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朔の気持ち
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恋愛なんて、縁がないって思ってた。
そもそも元々がモテる様な人間でなかったし、目立つこともほとんどない。
いつかデリアに話した様に、俺は女と縁がなかった。
それこそ、圭介が恋人だなんて言われてもおかしくないくらいに、俺たちは一緒にいた。
小さい頃はそれでも、男女関係なく遊んだりしたこともあった……と思う。
おぼろげな記憶だし、今となってはその面々と会うことももうないだろう。
それでも、圭介がいれば満足だった。
薄い本なんかでよくある様な、BLだとかそういう感じに発展したりはしなかったが、圭介は俺のことを察してくれたし、俺も圭介を察することができた。
何処に行くのであっても、何をするのであっても、俺たちは一緒だった。
けど、その一緒は呆気なく終わりを迎えてしまった。
圭介が死んでしまったことで、俺は目標を一つ手に入れた。
悪い言い方だが、邪魔さえ入らなければ今頃まだ何匹もの龍を倒していた自信はある。
その邪魔が俺にはいつしかなくてはならないものになっていたことを自覚したのは、その随分後だったけど。
裕福でもなく貧乏でもない、生活そのものに苦労はしなかったし、ほしいものがあれば、よほどのことがなければ買い与えてもらえる様なごく普通の家庭で育った。
やりたいことがあればやらせてもらえたし、それでも弟や妹がほしいとねだった時だけは、苦い顔をされたのを覚えている。
両親は、俺を生む時にかなり母体への負担が大きかったことなどを話してくれ、その時に二人目の子どもは難しいだろうとの診断を受けていたと言っていた。
その話を聞いたのは俺が十歳になるかどうかくらいの頃だったが、子ども心に俺がこの両親の期待に応えていかねば、なんて思っていた。
学力を伸ばすことも、身体的に強くなることも、躊躇いはなかった。
後から聞いた話では、両親は俺にそこまで過大な期待をしてはいなかったらしい。
のびのびと、好きなことをやって後悔しない様に生きてほしい。
そう願っていてくれたのだとか。
中学に入って、圭介と出会った。
圭介は一見女の子と見間違えそうなくらい、儚げな可愛らしさを持っていて、男にしては高めなその声、線の細さ、全てが俺にとっては好みだった。
初めて話をしたときなどは、柄にもなくドキドキしたものだ。
「朔って呼んでもいい?」
そういわれた時などは、もうトキメキレベルがマックスで……まぁ、そんな話はどうでもいいよな。
とにかくお互いを名前で呼び合える友達は、圭介が初めてだった。
圭介は俺の知らないことを沢山知っていたし、逆も然りだった。
BL的展開はなかったと言ったな、あれは嘘だ。
一回だけ、近いことはあった。
何故か男二人でポッキーゲームを……ああ、そうだった。
確か、合コンに行くシミュレーションとか言って、王様ゲームやら何やら男二人でやるというカオスな展開があった。
でも、何故か笑えたし、ポッキーゲームだけは変な雰囲気になりかけたが、何とか思いとどまった。
高校も、同じところを受けて一緒に登校することができたし、圭介も俺も充実はしていたんだと思う。
高校では俺も鍛えたりしていたし、人の頼みやらを受けて人助けなんかを頑張っていた。
勉強を教えることも、誰かを助けることも、とても楽しかったし、圭介もそんな俺を見て喜んでくれていた。
そんな日も、長くは続かず、金持ちのボンボンが転校してきて事態は一変した。
金をもらって、かつての友人たちは俺を裏切ってくれたし、変な噂まで流されたりして散々だった。
最初のうちは、圭介がいれば、なんて思っていた。
それでも、あれだけの裏切りを受けてしまうと心は臆病になってしまうのだろう。
俺はいつからか人を信じることが出来なくなっていった。
圭介だけが、学校での俺の存在意義になった。
そんな圭介が、世界を入れ替えられたことで命の危険に晒された。
俺はもう、心の底からビビってしまっていて、為す術もなく立ち尽くすのみだったが、そこにレスターが現れた。
圭介を助けてくれるなら誰でも良いと思ったが、圭介はその願いもむなしく死んでしまった。
俺は、唯一無二の親友をこの手で死なせたも同然だと思った。
直接手を下したのは龍だし、それは紛れも無い事実だ。
しかし、その龍を止められなかったのは俺の心の弱い部分。
そのことを俺はしばらく認められずにいた。
だから、復讐と銘打って龍を倒すことを目標にしていた。
その弱い部分を認めるきっかけになった女と、翌日出会った。
初対面で、下品な言葉使いに下品な物言い。
やること為すこと野蛮の一言に尽きる。
でも、見た目だけはそれなり。
そんな女だった。
もう一人の金髪も、見た目には綺麗な人だなんて思ったけど、あの野蛮さの前にはかすんでしまっていた。
野生児か何かかという印象を受ける様な、そのがさつな振る舞い。
でも、人を気遣う心だけはちゃんと持っている様に思えた。
突っかかってくることも多く、よく俺たちはぶつかりあったし、激しく言い合うこともあった。
俺が言い過ぎたりしたら、お仕置きとか言いながら唇に噛み付いてきた。
あれにはさすがの俺も参った。
それまで女に免疫なんてなく、せいぜい圭介とのポッキーゲームが全盛期だった俺にとっては、落雷の直撃でも受けたかの様な衝撃だった。
こんな野蛮な女なのに、なんでこんないい匂いがするんだろう、なんて思った。
俺の男の部分が少しずつ目覚める様な、そんな感覚。
けど、俺はそれを受け入れてしまうわけにはいかなかった。
女は男を惑わせる。
惑わされていては、龍を倒したいなんていう大きな目標は達せられない。
そう思い込んで、目の前のお団子頭の悪魔、メラニーを遠ざけようとしていた。
ところが、いくら心無い言葉をぶつけようが素っ気無く対応しようが、構わずメラニーは俺にちょっかいをかけてくる。
風呂上りに全裸で俺の前に現れたり、お前は男なんだ、と思い知らされる様なことを散々された。
その日の晩に夜這いじみたことをされ、初キスを奪われたり、いたいけな俺の男性自身を弄繰り回されて暴発させられたり。
さすがにショックだったが、こんな風に俺の人生って誰かに、何かに翻弄されて過ぎていくんだろうな、なんて思ったら割とどうでも良くなってきた。
宿の裏手に連れ出された時に、下着を洗ってくれると言われてほいほい下着を脱いだ俺もバカだけど、それに付着した俺の分身を舐めていたあいつも相当バカだと思う。
そんなんされたら、普通に童貞にとっては妄想の嵐が吹き荒れて夜寝るどころじゃなくなってしまう。
ところが当のメラニーはそんな俺の心境など何処吹く風と言った様子だった。
なのに、俺が言ったことは逐一覚えているのだから始末に追えない。
ほっといてくれよ、なんて心では思うのに、何故か口に出せない。
出せばきっと、少しくらいはほっといてくれたのかもしれないのに。
何だかんだ温かみを持ったこの悪魔に、俺は少しずつ心を動かされていた。
翌日、戦闘においてもメラニーは俺より数倍動ける女だということがわかる。
二人で組まされたが、メラニーが合わせてくれることが多く、実際に俺は助けられながら戦っていた様なものだったと思う。
勘の良さ、反応速度とどれをとっても俺が敵う部分はなかった。
昨日のことがあって、つい見てしまうのだが、メラニーは感情の動きが豊かだと思う。
コロコロと笑うし、ちょっとしたことで怒りもする。
かと思えばまた笑っている。
きっとメラニーは男を怖いものだなんて思ってないし、何かあっても返り討ちにできる、くらいに思っているのだろう。
だから、何かあれば目前まで……本当の意味で目前まで顔を寄せてくるし、それに心をかき回されている俺のことなど多分なんとも思っていない。
「一緒にションベンするか?」
などと言われたときは少し……ほんの少しだけ心がざわついて、つい頷きかけたものだが、デリアに思い切り軽蔑の眼差しを向けられて踏みとどまった。
今思えばレベル高いな、あいつ。
その晩も、あいつはベッドにしのんできた。
俺としてはこれ以上心を乱されてはたまらない、と男女別の部屋を取ろうと提案した。
なのに、あいつは昨日の暴発のことバラす、なんて俺に心理的な脅しをかけて、無理やり相部屋にされた。
ただ一つ救いだったのは、監視役としてデリアが一緒だということだ。
その監視役も名ばかりで、真っ先にグースカ寝やがって……。
これはもう、自分の力で何とかしよう、と思った。
男だって、結構怖い生き物なんだぞ、ということを思い知らせてやろうと思った。
メラニーが覆いかぶさってきたところを、逆に押さえつけて押し倒す。
するとどうだろう、メラニーは急におとなしく、しおらしくなったではないか。
あれ、こいつこんなやつだっけ?
