幕末資料と見解

二色燕𠀋

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八月十八日の政変と七卿落ち

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 じゃぁ、天皇さんはなんて言っていたの?

 孝明さんのお父さん、いやもっと前からですね、一貫しています「外国は嫌いだ」つまり「攘夷をしろ」なんですよ。それは孝明さんもかわりませんが…。

 井伊直弼がいた時代を考えてみる。かなり強いですよね、年配方が。
 孝明さんが実権を握ろうにも、変わりの人がまわしていたりした時代からの流れがあります。なので、正直孝明さんの意思が働いていたか、てのは今となってはわかりませんね。

「貿易はしたいな」

 とかもぼやいているわけですからね。

 でも、攘夷攘夷と、それだけは各所に言っています。幕府にも圧力を掛けまくっています。圧力掛けて急がせないとマジで植民地になっちゃいますし(そこまで危機感があったかは不明)。特に幕府、なんせ「政治班」ですからね。

 圧力と、そして孝明さんとのギャップは、幕府と朝廷の橋渡し朝廷官僚の中川宮さんに掛かりまくりまして、一度「やめたいよぅ」騒動があったりしちゃって、彼は孝明さんの弟なんですが可哀想に胃に穴が空いたことでしょう(辞めさせてもらえてない)。

 さて、同じ「攘夷派」の薩摩さん。ではどういう方だったか。

「はっはっは外人を追っ払ってしんぜよう、とくとご覧あれ」

 と、はい、イギリスとメチャクチャ戦争をしまくりました(薩英戦争)。薩摩さんは豪快でして、例えイギリスから賠償金を払えと言われようと「知らん、政治班がやっとけ」とかなり強気な態度。実際軍艦もありますし幕府はビビってなんも言えない野放し状態。

 薩摩藩は初動が早かったので、それを見て長州は「やべぇ」と、模倣します。しかし、どうしても二番煎じ感は否めなかった。

 じゃあ個性を出しましょうと打ち出した提案はいたってシンプル

「攘夷っていっているわけだし、幕府はやってくんないじゃん?(薩摩がやってる)じゃ、孝明くん、貴方が軍勢を持ちましょうよ」

 といったわけです。

 任せっぱなしだった孝明くん、まさか自分にそう言われるとは思っていなく、たじろぎますが、どうも言っている本人(三条実美さん)、声がでかい。

 ほーらねと長州も英国大使館を爆撃してしまったりイギリスと戦争をし始めちゃったりして、超怖い。こちらも賠償金がかさんで行きます。

 あちらさんからすれば条約に判子もあって貿易してただけなんで、テロ感覚だったでしょうねぇ。

 賠償金に対しての幕府の対応も「先延ばし」ばかり。
 その間にめちゃくちゃ戦争をしている二藩。そりゃあ中川宮くんの胃が心配になりますね。

 まぁ、両藩は「敵に金払うとか何」なわけで、確かにその通りですよね。ないわけですし。じゃあどうしたらいいの孝明くんと政治班が泣きついたところで「お前らの仕事じゃん?わかんないよ」状態。泥沼ですね。

 しかし表面上、王様と政治はくっついてないとおかしい。離れて見えては敵方にもつけこまれちゃう。それが「公武合体」として。
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