読書感想文

二色燕𠀋

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夏目漱石『夢十夜』

感想

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青空文庫で読んだんで、いつもの「~文庫裏表紙」みたいなヤツが引用できんかったというね(笑)

いや僕ぅ、
夏目漱石好きなんですよね。
でも
夢十夜…好きかなぁ?
と疑問だったんですけどやっぱ好きでした。

一夜~十夜まで好きでしたわ(笑)

夏目漱石と言えば、「絶対になんか硬ぇ純文学野郎(大学首席とかいう頭硬いやつ)」イメージだと思うんですがそのイメージ、あってます。

しかし“I Love youを『月が綺麗ですね』”て訳した、有名な話ですね。純文学クソ野郎感マックスですね。おっしゃれ~。

「くたばってしまえ!」で有名な二葉亭四迷なんて「死んでもいい」とかで訳してるのにね。いや、どっちも純文学クソ野郎だけども。

案外おしゃれそうでなんか取っつきやすそうじゃん?
へい、取っ付きやすい純文学者です。私は正直夏目漱石は「シンプルイズベストを極めた人」だと思ってます。

なんか超高等テクなもう隠れまくってる隠喩を使うか?
別に使いません。しかしまんま読めるが「なぜこれをこんなにシンプルな文体で書いたのか」がどの作品でも付きまといます。

私の推しはうーん、「門」かしら、やっぱ「こゝろ」かしら、迷います。この人なんだろな、偏見ですけどこんな真っ向からストレートストライクを極められちゃうとムッツリスケベな偏屈野郎だったろうなとか思います。ましてや「こゝろ」の「先生と私」の長さ。なんなのだらだらしてて。

いや、好きなんですよ。大正作家の一位、二位を争いますよ。

シンプルイズベストだからこその本質隠し。これは同じく一位、二位を争う谷崎潤一郎とはまた別の手法ですね。谷崎さんは心に直球の隠喩、比喩エロをぶっ刺してきますから。
隠喩、比喩だから「えー?違うよ?ここをそんな風に解釈しただなんてホント君って変態~」って言われてる気分になるけどあんた、タイトル「富美子の足」ってどう考えても…歪んだ性癖だよ!みたいな。実際歪んだ性癖なんですよ、けどふわっと、なんだろ、ほぼ無修正を見せつけられてる気分?

けど漱石さん、もうね、ストレート文体の癖にいざって時は書かない的な意地悪さがあるんすよ、はい、夢十夜いきましょう。
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