ウーカルの足音

龍槍 椀 

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第一幕 ウーカルの日常

③ エリーゼ姉さんの頼み事は、勿論、珍奇な採取だよね。

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 あたしの居場所である、炊事場所。



 今日も今日とて皆のご飯を作って食べて、お腹いっぱいになった後のお片付け。 まぁ、何時もの事だけど、水の冷たさが手に染みる今日この頃。 

 食器は綺麗に洗って、水屋収納棚に片付けてっと……
 後は黒茶でも淹れて、皆に持って行くくらいかな? 一息、入れよう…… 


 ふぅ…………


 自分のカップにたっぷりと黒茶を淹れて、炊事場のテーブルに着くんだ。 こんな、ちょっとした時間は、とても心安らぐよね。 フーフーって、冷ましながら黒茶を飲んでたんだ。 

 するりと人の気配が、あたしの前に滑り込むのよ。 途轍もなく美形なお姉さんの姿でね。


 ――― エリーゼ姉さん。


 にこやかで、華やいだ雰囲気で、透ける様な白い肌で、濃い緑色の瞳を真っ直ぐにあたしに向けて、真正面の椅子に座って来るんだ。

 ジッとあたしを見て、たっぷりと時間を取った後、おもむろに口にする『言葉』。 なにか嫌な予感がしたんだよ。



「カルちゃん、欲しいが居るの……」

「はい?」

「ほら、裏庭に棲んでいる草々子達なんだけど、この頃ちょっと元気が無くなってね」

「はぁ…… でも、まぁ、わかる。 あそこ、ほら、お家からの排水を駄々流ししているじゃん。 ウーさんの書斎の隣室にある実験室の排水もあっちに流れている筈だし……」

「そうなのよッ!! ホントに、ホントに、問題なのよ!! ボボールは別に気にしてないけど、あの爺さんは、どんな地勢環境でも生きて行けるから問題無いだけなのよッ! ほかの草々子達は、そうは行かないわ」

「で、『薬草・・』ですか…… 何ですか、植物の専門家ドライアト族なエリーゼ姉さんが欲しがる薬草って」

「リフィシアナ。 大きな袋を持ってる子。 あの子、地面の毒素を吸い取る能力が優れているのよ」

「大きな袋を持っている…… りふぃし……? あぁ、食獣葛リフィシアナかぁ~ 結構大きな野獣まで、喰っちゃう奴。 えぇぇ…… デカいよアレ…… 姉さん、アレってどうやって採取するの」

「出来れば、袋を持っている株をそのまま根っこごと、掘り返して持って来てほしいわ」

「何株必要なの?」

「十…… いえ、八…… そ、そうね、五株は欲しいわ」

「ご、五株ですか……」

「…………無理かしらねぇ?」

「…………」



 いや、マジで? かなりデカイよアレ。 運べるのか私? それに、アレは普通の植物じゃないじゃん…… 狂暴だし、危険植物だし、猛毒持ちだし……


「カルちゃん?」


 優しい目であたしをじっと見続けるエリーゼ姉さんの緑色の瞳…… 本当に困っているんだなぁ…… 最後の頼み先が『あたし』なんだろうなぁ…… 判った。 心を決めるかッ!


「はぁ…… 姉さんには、何時も大切にして貰っているし、頑張りますよ。 けど、アレって、植物って云うより、アレ、生きモノに近いんですよ…… あたし、大丈夫かな?」

「だ、大丈夫よ。 カルちゃんの耐毒性は、あのウーでも認めている処よ。 だから、きっと…… たぶん……」

「まぁ、毒消しやら、お薬ポーション類を色々と持ってもいいよね? ……姉さんの保管庫宝物入れに入ってもいい?」

「引き受けてくれるの!! ええ、ええ、いいわよ。 なんでも好きなの持ってって」



 アレ取りに行くのには、不安が有るんだよ。 かなりの危険が付きまとうんだよ。 いや、マジで。 ガッチリと下調べしないと、ヤバい事に成る事は、ボボール爺さんから聞いて知っているんだよ、姉さん。 下調べしてから、姉さんの保管庫宝物入れに行く事にしよう! そうしよう!! でないと、本当にヤバそうだからね。