そんなことを考えている間に、メラニーはそそくさと自分のベッドに戻っていった。
撃退できたんだ、という喜びと、何だあいつ……という何となくのがっかり感。
だが、前の晩ほとんど眠れなかった俺は、その日久しぶりに安眠できた。
だが、翌日。
メラニーの様子が目に見えておかしい。
何処か俺を避ける様な、警戒する様な、そんな眼差しで見てくる。
目が合うとぷいっとそらされる。
ちょっとだけ傷ついた。
普段の半分以下の口数の少なさにレスターやデリアも心配していたが、メラニーは大丈夫の一点張り。
昨日のことがそんなに堪えたのだろうか。
戦闘においてもコンビネーションは乱れ、普段のあいつらしからぬおかしな動きが目立った。
レスターに諭されて戦線を離脱し、ふてくされた様なあいつの顔が印象的だった。
しかし、これから先そんなんじゃ困る。
コンビ組むことだってあるんだし、何より、あんな暗いメラニーを見てるのは俺が耐えられなかった。
だから、レスターに無理を言って二人にしてもらった。
話し合う時間もほしかったし、俺はメラニーのことをもっと知りたかったのかもしれない。
話を引き出すためにあれこれと話をしてみるも、要領を得ない。
「お前、俺のこと大好きだもんな」
ちょっと冗談めかして言ったつもりが、藪をつついたら蛇が出た、という結果になった。
結局、俺が昨夜見せた真面目な顔とやらが原因で、メラニーの奥底に眠る感情を呼び起こしてしまった、とのことだった。
だが、俺はまだメラニーを受け入れるだけの余裕はなかったし、恋愛経験も皆無だったからか、無理、と素っ気無く言ってしまう。
強烈なビンタをくらって、メラニーは部屋に篭った。
すすり泣く様な声が聞こえた様な気がしたが、気のせいだと無理やり自分を納得させた。
レスターたちが戻ってきて、俺は事情を話す羽目になった。
デリアに拳骨を食らわされる。
そして、更にくらわされる集中砲火。
女子ってこええ。
女子の怖さを改めて思い知り、メラニーを連れ出せと暗に言われて説得へ。
メラニーは案外すんなりとドアを開けてくれた。
ちらっとみんなを見たと思ったらそのまま俺の手を引いてドアを閉めてしまった。
俺は椅子に座って、メラニーはベッドに腰掛けている。
このまま襲われでもしたら、と思ったらちょっとだけ怖くなったので、そのまま動かない様に言って、話し合いを始める。
俺は、メラニーにちゃんと伝えなければならないと思った。
俺の中でメラニーがどんな存在なのか。
どう思って、どう意識しているのか。
その上で、メラニーにされたことは犬にでも噛まれたと思って忘れる、と。
寛大な男を演じたつもりだった。
本当になんか忘れられるもんか。
ところが、この一言にメラニーは激昂して、涙を浮かべた。
これにはさすがに驚かされた。
本人は強がって、泣いてないと言っていたが明らかに泣いていた。
なんやかんやあって、メラニーの望みは結婚したい、だった。
一体何を言ってるんだろう、こいつは……。
話がぶっ飛びすぎてて理解するのに苦労した。
メラニーが育った環境とか、家族のことで何かそういう願望を持つきっかけでもできたのだろうか。
ここで俺が言い返したりしたらまた話が進まなくなるかな、なんて思ったし、メラニーがいつまであんな風に思ってくれるのかなんてわからなかった。
だから、俺はメラニーの言うことを了承した。
よく小さな女の子が、私、大人になったらパパと結婚するー!なんて言うが、あれに近いものではないかと思ったのだ。
しかし、目の前の悪魔はそれだけでは当然許してはくれない。
「無理やりじゃない証拠に……」
などと言って俺に、俺による俺からのキスを迫る。
二人は幸せなキスをして終了、みたいに簡単に行けば苦労はしない。
こんなことを言っていても、心の中は半パニックだし、手は震えて何なら顎もちょっとガクガク震えてる。
してくるまでずっとこのまま待ってるからな、なんて言われて、キス顔のメラニーを放置できるほど俺も鬼じゃない。
そのまま何時間も経過して、キス顔なのに足元とか太股あたりから妖精のキラキラでも出たら可哀想だしな。
そう、これは俺の為じゃない、メラニーの為だ。
そう言い訳をしておいて何だが、よくよく見るとメラニーのくせに可愛い顔してる。
メラニーを女として見ない様にする、と思えば思うほど、メラニーの女の部分を捜してしまう。
気づけば俺はもうすっかりと、メラニーに篭絡されていた。
幸せなキスをして終了、ではなかったが何とか事なきを得て、二人でリビングに戻ると散々貶された。
やれ鼻の下が伸びてるだの、言いたい放題だ。
俺の中の戦いを知らないからそんなことが言えるんだ、と思ったりもしたが、黙っておく。
レスターは祝福してくれて、アシュフィールド家とソフィアさんの家とで全面的にバックアップを……有体に言えば、いつでも二人きりにしてあげるからね、ということだった。
メラニーの心の拠り所になってやってくれ、と言いたかったのだろうが、もうその時点で逆だった。
いつの間にかメラニーが、俺の心の拠り所になっていた。
だが、こんなピンク色の展開をした翌日には事件が起きる。
簡単に言えば、メラニーが俺の目の前で死んで、俺はデリアを殺した。
こういう言い方だと俺が殺人鬼みたいに見えるが、結果としては殺し方もそれはもう無残なもので、あのデリアの綺麗な顔を上下に両断してしまうというひどいものだった。
死ぬ間際のあの体全体の動きは、今でもちょっとトラウマになっている。
突如現れた強敵に、為す術もなく立ち尽くしていたところを、遥に助けられた。
パニックになった俺を、レスターが気絶させてコテージに運んでくれたのだということは後から聞いた。
遥に介抱されて、何とか正気を取り戻したはずだった。
それでも、メラニーが死んだという事実を受け止めるにはまだ覚悟が足りず、知らず涙が零れる。
それを見た遥が、もらい泣きしながら何故か俺を抱きしめるという行動に出た。
これ、必要だったのか?
しかも、間の悪いことにその最中にレスターが戻ってきてフリーズ。
そして、死んだはずのメラニーとデリアまで現れて再び俺はパニックに陥った。
メラニーとデリア、遥がもめてるのは何となく聞こえていたが、当の俺はそれどころじゃない。
復活できるなんて知らなかったし、メラニーは俺が浮気したと思い込んで化けて出たのだと本気で思った。
デリアの強烈なビンタを食らって再び正気を取り戻し、俺は事情を知らされた。
そして更に翌日。
あの男がコテージを訪ねてくる。
割と見つかりにくい場所に建てていたはずなのに、何故こうも簡単に?という疑問はあったが、何となく俺はレスターの様子からこいつが何者なのかという察しがついていた。
俺たちに力を与えたのは、こいつかもしくはこいつの言う、上とやらだろう。
メラニーが興奮して襲い掛かろうとしていたのを必死で止めて、向こうから提示された条件をのむ。
落とし前をつけるんだ、とか何とか物騒なことをメラニーは言っていたが、できればそんなことをしないで済ませたい。
誰かが死んで誰かが泣くとか、そういうのは見たくない。
俺自身も、そんな思いをしたくない。
メラニーを、危険に晒したくない。
そんな風に考える様になっていた。
メンバーが安全でいられるなら、龍と戦うことさえも犠牲にして構わない。
そんな考えをすることになるなんて、思ってもいなかった。
俺が戦った相手は、女神と名乗っていた。
元は人間の男だったという話だったが、こいつやこいつの一派がこの世界を構築し、龍なども生み出している。
ここでこいつらを倒すことが出来れば、なんていうのは正直夢物語だと思った。
レベルが違いすぎる。
象とアリくらいの差がある。
いや、もっとか。
とても勝負になる相手ではないということが、一瞬でわかる。
それでも、戦わなければ前に進まない。
だから敵わないと思いつつも俺は、大輝と呼ばれた女神に挑み、偶然なのかわざと受けてくれたのかはわからないが、結果として勝利した。
本来なら……あいつが本気できたなら、俺などは今頃灰になっていたんじゃないかと思う。
待ち受けるもう一人の女神が、時間だと言った。
部屋の奥で、仲間が鎖に繋がれて吊るされていた。
もちろん、メラニーもその中にいる。
全員が敗北したのだという事実。
予想はしていたことだが、目の当たりにするとかなりショックではあった。
特にレスターに関しては、負けるなんてビジョンが想像できなかった。
それほどまでに、実力に差があったのだと痛感した。
フレイヤと呼ばれた女が、見た目通りえげつない魔法だか術だかを行使して、デリアと遥をおかしな状態にした。
最初、ダメージを受ける類のものでなければ、なんて楽観していた俺だったが、そのことをすぐ後悔する。
好感度を、限界突破させて上昇させる。
考えてみたら恐ろしい術だ。
俺に関心のない者でも、強制的に興味を持たされて、俺を求めてくる。
簡単に言えばそんな術なんだと理解した。
目の色がおかしいデリアと遥が、俺を殺して半分こしよう、なんて物騒なことを言ってるのを見て、ヤンデレなんてレベルじゃない、と戦慄した。
リミッターのはずれたこの二人を相手に、気絶させて、なんてことを考えたが相対すると無理だ、ということがわかる。
ならば動きを封じれば、と考えて足元を凍結させようとしたが、簡単にかわされて俺は絶望する。
仲間に殺されるなら、仕方ないか、なんて思った。
俺も一回デリアを殺してしまっているし、これでおあいこだ、なんて。
「ふざけんな!!」
という声が聞こえた。
メラニーがいつの間にか束縛を解いて、俺を突き飛ばした。
メラニーは、俺の代わりにデリアの刃を、遥の矢をその身に受けていた。
「私と戦って、全てを元通りにするのか。もしくは……」
あの女神の言ったことが、俺の頭の中を駆け巡った。
倒れるメラニーを見て、このままじゃ誰も笑えない結果になると思った。
メラニーは、俺が助ける。
たとえメラニーが俺を忘れても、俺は忘れない。
誰も傷つけない。
笑いかける女神に、俺は選択を突きつける決意をした。
そもそも元々がモテる様な人間でなかったし、目立つこともほとんどない。
いつかデリアに話した様に、俺は女と縁がなかった。
