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1章
わたしを離さないで 4
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急いで下の階に行くと、上とは景色が違っていた。部屋ごとにガラスかアクリル板のようなもので区切られている。外から中がよく見えるようになっている。
その丸見えの部屋の中には、研究員が何人かいる。研究員たちは、何かを培養しているカプセルの周りに集まっており、まだ俺のことは気づかれていないみたいだ。
よし、まず俺のすべきことを確認する。
ここからの脱出が優先だが、ショゴスを連れて帰ることも大事だ。それをするには、ショゴスを探さないといけない。上の階にはいないからこの階にいる可能性が高い。部屋が透明になっているから見つかる可能性が高いが、ドアの前とその近くは壁になっている。これにうまく隠れながら探すしかない。よし、やるぞ。
研究員たちの視覚に入らないように慎重に移動する。同時に部屋の中を探りショゴスを探す。
でも、見つからない。
ゆっくりと進んでいくと、廊下の突き当たりにまた階段があった。
まだ、地下があるのかよ。でも、行くしかない。
また、下へ下へと進んでいく。
すると、一番最初の階とよく似た作りになっている。慎重に廊下を進みながら、手前にあった部屋に入る。
このカード、まだ使えるんだな。てっきり、階が変わったら使えなくなるかと思ったぜ。
部屋は暗い。そっとスマホのライトをかざそうとして、自分が持ち物をカード以外持っていないことに気づいた。
あとで、持ち物も回収しないといけないな。どこに保管されてんだ。壊されてる可能性もあるか。でも、探さないといけないものが増えたな。どうしよう、いっそこの研究施設を破壊してから探そうかな。
そんなことを考えていると、ドアの隙間の明かりから何かが照らされた。よく見ると、それは
「しょ、ショゴス!おい、しっかりしろ!」
ショゴスが倒れている。急いで起こさないと!
何度か揺するとショゴスが顔をこちらに向ける。しかし、その顔は半分が不定形のままだった。
「テケリ・リ」
言葉も喋れないのか。一体何をされたんだ。すると、だんだんと声が聞こえる。
一つじゃない。
いくつもの声、それも2つや3つじゃないもっとたくさんの声だ。
「テケリ」「テケリ」 「テケリ・リ」
「テケリ」 「テケリ・リ」 「テケ」
「リ」 「「「テケリ」」」
いったい、何匹いるんだ。たくさんのショゴスが、ショゴスのなりそこないのような肉片が集まってくる。体がないやつ、顔がないやつ、不気味な形がそこらじゅうから集まってくる。
俺は急いでその部屋から飛び出した。なんて、不気味でおぞましい光景なんだ。
気持ち悪くなりながら、先を進む。
どうやら、この階は2つしか部屋がないようだ。さっきの不気味な部屋と、今目の前にある扉からそう考えた。
その丸見えの部屋の中には、研究員が何人かいる。研究員たちは、何かを培養しているカプセルの周りに集まっており、まだ俺のことは気づかれていないみたいだ。
よし、まず俺のすべきことを確認する。
ここからの脱出が優先だが、ショゴスを連れて帰ることも大事だ。それをするには、ショゴスを探さないといけない。上の階にはいないからこの階にいる可能性が高い。部屋が透明になっているから見つかる可能性が高いが、ドアの前とその近くは壁になっている。これにうまく隠れながら探すしかない。よし、やるぞ。
研究員たちの視覚に入らないように慎重に移動する。同時に部屋の中を探りショゴスを探す。
でも、見つからない。
ゆっくりと進んでいくと、廊下の突き当たりにまた階段があった。
まだ、地下があるのかよ。でも、行くしかない。
また、下へ下へと進んでいく。
すると、一番最初の階とよく似た作りになっている。慎重に廊下を進みながら、手前にあった部屋に入る。
このカード、まだ使えるんだな。てっきり、階が変わったら使えなくなるかと思ったぜ。
部屋は暗い。そっとスマホのライトをかざそうとして、自分が持ち物をカード以外持っていないことに気づいた。
あとで、持ち物も回収しないといけないな。どこに保管されてんだ。壊されてる可能性もあるか。でも、探さないといけないものが増えたな。どうしよう、いっそこの研究施設を破壊してから探そうかな。
そんなことを考えていると、ドアの隙間の明かりから何かが照らされた。よく見ると、それは
「しょ、ショゴス!おい、しっかりしろ!」
ショゴスが倒れている。急いで起こさないと!
何度か揺するとショゴスが顔をこちらに向ける。しかし、その顔は半分が不定形のままだった。
「テケリ・リ」
言葉も喋れないのか。一体何をされたんだ。すると、だんだんと声が聞こえる。
一つじゃない。
いくつもの声、それも2つや3つじゃないもっとたくさんの声だ。
「テケリ」「テケリ」 「テケリ・リ」
「テケリ」 「テケリ・リ」 「テケ」
「リ」 「「「テケリ」」」
いったい、何匹いるんだ。たくさんのショゴスが、ショゴスのなりそこないのような肉片が集まってくる。体がないやつ、顔がないやつ、不気味な形がそこらじゅうから集まってくる。
俺は急いでその部屋から飛び出した。なんて、不気味でおぞましい光景なんだ。
気持ち悪くなりながら、先を進む。
どうやら、この階は2つしか部屋がないようだ。さっきの不気味な部屋と、今目の前にある扉からそう考えた。
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