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第五章 掌握されていく国…そして…

幕間 ある冒険者の一日 2

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神殿の礼拝室に着くと部屋の真ん中にこの部屋には似つかわしくない不気味な扉が置いてある
そんな扉の前に一人の女性が立ち扉を見ている

ギギっと音をたて扉が開く

扉が開くと中から魔物が次々に飛び出し女性の前に現れる

「危ない!」

僕は女性を守るために走る

いつもより体が軽い

なるほど。どうやらカタリナが後ろから風で押してくれているようだ

これなら間に合う!

即座に女性の背後まで接近し女性を掴み後ろに引く
そして僕は女性が傷つかないように守りながらも戦う

「こっちは大丈夫よ。好きに戦いなさい」

いつの間にか僕の背後現れたカタリナは女性を庇いながらフォローする

「有難いです。ハッ!フッ!シッ!」

剣を振るたびに光が反射し剣の軌道に合わせて光の線が走る

☆★☆★

「とりあえず魔物は片付いたわね」

カタリナは動かなくなった魔物を死んでいるか確認しながら話す

「さて、これはなんでしょうね?」

カタリナは扉の閉まった物を触り、周りを確認する
お互いに叩いたり、ドアノブを回して開けようとしたりしたが何も起きない

「これって魔道具なのかしらね?こんなの見た事ないけどランダンなら何かわかるかも」

「では、後日調べてもらうしかないですね。とりあえず扉が開かないように何かで塞いで尚且つ、定期的に警備をつけておかないと危ないです」

僕が発言した内容に納得したファニタは頷くと扉に寄りかかる

「それじゃあ私がこの扉を監視してるわ。貴方はその女性を安全な場所まで避難させて」

「わかりました。まだ安全ではないので気をつけて下さい」

「さすがイケメンスケコマシ。私みたいに強い女性も心配するなんて。何かあったら妹に連絡するから大丈夫よ。早く行きなさい」

カタリナに見送られ僕は女性を連れて礼拝室から出る

☆★☆★

「外までもう少しだから頑張って」

大広間まで来た僕達は周りに横たわる魔物の死体を避けて走る

「…無かっ…ここはハズ…すね…」

「んっ?どうかしましたか?」

女性がぽつりと何か呟く
女性の走るスピードが落ち、その場に立ち止まる

「何かありました?」

僕が女性に近寄ると首筋にチクリと痛みが走る
その瞬間、寒気を感じると女性から距離をとる

「何が!?」

首を触るが特に出血はしていない

「サンプル採取完了…注入完了」

「貴方は一体…」

女性に向けて警戒を強めると女性は懐からボタンを取り出し押す

「次の作戦を始めます。門の回収不可能の為、廃棄します」

ポチッとボタンを押すと奥の方から爆発音が響いてこの部屋まで振動が伝わる

「廃棄完了。撤収に入ります」

女性はどこから出したのか、いつの間にか手に短剣を携えている

「…この事件は貴方が関わっているのか。それなら僕は貴方の身柄を確保させてもらいます。抵抗するなら…多少の怪我は覚悟してください」

そして僕は覚悟を決め女性を確保する為に剣を構え走りだした

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