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第五章 掌握されていく国…そして…
おまけ話 ホストクラブ【エターナル・ヘブン】
しおりを挟む「いらっしゃいませお嬢様」
「「いらっしゃいませお嬢様!!」」
「うふっ!来ちゃった!」
煌びやかなお店に来店したシエナ
ここは天界唯一のホストクラブ、エターナル・ヘブン
豪華絢爛な室内には大きな楕円形のソファーがいくつも配置されており、お店の中心にはシャンパングラスが高く積み上げられ一番上からシャンパンが流されている
お店の壁にはランキングと顔写真が添えられ飾られていた
ーーーーーー
No.1 鴉敝鷺(あべる)
見た目とは裏腹に知能的、見た目は子供、頭脳は創造神その名は…
ーーーーーー
No.2 陰風暗斗(いんふあんと)
誰にでも優しいジェントルマン
貴方の心を癒します
ーーーーーー
No.3 明天徒稀(あすとうす)
顔だけなら天界ナンバーワン
Sっ気たっぷり、お前をゾクゾクさせてやるよ
ーーーーーー
「今日は鴉敝鷺様空いてる?」
「本日も多くのご指名をいただいておりますがお嬢様の為なら鴉敝鷺も喜んで御相手致しますよ」
「それじゃあ席までよろしくね!」
「かしこまりました。お嬢様ごあんな~い!」
「「お嬢様ごあんなーい!」」
シャンパンタワーが一番見やすい席に案内されたシエナ
少し待つと白いスーツを着た鴉敝鷺が現れシエナの前に跪く
「待たせちゃってごめんね。ぼくのおひめさま☆」
チュッ
シエナの手の甲に軽くキスをする
少し顔を赤らめながらモジモジするシエナ
「も~う!遅いんだからぁ~♡」
「ごめんごめん。今日は記念日だから忙しくてね。みんなこれでもかとばかりボトル入れてくれるからぼくもそれに見合う働きをしないとさ」
「みんな…あのメス豚共の事?そんなに働かなくていいのよ。どうせ安物ばかりでしょ」
シエナは指を鳴らしボーイを呼び出すと一言
「ルイ13世」
「かしこまりました」
ボーイは静かに裏へ行く
ルイ13世を持ち戻ってくると数人のホストを引き連れていた
そしてその一人が鴉敝鷺にマイクを渡す
「さぁさぁ皆様お立ち会い!」
「「お立ち会い!」」
「こちらのお姫様からぁぁぁ~ルイ13世のプレゼント!」
「「プレゼント!」」
「なんで?なんで?鴉敝鷺にプレゼント?」
「「なんで?なんで?なんでなんでなんで?」」
「今日は…鴉敝鷺を独占するから!」
「「フッフー!!」」
「その愛を!鴉敝鷺が!それでは、それでは、一気にいただきます!」
「「僕らも!その愛を!もらいた~い!」」
「「鴉敝鷺の!イッキまで!スリー、ツー、ワン…ハイハイ!ラブ注入♡」」
鴉敝鷺は台の上に立ちルイ13世を一気に飲み干した
「チッ!!おい!お前もあれ…いや、あれ以上の事やってくれるんだよな?」
「えっ?でも今日は結構入れたよ?」
「あれくらいじゃ足りねぇな~あ~あ、せっかくお前が来てくれるっつうから特別にお洒落してきたのになぁ~」
鴉敝鷺の盛り上がりを見てイラつく男性
当店No.3の明天徒稀が相手している女性に対して強引に迫る
「う~ん、でもな~」
「あっそ、ならいいよ。別の女の子に頼むから」
席を立ち離れようとする明天徒稀
「ちょっと待ってよ…わかった、わかったから!入れる、入れるから!」
その言葉を待っていた
明天徒稀は笑顔で席に戻る
「最初から言えばいいんだよ!全く世話の焼けるやつだなお・ま・え・は」
「えへへ~」
おでこをデコピンされたが嬉しそうな女性
「んじゃ俺が頼むな。おーい、リシャールよろしく」
「かしこまりました」
「リシャール!?ん~しょうがないか、明天徒稀君の為だからねー」
「そりゃそうだ。お前はいつまでも俺の事だけを考えてればいいんだよ」
そしてまたシャンパンコールが始まると
店内は更に活気に溢れる
「やれやれ、お嬢様方があれだけ高い物を頼まれたら危険でしょうに」
隣の席で静かに話す男性
当店No.2の陰風暗斗が諭すように会話をしている
「いいですか?お嬢様はあのような事はしないでくださいね。私は一緒にいれるだけで充分です」
「も~陰風暗斗様ったらぁ~ホント謙虚ねぇ~もっと欲を出してもいいのよ?」
「いえいえ、私は無理強いはしたくないだけですよ。そのお気持ちだけでもとても有難いです」
陰風暗斗は女性の手を握り話す
女性は最初は戸惑っていたが落ち着くと陰風暗斗の手を握り返す
「決めたわ!陰風暗斗様をNo.1にさせるわ!」
「無理しないでください。お嬢様が色々頼んでくれてたのは知ってます。もう充分ですよ」
「いえ!まだまだイケるわ!!ボーイさんカモーン!!」
「お待たせしました」
「ロマネ・コンティ寄越しなさい!」
「かしこまりました」
ボーイが裏に下がると陰風暗斗は女性をハグする
「もう無茶しないでください…でも、ありがとうございます」
「きゃぁぁぁ!!」
「お待たせしました」
いつ間にか戻ってきていたボーイと盛り上がり隊のホスト達
陰風暗斗にロマネコンティが入ったと情報が各ホストの耳に入るとシャンパンの注文ラッシュに突入する
ランク外のホストからはモエシャン・ブリュットやブラン・ド・ブラン
だが上位の三人の値段には遠く及ばない…
☆★☆★
「結果発表~ぱふぱふ~
最終売上ナンバーワンは…
ドゥルルルルルルルル~ババン!
鴉敝鷺こと僕アヴェルくんだよ!ヤッホーイ!!」
寝間着スタイルで店内を駆け回るいつものアヴェルくん
「いや~今日限りのイベント、ホストクラブ体験なかなか楽しかったね!
では解散!またやろうねぇ~」
アヴェルくんの一言で各自お店を後にする
「うぇ~い、鴉敝鷺様もういっぽおおおんついかぁぁ~」
静かになった店内には泥酔し頭が働かなくなったシエナの独り言が虚しく響いていた
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