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The 3rd episode
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「んんっ…」
手になんか、生暖かい感触がして目覚める。
なんだかとても嫌な夢を見た気がする。
「んー…」
なんだこの声は。
目を開けてみたら天井。
待った。腹がなんか重い。首辺りになんか生温かいもんが掛かる、多分人の吐息。
隣の光景にビビって、飛び退くように離れたら壁に頭をぶつけた。痛い。
潤が、無茶苦茶気持ち良さそうに同じベットで寝ていた。
何これ何これどーゆこと?
え?しかもなんか布団からさ、潤の肩とか足とか生で出てねえ?
自分を見てみる。服着てる。
え、え?軽く、いや、かなりパニック。待って待って何これ怖い。
いや待って思い出して俺。ここどこ?どう頑張っても俺ん家。うん。これは間違いない。
え?昨日?
帰りは確か…。
「このまま一人で帰ったら俺は多分死んでいるね。ほらこれ」
とか言って潤にスミスアンドウェッソンをぶん投げるように見せられて。
「サイレンサーあるしね。自律神経失調症だし。明日行かない」
とか、このクソ野郎が言い出したから。
「つったって俺ん家には伊緒がいるし…」
「いい。一人にして。もう人生どうでもよくなった」
「あぁうざい。そーゆーのが一番うざい。俺の前で言うな。
うざいから俺ん家来い強制。帰って風呂入って寝る。さっき高田に電話したらみんな午後からだってよ。もう他にも通達したっつーし。
俺ら始末書書かなきゃだし丁度いいだろ」
「やだよふざけんな死ね」
「はいはい。死ぬから帰るぞ。
俺もいまのメンタルであの家に一人で帰ったら睡眠薬過剰摂取する自信がある。だから来てください」
「なんだよ気持ち悪いな」
「はっはっは!まぁいいんじゃねぇ、傷でも舐めあえ」
とか言ってそのまま無理矢理俺の家に確かに連れ込んだ。うん。
しかし俺は連れ込んだあと思い出したんだよ。こいつのヤバイ疑惑を。
だからこいつには先に風呂入らせて、俺が風呂入っている間寝かせとく作戦を決行しようとしたら。
「寝れないんだよね…」
とか言っていたので。
「わかった。俺がソファーで寝る。ベットで寝ろ。寝心地いいから」
「やだ。お前の体液とかマジ死にたい」
「お前はどこまでも可愛くないな。じゃぁソファーで寝ろ」
「それも嫌だ!」
「は?」
「一緒に寝る!」
「え?それはいいの?嫌だよふざけんなって」
とか言ってたらあっさり人のベットに寝転びやがって。
「早く!怖いんだから!」
「ガキかてめぇは」
「実はさ…その…。
なんかさ、俺の素行が悪いのはこの恐怖症のせいなのね」
「は?てか自覚ありかよ」
「うん。
なんかね、同じ空間に何かいないと眠れないんだよ、ガチで」
「タチ悪っ」
「そう。だからいいから。別にお前近くにいなくてもいいからこの空間にいて、俺が寝るまで」
「あーもーわかった。うるさい。寝るぞ」
で、そのまま二人であっさり眠気が来て寝たはずなんだけどなんだこれ。
あれから間違えて一回起きたのか、そして一回間違えて一線越えてしまったのか。
だとしたら俺はどっちだったんだ。
いや、知りたくない。
「んー、ありゃ…?」
あ、起きた。
「…いない?」
なんだよなんだよ。
何故かこっちが息を殺してしまった。
が、
「あ、いた…」
そう言って潤が寝ぼけて手を伸ばして来るから。
「おおおはようございます…あの…」
まずお前自分の腕とか視界に入ってさ、あれ?裸じゃね?とかなんも思わないの?なにその神的感覚のズレ。
「はぁー…」
潤は漸く上半身を起した。
あぁやっぱり脱いでるよね。
顔を擦ったのち、「おはよう…頭痛っ…」とか普通に言ってまた寝転んでしまう。
えええええ!
「…ちょ、おま、」
「…血圧低いんだよ。話し掛けんな」
「わかった。水でも飲むか?」
「あ、うん。タバコ」
なにこいつ。
「うん。起きたタバコは旨いからな。
潤、お前なんで裸なんですか」
「は?」
不機嫌ボイスの「は?」を頂きました。
「仕方ないよ。気付いたらいつもこうなんだよ」
「え?」
「大丈夫、パンツ履いてるよ?」
「あぁ、はい」
いやそこじゃねぇよ。いやそこも確かに重要だけど。
「え、なにそれ」
「あ、お前まさかなんかした?」
「それ俺が聞きてぇんだよ俺なんかした?してねぇよな寝たよな?」
「え?どっちの意味で?」
「死ね!朝から死ね!Sleepingの方だよ!」
「うん、記憶が正しければな」
「あぁよかった…。ふー、タバコ吸おう…」
寿命が1週間は縮まった。
手になんか、生暖かい感触がして目覚める。
なんだかとても嫌な夢を見た気がする。
「んー…」
なんだこの声は。
目を開けてみたら天井。
待った。腹がなんか重い。首辺りになんか生温かいもんが掛かる、多分人の吐息。
隣の光景にビビって、飛び退くように離れたら壁に頭をぶつけた。痛い。
潤が、無茶苦茶気持ち良さそうに同じベットで寝ていた。
何これ何これどーゆこと?
