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第十一話 後輩の提案の果て~前編~
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野崎が提案してきたのは、ビデオ通話によって俺たちが致してるところを見せてもらう、というものだった。
さすがに全部を見せるのは、と俺が抵抗して、何とか布団で隠すくらいはと許してもらえた。
今の世の中はおっかないもので、リベンジポルノとかいうものが横行していると言うじゃないか。
それを考えると、全部見せてしまってネットの海に流されでもしたらさすがに俺も真帆も生きてはいけない。
野崎を信用しないのではなく、できる防衛策を張っておくというものだ。
時間はいつでもいいと言っていたが、早いうちに済ませようと、真帆が今夜を指定した。
野崎の自宅だと野崎が誰か呼んで一緒に見たりということも考えられたので、ホテルを二部屋取って隣の部屋で見せることにした。
そこまでしたら同じ部屋でいいだろ、という考えも浮かんだがさすがにそれだと何が起こるか予測できないので、同じ部屋というのはなしにしたのだ。
「私、自分の部屋の分くらい払いますよ」
「いいよ。私がわがまま言ってそうしてもらってるんだから」
「なら真帆、俺が……」
「大丈夫だから。空くんはちゃんと、私をよくしてね?」
「…………」
本当、何をしようというのだろうか。
正直人に見せる様な行為ではないことは明白だし、気は進まない。
真帆はどう考えてるのだろう。
「じゃ、行こう。今スマホ出したら誰か呼ぼうとしてるってみなすからね」
「しませんよ……信用ないのはわかりますけど」
「ごめんね、ああいう行為を見せるんだから、念には念を押させてもらうよ?」
「そうですよね、私、無茶なこと言ってますから……」
そしてホテルに到着する。
鍵を二つ受け取って、一つを野崎に渡す。
野崎はそれを受け取って、感慨深そうに見つめた。
早くも後悔し始めているのだろうか。
「私、先にシャワー浴びるから。その間、空くんは野崎さんを見張ってて。終わったら電話するから」
「え?俺と野崎二人で部屋にいろってこと?」
「そうだよ。何もしないでしょ?まさか自信ない?」
真帆は俺までも試そうというのだ。
真帆の覚悟が、並々ならぬものであることを物語っている。
「わかった、じゃあ見張ってることにする」
「任せたからね」
そう言って真帆はもう一つの部屋に消えていった。
「…………」
「…………」
一方俺は野崎と二人で……別に好きでもなんでもない女とホテルの部屋にいる。
ぶっちゃけとても気まずい。
嫌でも意識してしまう。
それは野崎も同じ様で、チラチラとこちらを見ている。
「先輩、よくこういうところ使うんですか?」
「いや……お前は?」
「私、まだ彼氏とかいた経験ないんで……」
果てしなく意外だった。
てっきりそれなりに遊んでいるものだとばかり思っていただけに、野崎の見方が変わってしまいそうだ。
「何ですかその顔……私が生娘だったらいけないんですか?」
「い、いや生娘って……」
別に普通に処女って言えばいいだろうに。
わざとだろうか。
「ダメですか?処女って言い方あんまり好きじゃなくて」
「ダメってことはないけどな。けど、じゃあ処女を誰かに捧げる、とかなったらどうするんだ?純潔を散らす、とか言うのか?」
「どこの女騎士ですか?先輩、そういうの好きなんですか?」
「い、いや……」
ぶっちゃけくっころ系は嫌いじゃない。
寧ろ好物の類かもしれない。
そんなことを考えていたら、部屋のドアが開いた。
「空くん、ご苦労様。どうだった?」
「ああ、スマホのスの字も出してなかったよ」
「そう……」
真帆はローブの様なものを羽織ったのみの恰好だ。
そんな真帆を見て、野崎ははぁ……とかため息を漏らしていた。
「じゃ、空くん」
「ん?」