 ――――


 まず手始めに、あたしは、自分のお部屋に戻って ”この前 ”手に入れた図鑑を三冊ベットの上に取り出したんだ。 ネブ=ドロン大猪に潰された魔術師が持ってた、『魔法鞄マジックバック』に入ってたんだ、その図鑑。

 黒の森ガイアの森の動植物について纏めてあった、結構詳しいやつ。 植物図鑑と、魔物図鑑、それと妖魔の事が纏めてあるやつ。

『植物図鑑』は、結構詳細に森で採取できる植物についてイラスト付で、描いてあってね。 薬としての効能やら、毒としての成分やら、植生やらいろいろ。 

『魔物図鑑』は、黒の森の中層くらいまでの魔物について、人族が判る範囲での生態を書き連ねてあったんだ。 結構いい感じ。 分類が足の数なのは、ちょっと笑ってしまったけどね。 二足歩行、四足歩行、六足歩行、八足歩行、多足歩行、飛行種…… ってね。

 ウーさんにも見せたけど、笑っていたね。 『分類方法は笑える感じだが、書いてある内容は、良く観察してんな』 ってね。 まぁ、森の浅い場所までの『魔物』だし、知ってる事も多かったから、単純に読み物として、面白いんだよ。

 ……で、最後の妖魔の事書いてある奴は、記述がとっ散らかって、読み難いったらありゃしない。 それも、ウーさんに見せたら、


『まだ、編纂途中ってやつだ。 ほら、ここらなんて ”手書き”だし、観察内容も事実と異なるな。 これに載っているのは、珍しい種だし、森の浅い場所には個体もほとんど居ないからな。 まぁ、そう云った種が居るくらいに思っておけばいい。 ウーカルが知っている事を書き込んでもいいぞ、その本お前んのだし』 ってね。 


 ほ~~ 図鑑に書き込んで良いのか? あたしが? まぁ…… いいか。 そうか、えへへへ…… あたしの本かぁ…… なんか、賢くなった気分がしたんだよ。



 ――― で、『植物図鑑』に書いてある、食獣葛リフィシアナの所を読んでみたんだ。



 だいたい、何処に生えているかもよく知らんかったしね。 植生は沼地。 毒草が多く茂っている、毒気で淀んだ沼地周辺に生えるらしいのよ。 生態も書いてあった。 対応できる薬品類もね。 けど、まぁ注意事項として、” 決して近づくな! ” って、警告がでかでかと赤字で書かれていたんだ。


 生態は…… まぁ知ってたよ。 だから、お願いされた時、ちょっと考えちゃったんだ。 まぁ、アレが危ないのは、ボボール爺さんに『あたし』が小さい頃教えてくれた事が有るからねぇ。

 え~っと、生えているのは沼地? 毒沼だっけか? ん~~ どっか簡単に見つかる場所、無いかなぁ…… そうだ、あそこが有った。

 『蛇搦渓谷ジャガラ谷の奥地の湿地盆地』 周りが山やら丘やらで囲まれて、いつもジメジメした場所。 その上、湿地盆地の周辺には毒性の強い植物がどっさり生えているから、きっと湿地は相当な毒沼になっとる筈。 だったら、沼地の周辺に ” た~んと ” 生えているよね。

 毒沼の周辺に生えるんだったら、あたしもちゃんと準備してから行かなきゃだけどね。 まぁ、危険度から云えば、ボボール爺さんのこのお家が聳え立ってるこの場所程って事は無いから、そこ迄『危なくない』だろうけどね……

 まぁ、いいか。 ちゃんと、装備におかしな所が無いか点検して、手槍を研いでから行けば。 ボロの皮鎧一式で纏めて、きちんとお薬ポーション類持っていけたら、ソコソコ行けるだろうしさぁ。

 さて、エリーゼ姉さんの保管庫宝物入れに行くかッ! そんで、滅多に使えない色んなお薬ポーション類を漁るんだいッ! 

