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前編
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「すぃやせんんん!」
「ったくぅ……、」
とは言いつつ可愛い部下ではある、ただバカなだけだ。
「で、爆弾って……」
少し見上げれば確かにあった。パンパンで丸くなりかけたMサイズくらいのダンボールが三つ…一つだけ横にコロッと置いてある…。
「……あれを見て最初に違和感を覚えず持ち上げ、ましてや落として転がしたバカは誰だ?」
「…さーせん…」
「並木、いいか?罪はな、被害者が知った日から始まるんだぞ?お前他より一個多いし良い加減指飛ばす?俺宛だよなあれ」
「いいえ!ウチ宛の」
「黙れ中身の状態によってはお前は今日から、他のバカより更新なんだからな?わかる?」
「会長っ!言うて並木が持ち上げる前からあの箱はあんな形で」
「うるっせぇてめえら。あー、ついでだ高田。ここで一発こいつを殴ってお前も更新しとけ」
電話を取り出し「もしもし多摩」と呼び出す。
「フリーザーバッグ…何個かわかんねぇな…。どうせ時間掛かりそうだから量販店でもいいや。取り敢えずそれと、ダンボールL三つ…これは別会計で買ってきて。
柳瀬ぇ、行くぞ」
「えっ」
電話を切り、仕方ないなと白手をはめ、ダンボール前にしゃがみ、コロンと横に転がせる。
「ひぃっ!」と言う柳瀬と、後ろでボスっと並木を殴る音。ダンボールはジャリっと……どうやら金属、重さと音の鳴り具合……本当にパンパンなんだろう。
「待ってろ、あとドア開けるから」と言えば柳瀬がダンボールをズルズルと退かす音、更に並木と高田が「手伝います!」と言うので「待て」をする。
事務所からカッターと青いビニールを取りに行っただけだが、集まった3人の顔が強ばる。
「はいはいはいはい、殺るわけねーでしょはいこれ付けて」
新は3人に白手を渡し、カッターで包装を開けた。
まず、中からむわっと薬の匂いがして「ビンゴか…」と見る。
パンパンだったせいか…ぞんざいに入れられた大量のロレックスが零れ落ちそうになるのを「うわっと、」と高田がキャッチ、新が指示出しとしてふいっとビニールを見る。
零れたロレックスは三つ。しかし見たことがない…女性用か、とにかく男性が好みそうなデザインではない。
ひとつを持ち上げよーく眺めて溜め息が出た。予想通り少し違う。
空ではあるが、パケを裏蓋に仕込むのはよくある手口だ。しかも…裏蓋印刷パターンのパチモンときた。
これでは例えパケにヤクを入れても装飾部分にヤクが付着し金属が変色する。
この変色で一瞬、偽物かどうかの判断は付きにくいけれども…。
「………どーよこれは…」
「あっ!てか会長!
これ、シャ」
「わかってるわ」
「じゃなくて!いいっすよ俺たちがやるんで!
あ、高田マスク!マスクあるか!?」
「……心配ご苦労だが叫ぶな、唾着くから。あとお前らも吸うなよ?
