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第二章 チルチ村
ゴブリンの巣
しおりを挟む翌朝
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
ユートは早朝から柵の修理を手伝っていた
「とりあえずこの位で大丈夫だ!ガハハッ!!」
大きな声で笑うドワーフのおじさん
ガボンという名前らしい
「ガボンさん。どの位の頻度でここは壊されてるんですか?」
「んっ?ここは森側だからな~大体一ヶ月位だな!
昔は一年は持ったんだが最近は魔物が増えたのか、近くに巣でも作ってるのか早いな!」
「そんなに早いペースなんですか……」
「まだ村からは離れてるから大丈夫だが、いつの間にか壊されてに村に入られるとまずいわな!ガハハッ!!」
豪快に笑いながら話すガボン
ユートは作業をしながら考える
(最近早いか。俺が森にいた時たまに強いやつがいたな。
あぁそういえば、アヴェルが手紙に書いてたな。
「あいつはユニークモンスターだからここにはいないはずなんだけど…」って)
ユートは更に考える
(確か管理してた神が長期間放置してたんだっけか。
となるとその期間に魔物が増えた?
いや、もしくは進化した?
う~ん、情報が足りないな
アヴェルかその管理してた神に情報を教えてほしいもんだな)
ユートは考えながらも作業をしていく
数時間後
「ガハハッ!!ユートおつかれ!!」
ユートの背中をバンバンと叩きながら話しかける
「ガボンさん。お疲れ様でした!」
「おう!おつかれさん!!
今日はこの後どうするんだ?」
「今日はいつもと違う所から森の中に入ってみようと思います」
ユートは時間が空いている時
毎回森に入っていた
狩りをして魔物を村の人に分けてあげれば喜ばれるからだ
「おっ!今日も魔物を狩ってくるんか!
ユートは狩りがうまいからな!
またボアの肉捕れたら一杯やんべ!!」
「ははっ。今日はいるかわかりませんが、
見つけたら確実にご馳走しますよ」
ユートは軽く笑いながら返事をした
「ガハハッ!じゃあまたな!!」
「ではまた!」
ユートは足早にいつもと違う道から森へ向かって行った
数十分後
ユートは雑草の生い茂る道を歩き、森の入口に辿り着いた
(こっちの道は初めてきたが、中々険しい道だったな
しかし・・・こっちから入る森はまた凄いな)
目の前に広がる荒々しく生えている木を見上げそう思いながら森の中に入る
さらに数十分後
ホーンラビットを片手間に倒しながら奥に進んだユートはおかしな場所を見つけた
(んっ?若干草木が凹んでいるな
誰かが通った後だな。結構奥まで続いてる)
不自然に折れ曲がった草木を見ながら奥に進む
ザッザッザッ
ザッザッザッ
ザッザッザッ
少し進むとユートの気配察知が発動した
(?何かいる…結構多いな)
ユートは身を隠しながら奥に進んだ
すると目の前にはユートが住んでいた洞窟よりも少し大きい洞穴が見えた
(あれは……ゴブリンか……見張りが六人か…って事はあそこはゴブリンの巣か?
しかし見張りにあれだけいると中にはどの位いるんだろうか?)
ユートは考えながらゴブリンの方を見る
すると洞穴からグレーウルフに乗ったゴブリンが五匹現れた
ギャギャギャ!
ギャギャギャ?
ギャギャア!!
(ゴブリンライダーってとこか
何か会話してるな。武器を持っている所を見ると何処かに狩りでも行くのか?)
そんな事を考えているとゴブリンライダーは森の中を走って行った
(間違いなくゴブリンの巣穴だな
増えると厄介だ、すぐに殲滅するか
使うなら風か?)
ユートは手のひらに魔力を溜める
すると六本の風の矢が出来上がっていた
その矢をゴブリンに向けて撃つ
「ウィンドアロー+ウィンドブースト」
ユートが放ったウィンドアローはウィンドブーストの付加があり凄まじい速さでゴブリンの頭をヘッドショットした
ゴブリン達は一言も発せず息絶えた
(よし!命中!
魔力操作も大分慣れてきたな
付加も一緒に出来る様になったな)
手をグーパーして感触確かめた
その後、ゴブリンの死体を収納して巣の中へ
入る
(中々広いな…
俺が住んでた洞窟よりしっかりしてるみたいだ)
ポンポンっと石を叩いて確かめる
(そういや、アヴェルの手紙に気配察知使えるなら魔力感知もいけるって書いてあったな
やり方も書いてあったし一回やってみるか)
ユートは身体から薄い魔力放出して、自分の回りに放った
(おお!魔力反応ってやつか!
なるほど。これは使えるな!)
ユートは奥に感じた魔力反応に感心しながら
奥に進む
(感じる魔力は…小が十三…中が一…合計十四か
そこそこいるな
さっき倒したのと出て行ったの合わせて二十五…いや、ウルフ合わせて三十匹か)
ユートはそう考えながらさらに奥に進んで行く
最奥に辿り着き、壁から様子を見る
(真ん中のゴブリンがボスって事か
一人だけ装備が違うな
あれは…ゴブリンナイトか
後は……有象無象か)
中には寝ているゴブリン、何か騒いでいるゴブリン、そして真ん中に静かに座っているゴブリンナイト
(さて、どうするかな
さっき出て行ったゴブリンライダーが帰ってきたら挟撃になる……
危険だからさっさと終わらせるか
どうせゴブリンの巣穴を潰すから一緒に埋めるか)
そう思い、ユートは爆発の火魔法を放った
「プロジオン」
てってれてーてってれてーてててててー!!
またまたお邪魔なタイミングにやっほーい!
みんなの精神安定剤!アヴェルくんだよ~♪
おっほん!
今日は火まほうについておしえるぞよ~
今使った「プロジオン」
これは火魔法の爆発魔法
火魔法の中で中級魔法になるぞよ!
さらに上位には「エクスプロジオン」
最上位は「エクスプロジオンバースト」があるぞよ~
さぁぁぁぁらぁぁぁにぃぃぃ!
補足として魔法は魔法名を発さなくても一応出せるぞい!
ただし!威力は下がるぞい!!
詠唱も同じ
詠唱には魔力を溜める力がある
溜めれば溜める程威力は上がる
言わゆる言霊であるぞよ!
魔法はイメージ~魔法は詠唱~
まっ魔法!君の名は!
ハッ!!!!
じふんの世界に入ってた……
そろそろ終わりのじかんだね!
ではまた来週~またねーノシノシ
presented by アヴェル
ドッガアアアアアアアアアアアン!!
ユートが放ったプロジオンによりゴブリン達がいた空間は落石していた
グギャ!
グゴォ!
zzz…!! ギャ?ゴボォ!
様々な奇声を発し潰されていく
(その内余波でここも崩れるな
さっさと脱出するか【ブースト】)
ユートは無魔法の身体強化(ブースト)を使い来た道を走り去って行った
出口に辿り着き、最後の締めとして出口を土魔法で塞いだ
(さてと、巣は壊滅させたし村に戻るか。日も暮れてきたし)
そう言うとユートは夕日を見ながらブースト使い、颯爽と駆け出した
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