それこそ、圭介が恋人だなんて言われてもおかしくないくらいに、俺たちは一緒にいた。
小さい頃はそれでも、男女関係なく遊んだりしたこともあった……と思う。
おぼろげな記憶だし、今となってはその面々と会うことももうないだろう。
それでも、圭介がいれば満足だった。
薄い本なんかでよくある様な、BLだとかそういう感じに発展したりはしなかったが、圭介は俺のことを察してくれたし、俺も圭介を察することができた。
何処に行くのであっても、何をするのであっても、俺たちは一緒だった。
けど、その一緒は呆気なく終わりを迎えてしまった。
圭介が死んでしまったことで、俺は目標を一つ手に入れた。
悪い言い方だが、邪魔さえ入らなければ今頃まだ何匹もの龍を倒していた自信はある。
その邪魔が俺にはいつしかなくてはならないものになっていたことを自覚したのは、その随分後だったけど。
裕福でもなく貧乏でもない、生活そのものに苦労はしなかったし、ほしいものがあれば、よほどのことがなければ買い与えてもらえる様なごく普通の家庭で育った。
やりたいことがあればやらせてもらえたし、それでも弟や妹がほしいとねだった時だけは、苦い顔をされたのを覚えている。
両親は、俺を生む時にかなり母体への負担が大きかったことなどを話してくれ、その時に二人目の子どもは難しいだろうとの診断を受けていたと言っていた。
その話を聞いたのは俺が十歳になるかどうかくらいの頃だったが、子ども心に俺がこの両親の期待に応えていかねば、なんて思っていた。
学力を伸ばすことも、身体的に強くなることも、躊躇いはなかった。
後から聞いた話では、両親は俺にそこまで過大な期待をしてはいなかったらしい。
のびのびと、好きなことをやって後悔しない様に生きてほしい。
そう願っていてくれたのだとか。
中学に入って、圭介と出会った。
圭介は一見女の子と見間違えそうなくらい、儚げな可愛らしさを持っていて、男にしては高めなその声、線の細さ、全てが俺にとっては好みだった。
初めて話をしたときなどは、柄にもなくドキドキしたものだ。
「朔って呼んでもいい?」
そういわれた時などは、もうトキメキレベルがマックスで……まぁ、そんな話はどうでもいいよな。
とにかくお互いを名前で呼び合える友達は、圭介が初めてだった。
圭介は俺の知らないことを沢山知っていたし、逆も然りだった。
BL的展開はなかったと言ったな、あれは嘘だ。
一回だけ、近いことはあった。
何故か男二人でポッキーゲームを……ああ、そうだった。
確か、合コンに行くシミュレーションとか言って、王様ゲームやら何やら男二人でやるというカオスな展開があった。
でも、何故か笑えたし、ポッキーゲームだけは変な雰囲気になりかけたが、何とか思いとどまった。
高校も、同じところを受けて一緒に登校することができたし、圭介も俺も充実はしていたんだと思う。
高校では俺も鍛えたりしていたし、人の頼みやらを受けて人助けなんかを頑張っていた。
勉強を教えることも、誰かを助けることも、とても楽しかったし、圭介もそんな俺を見て喜んでくれていた。
そんな日も、長くは続かず、金持ちのボンボンが転校してきて事態は一変した。
金をもらって、かつての友人たちは俺を裏切ってくれたし、変な噂まで流されたりして散々だった。
最初のうちは、圭介がいれば、なんて思っていた。
それでも、あれだけの裏切りを受けてしまうと心は臆病になってしまうのだろう。
俺はいつからか人を信じることが出来なくなっていった。
圭介だけが、学校での俺の存在意義になった。
そんな圭介が、世界を入れ替えられたことで命の危険に晒された。
俺はもう、心の底からビビってしまっていて、為す術もなく立ち尽くすのみだったが、そこにレスターが現れた。
圭介を助けてくれるなら誰でも良いと思ったが、圭介はその願いもむなしく死んでしまった。
俺は、唯一無二の親友をこの手で死なせたも同然だと思った。
直接手を下したのは龍だし、それは紛れも無い事実だ。
しかし、その龍を止められなかったのは俺の心の弱い部分。
そのことを俺はしばらく認められずにいた。
だから、復讐と銘打って龍を倒すことを目標にしていた。
その弱い部分を認めるきっかけになった女と、翌日出会った。
