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第四章 王都エルシュタット

ガモン武器防具店

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(ここが王都の武器屋か
ちょっとわかりにくい場所だったが、マーキスさんに教えてもらった良い鍛冶師はここにいるのか)

ユートは次の日、マーキスからおすすめの鍛冶師を教えてもらっていた
今の刀でも充分な切れ味だが、万が一があると困るので新しい武器が欲しかったのだ
ただ、刀は珍しい武器
それに普通の武器だと自分の力には耐えられない為、一から作って貰おうと考えていた


「ガモン武器防具店か」

ユートはゆっくりとドアを開け中に入る
中には様々な武器や防具が置いてあったが、店員が誰も見当たらない

「奥にいるのかな?すみませーん」






「・・・誰もいないのか?すみま」

「聞こえてるわ!!」

すると奥からドワーフらしき男が姿を現した

「客か?客ならそこら辺から好きに武器を選びな!」

「すみません俺はユートと申します
マーキスさんからこちらで武器を作って貰えるとご紹介をして頂いたのですが・・・」

「おう!俺はガモンだ!!
マーキスからの紹介か?ふむ、アイツが紹介するとはな!ガハハ!
マーキスからなら何か事情があるんだな?話してみろ」

ユートは事情を話す





「ふ~む、なるほどな~確かに普通の武器じゃ耐えられんだろうな!
刀は珍しい武器だしな!俺なら確かに作れる!ガハハ!
とりあえずお前の手を見せろ。それから作るか考えてやる!」

ユートは言われた通り手を出す

「ほ~こりゃ・・・毎日ちゃんと鍛練してるな。マメも出来ないくらい手の皮が厚い」

ガモンが手を触りながら話す

「なるほどな!お前になら作っても構わない!だが、素材から拘るからちょいと時間が掛かるぞ?」

「はい構いません!」

「よし分かった!お前さんの為に作ってやる!
ちなみに何か良い素材でも持って無いか?」

「探してみますね」

ユートは空間に手を入れて素材を探す

(そういえばウルスの素材が丸々あったな。それを出してみるか)

ユートは空間からウルスの爪を出しガモンに見せる

「これは素材になりますか?」

ガモンは目を大きく開き驚く

「こっこりゃ!?ウルスか?ウルスだな!?」

ユートの肩を掴み揺さぶる

「はっはい!ウルスの爪です」

「こんなもん持ってるとはな……お前何もんなんだ!?」

「ただのCランク冒険者ですよ」

「・・・まあ深くは詮索せんわ。ちなみにこれを何処で手に入れた?」

「ミランジュ大森林を探索していたら奥深くにいました
命からがらどうにか狩れたのですが素材が素材なので空間にずっと閉まってました」

「ミランジュ大森林だと!!チルチ村の近くではないか!村は大丈夫だったのか!?」

「はい。村に被害が出る前に倒したので大丈夫です」

「そうだったか!!そりゃよかったわ!
あそこには俺の兄弟が住んでるからな!ガハハ!」

その話を聞いたユートはガモンの顔を見る

(ドワーフ族であの村に居るのはガボンさんしかいないよな?確かに少し似てるかも)

「もしかしてガボンさんですか?」

「おっ?お前知ってるのか!
そうだチルチ村には弟のガボンが住んでる!」

「ガボンさんには良くしてもらったので覚えてます」

「アイツとはもう十年は会ってないがな
・・・ガボンは元気だったか?」

ガモンは遠い目をして話す

「はい!毎日のように柵を直したりお酒を飲んでましたよ」

「ガハハ!ガボンらしいな!アイツは田舎暮らしが性に合うって言ってな
チルチ村に居るのは風の噂で知っていたが・・・
元気なら手紙でも寄越せばいいものを・・・俺がどれだけ心配したか!」

ガモンは涙を浮かべながらそう話した







「すまんな!ちょっと話しが逸れたな!ガハハ!!」

「いえいえ。ガボンさんのご兄弟に会えて俺も嬉しいですよ」

「お前……ユートだったな。ウルスの素材は他に無いか?
あるなら全部置いて行け!俺が最高の武器を作ってやる!お代はいらねえ!!」

「いやいや、お金は払いますよ!」

「ウルスの素材なら余った素材でも充分お釣りが出る!大丈夫だ!」

「本当に大丈夫ですか?」

「男に二言はない!」

食い下がらないガモン

「分かりました。では足りなさそうな素材があったらいつでも連絡ください!
俺はギルドの宿に泊まってますので」

「おう分かった!」

「ではよろしくお願いします!」

「任せとけ!!
ついでにユートの刀を研いでやるよ!」

ユートは刀をガモンに渡す

「ほーこりゃ中々いい刀だな
黒金とミスリルを混ぜてあるのか……ふむふむ」

ガモンは研ぎながら話す





「ほい終わったぞ!こいつに負けない刀を作るから楽しみにしててくれ!ガハハ!!」

研ぎ終わった刀を受け取る

「ありがとうございます。楽しみに待ってますね!
後ついでに色々武器を買いたいのですが大丈夫ですか?」

「ユートは色んな武器使うんだな
おうよ!んじゃ俺が選んでやる!何が欲しいんだ?」

「そうですね・・・」

ユートは色んな武器をガモンに頼んだ










「それではまた来ます!」

「おう!待ってるぞ!」

ユートは長剣、短剣、槍を数本ずつ買って店を後にした


(さてと、明後日からまた試験だな。明日は色々準備をしないとな)



ユートは考えながらギルドの宿に帰って行った
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