 今回はエリーゼ姉さんの『お願い・・・』だし、何持ち出したって良いって言ってたし…… いいよね…… うん、いいんだよね。 さぁ、漁るぞぅ~~




          ―――― § ――――




蛇搦渓谷ジャガラ谷』の踏破は何とかなった。 うん、姉さんの保管庫宝物入れからどっさりお薬ポーション類を持ってきたもん。 けど、そんなに使わんかったよ。 あとで、ウーさんにお話しよう。 中級毒消し三本で済んだよ。 


 えへへ、褒めてくれっかな?


 まぁ、ガッチリと装備固めていたからってのもあるし、あたしが結構強い耐毒性を持っているってのもある。 その上、『豪運・・』持ちってのも有るしねッ!!

 なんだかんだで、毒の渓谷を抜ける事ができたんだ。 で、目の前に広がっているのは毒の沼…… 捻子くれた立ち木と、ズブズブの沼地。 生きてるもんなんていないんじゃないかなって程に静まり返って不気味……

 その上、なんだか景色が黒紫色に染まっているんだ。 毒々しい噴気が、プシューとか云ってるし……  沼地の入口であるここでさえ、強い毒気が有るんだ。 あんま、奥深く迄行きたくねぇ……

 で、目的の食獣葛リフィシアナ…… この環境でなら、割と簡単に場所が特定できるんだ。 そうだよ、アレの特性がそうさせるんだ。 食獣葛リフィシアナって、周囲の毒を取り込んで、自身の大きな袋の中に貯め込んでやがるんだ。 もう一つ、幻覚成分を多量に含んだ花粉を吐き出してやがる。

 つまり、強毒の環境の中で、そこだけ毒素が薄まっている上に、大きな袋の中が安全な場所の様に擬態しやがってんだよ。 まぁ、こんな環境に間違って落ちて来た魔獣やら野獣なんかが正気を保てず『袋の中』に入って回復しようとするんだ。 

 けど、そこは煮詰めた毒の真っただ中。 まぁ、絡めとられて消化液で溶かされるって寸法なんだよね…… 

 ひえぇぇぇ…… 大丈夫か、あたし? 周囲を見回して、毒気の薄い場所を探ると、有るんだよ、そんな場所が。 で、良く見ると、有るんだよ…… しっかり袋を付けてる食獣葛リフィシアナが。

 ほほぅ~~。 よし、大丈夫。 ちゃんと見えている。 つまり幻覚にはやられて無いって事か。 よしよし。  腰の魔法鞄から、姉さんの保管庫から貰って来た、高品質の幻覚除けを追加で飲んでっと!



     ゴキュゴキュゴキュ!



 ―――― よし、行くか!





   ――――― ☆ ――――― ☆ ―――――



 五株の食獣葛リフィシアナ…… まぁ、あっさりと見つかったんだよ。 そりゃね、こんだけ毒気の強い場所なら、それが薄くなっている場所を探せば当たりはつくしね。 最後の五株目を「魔法鞄」に詰め込んだ後、さっきから気になっている視線に対して、言葉を紡ぐ。


「あの~~~ 此処での採取は何か問題でも有るんですか?」


 捻子くれて真っ白な幹の変な木陰に身を隠して、ジッとこちらを伺っている気配に対してね。 まぁ、二株目を採取して居る時から、こっちを伺っていたんだ。 でも、何も言わない。 その上、物凄い強者の雰囲気を持っているんだよ。 そこら辺の魔獣とか、魔族とか比べ物にならない位にね。

 ゆらりと真っ白な幹から姿を現して来るのは、あたしと同じ年恰好の女の子。 初めて会う、知生の有りそうな生き物には、きちんとご挨拶しなきゃね。 ボボール爺さんもそう言ってたし……


「お初ッ ですッ!! あたしはウーカル。 千年聖樹ボボール爺さんの所で居候している兎人族の忌み児。 同居しているエリーゼ姉さんの依頼で、食獣葛リフィシアナを採取に来たの。 此処は、貴方のナワバリ?」


