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第五章 掌握されていく国…そして…
女性の正体
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「よい…しょっ!」
「ギャッ!!」
よいで屈み、しょっ!の声とともに女性が飛び上がると背負う十字架の先端が魔物の顔をクリーンヒットする
魔物は当たった勢いで体を回転させながら
後ろにあった木にぶつかりよろよろと立ち上がった
ドスン
「さて、今日はまだお仕事が入ってないし、少しでも稼ぎますか」
女性は背負っていた十字架を地面に下ろすと見た目以上に重量がある事が響いた鈍い音でわかる
「神へお祈りしなさい。貴方の罪、私の祓串(はらえぐし)で祓いましょう…ポチッと」
十字架の真ん中にある宝石を押す
すると十字架の横から鋭い刃が現れる
女性は鎌のような姿なった十字架を両手で持ち、微笑みながら猿の魔物にゆっくり近付く
その不気味な様子を見守るユート達
猿の魔物も危険な気配を感じたのか動揺が見て取れる
「キュイッイッイッイィィー!」
唇を震わせ独特な音を発する
コミの森に音が響く
それと同時に森の中が騒がしくなる
木が激しく揺れ、草木が掻き分けられる音がする
女性は近付くのを止めその場に留まる
その行動を見て猿の魔物はにやにやとし始めた
「「「ギャイ!ギュイ!」」」
金切り声と同時に森から多数の猿が現れると、負傷している猿の周りに集まり女性に向けて挑発をする
「ギギィ!ギギィ!」
「ホッ!ホッ!」
鋭い牙、爪をぶつけ気持ちを昂らせているようだ
「ひい、ふう、みい、よの、いつ、むう、なの、やあ…最初にいたお猿さん合わせてこのですね」
女性は慌てた様子もなく冷静に数を数える
数え終わると再び歩み始める
「んほっ♡さっきは止められたけど多勢に無勢よぉ~
アタシ達が混ざった方がいいんじゃないかしらぁん♡ふんっ!ふんっ!はぁん♡」
「いえいえ、こんなのはまだ許容範囲内ですので」
その場で色々なポージングをしてアピールをするオトメに対して女性ら何も突っ込まず対応する
人の言葉が解るのか、その会話が聞こえていた猿達は激昂したように地面を叩き荒ぶる
しかし、女性の歩くスピードは変わらず猿のテリトリーに入っていく
猿達は一定の距離を取りながら女性を囲む
「キィー、キキィ!!」
「「「キキィ!!」」」
負傷している猿が叫ぶとそれに呼応し叫び声をあげ一斉に飛びかかる
ユート達がいる場所からは猿が邪魔で女性の姿が見えなくなる
一瞬、猿の首辺りが光ると動きがピタッと止まった
空中で止まった猿達はそのまま地面に落下し、全ての猿が地面にぶつかる
ぶつかった衝撃が猿達の体に伝わると首が取れ、切断面から血飛沫が上がる
コロコロと転がる首
一つが負傷していた猿の足元にぶつかった
「ギィィィィ!?キィッ!」
先程まで生きていた仲間と目が合うと一目散にコミの森へ逃走する
「仲間を見捨てて背中を見せ逃げるだなんて…神はお怒りです。貴方に天罰を与えます」
女性は十字架を大きく振り上げると逃走する猿目掛けて思いっきりぶん投げる
木を切り裂き飛んでいく十字架
逃げる猿は迫る十字架の風切り音が耳に入ると冷や汗を流すが、体に衝撃が走ると音が消える
「ギャッ!?ギッ…キィ…」
消えゆく意識の中、最後に下を見るとお腹から鋭く尖った刃が飛び出しているのが見えた
☆★☆★
木に刺さり止まった十字架
先端に絶命した猿の魔物
その前て手を組みお祈りをする
「貴方の罪はたった今、自分自身の命で償われました。神様もお許しになるでしょう…よいしょっと」
祈りが終わり十字架を回収する
刃を収納し、背中に背負うと猿達の死体を集め始める
「アナタやるじゃなぁ~い♡十字架が刃物になるなんてビックリしたわ!」
「ありがとうございます!この十字架は特別に作ってもらった逸品なんです
え~っと、確か名前が…あっ!そうそう、十字鎌って名前でした」
「十字架と鎌を合わせて十字鎌って…」
ユートはオヤジギャグなネーミングセンスに呆れた表情をして話す
「そうだ!何かお困りな事はございませんか?お安くしますよ~。あっこちらが名刺になります。どうぞ~」
三人は渡された名刺を見る
ーーーーーーーーーー
【お悩み執行人・イザベル相談所】
アナタの悩み、承ります!