「野崎さんを、犯して」
場が凍り付く。
今何て言ったんだ、真帆は。
「聞こえなかった?今ここで、野崎さんを犯すの。空くんが、手籠めにするの」
「て、手籠めってお前……」
「え……ちょっと、どういうことですか?」
俺にもよくわからない。
真帆が何を考えているのか。
「エッチしてるところ、見たいんでしょ?ならもう生で見せてあげる。その前に、野崎さんのも見せてもらうから。あ、逃げられるなんて思わないでね?痛い思いするだけだから」
「お、おい真帆……」
真帆は薄く笑って、野崎から目を離さない。
「空くん、早くして。私、我慢できない」
「い、いやそんなこと言ったって……」
「いいから、早くしなさい。私たちのエッチ、その後見せるんだから。後が閊えてるんだよ」
「わ、私ちょっと……」
野崎が立ち上がろうとしたところを、真帆が押さえ込む。
「うっ……」
「逃げられない、って言ったよね?空くん、空くんが言うとおりにしてくれないんだと……野崎さんがどんどん痛い目見ることになるんだけど、いい?」
「だ、だけど野崎経験ないって言ってたぞ?それなのに、いいのかよ……」
「空くんが好きなんでしょ?なら本望じゃない?」
「だ、だけど……」
「じゃ、ちょっとずつ痛い目見てもらおうかな」
真帆が野崎の手の指先に爪を立てた。
「知ってる?私の爪結構鋭くてね。こうして、少し早くこすりつけるだけで……」
「いっ……!」
野崎の指先が切れて、血がにじむ。
どこの暗殺一家の人なの……。
「い、言う通りにしますから……もう痛いのは……」
「そう、じゃあ自分で全部脱いでね」
真帆は手を放して、そう言い捨てる。
「変な動きしたら、今度はもう少し痛い目に遭ってもらうからね」
真帆のあまりの迫力に、俺は身動き一つできない。
野崎がためらいがちにブラウスに手をかけ、ボタンをはずしていく。
ブルーの下着が目に入って、思わず目をそらした。
「空くん、ちゃんと全部見てないとダメ」
「だ、だけど……」
「野崎さんの覚悟をちゃんと見つめるの。いい?」
意図するところはわからないが、確かに本位ではなくともただ事ではない覚悟をして、野崎は真帆の言う通りにしている。
「まだスカート脱いでないの?空くんに脱がしてほしいの?」
「そ、それは……」
「…………」
まだ下着には手をつけていないが、野崎の白い肌が露わになって思わず息をのむ。
真帆が見ているのに、俺は何を考えているのか。
「それは男として自然な反応だから、空くんは気にしないで大丈夫」
野崎が上下の下着だけの姿になった。
「そこに座って。抵抗したらまた痛い目に遭うだけだから」
真帆がベッドに野崎を座らせる。
「足、閉じないで」
少し野崎に足を開かせる。
真帆はそこに顔をうずめた。
「あっ……ちょっと……」
「ふぅん……今日、体育あった?少し酸っぱいね」
「そ、そんな……」
そのやり取りを見ているだけで、俺の相棒はガチガチに反応してしまった。
何ともすごい光景だ。
「じゃ、それ両方とも脱いでね」
野崎に背を向けて、傍にある椅子にこしかけた。
真帆が、俺が、じっと見つめる中で野崎はブラに手をかける。
小さくも大きくもない、その胸が露わになる。
形はいいかもしれない、と思った。
その先端は既に少し硬さを帯びているのか、起立して見える。
「し、下も……ですよね」
「当たり前でしょ。空くん、脱いだらちゃんと抱いてあげるんだよ」
「ま、マジでかよ……」
「やだっていうなら、空くんでも痛い目見てもらうから」
先日の急所突きの件が思い出されて、痛みがフラッシュバックする気がした。
躊躇いがちに野崎がショーツを脱ぎ、床に落とす。
完全な全裸になった野崎は、手で隠そうとするが、真帆が目でそれを制した。
「さ、空くん」
「……わ、わかったよ。野崎、ごめん……」
せめて優しく、と思って野崎を抱き寄せる。
こんな形で純潔を散らすことになるなんて、思いもかけなかっただろう。
藪をつついたら蛇が出た、なんてもんじゃない。
野崎の唇に吸い付き、そのまま思い切り舌を絡める。
ぴぴっ、と音がして、それが真帆の方からであることがすぐにわかる。
何と真帆はスマホで動画撮影をしていた。
「お、お前……」
「いいから続けて。止めたらどうなるかわかってるよね?」
スマホを構えながら真帆が言う。
「せ、先輩……私なら、大丈夫ですから……抱いて、ください」
「野崎、お前……」
全裸の野崎が俺に口づけを返す。
ゆっくりと俺の制服に手をかけ、野崎は俺の制服を脱がそうとしていた。
俺もそれに応える様に、自分で服を脱いでいく。
俺もシャワーとか浴びてないんだけど、いいんだろうか。
「少しお互い匂うかもですけど……我慢してください……」
二人ともが全裸になって、ベッドに野崎を横たえる。
真帆の目の前で後輩を抱くことになるなんて。
それでもしっかりと俺の体は反応してしまっている。
はしたないとは俺のことを言うのかもしれない。
いつも真帆にしている様に、野崎に愛撫をする。
「いつも自分で触ってるときと比べて、どう?やっぱり良かったりするの?」
俺の愛撫に喘ぐ野崎に、真帆が尋ねる。
「…………あっ……い、言えません……」
「そう、なら私自分で確かめてみるから」
真帆が立ち上がって、ベッドに乗っかってくる。
くちゅりと水音がして、そこを見ると真帆が野崎の一番敏感であろう部分を弄り回していた。
「あっ、あっ、だ、め……あっ……そんなに……あっ……」
「何だ、気持ち良さそうだね。空くん、もっとしてあげて?」
「あ、ああ」
真帆が俺の手を取って、下半身にいざなう。
既にぐちゅぐちゅになっているそこに手を触れると、野崎はびくりと体を震わせた。
「せ、先輩……」
「我慢、しなくていいからな」
少し強めの匂いがしてきて、野崎が女の匂いをさせてきているのがわかる。
親指で固くなっている部分を、人差し指で入り口を丹念に愛撫した。
「は、あっ!あっ!せ、せんぱい!!」
「痛くないか?大丈夫か?」
「だ、だい、じょうぶ、で……あっ!!」
段々と野崎の声が大きくなってくる。
反応もそれに比例する様に大きくなっている様に思えた。
「せ、せんぱい!何か出ちゃいそうです!」
「え……何かって、何?」
「ああ!ダメ!そんなにしないでっ!!出ちゃう!!!」
俺が手を緩めることなく愛撫を続けると、野崎は何度も体を震わせて、何と潮を吹いた。
それもかなりの量。
最初はトイレでも我慢しているのかと思ったが、匂いがしない。
「あーらら……野崎さん、潮吹き体質だったんだ?すごい勢いだったね。ちゃんと動画に撮ってあるから。見る?」
「や、やだ……」
野崎は顔を手で覆って俺に背を向けた。
これだけでも十分恥ずかしいだろうに……。
この上マジで本番まで行こうというのだろうか。
「それだけ勢いよくイったら、さぞかし滑りも良いんじゃないかな?空くん、試してみて」
「…………」
逆らうことはできない。
「ごめん、野崎……」
「せんぱい……?」
俺が野崎の肩を掴み、挿入する体制をとる。
野崎は膝を折ってそこが見えやすい様に開いている。
「先輩の、すごいですね。そんなの、入るのかな……」
「い、痛かったら言えよ……」
俺は徐々に相棒を野崎のそこにうずめていく。
あ、ゴムしてねぇ……。
「大丈夫だと思います……だから、そのまま、きてください……」
さすがに生でっていうのは……と思うが、真帆もうなづいている。
なら仕方ない、と自分に言い訳をしてそのまま野崎の中に侵入していく。
「んう……あっ……つ……」
「おい、大丈夫か?」
「だ、だいじょうぶです……もうすぐ、破けると思うので……」
破ける……本当に俺でいいのか野崎は。
小さな葛藤が、俺の動きを鈍らせる。
「早く貫いてあげなよ。彼女もそれを望んでいるはずだから」
「お、お前……何でこんなとこまで……」
この間の電マ女がそこにいた。
真帆と野崎はぴくりとも動かない。
「あ、今動かない方がいいよ。時間、止まってるんだ。君が動けば、時間が動き出した瞬間彼女に衝撃がまとめて伝わっちゃうから」
「そ、それよりお前……何しにきたんだよ」
全裸で女を抱いてる現場に乗り込んでくるとはまさか思っていなかったので、思わずうろたえてしまう。
「いや、何。うちの彼氏みたいなことしてるなぁって。状況は少し違うみたいだけど」
「何だよ、お前の彼氏って……」
「ああ、言ってなかった?うちの彼氏、私の他に八人女囲ってるからね?」
「はぁ!?何者だよマジで……」
「まぁ、事情があって人間じゃなくなっちゃったからねぇ。とは言ってもこれから先女が増えることはないと思うけど……」
「よ、用事がないならさっさと行けよ。案外恥ずかしいんだよ、挿入途中であらわれやがって……」
「ああ、そうだった、邪魔したね。いい?その子は君にそうされるのを、もう望んでるから。何が起こってもちゃんと受け止めるんだよ」
それだけ言って女は消えた。
「あうっ……せ、先輩……まだ途中なのにそんなにこすらないでくれませんか……」
「あ、ご、ごめん。じゃあ……行くからな」
真帆よりも少し背の高い、野崎の裸身の下半身を両手で抱え、そのまま腰を入れる。
「ううっぐ、う……は、入りました……?」
「ああ、多分……」
「入ってるよ。根本までちゃんと、ずっぽり呑み込んでる。野崎さん、エッチな子だね」
真帆が撮影の手を止めずに言う。
「や、そ、そうでした……」
見られているどころか撮影までされていることを思い出す野崎。
その瞬間、野崎の中がぎゅっと締まる様な感覚があった。
「く、お、落ち着け野崎……し、締め付けるな……」
「あ、ご、ごめんなさい……その、恥ずかしくて……」
「野崎さん、空くんまだ一回もイってないよ?イかせてあげないの?」
「え、わ、私がですか?」
「そうだよ、あられもなく腰振って、空くんのを喜ばせてあげないと」
真帆は何ということを言い出すのか。
ここまでさせておいて、更に野崎にそこまでさせるのか。
「野崎さん、気持ちよかったよね?だったら今度はちゃんとお返し、でしょ?」
「は、はい……」
野崎が俺を軽く押す。
俺はそれに応える様にベッドに仰向けに倒れた。
こうなったら、早いとこ出してやらないと……。
「あ、空くん自分から動いたら……わかるよね?」
「あ、はい……」
逃げ道が封鎖されてしまった。
「せ、せんぱい……いきますから……」
ご丁寧に宣言して、少しずつ腰を動かしていく野崎。
野崎の破瓜を迎えたばかりの中はかなりきつめで、すぐにこちらも限界が近くなってくる。
俺をイかせるという名目のはずだが、野崎も大分よくなってしまっているのか、動きが段々と激しくなってきた。
「はっ……どう、ですか、せんぱい……」
「う、うん、やばい……」
「ちゃんと、イけそうですか……?」
「出ちゃったら大変だから……あんまり激しいのは……」
「い、いいんです……そのまま、出してください……」
更に野崎が、息を荒くしながら腰の動きを速める。
こいつ、見た目と違って割と体力あるな……。
俺の方はもう案外限界が近かったりするのに。
「ああ、ぐ……で、出るぞ、野崎……」
「いいです、そのまま……」
昇り詰める快感に耐え切れず、俺は野崎の中に欲望のすべてを吐き出してしまう。
先端から迸る欲望を、止めることができない。
「すごい、いっぱい出てます……」
「ご、ごめん……」
すっかり吐き出し切ると、今度はとてつもない罪悪感が襲ってくる。
野崎は当然、真帆にも裏切った、という思いが俺の中でひしめいてくるのがわかる。
「空くん、休んでいる暇はないよ」
野崎が俺の相棒をその体から引き抜いて、ぐったりしている。
その様子までを撮影し終えて、真帆は俺の相棒を口に含んだ。
「く……な、真帆……」
「言ったでしょ?直に私たちのエッチ見せてあげるって。ちゃんと見ててね、野崎さん」
そう言って真帆は、俺の相棒を再度口に含んで復活させようと試みた。
少しずつ活気を取り戻していくその様子を、野崎は遠い目をして見ていた。
さすがに全部を見せるのは、と俺が抵抗して、何とか布団で隠すくらいはと許してもらえた。
今の世の中はおっかないもので、リベンジポルノとかいうものが横行していると言うじゃないか。
それを考えると、全部見せてしまってネットの海に流されでもしたらさすがに俺も真帆も生きてはいけない。
野崎を信用しないのではなく、できる防衛策を張っておくというものだ。
時間はいつでもいいと言っていたが、早いうちに済ませようと、真帆が今夜を指定した。
野崎の自宅だと野崎が誰か呼んで一緒に見たりということも考えられたので、ホテルを二部屋取って隣の部屋で見せることにした。
そこまでしたら同じ部屋でいいだろ、という考えも浮かんだがさすがにそれだと何が起こるか予測できないので、同じ部屋というのはなしにしたのだ。
「私、自分の部屋の分くらい払いますよ」
「いいよ。私がわがまま言ってそうしてもらってるんだから」
「なら真帆、俺が……」
「大丈夫だから。空くんはちゃんと、私をよくしてね?」
「…………」
本当、何をしようというのだろうか。
正直人に見せる様な行為ではないことは明白だし、気は進まない。
真帆はどう考えてるのだろう。
「じゃ、行こう。今スマホ出したら誰か呼ぼうとしてるってみなすからね」
「しませんよ……信用ないのはわかりますけど」
「ごめんね、ああいう行為を見せるんだから、念には念を押させてもらうよ?」
「そうですよね、私、無茶なこと言ってますから……」
そしてホテルに到着する。
鍵を二つ受け取って、一つを野崎に渡す。
野崎はそれを受け取って、感慨深そうに見つめた。
早くも後悔し始めているのだろうか。
「私、先にシャワー浴びるから。その間、空くんは野崎さんを見張ってて。終わったら電話するから」
「え?俺と野崎二人で部屋にいろってこと?」
「そうだよ。何もしないでしょ?まさか自信ない?」
真帆は俺までも試そうというのだ。
真帆の覚悟が、並々ならぬものであることを物語っている。
「わかった、じゃあ見張ってることにする」
「任せたからね」
そう言って真帆はもう一つの部屋に消えていった。
「…………」
「…………」
一方俺は野崎と二人で……別に好きでもなんでもない女とホテルの部屋にいる。
ぶっちゃけとても気まずい。
嫌でも意識してしまう。
それは野崎も同じ様で、チラチラとこちらを見ている。
「先輩、よくこういうところ使うんですか?」
「いや……お前は?」
「私、まだ彼氏とかいた経験ないんで……」
果てしなく意外だった。
てっきりそれなりに遊んでいるものだとばかり思っていただけに、野崎の見方が変わってしまいそうだ。
「何ですかその顔……私が生娘だったらいけないんですか?」
「い、いや生娘って……」
別に普通に処女って言えばいいだろうに。
わざとだろうか。
「ダメですか?処女って言い方あんまり好きじゃなくて」
「ダメってことはないけどな。けど、じゃあ処女を誰かに捧げる、とかなったらどうするんだ?純潔を散らす、とか言うのか?」
「どこの女騎士ですか?先輩、そういうの好きなんですか?」
「い、いや……」
ぶっちゃけくっころ系は嫌いじゃない。
寧ろ好物の類かもしれない。
そんなことを考えていたら、部屋のドアが開いた。
「空くん、ご苦労様。どうだった?」
「ああ、スマホのスの字も出してなかったよ」
「そう……」
真帆はローブの様なものを羽織ったのみの恰好だ。
そんな真帆を見て、野崎ははぁ……とかため息を漏らしていた。
「じゃ、空くん」
「ん?」
「野崎さんを、犯して」
場が凍り付く。
今何て言ったんだ、真帆は。
「聞こえなかった?今ここで、野崎さんを犯すの。空くんが、手籠めにするの」
「て、手籠めってお前……」
「え……ちょっと、どういうことですか?」