 フシュって、彼女の口元から濃い紫色の吐息が漏れる。 漂う雰囲気はとても、普通の生き物な感じはしないんだけど、まぁ、この沼地の主ならそうでしょうね。

 金色に輝く目を細め、あたしを見詰めながら、ハスキーな声がその口元から流れ出たんだ。


「…………私と対峙して、生きてるのね貴女? 凄いわね」

「んッ? えっと?」

「私が口を開いただけで、普通の生き物は藻掻き苦しむのに……」

「ん~~ まぁ、あたしは耐毒性は高いし、エリーゼ姉さんが特別に錬金した毒消しを飲んでるからね。ところで、貴女は?」

「御免んさいね。 ご挨拶できる『人』が今まで居なかったから。 ちょっと、戸惑っているのよ。 私はレルネー。 『ラミアー種 毒蛇ヒュドラー族』のレルネー。 兎人族だったかしら。 ウーカルさん」



 妖魔だ。 毒蛇ヒュドラー族は、紛う事無き妖魔だよ…… それも最上位種。 ラミア―種の蛇人族に魔人の血が入って、長い年月を生きる、妖魔。 ふぁぁぁ…… トンデモナイ人に目を付けられたよ……



「ええ、兎人族のウーカルですよ」

「……何故?」

「それは、どういった意味で?」

「ゴメン。 私は、あまり他種族の者とは言葉を交わした事が無いんだ。 質問の意味は、どうしてその食獣葛リフィシアナが必要だったの? それは、私にとっては毒も同じ。 私が必要とするモノを奪う、トンデモナイ物だから、そんなモノを欲しがるのは何故かなと」

「あぁ、そうですね。 ……ほら、レルネーさんが不必要なモノでも、あたしらには必要なモノでね。 この子リフィシアナは、土地に撒き散らされる毒気を吸収して、周りから毒気を抜くんです。 まぁ浄化装置として、使うらしいですよ」

「……そ、そうか。 そうなんだ…… へぇ……」



 手を顎に当て、興味深そうにあたしの顔を見てるんだよ。 あぁ、採取して良かったのかな、彼女にとって? そんなに多くは要らないけど、まぁ、有れば何かと有用に使えるかもしれない。



「ウーカル、お願いがある」

「何でしょうか?」

ねぐら近くのリフィシアナを抜いて欲しいんだ」

「えっと、レルネーさんご自身でする事が出来ない?」

「……全くもって恥ずかしい事なんだが、何分と、この地の毒気は薄くてね。 身体を維持するだけでも精一杯なんだよ」

「(この毒気でも薄いのか……)ほほぅ…… そうなんだ。 じゃぁ、何処にあるのか教えてくれる?」

「勿論だともッ!」



 妖魔レルネーさんが先導して、沼地の中央部分近くのリフィシアナの群生地に連れて行かれたんだ。 個体としては小さいやつが、群生してた。 まぁ、此れでも、十分に姉さんのお役に立ちそうだから、せっせと採取して行ったんだ。 レルネーさんは、とても嬉しそうにしていたよ。 只ね、顔色も悪く、動きも悪い。 どこかしら、悪くしている感じがするんだよ。



「レルネーさん、もしかして病気?」

「……病気というより、体力不足かな? ほら、私は毒蛇ヒュドラー族だろ。 毒が生きて行く為に必要なんだよ。 他の蛇人族とは違ってね。 長く生きていても、ちゃんとした居場所なんて無いんだ。 結局は何処からも受け入れられない種族だし……」



 ちょっと寂しそうな表情を浮かべているんだ、レルネーさん。 まぁ、普通の生き物が、何の対策もせず近寄れば即座に致死毒くらうから、レルネーさんは、そう簡単に他種族と交流は持てないし…… 孤独だったんだね。

 あたしは耐毒性も高いし、エリーゼ姉さんの特別なポーションも飲んでいるから、こうやって、こんな毒気の強い場所でも動けるだけだしね。

 孤独って…… 辛いもんね。

 吸収できる『強い毒』が、この場所この毒沼でも薄いから、体力不足なの? と云う事は、あたしたちで云う所の、う~ん、ご飯が無いって事? お腹空き過ぎて、具合が悪いって事ね。 うん、それなら大丈夫かな? ちょっと聞いてみよ。