初対面で、下品な言葉使いに下品な物言い。
やること為すこと野蛮の一言に尽きる。
でも、見た目だけはそれなり。
そんな女だった。
もう一人の金髪も、見た目には綺麗な人だなんて思ったけど、あの野蛮さの前にはかすんでしまっていた。
野生児か何かかという印象を受ける様な、そのがさつな振る舞い。
でも、人を気遣う心だけはちゃんと持っている様に思えた。
突っかかってくることも多く、よく俺たちはぶつかりあったし、激しく言い合うこともあった。
俺が言い過ぎたりしたら、お仕置きとか言いながら唇に噛み付いてきた。
あれにはさすがの俺も参った。
それまで女に免疫なんてなく、せいぜい圭介とのポッキーゲームが全盛期だった俺にとっては、落雷の直撃でも受けたかの様な衝撃だった。
こんな野蛮な女なのに、なんでこんないい匂いがするんだろう、なんて思った。
俺の男の部分が少しずつ目覚める様な、そんな感覚。
けど、俺はそれを受け入れてしまうわけにはいかなかった。
女は男を惑わせる。
惑わされていては、龍を倒したいなんていう大きな目標は達せられない。
そう思い込んで、目の前のお団子頭の悪魔、メラニーを遠ざけようとしていた。
ところが、いくら心無い言葉をぶつけようが素っ気無く対応しようが、構わずメラニーは俺にちょっかいをかけてくる。
風呂上りに全裸で俺の前に現れたり、お前は男なんだ、と思い知らされる様なことを散々された。
その日の晩に夜這いじみたことをされ、初キスを奪われたり、いたいけな俺の男性自身を弄繰り回されて暴発させられたり。
さすがにショックだったが、こんな風に俺の人生って誰かに、何かに翻弄されて過ぎていくんだろうな、なんて思ったら割とどうでも良くなってきた。
宿の裏手に連れ出された時に、下着を洗ってくれると言われてほいほい下着を脱いだ俺もバカだけど、それに付着した俺の分身を舐めていたあいつも相当バカだと思う。
そんなんされたら、普通に童貞にとっては妄想の嵐が吹き荒れて夜寝るどころじゃなくなってしまう。
ところが当のメラニーはそんな俺の心境など何処吹く風と言った様子だった。
なのに、俺が言ったことは逐一覚えているのだから始末に追えない。
ほっといてくれよ、なんて心では思うのに、何故か口に出せない。
出せばきっと、少しくらいはほっといてくれたのかもしれないのに。
何だかんだ温かみを持ったこの悪魔に、俺は少しずつ心を動かされていた。
翌日、戦闘においてもメラニーは俺より数倍動ける女だということがわかる。
二人で組まされたが、メラニーが合わせてくれることが多く、実際に俺は助けられながら戦っていた様なものだったと思う。
勘の良さ、反応速度とどれをとっても俺が敵う部分はなかった。
昨日のことがあって、つい見てしまうのだが、メラニーは感情の動きが豊かだと思う。
コロコロと笑うし、ちょっとしたことで怒りもする。
かと思えばまた笑っている。
きっとメラニーは男を怖いものだなんて思ってないし、何かあっても返り討ちにできる、くらいに思っているのだろう。
だから、何かあれば目前まで……本当の意味で目前まで顔を寄せてくるし、それに心をかき回されている俺のことなど多分なんとも思っていない。
「一緒にションベンするか?」
などと言われたときは少し……ほんの少しだけ心がざわついて、つい頷きかけたものだが、デリアに思い切り軽蔑の眼差しを向けられて踏みとどまった。
今思えばレベル高いな、あいつ。
その晩も、あいつはベッドにしのんできた。
俺としてはこれ以上心を乱されてはたまらない、と男女別の部屋を取ろうと提案した。
なのに、あいつは昨日の暴発のことバラす、なんて俺に心理的な脅しをかけて、無理やり相部屋にされた。
ただ一つ救いだったのは、監視役としてデリアが一緒だということだ。
その監視役も名ばかりで、真っ先にグースカ寝やがって……。
これはもう、自分の力で何とかしよう、と思った。
男だって、結構怖い生き物なんだぞ、ということを思い知らせてやろうと思った。
メラニーが覆いかぶさってきたところを、逆に押さえつけて押し倒す。
するとどうだろう、メラニーは急におとなしく、しおらしくなったではないか。
あれ、こいつこんなやつだっけ?
そんなことを考えている間に、メラニーはそそくさと自分のベッドに戻っていった。
撃退できたんだ、という喜びと、何だあいつ……という何となくのがっかり感。
だが、前の晩ほとんど眠れなかった俺は、その日久しぶりに安眠できた。
だが、翌日。
メラニーの様子が目に見えておかしい。
何処か俺を避ける様な、警戒する様な、そんな眼差しで見てくる。
目が合うとぷいっとそらされる。
ちょっとだけ傷ついた。
普段の半分以下の口数の少なさにレスターやデリアも心配していたが、メラニーは大丈夫の一点張り。
昨日のことがそんなに堪えたのだろうか。
戦闘においてもコンビネーションは乱れ、普段のあいつらしからぬおかしな動きが目立った。
レスターに諭されて戦線を離脱し、ふてくされた様なあいつの顔が印象的だった。
しかし、これから先そんなんじゃ困る。
コンビ組むことだってあるんだし、何より、あんな暗いメラニーを見てるのは俺が耐えられなかった。
だから、レスターに無理を言って二人にしてもらった。
話し合う時間もほしかったし、俺はメラニーのことをもっと知りたかったのかもしれない。
話を引き出すためにあれこれと話をしてみるも、要領を得ない。
「お前、俺のこと大好きだもんな」
ちょっと冗談めかして言ったつもりが、藪をつついたら蛇が出た、という結果になった。
結局、俺が昨夜見せた真面目な顔とやらが原因で、メラニーの奥底に眠る感情を呼び起こしてしまった、とのことだった。
だが、俺はまだメラニーを受け入れるだけの余裕はなかったし、恋愛経験も皆無だったからか、無理、と素っ気無く言ってしまう。
強烈なビンタをくらって、メラニーは部屋に篭った。
すすり泣く様な声が聞こえた様な気がしたが、気のせいだと無理やり自分を納得させた。
レスターたちが戻ってきて、俺は事情を話す羽目になった。
デリアに拳骨を食らわされる。
そして、更にくらわされる集中砲火。
女子ってこええ。
女子の怖さを改めて思い知り、メラニーを連れ出せと暗に言われて説得へ。
メラニーは案外すんなりとドアを開けてくれた。
ちらっとみんなを見たと思ったらそのまま俺の手を引いてドアを閉めてしまった。
俺は椅子に座って、メラニーはベッドに腰掛けている。
このまま襲われでもしたら、と思ったらちょっとだけ怖くなったので、そのまま動かない様に言って、話し合いを始める。
俺は、メラニーにちゃんと伝えなければならないと思った。
俺の中でメラニーがどんな存在なのか。
どう思って、どう意識しているのか。
その上で、メラニーにされたことは犬にでも噛まれたと思って忘れる、と。
寛大な男を演じたつもりだった。
本当になんか忘れられるもんか。
ところが、この一言にメラニーは激昂して、涙を浮かべた。
これにはさすがに驚かされた。
本人は強がって、泣いてないと言っていたが明らかに泣いていた。
なんやかんやあって、メラニーの望みは結婚したい、だった。
一体何を言ってるんだろう、こいつは……。
話がぶっ飛びすぎてて理解するのに苦労した。
メラニーが育った環境とか、家族のことで何かそういう願望を持つきっかけでもできたのだろうか。
ここで俺が言い返したりしたらまた話が進まなくなるかな、なんて思ったし、メラニーがいつまであんな風に思ってくれるのかなんてわからなかった。
だから、俺はメラニーの言うことを了承した。
よく小さな女の子が、私、大人になったらパパと結婚するー!なんて言うが、あれに近いものではないかと思ったのだ。
しかし、目の前の悪魔はそれだけでは当然許してはくれない。
「無理やりじゃない証拠に……」
などと言って俺に、俺による俺からのキスを迫る。
二人は幸せなキスをして終了、みたいに簡単に行けば苦労はしない。
こんなことを言っていても、心の中は半パニックだし、手は震えて何なら顎もちょっとガクガク震えてる。
してくるまでずっとこのまま待ってるからな、なんて言われて、キス顔のメラニーを放置できるほど俺も鬼じゃない。
そのまま何時間も経過して、キス顔なのに足元とか太股あたりから妖精のキラキラでも出たら可哀想だしな。
そう、これは俺の為じゃない、メラニーの為だ。
そう言い訳をしておいて何だが、よくよく見るとメラニーのくせに可愛い顔してる。
メラニーを女として見ない様にする、と思えば思うほど、メラニーの女の部分を捜してしまう。
気づけば俺はもうすっかりと、メラニーに篭絡されていた。
幸せなキスをして終了、ではなかったが何とか事なきを得て、二人でリビングに戻ると散々貶された。
やれ鼻の下が伸びてるだの、言いたい放題だ。
俺の中の戦いを知らないからそんなことが言えるんだ、と思ったりもしたが、黙っておく。
レスターは祝福してくれて、アシュフィールド家とソフィアさんの家とで全面的にバックアップを……有体に言えば、いつでも二人きりにしてあげるからね、ということだった。
メラニーの心の拠り所になってやってくれ、と言いたかったのだろうが、もうその時点で逆だった。
いつの間にかメラニーが、俺の心の拠り所になっていた。
だが、こんなピンク色の展開をした翌日には事件が起きる。
簡単に言えば、メラニーが俺の目の前で死んで、俺はデリアを殺した。
こういう言い方だと俺が殺人鬼みたいに見えるが、結果としては殺し方もそれはもう無残なもので、あのデリアの綺麗な顔を上下に両断してしまうというひどいものだった。
死ぬ間際のあの体全体の動きは、今でもちょっとトラウマになっている。
突如現れた強敵に、為す術もなく立ち尽くしていたところを、遥に助けられた。
パニックになった俺を、レスターが気絶させてコテージに運んでくれたのだということは後から聞いた。
遥に介抱されて、何とか正気を取り戻したはずだった。
それでも、メラニーが死んだという事実を受け止めるにはまだ覚悟が足りず、知らず涙が零れる。
それを見た遥が、もらい泣きしながら何故か俺を抱きしめるという行動に出た。
これ、必要だったのか?