多摩にフリーザーバッグ頼んだから…裏蓋開けてけ。そんで、一個いっ」
「わ、わかってます部屋入っててください!あと吸ってませんか?着替えは!?」
「……わーったあんがとうさんよ!風呂屋行ってくっから安心してくれ。
絶対にこっから漏らさず、またこの箱に丁寧に入れ直せな?この箱に、だかんな?」
「……?」
「この箱を、多摩が買ってくる箱に入れればOK。宛先は警視庁の組対にしとけ」
「か、畏まりましたァ!」
「あ!多摩さんいないんで俺が車回します!」
「…殴られて少し賢くなったな…。あんがと、じゃ甘えるわ。
個数もレシートの裏にでもメモっとけ、勿論着払いで。
じゃ、行ってくるわ。柳瀬と高田はそれでよろしく」
実は、新がメタンフェタミンに注意せねばならないという事実を知っているのは部下と、総代と総代の側付きのみだ。
しかし当の新は詳しい実情を知らない。拾われ、目を覚ましてそれだけを言われた幼い頃。
……歳を食えば言われなくてもわかる。だが、確証もないから言わない。
自分から言わなければどこかへ漏れることもないのだが…。
「…本当に爆弾じゃないっすか、あれ…」
「ある意味そうだったな」
「花咲なんすか!?そんなら会長、殺され」
「それこそアヤ付けてんじゃねぇかよ。漏らしたとすればお前らか総代だぞ?……あ、」
「…やっぱ、具合が」
「んー、いやそうじゃねぇんだわ。おかげで思いついた」
ふと、平良の番号を呼び出す。
並木が自分の車のエンジンを掛けたタイミングで『…はい』と返答があった。
「お前今出れる?検査キット…メタンフェタミンのやつ持って」
『は?』
「いやお前のこと信用してねぇからさ。これを機に持ってかれたら困るから、身を持って証明してやるよ」
「…会長!?そいつ噂のマトリっすよね!?」
『…俺は噂になってんのか。
別に持ってるけど何。忙し』
「お前が持ってきた話だぞ?まぁ、このまま病院で隠蔽してもいいんだが?」
『……どういうこと?』
「薬局ネタは俺じゃないって、丁度、政府にわからせる良い機会だなと。職場まで行ってもいいが」
『わかった抜けてくるから』
「あー、あとついでに青木透花の話でもしてくるよ。どの道病院に行くし」
『………わかった、日赤にカルテ要請しとくけど…』
「心配ならドパミンもパクって来い」
『………話を聞いてから決めるが、慧か?』
「そっちの方がマシだな。俺だ」
『…………マジか、あぁ~っ、なるほ』
「それ目的で俺に目を付けたんじゃねーのか?
じゃ、病院で」
『ちょっ、』切った。
並木は新を見て「え、パクられません!?」と…デジャブかよと思いつつ「パクられねーよ?」と答えた。
「だから寄るんだよ」
並木がうーん、と唸りながらも出発した。
「ったくぅ……、」
とは言いつつ可愛い部下ではある、ただバカなだけだ。
「で、爆弾って……」
少し見上げれば確かにあった。パンパンで丸くなりかけたMサイズくらいのダンボールが三つ…一つだけ横にコロッと置いてある…。
「……あれを見て最初に違和感を覚えず持ち上げ、ましてや落として転がしたバカは誰だ?」
「…さーせん…」
「並木、いいか?罪はな、被害者が知った日から始まるんだぞ?お前他より一個多いし良い加減指飛ばす?俺宛だよなあれ」
「いいえ!ウチ宛の」
「黙れ中身の状態によってはお前は今日から、他のバカより更新なんだからな?わかる?」
「会長っ!言うて並木が持ち上げる前からあの箱はあんな形で」
「うるっせぇてめえら。あー、ついでだ高田。ここで一発こいつを殴ってお前も更新しとけ」
電話を取り出し「もしもし多摩」と呼び出す。
「フリーザーバッグ…何個かわかんねぇな…。どうせ時間掛かりそうだから量販店でもいいや。取り敢えずそれと、ダンボールL三つ…これは別会計で買ってきて。
柳瀬ぇ、行くぞ」
「えっ」
電話を切り、仕方ないなと白手をはめ、ダンボール前にしゃがみ、コロンと横に転がせる。
「ひぃっ!」と言う柳瀬と、後ろでボスっと並木を殴る音。ダンボールはジャリっと……どうやら金属、重さと音の鳴り具合……本当にパンパンなんだろう。
「待ってろ、あとドア開けるから」と言えば柳瀬がダンボールをズルズルと退かす音、更に並木と高田が「手伝います!」と言うので「待て」をする。
事務所からカッターと青いビニールを取りに行っただけだが、集まった3人の顔が強ばる。
「はいはいはいはい、殺るわけねーでしょはいこれ付けて」
新は3人に白手を渡し、カッターで包装を開けた。
まず、中からむわっと薬の匂いがして「ビンゴか…」と見る。
パンパンだったせいか…ぞんざいに入れられた大量のロレックスが零れ落ちそうになるのを「うわっと、」と高田がキャッチ、新が指示出しとしてふいっとビニールを見る。
零れたロレックスは三つ。しかし見たことがない…女性用か、とにかく男性が好みそうなデザインではない。
ひとつを持ち上げよーく眺めて溜め息が出た。予想通り少し違う。
空ではあるが、パケを裏蓋に仕込むのはよくある手口だ。しかも…裏蓋印刷パターンのパチモンときた。
これでは例えパケにヤクを入れても装飾部分にヤクが付着し金属が変色する。
この変色で一瞬、偽物かどうかの判断は付きにくいけれども…。
「………どーよこれは…」
「あっ!てか会長!