え?しかもなんか布団からさ、潤の肩とか足とか生で出てねえ?
自分を見てみる。服着てる。
え、え?軽く、いや、かなりパニック。待って待って何これ怖い。
いや待って思い出して俺。ここどこ?どう頑張っても俺ん家。うん。これは間違いない。
え?昨日?
帰りは確か…。
「このまま一人で帰ったら俺は多分死んでいるね。ほらこれ」
とか言って潤にスミスアンドウェッソンをぶん投げるように見せられて。
「サイレンサーあるしね。自律神経失調症だし。明日行かない」
とか、このクソ野郎が言い出したから。
「つったって俺ん家には伊緒がいるし…」
「いい。一人にして。もう人生どうでもよくなった」
「あぁうざい。そーゆーのが一番うざい。俺の前で言うな。
うざいから俺ん家来い強制。帰って風呂入って寝る。さっき高田に電話したらみんな午後からだってよ。もう他にも通達したっつーし。
俺ら始末書書かなきゃだし丁度いいだろ」
「やだよふざけんな死ね」
「はいはい。死ぬから帰るぞ。
俺もいまのメンタルであの家に一人で帰ったら睡眠薬過剰摂取する自信がある。だから来てください」
「なんだよ気持ち悪いな」
「はっはっは!まぁいいんじゃねぇ、傷でも舐めあえ」
とか言ってそのまま無理矢理俺の家に確かに連れ込んだ。うん。
しかし俺は連れ込んだあと思い出したんだよ。こいつのヤバイ疑惑を。
だからこいつには先に風呂入らせて、俺が風呂入っている間寝かせとく作戦を決行しようとしたら。
「寝れないんだよね…」
とか言っていたので。
「わかった。俺がソファーで寝る。ベットで寝ろ。寝心地いいから」
「やだ。お前の体液とかマジ死にたい」
「お前はどこまでも可愛くないな。じゃぁソファーで寝ろ」
「それも嫌だ!」
「は?」
「一緒に寝る!」
「え?それはいいの?嫌だよふざけんなって」
とか言ってたらあっさり人のベットに寝転びやがって。
「早く!怖いんだから!」
「ガキかてめぇは」
「実はさ…その…。
なんかさ、俺の素行が悪いのはこの恐怖症のせいなのね」
「は?てか自覚ありかよ」
「うん。
なんかね、同じ空間に何かいないと眠れないんだよ、ガチで」
「タチ悪っ」
「そう。だからいいから。別にお前近くにいなくてもいいからこの空間にいて、俺が寝るまで」
「あーもーわかった。うるさい。寝るぞ」
で、そのまま二人であっさり眠気が来て寝たはずなんだけどなんだこれ。
あれから間違えて一回起きたのか、そして一回間違えて一線越えてしまったのか。
だとしたら俺はどっちだったんだ。
いや、知りたくない。
「んー、ありゃ…?」
あ、起きた。
「…いない?」
なんだよなんだよ。
何故かこっちが息を殺してしまった。
が、
「あ、いた…」
そう言って潤が寝ぼけて手を伸ばして来るから。
「おおおはようございます…あの…」
まずお前自分の腕とか視界に入ってさ、あれ?裸じゃね?とかなんも思わないの?なにその神的感覚のズレ。
「はぁー…」
潤は漸く上半身を起した。
あぁやっぱり脱いでるよね。
顔を擦ったのち、「おはよう…頭痛っ…」とか普通に言ってまた寝転んでしまう。
えええええ!
「…ちょ、おま、」
「…血圧低いんだよ。話し掛けんな」
「わかった。水でも飲むか?」
「あ、うん。タバコ」
なにこいつ。
「うん。起きたタバコは旨いからな。
潤、お前なんで裸なんですか」
「は?」
不機嫌ボイスの「は?」を頂きました。
「仕方ないよ。気付いたらいつもこうなんだよ」
「え?」
「大丈夫、パンツ履いてるよ?」
「あぁ、はい」
いやそこじゃねぇよ。いやそこも確かに重要だけど。
「え、なにそれ」
「あ、お前まさかなんかした?」
「それ俺が聞きてぇんだよ俺なんかした?してねぇよな寝たよな?」
「え?どっちの意味で?」
「死ね!朝から死ね!Sleepingの方だよ!」
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