しかも、間の悪いことにその最中にレスターが戻ってきてフリーズ。
そして、死んだはずのメラニーとデリアまで現れて再び俺はパニックに陥った。
メラニーとデリア、遥がもめてるのは何となく聞こえていたが、当の俺はそれどころじゃない。
復活できるなんて知らなかったし、メラニーは俺が浮気したと思い込んで化けて出たのだと本気で思った。
デリアの強烈なビンタを食らって再び正気を取り戻し、俺は事情を知らされた。
そして更に翌日。
あの男がコテージを訪ねてくる。
割と見つかりにくい場所に建てていたはずなのに、何故こうも簡単に?という疑問はあったが、何となく俺はレスターの様子からこいつが何者なのかという察しがついていた。
俺たちに力を与えたのは、こいつかもしくはこいつの言う、上とやらだろう。
メラニーが興奮して襲い掛かろうとしていたのを必死で止めて、向こうから提示された条件をのむ。
落とし前をつけるんだ、とか何とか物騒なことをメラニーは言っていたが、できればそんなことをしないで済ませたい。
誰かが死んで誰かが泣くとか、そういうのは見たくない。
俺自身も、そんな思いをしたくない。
メラニーを、危険に晒したくない。
そんな風に考える様になっていた。
メンバーが安全でいられるなら、龍と戦うことさえも犠牲にして構わない。
そんな考えをすることになるなんて、思ってもいなかった。
俺が戦った相手は、女神と名乗っていた。
元は人間の男だったという話だったが、こいつやこいつの一派がこの世界を構築し、龍なども生み出している。
ここでこいつらを倒すことが出来れば、なんていうのは正直夢物語だと思った。
レベルが違いすぎる。
象とアリくらいの差がある。
いや、もっとか。
とても勝負になる相手ではないということが、一瞬でわかる。
それでも、戦わなければ前に進まない。
だから敵わないと思いつつも俺は、大輝と呼ばれた女神に挑み、偶然なのかわざと受けてくれたのかはわからないが、結果として勝利した。
本来なら……あいつが本気できたなら、俺などは今頃灰になっていたんじゃないかと思う。
待ち受けるもう一人の女神が、時間だと言った。
部屋の奥で、仲間が鎖に繋がれて吊るされていた。
もちろん、メラニーもその中にいる。
全員が敗北したのだという事実。
予想はしていたことだが、目の当たりにするとかなりショックではあった。
特にレスターに関しては、負けるなんてビジョンが想像できなかった。
それほどまでに、実力に差があったのだと痛感した。
フレイヤと呼ばれた女が、見た目通りえげつない魔法だか術だかを行使して、デリアと遥をおかしな状態にした。
最初、ダメージを受ける類のものでなければ、なんて楽観していた俺だったが、そのことをすぐ後悔する。
好感度を、限界突破させて上昇させる。
考えてみたら恐ろしい術だ。
俺に関心のない者でも、強制的に興味を持たされて、俺を求めてくる。
簡単に言えばそんな術なんだと理解した。
目の色がおかしいデリアと遥が、俺を殺して半分こしよう、なんて物騒なことを言ってるのを見て、ヤンデレなんてレベルじゃない、と戦慄した。
リミッターのはずれたこの二人を相手に、気絶させて、なんてことを考えたが相対すると無理だ、ということがわかる。
ならば動きを封じれば、と考えて足元を凍結させようとしたが、簡単にかわされて俺は絶望する。
仲間に殺されるなら、仕方ないか、なんて思った。
俺も一回デリアを殺してしまっているし、これでおあいこだ、なんて。
「ふざけんな!!」
という声が聞こえた。
メラニーがいつの間にか束縛を解いて、俺を突き飛ばした。
メラニーは、俺の代わりにデリアの刃を、遥の矢をその身に受けていた。
「私と戦って、全てを元通りにするのか。もしくは……」
あの女神の言ったことが、俺の頭の中を駆け巡った。
倒れるメラニーを見て、このままじゃ誰も笑えない結果になると思った。
メラニーは、俺が助ける。
たとえメラニーが俺を忘れても、俺は忘れない。
誰も傷つけない。
笑いかける女神に、俺は選択を突きつける決意をした。
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