105 / 121
第五章 掌握されていく国…そして…
幕間 ある冒険者の一日 2
しおりを挟む神殿の礼拝室に着くと部屋の真ん中にこの部屋には似つかわしくない不気味な扉が置いてある
そんな扉の前に一人の女性が立ち扉を見ている
ギギっと音をたて扉が開く
扉が開くと中から魔物が次々に飛び出し女性の前に現れる
「危ない!」
僕は女性を守るために走る
いつもより体が軽い
なるほど。どうやらカタリナが後ろから風で押してくれているようだ
これなら間に合う!
即座に女性の背後まで接近し女性を掴み後ろに引く
そして僕は女性が傷つかないように守りながらも戦う
「こっちは大丈夫よ。好きに戦いなさい」
いつの間にか僕の背後現れたカタリナは女性を庇いながらフォローする
「有難いです。ハッ!フッ!シッ!」
剣を振るたびに光が反射し剣の軌道に合わせて光の線が走る
☆★☆★
「とりあえず魔物は片付いたわね」
カタリナは動かなくなった魔物を死んでいるか確認しながら話す
「さて、これはなんでしょうね?」
カタリナは扉の閉まった物を触り、周りを確認する
お互いに叩いたり、ドアノブを回して開けようとしたりしたが何も起きない
「これって魔道具なのかしらね?こんなの見た事ないけどランダンなら何かわかるかも」
「では、後日調べてもらうしかないですね。とりあえず扉が開かないように何かで塞いで尚且つ、定期的に警備をつけておかないと危ないです」
僕が発言した内容に納得したファニタは頷くと扉に寄りかかる
「それじゃあ私がこの扉を監視してるわ。貴方はその女性を安全な場所まで避難させて」
「わかりました。まだ安全ではないので気をつけて下さい」
「さすがイケメンスケコマシ。私みたいに強い女性も心配するなんて。何かあったら妹に連絡するから大丈夫よ。早く行きなさい」
カタリナに見送られ僕は女性を連れて礼拝室から出る
☆★☆★
「外までもう少しだから頑張って」
大広間まで来た僕達は周りに横たわる魔物の死体を避けて走る
「…無かっ…ここはハズ…すね…」
「んっ?どうかしましたか?」
女性がぽつりと何か呟く
女性の走るスピードが落ち、その場に立ち止まる
「何かありました?」
僕が女性に近寄ると首筋にチクリと痛みが走る
その瞬間、寒気を感じると女性から距離をとる
「何が!?」
首を触るが特に出血はしていない
「サンプル採取完了…注入完了」
「貴方は一体…」
女性に向けて警戒を強めると女性は懐からボタンを取り出し押す
「次の作戦を始めます。門の回収不可能の為、廃棄します」
ポチッとボタンを押すと奥の方から爆発音が響いてこの部屋まで振動が伝わる
「廃棄完了。撤収に入ります」
女性はどこから出したのか、いつの間にか手に短剣を携えている
「…この事件は貴方が関わっているのか。それなら僕は貴方の身柄を確保させてもらいます。抵抗するなら…多少の怪我は覚悟してください」
そして僕は覚悟を決め女性を確保する為に剣を構え走りだした
1
お気に入りに追加
2,980
あなたにおすすめの小説
悪徳領主の息子に転生したから家を出る。泥船からは逃げるんだよォ!
葩垣佐久穂
ファンタジー
王国南部にあるベルネット領。領主による重税、圧政で領民、代官の不満はもはや止めようがない状態へとなっていた。大学生亀山亘はそんな悪徳領主の息子ヴィクターに転生してしまう。反乱、内乱、行き着く先は最悪処刑するか、されるか?そんなの嫌だ。
せっかくのファンタジー世界、楽しく仲間と冒険してみたい!!
ヴィクターは魔法と剣の師のもとで力をつけて家から逃げることを決意する。
冒険はどこへ向かうのか、ベルネット領の未来は……
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる