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学院での日々
学院舞踏会 (3)
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フルーリー様の号令一下、私は裸に剥かれたの。 あ、あのね…… これ…… どうしろって…… 下着まで交換なの? えっ、えっ、
えぇぇぇぇぇっ?!?!
箱の中から次々と取り出される、下着、ストッキング、ガーター、パニエ、コルセット、それに ミドルヒールの靴…… ちゃんと、お風呂は毎日入っているけどねぇ…… ちょっと、待ってよ!
「お嬢様のお肌は、まるで絹のよう。 良く映えます!」
侍女さんなんて、うっとりとしているのよ。 なんで、下着が濃い紫色で、ストッキングとかが、黒と見まがう濃紺なの? こんなの…… こんなのって…… 今まで付けた事がないわ。
「ドレスに合わせて、下着も作っておりますのよ、リーナ様。 さぁ、ドレスを!」
フルーリー様が満面の笑みを浮かべて、大きな箱から取り出されるドレスを見ていたの。 えっと、たしか…… あの時…… シンプルにって…… そう言ったわよね。 ええ、確かにシンプルだけどね、デザインは!
でも…… 色味が……
ドレスの裾は深い濃紺色 徐々にグラデーションが掛かって、胸元が暗赤色…… 袖は無い…… デコルテと肩が剥き出し…… 手袋も肘まであるロング丈で…… 色味がドレスと同じ…… なによ、これ。
「お嬢様、先に御髪とお化粧を」
「えっ、はっ、はい!」
何処から持ち込んだのか判らないけど、小さな椅子とその前に鏡を置かれる。 有無を言わさない、侍女さんの言葉通り、その前に座るとちょっとお歳を召した侍女さんがいらっしゃって、髪を梳き始めるの。
「綺麗な御髪ですね。 やりがいがあります」
梳かれた髪を編み上げていかれるその手際は、並みの人では出来ない確かな技術を感じるわ。 ドワイアル大公家のポエット奥様付きの方だって、ここまでは…… 扱いづらいはずの私の黒髪があっという間に、パーティー用の編み込みになった…… 二房の紅い髪はそのまま顔の横に垂れてたままね…… ドレスの色味が何となく理解できた……
お化粧は…… これまた、特別の技術を持った人なのね。 あっという間に、別人が鏡の中に出現したわ…… なによ…… コレ……
「お嬢様は、とてもお化粧映えしますね。 わたくしの腕が上がった様に錯覚いたします」
いや、いや、いや…… それは…… 違うと思う。 歴とした、貴女の技術でしょ? …………なんていうか、自分じゃないみたい。
〈あら、知らなかったの? リーナはとっても美しいのよ? 無頓着なんだから……〉
(シュトカーナ…… 貴女…… 何を言っているの?)
〈あら嫌だ、ほんとに認識してなかったのね。 フフフフフ〉
左腕のシュトカーナまで…… あれよあれよという内に、お化粧も、髪の編み込みも終わって、用意されているドレスを着こんだの…… 思ったほど、動きを阻害しないの。 ほんと、あの仕立て屋さん……凄いわ。
「リーナ様は、華美な装飾を好まれないと。 ですから、落ち着いた感じのモノをお持ちしました。 ねぇ、リーナ様、わたくしにお任せして頂けませんか?」
「えっ? これ以上、何を?」
「お飾りです。 大事な事です。 そうですね、このチョーカーと、イヤリングを付けてくださいな。 それとも、こちらのネックレス?」
取り出されたのは、とても高価そうな宝飾品。 大粒の輝石がトップに付いたシンプル且つ豪華な逸品。 こんなの、ドワイアル大公家でもお目に掛かれないわ…… ポエット奥様の逸品と変わりないじゃない!
「う~ん、やっぱり、ネックレスの方がいいわ。 指輪を合わせましょう」
「あ、あの…… フルーリー様?」
「お飾りは、女性の気品を引き立てます。 さり気に、そして、大胆に。 そうですね、あとは……髪飾りですわね。 そうだ、コレを」
侍女さんに渡されたのは、胸元近くのドレスの色と同じ暗赤色の生地で作られた薔薇の造花。 朝露に濡れたように光るそれを、髪に差されたの。
「リーナ様…… とても美しいですわ。 リーナ様の魔道具は、胸元左側で如何でしょうか」
ラペルピンがさりげなく、胸元左側に取り付けられるの…… もうね…… どうにでもして!! にこやかに、妖しく微笑むフルーリー様。 時計をふと見上げ、そして、言葉を紡ぎ出されるの。
「良い時間に成りました。 部屋の外でシーモア子爵様がお待ちですわ。 行きましょうか」
促されるまま、差し伸べられた手を握り、お部屋を出るの。 はぁぁぁ…… 【索敵】掛けておいてよかった。 この姿で それに、こんなに侍女さんがいる前では、魔法の行使は、ちょっとね。 仕方ない…… ここまでされちゃったら、「女性」として、舞踏会に出席するしかないものね。
カチャリ
扉を開けて二人して出るの。 扉の外で待っていて下さったシーモア子爵が、私たちに向き直って…… 私を見て……
口を開けて、絶句されたの。
*********************************
ドレス何て、どれだけ前の事かしらね。 ずっと、薬師が私の仕事だったのもね。 こんなドレスでは、薬草採取も、それこそ魔物の相手なんて事も、出来ないものね。 でもね―――
記憶がね、体を動かすの。
遠い、遠い、蒼空の彼方の記憶が、今も私の中にあるの。 こんなドレスを着てしまうと、あの時の事を自然と思い出してしまう。 そう、体が反応するの。 ツンと背筋を伸ばし、腰から足先へ意識が向かう。 どう動けば、綺麗な仕草に見えるか、どうすれば、可愛く見えるか…… マクシミリアン殿下の好意を得る為に、磨きに磨いた振る舞いが、蘇って来るのよ。 困ったことにね。
シーモア子爵に、エスコートをお願いしたのは、間違いなかった。 庶民にダンスパートナーが居るなんて、考えられないものね。 フルーリー様も、準男爵令嬢。 そういう意味では、庶民となんら変わりないんだけれど、装身具やドレスだけ見てみれば、高位貴族の方々に、なんの引けも取らないのよ。
なぜか、シーモア子爵の方が緊張されているみたいなの。
定刻になり、ボールルームに生徒さん達と、その親御さん、ご家族が揃われた。 ホントに大きなお部屋だから、かなりの人数を収容しても、混んでいるって感じはしない。 私たちは、シーモア子爵に連れられるまま、壁際を移動して、高位貴族様が居られる場所まで進んだの。
かなり異例な事だけど、そこはスコッテス女史が上手く誘導されていたわ。 庶民に夢を見せてあげよう的な事を、学院上層部に働きかけて、シーモア子爵のダンスの保証もあり、実現したのよ。
でもね、なんで、こんなに注目を浴びているのかしら? せっかく目立たないように壁際を歩いているのに、あちらこちらから、コソコソと話されているし、射貫く様な視線まで、突き刺さってくるのよ。 まだ、なにもしてないのにね。
「フルーリー様、コレは、私の魔道具が、注意を引き付けているのですよね。 少し効果が強すぎたのかしら?」
「えっと…… リーナ様。 多分違います。 リーナ様自身が注目を浴びているのですよ」
「……それは、困りましたね」
「―――ごめんなさい。 遣り過ぎたかも、知れません」
「何をかしら?」
「――――」
なんで、何も言って呉れないの? どうして、そこで頬を染めるの? 意味が分からない…… でも、今はそんな事言ってられないわ。 もうすぐ定刻。 学院長様のご挨拶が始まるはず。 そして、ウーノル殿下のお言葉の後、アンネテーナ様の御手を取って、舞踏会は開始される。
―――私は、誰と踊るべきなのかしら?
予定が変わってしまって、私とフルーリー様のパートナーが変更されるのだけれど……
女史に促される先に、いつもの「礼法の時間」…… ダンスの修練の参加者様達が一堂に介しておられた。 すでにペアは組まれており、男性一人で立っていらっしゃるのは、ドワイアル子爵様と、ノリステン子爵のお二人。
フルーリー様が、ノリステン子爵様の御隣に立たれた。
つまり、私の相手は……
ミレニアム様という訳ね。
よし、判った。
気合入れて、【探索】で敵を探すわ!!!
