前世で眼が見えなかった俺が異世界転生したら・・・

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エルシュタット学園編

【天魔】ウェインvs【賢邪】ジャレド 終

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迫るウェインに対し次々に闇魔法を放つジャレド
ウェインには命中するが魔法は次々に消滅していく

「その防具は厄介極まりない。私とは相性が悪いようです」

「それはそうだろうな。何せ闇魔法に特化したドラゴンで作った防具だからなっ!!」

フォン

ウェインが剣を振り下ろす

会話しながら少しずつ後退りをするジャレド
片足が切られたため後退するスピードが遅い
だがどうにかスレスレでその攻撃を避ける事に成功した




と思っていた



ブシュウウウ



ジャレドの右肩から斜めに切口が開かれ、赤黒い鮮血が舞う

「ガハッ!!なっ…何故!?」

地面に倒れたジャレドは不可解な攻撃に頭をフルに回転させ考えていた
ジャリジャリとゆっくり歩み近寄ってくるウェインがその疑問に答える

「簡単な事だ。この剣に付与されている魔法で攻撃したまでだ。ちなみに今使ったのは風の刃【ウィンドブレイド】だな」

「・・・その魔法はただ単に武器に風を纏うだけのはずでは?」

「貴様は本当に賢の名を持つ者なのか?魔力操作が得意な者なら出来るようになるぞ?
まぁ最低でも魔力操作Lv7以上+その属性魔法Lv7以上が必須みたいだがな
後は独自の剣術で斬撃を飛ばせる流派があると聞いた事もある」

ウェインは肩に剣を担ぎ顎に手を当てて話す
その隙に地面に右手を当て魔法を唱えようとするが、その動きをウェインは見逃さず手首を切り落とす

「ぎゃあああああああああ!!」

「騒ぐなうるさいぞ!たかが手首を切り落としたぐらいで喚くな!
貴様が魔法を使おうとしたのが悪い」

ジャレドの手からおびただしい量の血が噴き出す
あまりの痛さに地面をのたうち回る
しかしそこで終わるウェインではない
追い打ちをかけるように転がるジャレドのお腹を思いっきり蹴り上げる
うぷっと口から吐瀉物を吐き出し近くにある木まで飛ばされ打ち当たる

「うげろヴぇろヴぇろごっ…」

吐瀉物と血液を一緒に吐き出しながらも木に寄り添いながらも弱々しく立ち上がる

「ぺっ!・・・仕方ありません。使いたくありませんでしたが死よりはマシでしょう」

するとジャレドは奥歯をガキンッと噛むとドス黒いオーラが噴き出し身体に変化が現れる
身体中の筋肉がボコボコッと盛り上がり形を変え、無くなった左足、右手首が再生され皮膚の色が黒く染まっていく

「ゴホッ…ゴホッ…キョウハヤクビダ!コンナニジャホウセキ【邪奉石】ヲツカウコトニナルトハ!マタカレニタノマナイト」

「またかその石か…それで本気でいいんだな?終わった後その邪奉石について聞かせてもらうぞ!」

「クフフフ。マダキョウシャノツモリデスカ?ソノオゴリガハメツ二ミチビキマスヨ!」

両者が同時に距離を詰める
ジャレドは距離を詰めながら禍々しく変化した指先の爪を伸ばしウェインを刺し殺そうとする
しかしウェインは無白で伸びてくる爪を逸らしジャレドに切り掛かろうとする
が、逸らした爪が更に伸び、Uターンしウェインの背後に迫る
体を捻りどうにか躱したが僅かに鎧に掠った
すると当たった所から黒い炎が燃え広がる
ウェインは一旦後ろに下がり、水魔法を使い炎を消そうとするが中々消えない

「ちっ!闇魔法ではなかったか」

「クフフフ!オドロキマシタカ!!ハンブンハセイカイデスネ」

ウェインはその話を聞き次に光魔法を次々に唱える

「・・・なるほど。複合魔法、闇と火の二種類って言う事か。しかし解せんな、一人ではここまで強力な複合魔法は使えない
たとえ魔石を使用したとしても補助程度の力しかないはず」