俺にもよくわからない。
真帆が何を考えているのか。
「エッチしてるところ、見たいんでしょ?ならもう生で見せてあげる。その前に、野崎さんのも見せてもらうから。あ、逃げられるなんて思わないでね?痛い思いするだけだから」
「お、おい真帆……」
真帆は薄く笑って、野崎から目を離さない。
「空くん、早くして。私、我慢できない」
「い、いやそんなこと言ったって……」
「いいから、早くしなさい。私たちのエッチ、その後見せるんだから。後が閊えてるんだよ」
「わ、私ちょっと……」
野崎が立ち上がろうとしたところを、真帆が押さえ込む。
「うっ……」
「逃げられない、って言ったよね?空くん、空くんが言うとおりにしてくれないんだと……野崎さんがどんどん痛い目見ることになるんだけど、いい?」
「だ、だけど野崎経験ないって言ってたぞ?それなのに、いいのかよ……」
「空くんが好きなんでしょ?なら本望じゃない?」
「だ、だけど……」
「じゃ、ちょっとずつ痛い目見てもらおうかな」
真帆が野崎の手の指先に爪を立てた。
「知ってる?私の爪結構鋭くてね。こうして、少し早くこすりつけるだけで……」
「いっ……!」
野崎の指先が切れて、血がにじむ。
どこの暗殺一家の人なの……。
「い、言う通りにしますから……もう痛いのは……」
「そう、じゃあ自分で全部脱いでね」
真帆は手を放して、そう言い捨てる。
「変な動きしたら、今度はもう少し痛い目に遭ってもらうからね」
真帆のあまりの迫力に、俺は身動き一つできない。
野崎がためらいがちにブラウスに手をかけ、ボタンをはずしていく。
ブルーの下着が目に入って、思わず目をそらした。
「空くん、ちゃんと全部見てないとダメ」
「だ、だけど……」
「野崎さんの覚悟をちゃんと見つめるの。いい?」
意図するところはわからないが、確かに本位ではなくともただ事ではない覚悟をして、野崎は真帆の言う通りにしている。
「まだスカート脱いでないの?空くんに脱がしてほしいの?」
「そ、それは……」
「…………」
まだ下着には手をつけていないが、野崎の白い肌が露わになって思わず息をのむ。
真帆が見ているのに、俺は何を考えているのか。
「それは男として自然な反応だから、空くんは気にしないで大丈夫」
野崎が上下の下着だけの姿になった。
「そこに座って。抵抗したらまた痛い目に遭うだけだから」
真帆がベッドに野崎を座らせる。
「足、閉じないで」
少し野崎に足を開かせる。
真帆はそこに顔をうずめた。
「あっ……ちょっと……」
「ふぅん……今日、体育あった?少し酸っぱいね」
「そ、そんな……」
そのやり取りを見ているだけで、俺の相棒はガチガチに反応してしまった。
何ともすごい光景だ。
「じゃ、それ両方とも脱いでね」
野崎に背を向けて、傍にある椅子にこしかけた。
真帆が、俺が、じっと見つめる中で野崎はブラに手をかける。
小さくも大きくもない、その胸が露わになる。
形はいいかもしれない、と思った。
その先端は既に少し硬さを帯びているのか、起立して見える。
「し、下も……ですよね」
「当たり前でしょ。空くん、脱いだらちゃんと抱いてあげるんだよ」
「ま、マジでかよ……」
「やだっていうなら、空くんでも痛い目見てもらうから」
先日の急所突きの件が思い出されて、痛みがフラッシュバックする気がした。
躊躇いがちに野崎がショーツを脱ぎ、床に落とす。
完全な全裸になった野崎は、手で隠そうとするが、真帆が目でそれを制した。
「さ、空くん」
「……わ、わかったよ。野崎、ごめん……」
せめて優しく、と思って野崎を抱き寄せる。
こんな形で純潔を散らすことになるなんて、思いもかけなかっただろう。
藪をつついたら蛇が出た、なんてもんじゃない。
野崎の唇に吸い付き、そのまま思い切り舌を絡める。
ぴぴっ、と音がして、それが真帆の方からであることがすぐにわかる。
何と真帆はスマホで動画撮影をしていた。
「お、お前……」
「いいから続けて。止めたらどうなるかわかってるよね?」
スマホを構えながら真帆が言う。
「せ、先輩……私なら、大丈夫ですから……抱いて、ください」
「野崎、お前……」
全裸の野崎が俺に口づけを返す。
ゆっくりと俺の制服に手をかけ、野崎は俺の制服を脱がそうとしていた。
俺もそれに応える様に、自分で服を脱いでいく。
俺もシャワーとか浴びてないんだけど、いいんだろうか。
「少しお互い匂うかもですけど……我慢してください……」
二人ともが全裸になって、ベッドに野崎を横たえる。
真帆の目の前で後輩を抱くことになるなんて。
それでもしっかりと俺の体は反応してしまっている。
はしたないとは俺のことを言うのかもしれない。
いつも真帆にしている様に、野崎に愛撫をする。
「いつも自分で触ってるときと比べて、どう?やっぱり良かったりするの?」
俺の愛撫に喘ぐ野崎に、真帆が尋ねる。
「…………あっ……い、言えません……」
「そう、なら私自分で確かめてみるから」
真帆が立ち上がって、ベッドに乗っかってくる。
くちゅりと水音がして、そこを見ると真帆が野崎の一番敏感であろう部分を弄り回していた。
「あっ、あっ、だ、め……あっ……そんなに……あっ……」
「何だ、気持ち良さそうだね。空くん、もっとしてあげて?」
「あ、ああ」
真帆が俺の手を取って、下半身にいざなう。
既にぐちゅぐちゅになっているそこに手を触れると、野崎はびくりと体を震わせた。
「せ、先輩……」
「我慢、しなくていいからな」
少し強めの匂いがしてきて、野崎が女の匂いをさせてきているのがわかる。
親指で固くなっている部分を、人差し指で入り口を丹念に愛撫した。
「は、あっ!あっ!せ、せんぱい!!」
「痛くないか?大丈夫か?」
「だ、だい、じょうぶ、で……あっ!!」
段々と野崎の声が大きくなってくる。
反応もそれに比例する様に大きくなっている様に思えた。
「せ、せんぱい!何か出ちゃいそうです!」
「え……何かって、何?」
「ああ!ダメ!そんなにしないでっ!!出ちゃう!!!」
俺が手を緩めることなく愛撫を続けると、野崎は何度も体を震わせて、何と潮を吹いた。
それもかなりの量。
最初はトイレでも我慢しているのかと思ったが、匂いがしない。
「あーらら……野崎さん、潮吹き体質だったんだ?すごい勢いだったね。ちゃんと動画に撮ってあるから。見る?」
「や、やだ……」
野崎は顔を手で覆って俺に背を向けた。
これだけでも十分恥ずかしいだろうに……。
この上マジで本番まで行こうというのだろうか。
「それだけ勢いよくイったら、さぞかし滑りも良いんじゃないかな?空くん、試してみて」
「…………」
逆らうことはできない。
「ごめん、野崎……」
「せんぱい……?」
俺が野崎の肩を掴み、挿入する体制をとる。
野崎は膝を折ってそこが見えやすい様に開いている。
「先輩の、すごいですね。そんなの、入るのかな……」
「い、痛かったら言えよ……」
俺は徐々に相棒を野崎のそこにうずめていく。
あ、ゴムしてねぇ……。
「大丈夫だと思います……だから、そのまま、きてください……」
さすがに生でっていうのは……と思うが、真帆もうなづいている。
なら仕方ない、と自分に言い訳をしてそのまま野崎の中に侵入していく。
「んう……あっ……つ……」
「おい、大丈夫か?」
「だ、だいじょうぶです……もうすぐ、破けると思うので……」
破ける……本当に俺でいいのか野崎は。
小さな葛藤が、俺の動きを鈍らせる。
「早く貫いてあげなよ。彼女もそれを望んでいるはずだから」
「お、お前……何でこんなとこまで……」
この間の電マ女がそこにいた。
真帆と野崎はぴくりとも動かない。
「あ、今動かない方がいいよ。時間、止まってるんだ。君が動けば、時間が動き出した瞬間彼女に衝撃がまとめて伝わっちゃうから」
「そ、それよりお前……何しにきたんだよ」
全裸で女を抱いてる現場に乗り込んでくるとはまさか思っていなかったので、思わずうろたえてしまう。
「いや、何。うちの彼氏みたいなことしてるなぁって。状況は少し違うみたいだけど」
「何だよ、お前の彼氏って……」
「ああ、言ってなかった?うちの彼氏、私の他に八人女囲ってるからね?」
「はぁ!?何者だよマジで……」
「まぁ、事情があって人間じゃなくなっちゃったからねぇ。とは言ってもこれから先女が増えることはないと思うけど……」
「よ、用事がないならさっさと行けよ。案外恥ずかしいんだよ、挿入途中であらわれやがって……」
「ああ、そうだった、邪魔したね。いい?その子は君にそうされるのを、もう望んでるから。何が起こってもちゃんと受け止めるんだよ」
それだけ言って女は消えた。
「あうっ……せ、先輩……まだ途中なのにそんなにこすらないでくれませんか……」
「あ、ご、ごめん。じゃあ……行くからな」
真帆よりも少し背の高い、野崎の裸身の下半身を両手で抱え、そのまま腰を入れる。
「ううっぐ、う……は、入りました……?」
「ああ、多分……」
「入ってるよ。根本までちゃんと、ずっぽり呑み込んでる。野崎さん、エッチな子だね」
真帆が撮影の手を止めずに言う。
「や、そ、そうでした……」
見られているどころか撮影までされていることを思い出す野崎。
その瞬間、野崎の中がぎゅっと締まる様な感覚があった。
「く、お、落ち着け野崎……し、締め付けるな……」
「あ、ご、ごめんなさい……その、恥ずかしくて……」
「野崎さん、空くんまだ一回もイってないよ?イかせてあげないの?」
「え、わ、私がですか?」
「そうだよ、あられもなく腰振って、空くんのを喜ばせてあげないと」
真帆は何ということを言い出すのか。
ここまでさせておいて、更に野崎にそこまでさせるのか。
「野崎さん、気持ちよかったよね?だったら今度はちゃんとお返し、でしょ?」
「は、はい……」
野崎が俺を軽く押す。
俺はそれに応える様にベッドに仰向けに倒れた。
こうなったら、早いとこ出してやらないと……。
「あ、空くん自分から動いたら……わかるよね?」
「あ、はい……」
逃げ道が封鎖されてしまった。
「せ、せんぱい……いきますから……」
ご丁寧に宣言して、少しずつ腰を動かしていく野崎。
野崎の破瓜を迎えたばかりの中はかなりきつめで、すぐにこちらも限界が近くなってくる。
俺をイかせるという名目のはずだが、野崎も大分よくなってしまっているのか、動きが段々と激しくなってきた。
「はっ……どう、ですか、せんぱい……」
「う、うん、やばい……」
「ちゃんと、イけそうですか……?」
「出ちゃったら大変だから……あんまり激しいのは……」
「い、いいんです……そのまま、出してください……」
更に野崎が、息を荒くしながら腰の動きを速める。
こいつ、見た目と違って割と体力あるな……。
俺の方はもう案外限界が近かったりするのに。
「ああ、ぐ……で、出るぞ、野崎……」
「いいです、そのまま……」
昇り詰める快感に耐え切れず、俺は野崎の中に欲望のすべてを吐き出してしまう。
先端から迸る欲望を、止めることができない。
「すごい、いっぱい出てます……」
「ご、ごめん……」
すっかり吐き出し切ると、今度はとてつもない罪悪感が襲ってくる。
野崎は当然、真帆にも裏切った、という思いが俺の中でひしめいてくるのがわかる。
「空くん、休んでいる暇はないよ」
野崎が俺の相棒をその体から引き抜いて、ぐったりしている。
その様子までを撮影し終えて、真帆は俺の相棒を口に含んだ。
「く……な、真帆……」
「言ったでしょ?直に私たちのエッチ見せてあげるって。ちゃんと見ててね、野崎さん」
そう言って真帆は、俺の相棒を再度口に含んで復活させようと試みた。
少しずつ活気を取り戻していくその様子を、野崎は遠い目をして見ていた。
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