あぁ、あのお肉が食べたい…
大丈夫!私が狩ってきます!
あぁ、うちのわんちゃんが行方不明に…
大丈夫!私が見つけてきます!
あぁ、あの人がほしい…
大丈夫!私が捕まえてきます!
あぁ、あの人を殺したい…
大丈夫!私が殺ってきます!
依頼満足度100%の安心安全の実績と信頼!
小さい事から大きな事までなんでもご相談ください!
料金は要相談
【お客様のお声】
30代 男性 「一度食べてみたかったフォレストドラゴンの肉…今思い出してもヨダレが出ます!また依頼したいと思います!次は何を頼もうかな?」
60代 女性 「いつも無視され続けた想い人の男の子が最近はいつも私に話しかけてくれます!あぁ、私の愛が伝わったのね!次はあの子にしようかしら?」
80代 男性 「あの憎たらしいクソ貴族がやっと死んでくれたわ。ちと金はかかったがそれ以上のモノが手に入った!次はあの王にするか…」
ーーーーーーーーーー
「今なら初回キャンペーンでお安くしますよ?」
お悩み執行人イザベルは満面の笑みで三人に営業をし始めた
「ギャッ!!」
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猿の魔物も危険な気配を感じたのか動揺が見て取れる
「キュイッイッイッイィィー!」
唇を震わせ独特な音を発する
コミの森に音が響く
それと同時に森の中が騒がしくなる
木が激しく揺れ、草木が掻き分けられる音がする
女性は近付くのを止めその場に留まる
その行動を見て猿の魔物はにやにやとし始めた
「「「ギャイ!ギュイ!」」」
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しかし、女性の歩くスピードは変わらず猿のテリトリーに入っていく
猿達は一定の距離を取りながら女性を囲む
「キィー、キキィ!!」
「「「キキィ!!」」」
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一瞬、猿の首辺りが光ると動きがピタッと止まった
空中で止まった猿達はそのまま地面に落下し、全ての猿が地面にぶつかる
ぶつかった衝撃が猿達の体に伝わると首が取れ、切断面から血飛沫が上がる
コロコロと転がる首
一つが負傷していた猿の足元にぶつかった
「ギィィィィ!?キィッ!」
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「仲間を見捨てて背中を見せ逃げるだなんて…神はお怒りです。貴方に天罰を与えます」
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木を切り裂き飛んでいく十字架
逃げる猿は迫る十字架の風切り音が耳に入ると冷や汗を流すが、体に衝撃が走ると音が消える
「ギャッ!?ギッ…キィ…」
消えゆく意識の中、最後に下を見るとお腹から鋭く尖った刃が飛び出しているのが見えた
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木に刺さり止まった十字架
先端に絶命した猿の魔物
その前て手を組みお祈りをする
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祈りが終わり十字架を回収する
刃を収納し、背中に背負うと猿達の死体を集め始める
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「ありがとうございます!この十字架は特別に作ってもらった逸品なんです
え~っと、確か名前が…あっ!そうそう、十字鎌って名前でした」
「十字架と鎌を合わせて十字鎌って…」
ユートはオヤジギャグなネーミングセンスに呆れた表情をして話す
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