82 / 121
エルシュタット学園編
裏話 受付嬢達+αの戦い
しおりを挟むユート達が各地で激戦を繰り広げている頃
冒険者ギルド内は大忙しであった
「手の空いている冒険者はまだいる?」
「D~Bランクの冒険者は戦闘の激しい場所に向かっています!
残っているのは新人冒険者のみです!」
受付嬢達は各地の被害状況を逐一報告しあい冒険者を派遣していた
「今度は南区にて魔物が発生!!」
「南区!?発生源は東と西じゃなかったの!!」
「そっそれがいきなり現れたそうです!!
現在門兵と近くの住民が抵抗している模様!」
受付嬢達は慌てた様子で武器を取り出す
南区とはこの冒険者ギルドのある場所
であるならここにもすぐにくる恐れがある
新人の冒険者達は緊張しているのか体を震わせ、顔を青ざめさせている
「大丈夫よ。私達だって伊達に冒険者ギルドの受付嬢をしてないわ。私達だってそこそこ戦えるのよ!あなた達は後ろにいなさい」
受付嬢達は新人冒険者達にそう優しく諭す
受付嬢達はゆっくり扉を開けキョロキョロと外を確認する
南門から逃げてくる住民達
衣類から血が滲み出ながらも走って逃げている
「ギルドで匿って!!」
受付嬢達を見つけたふくよかな婦人が近寄ってきて話しかけてくる
受付嬢達はとりあえず事情説明した上でギルド内に避難民を受け入れる
そして再度外に出ると魔物が何体かこっちに向かってきている
「各自迎撃準備!!」
「「「「おー!!」」」」
各自得物を構える
「3.2.1…攻撃開始!!」
一斉に魔物に向かって攻撃を仕掛ける
☆★☆★
グサッ
「ふぅ。これで最後?」
受付嬢達は最初の数体を倒した後、他の位置から現れた魔物達を刺しそう話す
「とりあえずは…かなっ?」
ふうっと汗を拭う受付嬢達
一時的ではあるが束の間の休息をとる
「まだあちこちで音がするわね」
「そうですね…一体何があったのでしょうか?」
皆同じ事を考えていたがわからない事だらけである
王都には巨大な城壁、更に初代国王が施したといわれる魔物避けの魔法がかかっている
そう簡単に魔物が入れる訳がない
そんな事を考えていると
受付嬢達の目の前を巨大な岩が通り過ぎる
「「「「えっ!!」」」」
飛んできた先を見ると全身傷だらけの魔物がいた
「あの魔物って……グラップラーオークじゃない!」
魔物はフゴフゴ言いながら受付嬢達に迫ってくる
「グラップラーオークは不味いわ!オークの中でもかなり性欲が高いので有名よ」
「「「……」」」
受付嬢達は直ぐにギルドに立てこもるが
ドンッ!
ドンッ!
ドゴォ!
グラップラーオークは扉を叩いたり、突進を繰り返す
受付嬢達は避難している住民、新米冒険者を地下に避難させ入り口を封鎖する
「やっぱりこうなるわよね…」
リーダー格の受付嬢は槍を構えて覚悟を決める
他の受付嬢達もコクッと傾きそれぞれ武器を構える
ドゴォォン!!
激しい音をたてて扉が破壊される
グラップラーオークは屈み、ギルド内に入ってくるや否や受付嬢達に突進してくる
キューーー!!
可愛い鳴き声と共にグラップラーオークは炎に包まれた
「ユエルちゃん?」
ユエルは受付嬢達の前に降りる
「危ないじゃないの!ユエルちゃんに何かあったら…私達のモチベが……」
そんな事を言うと皆ユエルを抱き締める
ユエルは直ぐに拘束から逃れるとまだ炎に包まれているグラップラーオークの方を見ると
炎に包まれながらも少しずつ近づいてきていた
キュキュ!
ユエルの鳴き声と共にグラップラーオークは氷漬けされる
「やれやれ、まだまだですね貴方達は。ユエル君は感じていたみたいですよ」
「「「「マッマスター!」」」」
壊れた扉の前にはギルドマスターであるギリアムが立っていた
「こちらの方で奇妙な魔力を感じて来てみましたが、なるほど…
貴方達はこのままここにいなさい。後は私がどうにかしますので」
ギリアムは一人で納得していると壊れた扉を氷の壁で塞ぎどこかへ行ってしまった
ギリアムの姿を消えると受付嬢達ユエルを抱えて一箇所に固まった
10
お気に入りに追加
2,980
あなたにおすすめの小説
悪徳領主の息子に転生したから家を出る。泥船からは逃げるんだよォ!
葩垣佐久穂
ファンタジー
王国南部にあるベルネット領。領主による重税、圧政で領民、代官の不満はもはや止めようがない状態へとなっていた。大学生亀山亘はそんな悪徳領主の息子ヴィクターに転生してしまう。反乱、内乱、行き着く先は最悪処刑するか、されるか?そんなの嫌だ。
せっかくのファンタジー世界、楽しく仲間と冒険してみたい!!
ヴィクターは魔法と剣の師のもとで力をつけて家から逃げることを決意する。
冒険はどこへ向かうのか、ベルネット領の未来は……
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる