」
もしかすると。
「わかんない」
「そっか。俺はもしかしてあの不良くんかなと思ったんだけど」
「あの人はちょっと違う気がする」
「そう言い切るなら多分違うんだろうな」
そーゆーもんなんだろうか。
「と言いつつ俺もあんまり恋愛は上手くないからな。まぁ性質上な。だからなんとも言えないけど、失恋にかけては俺に聞け」
「それは確かにそうかもだけど」
マリちゃんの恋は、実ったことはないのだろうか。
「マリちゃんは、実ったことないの?」
「まぁ実ってたら今頃こうしてないよね」
「あ、そっか。
いや、なんて言うか、想いが通じて付き合ってって…」
「あるにはある。長続きしたこともある。短かったこともたくさんある。
けどこんなに好きな人はこの人だけだね、今のところは」
「そうなんだ…。断言するなら多分間違いないんだよね。
凄いねみっちゃんって」
「ね。凄いよね。最初はこんなになるなんて思いもしなかった。ある意味小夜がここまで持ってきたんだよ」
「え?」
「あの時小夜がいなかったら、今頃どうだったかな。多分、こんなに関わることがまずなかったからね」
「あー、なるほど…」
「そーゆーパターンもあるってこと」
そんな話をしているうちに家についた。
「さて、起こすか」
振り返って見ると、みっちゃんは凄く苦しそうに寝ていた。それを見てマリちゃんは溜め息を吐いて、「光也さん、着いたよ」と、声を掛けた。
「んー…あぁ…、はい」
「大丈夫?」
「うん…」
額に手を当てて起き上がったみっちゃんのその手を包むようにマリちゃんは手を重ねた。
おぉ、これぞ恋なのか。
「目眩?」
「違う。ちょっと嫌な夢見た」
「どんな?」
「うーん、なんか…。
あんま話したくない」
「そっか。まぁ夢だから。立てそう?」
「うん」
三人で車を降りて部屋に向かった。
部屋についてまずはコーヒーをいれ、二人はタバコを吸って一息。
私はすぐにお風呂に入る。少しゆっくり入って考え事をした。
お風呂から出てリビングに行くと、二人はもう着替えを済ませていて、みっちゃんはベットで本を読んでいて、マリちゃんはマリちゃんベット(ソファ)に座ってテレビを見ていた。
みっちゃんが読んでいるのはなんだろうか。ちょっと気になったが見てとれなかった。
最初は雑談をしていたが、そのうちみっちゃんは寝てしまった。
「マリちゃん」
「ん?」
「マリちゃんはさ、みっちゃんのどんなとこが好き?」
「んー、どこだろう。なんだかんだで抜けてるとこも可愛いし、そうだなぁ…あと、全部をね、受け入れてくれようとする優しさとか…言ってて恥ずかしいな…。
あ、嘘が吐けないとことか。嘘吐きだけど、嘘が吐けないっていうか…。あとはなんかさ、守ってあげたくなるっていうかなんだろ…。
でもとにかく、一緒にいるのは切ない。けど、暖かいし心地はいいんだよね。
わかんないや。とにかく、幸せを本気で願う相手なんだよなー」
「幸せを、本気で願う相手…」
「うん。この人が幸せそうにしてると俺も幸せなんだよ、純粋に」
「なんか…」
「いや多分ね、小夜にも同じ感情は抱いてるけど、もっと違うんだよ。なんて言ったらいいんだろう、恋って」
「うーん…」
「恋をしないと多分わからないな、これは。
例えばこんなさ、寝顔見るだけで凄く幸せなんだよ。もう何?自分のこと以上に。寝れてよかったねとか、どんな夢見てんだろ、とか。夢は幸せなのかなとか。嘘みたいだと思うかもしれないけど本当に思うんだよ」
「うん」
「でも言葉にすると薄っぺらいな。もっと違う。もっと暖かいしもっと重いし、なんつーんだろうな」
とにかく、想いはわかった気がする。どれだけみっちゃんを大切に思っているかも…。
「あ、わかった。
俺死ぬときはこの人の隣で死にたい。俺が笑って死ねなくてもいい。この人に穏やかに死んで欲しい。
うーん。これだけ言うとちょっと痛い奴だな」
「痛いほど思いは…わかれたかなぁ?」
「小夜にはいない?そーゆーやつ」
「うーん」
もしかすると。
「わかんない」
「そっか。俺はもしかしてあの不良くんかなと思ったんだけど」
「あの人はちょっと違う気がする」
「そう言い切るなら多分違うんだろうな」
そーゆーもんなんだろうか。
「と言いつつ俺もあんまり恋愛は上手くないからな。まぁ性質上な。だからなんとも言えないけど、失恋にかけては俺に聞け」
「それは確かにそうかもだけど」
マリちゃんの恋は、実ったことはないのだろうか。
「マリちゃんは、実ったことないの?」
「まぁ実ってたら今頃こうしてないよね」
「あ、そっか。
いや、なんて言うか、想いが通じて付き合ってって…」
「あるにはある。長続きしたこともある。短かったこともたくさんある。
けどこんなに好きな人はこの人だけだね、今のところは」
「そうなんだ…。断言するなら多分間違いないんだよね。
凄いねみっちゃんって」
「ね。凄いよね。最初はこんなになるなんて思いもしなかった。ある意味小夜がここまで持ってきたんだよ」
「え?」
「あの時小夜がいなかったら、今頃どうだったかな。多分、こんなに関わることがまずなかったからね」
「あー、なるほど…」
「そーゆーパターンもあるってこと」
そんな話をしているうちに家についた。
「さて、起こすか」
振り返って見ると、みっちゃんは凄く苦しそうに寝ていた。それを見てマリちゃんは溜め息を吐いて、「光也さん、着いたよ」と、声を掛けた。
「んー…あぁ…、はい」
「大丈夫?」
「うん…」
額に手を当てて起き上がったみっちゃんのその手を包むようにマリちゃんは手を重ねた。
おぉ、これぞ恋なのか。
「目眩?」
「違う。ちょっと嫌な夢見た」
「どんな?」
「うーん、なんか…。
あんま話したくない」
「そっか。まぁ夢だから。立てそう?」
「うん」
三人で車を降りて部屋に向かった。
部屋についてまずはコーヒーをいれ、二人はタバコを吸って一息。
私はすぐにお風呂に入る。少しゆっくり入って考え事をした。
お風呂から出てリビングに行くと、二人はもう着替えを済ませていて、みっちゃんはベットで本を読んでいて、マリちゃんはマリちゃんベット(ソファ)に座ってテレビを見ていた。
みっちゃんが読んでいるのはなんだろうか。ちょっと気になったが見てとれなかった。
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