ウェインは黒炎が消えたのを確認すると再び剣を構えジャレドを睨みつける

「ゴホッ…ソノトオリデスネ。イキルモノスベテハイッシュルイノマリョクニシカヘンカンデキナイ。シカシイマノワタシニハベツノチカラガアリマス、ゴホッゴホッ!…デスカラネ」

「・・・先程言っていた邪奉石が鍵か。なるほど、ならば終わった後に全て吐け!」






ゴッ


ズパッ



ジャレドの胴体に一閃
切れた腹部から先程のウェインと同じ様に黒い炎が現れる

「ナッ!?バカナ!!ナゼオマエガ【ダークフレイム】ヲツカエル!!ソノケンハカゼノマケンノハズ!!」

ジャレドは驚きながらも腹部を押さえ黒炎を鎮火させる

「貴様が教えてくれたからな。簡単な事だ。剣とは別の魔法を使えば同じ様な事が出来る。貴様風に名付けるなら【ダークフレイムブレイド】か?
それにな、この剣は風の魔剣じゃないぞ?」

するとウェインは剣を振り、火、水、風、土、雷、闇と次々に魔法をくり出す

「これの素材はエルシュタット王国初代国王様が使っていた武器【無ノ太刀】に使われているのと同じ素材だ。まぁどんな素材かは詳しい事は知らないが、今の国王が無ノ太刀を打った職人の血筋を探し出し作成されたのが無白
流石に無ノ太刀程の力は無いみたいだが俺には丁度いい。そして…」

ウェインは少し後ろに離れ、剣に魔力を一気に込め始める
すると剣が眩い光を放ち天に向かって伸びていく









「これが俺が天魔と呼ばれる由縁。光魔剣と光魔法のオリジナル二重魔法剣【エタニティ・ヘブン】これで終わりだ!!!!」


ウェインが一気に振り下ろすと光に呑み込まれた木や岩等が次々粉々になり消えていく


バシュ

バシュ


ジャレドは迫り来るエタニティ・ヘブンに魔法を撃ち込むが次から次へと光に呑まれ消える
そして遂にその光がジャレドの身体を包み呑み込む

「〇△□✕%※!」

何か言いながら消えていくジャレド
エタニティ・ヘブンが通った跡には何も残らなく、遠くまで続く真っ直ぐな窪みが出来ていた

「魔力探知に変化なし。はぁ~またアイツに怒られそうだ…ちょっと力込めすぎて死んだから邪奉石の事聞けなかったし、それに帝国からも見えてるだろうから警戒もされそうだ…当分は偵察出来ないだろうな…」

ウェインは頭を抱えながら歩く、倒した魔造物の上で勝利ポーズをとる3匹のウサギの下へ


















???

「ぶっは~マジギリギリセーフ!俺も死ぬとこだったわー!おい起きろジャレド!」

男は気絶しているペシペシと顔を叩く

「・・・グゲゲェ!ググッ…アァアナタデジタかたすカリましタよ」

「・・・それにしてもよく生きてんな。体半分以上消えて無くなってんのに」

男はジャレドの体を見てそう言い放つ
確かに頭は3分の1、体は左半身消えて無くなっている

「いやイヤ~ジャ奉石のおカゲですね。さすガアノ御方のセイメいりょクですヨ」

ジャレドは横たわりながらクフフと笑い喜んでいる

「でもよ~今回の単独行動であいつがめっちゃ怒ってるぞ?今度こそ消されるかもな」

あまり興味が無さそうに話す男
ふぁ~と欠伸をし頭をかいている

「【剣邪】ガですカ?ソレは不味いデすね…」

「まぁ俺は連れ戻せってしか言われてないからな。後は知らないわ。っとそろそろ行くぞ」

男はジャレドの髪を鷲掴みしズルズル引きづり闇に消えていく

「あノ~髪だけハ辞めてイタだきたいデすが…」

「あん?他に掴むとこないだろうが」


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