これ、シャ」
「わかってるわ」
「じゃなくて!いいっすよ俺たちがやるんで!
あ、高田マスク!マスクあるか!?」
「……心配ご苦労だが叫ぶな、唾着くから。あとお前らも吸うなよ?
多摩にフリーザーバッグ頼んだから…裏蓋開けてけ。そんで、一個いっ」
「わ、わかってます部屋入っててください!あと吸ってませんか?着替えは!?」
「……わーったあんがとうさんよ!風呂屋行ってくっから安心してくれ。
絶対にこっから漏らさず、またこの箱に丁寧に入れ直せな?この箱に、だかんな?」
「……?」
「この箱を、多摩が買ってくる箱に入れればOK。宛先は警視庁の組対にしとけ」
「か、畏まりましたァ!」
「あ!多摩さんいないんで俺が車回します!」
「…殴られて少し賢くなったな…。あんがと、じゃ甘えるわ。
個数もレシートの裏にでもメモっとけ、勿論着払いで。
じゃ、行ってくるわ。柳瀬と高田はそれでよろしく」
実は、新がメタンフェタミンに注意せねばならないという事実を知っているのは部下と、総代と総代の側付きのみだ。
しかし当の新は詳しい実情を知らない。拾われ、目を覚ましてそれだけを言われた幼い頃。
……歳を食えば言われなくてもわかる。だが、確証もないから言わない。
自分から言わなければどこかへ漏れることもないのだが…。
「…本当に爆弾じゃないっすか、あれ…」
「ある意味そうだったな」
「花咲なんすか!?そんなら会長、殺され」
「それこそアヤ付けてんじゃねぇかよ。漏らしたとすればお前らか総代だぞ?……あ、」
「…やっぱ、具合が」
「んー、いやそうじゃねぇんだわ。おかげで思いついた」
ふと、平良の番号を呼び出す。
並木が自分の車のエンジンを掛けたタイミングで『…はい』と返答があった。
「お前今出れる?検査キット…メタンフェタミンのやつ持って」
『は?』
「いやお前のこと信用してねぇからさ。これを機に持ってかれたら困るから、身を持って証明してやるよ」
「…会長!?そいつ噂のマトリっすよね!?」
『…俺は噂になってんのか。
別に持ってるけど何。忙し』
「お前が持ってきた話だぞ?まぁ、このまま病院で隠蔽してもいいんだが?」
『……どういうこと?』
「薬局ネタは俺じゃないって、丁度、政府にわからせる良い機会だなと。職場まで行ってもいいが」
『わかった抜けてくるから』
「あー、あとついでに青木透花の話でもしてくるよ。どの道病院に行くし」
『………わかった、日赤にカルテ要請しとくけど…』
「心配ならドパミンもパクって来い」
『………話を聞いてから決めるが、慧か?』
「そっちの方がマシだな。俺だ」
『…………マジか、あぁ~っ、なるほ』
「それ目的で俺に目を付けたんじゃねーのか?
じゃ、病院で」
『ちょっ、』切った。
並木は新を見て「え、パクられません!?」と…デジャブかよと思いつつ「パクられねーよ?」と答えた。
「だから寄るんだよ」
並木がうーん、と唸りながらも出発した。
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