えぇぇぇぇぇっ?!?!
箱の中から次々と取り出される、下着、ストッキング、ガーター、パニエ、コルセット、それに ミドルヒールの靴…… ちゃんと、お風呂は毎日入っているけどねぇ…… ちょっと、待ってよ!
「お嬢様のお肌は、まるで絹のよう。 良く映えます!」
侍女さんなんて、うっとりとしているのよ。 なんで、下着が濃い紫色で、ストッキングとかが、黒と見まがう濃紺なの? こんなの…… こんなのって…… 今まで付けた事がないわ。
「ドレスに合わせて、下着も作っておりますのよ、リーナ様。 さぁ、ドレスを!」
フルーリー様が満面の笑みを浮かべて、大きな箱から取り出されるドレスを見ていたの。 えっと、たしか…… あの時…… シンプルにって…… そう言ったわよね。 ええ、確かにシンプルだけどね、デザインは!
でも…… 色味が……
ドレスの裾は深い濃紺色 徐々にグラデーションが掛かって、胸元が暗赤色…… 袖は無い…… デコルテと肩が剥き出し…… 手袋も肘まであるロング丈で…… 色味がドレスと同じ…… なによ、これ。
「お嬢様、先に御髪とお化粧を」
「えっ、はっ、はい!」
何処から持ち込んだのか判らないけど、小さな椅子とその前に鏡を置かれる。 有無を言わさない、侍女さんの言葉通り、その前に座るとちょっとお歳を召した侍女さんがいらっしゃって、髪を梳き始めるの。
「綺麗な御髪ですね。 やりがいがあります」
梳かれた髪を編み上げていかれるその手際は、並みの人では出来ない確かな技術を感じるわ。 ドワイアル大公家のポエット奥様付きの方だって、ここまでは…… 扱いづらいはずの私の黒髪があっという間に、パーティー用の編み込みになった…… 二房の紅い髪はそのまま顔の横に垂れてたままね…… ドレスの色味が何となく理解できた……
お化粧は…… これまた、特別の技術を持った人なのね。 あっという間に、別人が鏡の中に出現したわ…… なによ…… コレ……
「お嬢様は、とてもお化粧映えしますね。 わたくしの腕が上がった様に錯覚いたします」
いや、いや、いや…… それは…… 違うと思う。 歴とした、貴女の技術でしょ? …………なんていうか、自分じゃないみたい。
〈あら、知らなかったの? リーナはとっても美しいのよ? 無頓着なんだから……〉
(シュトカーナ…… 貴女…… 何を言っているの?)
〈あら嫌だ、ほんとに認識してなかったのね。 フフフフフ〉
左腕のシュトカーナまで…… あれよあれよという内に、お化粧も、髪の編み込みも終わって、用意されているドレスを着こんだの…… 思ったほど、動きを阻害しないの。 ほんと、あの仕立て屋さん……凄いわ。
「リーナ様は、華美な装飾を好まれないと。 ですから、落ち着いた感じのモノをお持ちしました。 ねぇ、リーナ様、わたくしにお任せして頂けませんか?」
「えっ? これ以上、何を?」
「お飾りです。 大事な事です。 そうですね、このチョーカーと、イヤリングを付けてくださいな。 それとも、こちらのネックレス?」
取り出されたのは、とても高価そうな宝飾品。 大粒の輝石がトップに付いたシンプル且つ豪華な逸品。 こんなの、ドワイアル大公家でもお目に掛かれないわ…… ポエット奥様の逸品と変わりないじゃない!
「う~ん、やっぱり、ネックレスの方がいいわ。 指輪を合わせましょう」
「あ、あの…… フルーリー様?」
「お飾りは、女性の気品を引き立てます。 さり気に、そして、大胆に。 そうですね、あとは……髪飾りですわね。 そうだ、コレを」
侍女さんに渡されたのは、胸元近くのドレスの色と同じ暗赤色の生地で作られた薔薇の造花。 朝露に濡れたように光るそれを、髪に差されたの。
「リーナ様…… とても美しいですわ。 リーナ様の魔道具は、胸元左側で如何でしょうか」
ラペルピンがさりげなく、胸元左側に取り付けられるの…… もうね…… どうにでもして!! にこやかに、妖しく微笑むフルーリー様。 時計をふと見上げ、そして、言葉を紡ぎ出されるの。
「良い時間に成りました。 部屋の外でシーモア子爵様がお待ちですわ。 行きましょうか」
促されるまま、差し伸べられた手を握り、お部屋を出るの。 はぁぁぁ…… 【索敵】掛けておいてよかった。 この姿で それに、こんなに侍女さんがいる前では、魔法の行使は、ちょっとね。 仕方ない…… ここまでされちゃったら、「女性」として、舞踏会に出席するしかないものね。
カチャリ
扉を開けて二人して出るの。 扉の外で待っていて下さったシーモア子爵が、私たちに向き直って…… 私を見て……
口を開けて、絶句されたの。
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ドレス何て、どれだけ前の事かしらね。 ずっと、薬師が私の仕事だったのもね。 こんなドレスでは、薬草採取も、それこそ魔物の相手なんて事も、出来ないものね。 でもね―――
記憶がね、体を動かすの。
遠い、遠い、蒼空の彼方の記憶が、今も私の中にあるの。 こんなドレスを着てしまうと、あの時の事を自然と思い出してしまう。 そう、体が反応するの。 ツンと背筋を伸ばし、腰から足先へ意識が向かう。 どう動けば、綺麗な仕草に見えるか、どうすれば、可愛く見えるか…… マクシミリアン殿下の好意を得る為に、磨きに磨いた振る舞いが、蘇って来るのよ。 困ったことにね。
シーモア子爵に、エスコートをお願いしたのは、間違いなかった。 庶民にダンスパートナーが居るなんて、考えられないものね。 フルーリー様も、準男爵令嬢。 そういう意味では、庶民となんら変わりないんだけれど、装身具やドレスだけ見てみれば、高位貴族の方々に、なんの引けも取らないのよ。
なぜか、シーモア子爵の方が緊張されているみたいなの。
定刻になり、ボールルームに生徒さん達と、その親御さん、ご家族が揃われた。 ホントに大きなお部屋だから、かなりの人数を収容しても、混んでいるって感じはしない。 私たちは、シーモア子爵に連れられるまま、壁際を移動して、高位貴族様が居られる場所まで進んだの。
かなり異例な事だけど、そこはスコッテス女史が上手く誘導されていたわ。 庶民に夢を見せてあげよう的な事を、学院上層部に働きかけて、シーモア子爵のダンスの保証もあり、実現したのよ。
でもね、なんで、こんなに注目を浴びているのかしら? せっかく目立たないように壁際を歩いているのに、あちらこちらから、コソコソと話されているし、射貫く様な視線まで、突き刺さってくるのよ。 まだ、なにもしてないのにね。
「フルーリー様、コレは、私の魔道具が、注意を引き付けているのですよね。 少し効果が強すぎたのかしら?」
「えっと…… リーナ様。 多分違います。 リーナ様自身が注目を浴びているのですよ」
「……それは、困りましたね」
「―――ごめんなさい。 遣り過ぎたかも、知れません」
「何をかしら?」
「――――」
なんで、何も言って呉れないの? どうして、そこで頬を染めるの? 意味が分からない…… でも、今はそんな事言ってられないわ。 もうすぐ定刻。 学院長様のご挨拶が始まるはず。 そして、ウーノル殿下のお言葉の後、アンネテーナ様の御手を取って、舞踏会は開始される。
―――私は、誰と踊るべきなのかしら?
予定が変わってしまって、私とフルーリー様のパートナーが変更されるのだけれど……
女史に促される先に、いつもの「礼法の時間」…… ダンスの修練の参加者様達が一堂に介しておられた。 すでにペアは組まれており、男性一人で立っていらっしゃるのは、ドワイアル子爵様と、ノリステン子爵のお二人。
フルーリー様が、ノリステン子爵様の御隣に立たれた。
つまり、私の相手は……
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