読書感想文

二色燕𠀋

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青空シリーズ

カフカ・フランツ「最初の苦悩」

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 サーカスのブランコ乗りのお話、果たしてかれの名声とは、喜びとは、苦悩とは…

 というのが概要ですね。はい、そう、カフカさんというかこういう奇怪な物書きにあるあるは「真髄に近づけるだろうか」
 というのがあるんでしょうがそもそも、青空文庫やその他、お目見えできるのはですね、「翻訳されている」ものなので、言葉は又貸しされていますねぇ。

 こういった純文学ではそう、もとの言語のせいか、「パッチワーク」←単語を1つ1つくっつける、感があるんですねぇ。切って張って、それに規則性やリズムがあるかというのも疑問なんですが、それは翻訳されていて…(以下同文)と。哲学書臭く感じるんですかねぇ、カフカさん。

 登場人物に名前がない、の利点としては自分をどこにでも投影できるということにありますね。それを客観視した際に「誰に重点があったんだっけ」と迷い混むことができる。

 最初の苦悩を読みますと、ブランコ乗り、(観客の視点)、最後の方だけに出てくる名称『最初のブランコ乗り』、興行主、二人、などなどが人物で上がってきまして場所はサーカス、客席、上の方、汽車…etcとあります。

 結びつけるのはどれも結構自由、どれとも結び付くので↑ざっとあげただけでも16パターンで読めますかね…ていうのは、ブランコ乗り×サーカスやら、ブランコ乗り×客席…やらと。これが絡まってくるのだから無限大。

 で、タイトル「最初の苦悩」と。

 苦悩とは確かに複雑怪奇だ。と。うーんしかし、読んでて歪みに酔う文章でありました。
抜いてみるとこの辺なんかで雰囲気伝わりますかね。



 きわめて多くの旅興行が興行主にはうまくいったけれども、新しい旅はどれも彼にとってつらい。というのは、ほかのあらゆることは別としても、旅興行というものはブランコ乗りの神経にとってはなんといっても破壊的なものだった。



 あれ…誰?とな。
 色々キーワードを拾った感想は「捻れているな」でした。
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