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三、
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そして突っ込まれた。ケツに。それは痛く淡々とハルカが、何故かその場にあった棒的なものを次々と。
表情すら崩さない整ったそれが、その日一番恐怖を感じた。
「あー大丈夫大丈夫、好きな人は好きらしいからー」
ヴィィイインと音を立てた棒に恐怖はマックス。
流石に皆本能で逃げようともがくも、ハルカは喧嘩が強いのか慣れているのか家柄なのか、それぞれ股間に一発ずつ鮮やかな蹴りを入れてゆき、無惨な結果を呼ぶ。
鮮やかすぎて目も潰れたかもしれない。
いっそ殺してくれ、くらいの屈辱だったが、最後思わぬ事態も発生した。最後は修介だったのだが。
「…あれぇ、撮影用とかなかったっけ、足りないんだけど」
棒が一本不足したのだ。
皆の貞操が奪われた中、よかった、まぁ股間はもう死んだけどなと思った修介だったのだが、何を思ったのかハルカが「江戸時代のやつあったよな?」とイッテツに尋ねたことに、頭が真っ白になる。
何、江戸時代のやつって。
恐怖だ、もう、這って逃げるしかないと思ったなか「いや、流石に…」とイッテツが渋る。何、それは同情か、いや、「無いですね」という返答が欲しかったが。
倉庫からごちゃごちゃ何かを漁ったイッテツが「ありましたね…」と手に持っていたのは、男根の形をした何かだった。
「古い家だもんな。お前、お前だけ多分気持ちよくないけど我慢して」
「はっ!?」
そこかしこでヴィィイインヴィィイイン、うええっ、ひっく、うおおと聞こえてくるのに何、なんなのこの人。なんで淡々としてるの。
修介は春夏にガシッとバックで髪を掴まれた瞬間「いやああああっ!!」と暴れたのだが、そんなことより肛門ががっつり逝ってしまったようで、かなりの圧迫感に「ぃぃぃっ、」と声すら飲む羽目になる。
お、俺、もしかして、こ、肛門が死んでしまった?てゆうかこれ、処女喪失に入るんじゃないの?
何がなんだかわからないままただただダラダラと涙を流していれば、「ふぅ、」と、春夏は髪を離しパンパン、と両手を叩く。
「これに懲りたら悪いことすんなよ。
さて、飯でも食うかバカ高共」
は?
飯でも食うかって、何?え?大惨事じゃん?
そう言ってまたそれぞれの肛門のそれを抜いたハルカは、まるで一仕事終えた、と言いたそうなすっきりした顔で「よかったな」と穏やかに笑った。
「親父も怒ってなさそうだし。謝れば許してくれるだろ、先に謝っときゃよかったのに」
しゃがみ、側で見据えた春夏は「死ななくてよかったな」と、…なぜかキラキラしていた。
「こんなんで死んだら親御さんが可哀想だし。
イッテツ、今日の飯なんだろ?」
「先程奥さまが寿司を取ると言ってましたよ」
「やっぱそっか。ほら立てなーお前ら。寿司だ寿司。そんなら胃にも優しそうだな」
当たり前に皆再起不能で、結局寿司は人数分倉庫に運び込まれてきた。
しかし二人ほどのバカは「生きてるってありがてぇっ!」と、味を感じない高級寿司を泣きながら食っていた。
最後、全員土下座して、本当にそれですんでしまった。
春夏が最後「じゃあな、もう来んなよ」と笑顔で手を振ったそれが月明かりに照らされていて、修介はそれだけを思い出に残そう、他は全部消去しようと決めたのだ。
そして、その日の夜は動悸も止まらずただただ春夏の「じゃあな、もう来んなよ」ばかりを思い出し疲れて寝た。
翌日は全員漏れなく腹具合が悪くて休んだ。
後に詳細を聞いたらしい春夏は「ベンツやるとかマジ…っはははは!」と笑い飛ばした。確かにベンツの弁償金と貞操とを考えたら、安かったのか…。
不思議な気持ちだったのだ、最初から。
表情すら崩さない整ったそれが、その日一番恐怖を感じた。
「あー大丈夫大丈夫、好きな人は好きらしいからー」
ヴィィイインと音を立てた棒に恐怖はマックス。
流石に皆本能で逃げようともがくも、ハルカは喧嘩が強いのか慣れているのか家柄なのか、それぞれ股間に一発ずつ鮮やかな蹴りを入れてゆき、無惨な結果を呼ぶ。
鮮やかすぎて目も潰れたかもしれない。
いっそ殺してくれ、くらいの屈辱だったが、最後思わぬ事態も発生した。最後は修介だったのだが。
「…あれぇ、撮影用とかなかったっけ、足りないんだけど」
棒が一本不足したのだ。
皆の貞操が奪われた中、よかった、まぁ股間はもう死んだけどなと思った修介だったのだが、何を思ったのかハルカが「江戸時代のやつあったよな?」とイッテツに尋ねたことに、頭が真っ白になる。
何、江戸時代のやつって。
恐怖だ、もう、這って逃げるしかないと思ったなか「いや、流石に…」とイッテツが渋る。何、それは同情か、いや、「無いですね」という返答が欲しかったが。
倉庫からごちゃごちゃ何かを漁ったイッテツが「ありましたね…」と手に持っていたのは、男根の形をした何かだった。
「古い家だもんな。お前、お前だけ多分気持ちよくないけど我慢して」
「はっ!?」
そこかしこでヴィィイインヴィィイイン、うええっ、ひっく、うおおと聞こえてくるのに何、なんなのこの人。なんで淡々としてるの。
修介は春夏にガシッとバックで髪を掴まれた瞬間「いやああああっ!!」と暴れたのだが、そんなことより肛門ががっつり逝ってしまったようで、かなりの圧迫感に「ぃぃぃっ、」と声すら飲む羽目になる。
お、俺、もしかして、こ、肛門が死んでしまった?てゆうかこれ、処女喪失に入るんじゃないの?
何がなんだかわからないままただただダラダラと涙を流していれば、「ふぅ、」と、春夏は髪を離しパンパン、と両手を叩く。
「これに懲りたら悪いことすんなよ。
さて、飯でも食うかバカ高共」
は?
飯でも食うかって、何?え?大惨事じゃん?
そう言ってまたそれぞれの肛門のそれを抜いたハルカは、まるで一仕事終えた、と言いたそうなすっきりした顔で「よかったな」と穏やかに笑った。
「親父も怒ってなさそうだし。謝れば許してくれるだろ、先に謝っときゃよかったのに」
しゃがみ、側で見据えた春夏は「死ななくてよかったな」と、…なぜかキラキラしていた。
「こんなんで死んだら親御さんが可哀想だし。
イッテツ、今日の飯なんだろ?」
「先程奥さまが寿司を取ると言ってましたよ」
「やっぱそっか。ほら立てなーお前ら。寿司だ寿司。そんなら胃にも優しそうだな」
当たり前に皆再起不能で、結局寿司は人数分倉庫に運び込まれてきた。
しかし二人ほどのバカは「生きてるってありがてぇっ!」と、味を感じない高級寿司を泣きながら食っていた。
最後、全員土下座して、本当にそれですんでしまった。
春夏が最後「じゃあな、もう来んなよ」と笑顔で手を振ったそれが月明かりに照らされていて、修介はそれだけを思い出に残そう、他は全部消去しようと決めたのだ。
そして、その日の夜は動悸も止まらずただただ春夏の「じゃあな、もう来んなよ」ばかりを思い出し疲れて寝た。
翌日は全員漏れなく腹具合が悪くて休んだ。
後に詳細を聞いたらしい春夏は「ベンツやるとかマジ…っはははは!」と笑い飛ばした。確かにベンツの弁償金と貞操とを考えたら、安かったのか…。
不思議な気持ちだったのだ、最初から。
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