幕末資料と見解

薩摩、長州、土佐。坂本龍馬について

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　はい、出てきました坂本龍馬さかもとりょうまさん。

　こちらは所謂“通称”というやつでして、諱いみなは直陰なおかげ、直柔なおなりといいます。
　諱とは所謂書類やらなにやらに正式に書く名前の事で、墓にもこの名前が記載されますが、

　現代ほど名前は曖昧なものだったので、直柔さんが龍馬と名乗ったところで別人ではありません。
　私がwebで二色燕丈を名乗れば私の認識は“二色燕丈”であるのと大差ありません。「龍馬」と本人が言えば本名、固有名詞ですが書類、文には親から頂いた名前を書く、みたいな感覚ですね。

　直陰から直柔に変わったのはどこか、曖昧です。　1864年の手紙が直柔デビューかも？な感じです。

　さてでは、本編では曖昧だったので一番知られている本名、直柔でいきましたが、ここでは龍馬で行きましょう。

　坂本龍馬は土佐とさ(高知こうち)の郷士ごうしでした。郷士、とは当時の土佐の階級では武士、しかし下級武士でした。

　郷士は武士でありながら農業やら商業を行った身分で、つまりは武士階級ではない、農民、商人と大差ない身分でした。なので龍馬の親戚「才谷さいたに家」は、商人でした。

　刀持った商人感覚ですかね。

　土佐藩は更に、身分制度、差別が厳しく、武士階級でも上士じょうしは高下駄、中士ちゅうしは草履、下士げしは裸足みたいなものがありまして、郷士は下士等に当たります。

　土佐の上士なら、板垣退助いたがきたいすけあたりかな？あの辺が道を通ると裸足になり道を開け土下座する、ような感覚ですね。

　武市半平太たけちはんぺいた(瑞三ずいさん)は、郷士でしたが、土佐勤王党を作る頃には中士で、龍馬の遠すぎる親戚でした。

　後に土佐勤王党は藩体制やら武市やらが逆境に行き、解散となりますがまたあとの話で。

　この頃の龍馬はまだ、芽が出ていません。