「レルネーさん。 あたし、毒薬持ってるよ。 おやつ代わりに飲んでみる?」

「えっ?」

「ほら、狩りをする時に使う矢毒とか、罠に使う毒とか。 結構強いやつ。 それに、ここに来るお駄賃に、エリーゼ姉さんの保管庫宝物入れから色んなお薬も貰って来たんだ。 その中に、毒薬も有るから」

「そ、そうなんだ…… 私に…… それを…… 分けてくれるの?」

「うん。 せっかく知り合えたんだし、御近付のご挨拶に。 初めましての人には、手土産が必要だよって、ボボール爺さんも言ってたし」

「う、嬉しいかも」

「なら、はいコレ」



『魔法鞄』から、エリーゼ姉さんの謹製の凶毒薬のポーション瓶を四つほど、差し出したんだ。 レルネーさん、とっても嬉しそうに受け取ってくれた。 で、視線であたしに問いかけて来るんだ、『飲んでもいいか』ってね。 勿論って感じで頷いてたよ。 

 レルネーさん、その辺に生えている何とも言えない草をポキッと折って、イイ感じの長さにしてから、凶毒薬の蓋をポキュって抜いて差し込んだんだ。 あれ、矢毒にしたら、デカい奴も一撃で倒せる奴なんだけど、大丈夫かな?

 で、中身を吸い上げて一口飲んだレルネーさん。 

 満面の笑みを浮かべて、頷いていた。



「いいよ、コレ。 なんか、力が湧き上がってくるね。 いや、ホントにこんなに貰っちゃっても?」

「うん、いいよ。 ほら、こんなにリフィシアナを採取出来たんだもん。 お礼も兼ねてね」

「いや、本当に、本当に有難いね。 取り敢えずこれは飲み切るよ。 とってもいい。 私には最高のお礼だね。 でも、そんな草じゃ、対価に満たないよ。 ん~~ そうだ! ちょっと待ってって」

「アイアイ」



 ポーションの中身を吸い上げて、とっても良くなった顔色。 いやはや、妖魔って良く判らない生態しているよね。 でね、空になったポーション瓶。 指先を鋭い牙でちょいと噛んで、流れ出るのは赤黒い血潮。 それを、空き瓶の中にタラ~リ、タラ~リ。 ある程度入れたら、瓶の蓋をキッチリ締めて私に差しだんだ。



「ヒュドラーの血。 コレでどうかな? 錬金する人なら、希少性も判る筈だし、私が自ら出したから余分な混ざりモノも無いし…… いいかな?」

「エリーゼ姉さんとか、ウーさんとか喜びそう。 有難う!」

「い、いや、まぁ…… ほ、ほら、お近づきになった、お礼も兼ねて……」

「アイアイ!!」



 贈り物の交換って、いいよねッ!! うん、とっても!! 



「また来るよ」

「そうしてくれたら、私も嬉しい」

「アイアイ。 じゃ!」

「来る者に祝福アレ! 行く者に幸アレ!!」



 ポワンとなんか温かくなった。 精霊の祝福? そんな感じ? まぁいいや! 渓谷の出口までレルネーさんが、送ってくれた。 バイバイって手を振って、蛇搦渓谷への向かう。  レルネーさんは、最初視た時よりも、とっても生き生きしてた。 

 妖魔のヒュドラー  族。 レルネーさん。 ……お友達になってくれたらいいな。




   ―――――― ☆ ――――― ☆ ―――――



 お家に帰って、一通り今回の『お使い・・・』で、『あった事』をウーさんとエリーゼ姉さん、ボボール爺さんにお話したんだ。 大量に取って来た『リフィシアナ』も一緒に出した。 姉さん、目を丸くしてたよ。 でもさ、『魔法鞄』の容量が大きかったから出来たようなモノ。 もし、こないだまでの様に、『魔法鞄』が無かったらこんなに取れなかったよ って、笑っておいたよ。

 で、お土産のヒュドラーの血が入ったポーション瓶。 居間のテーブルの上に置いたら、ウーさんとエリーゼ姉さんの顔色が白く変わったんだ。




「お、お前……」

「カルちゃん……」

「何?」







   「「非常識なお土産、持って帰ってくんなッ!!!」」










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