9 / 18
9
しおりを挟む
シーディは習い事が終わるといつも真っ直ぐに部屋に戻っている。この日も部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、ちょうど橋の修繕をしているようで迂回するように言われた。
迂回路を通っていると、ある部屋の中から誰かが会話する声がした。
「候補たちは……」
そんなふうに聞こえたので思わず立ち止まる。
「他の者たちにはそんな知恵はない」
「私の立場も安泰だな」
運命の乙女のことだろうか?
そう思っていると、突然後ろから口を塞がれ横の部屋へ連れ込まれる。シーディは必死に抵抗しようと、自分の口を塞ぐ人物を見るとそれはユニシスだった。
ユニシスは自分の唇に人差し指を立てた。
良く見ると、ユニシスは隠れて行動していたのかいつもより質素な着物を着ている。長い髪も綺麗に結い上げてあり、一見しただけではユニシスだとわからないだろう。
シーディはユニシスにしたがい、頷くと静かにしていた。
「とんだ食わせ者だな。あんなに信頼を得るとは」
「まかせろ。九割九分の真実の中に一分の嘘を入れれば、それは真実になる」
なんの話だろう? そう思っていると、突然会話しているふたりが廊下へ出てきた。
シーディはそのふたりが誰なのか見たかったが、ユニシスに突然抱きしめられ視界を遮られる。
「シーディ、少しすまない」
そう言ってユニシスはさらに強くシーディを抱きしめる。
すると、廊下から先ほど会話していた人物の声がした。
「なんだ、昼間から。逢い引きか」
「くだらない」
そう吐き捨てると去っていく足音がした。足音が聞こえなくなってからも、しばらくユニシスがシーディを抱きしめ続けるので、シーディはユニシスに訊いた。
「陛下、もうよろしいのではないでしょうか」
ユニシスは慌ててシーディを離した。
「すまない」
「いいえ、仕方ないと思います。ところであの人たちは一体」
すると、ユニシスは不機嫌そうに答える。
「お前が気にする必要はない」
これは、深入りするなということだろう。シーディは笑顔で答える。
「わかりました。では失礼いたします」
そう言ってその場を立ち去ろうとしたが、ユニシスに腕をつかまれ引き止められる。
「ちょっと待て。お前、どこへ行くところだ」
「はい、部屋へ戻るところです。いつもはあちらの廊下を通って帰るのですが、今日は改修をしているとかで通れなかったので」
「そうか、ならこれから暇な訳だな。じゃあ少し付き合え」
そう言うと、手をつないで歩き始めた。
「あの、子どもではないので手を繋がなくとも大丈夫です」
シーディがそう言うと、ユニシスは微笑んだ。
「私から見ればお前は十分子どもだ。はぐれないよう大人しく手をつないでいろ」
そう言ってつないでいる手にさらに力を入れた。
どこへ連れていくのだろう?
そう思っていると、ユニシスは後宮の外へと歩きだした。
「陛下、外へ出るのですか?」
「そうだ。お前、家族がいるのだろう? せっかく都に来たのだ、土産でも買えばいい。案内してやろう」
ユニシスに案内役をしてもらうなんて、とんでもないと思いながら答える。
「いいえ、あの土産なら今度リンと一緒に選びますから」
すると、ユニシスは突然立ち止まる。シーディは急に止まれずユニシスの背中にぶつかる。
「す、すみません」
ぶつけた鼻頭を押さえながら、ユニシスの顔を見上げると、不機嫌そうにシーディを見下ろしていた。
「お前は私と買い物に行くのが嫌なのか?」
シーディは慌てて答える。
「いいえ、違います。とても光栄だと思ってます。本当です!!」
必死にそう言うと、ユニシスは声を出して笑った。
「冗談だ。そんなに必死になるな」
「そうなんですね、良かった。では、今日はよろしくお願いいたします」
そう答えて頭を下げた。昔もユニシスは気まぐれなところがあったのを思い出す。だが、優しくて我が儘を言うような人物でもない。
きっとユニシスなりに気を遣ってくれているのだろう。ならば今日は甘えよう。シーディは気持ちを切り替えた。
店の前でシーディが土産を手に取るたびに、背後からユニシスが覗き込んでシーディに訊く。
「それが欲しいのか? お前はそういうものが好きなのか?」
「いいえ、これは妹にそれは弟に。あとは両親への土産も買わないといけませんね」
そう答えた。すると、ユニシスは不思議そうに言った。
「では、お前の土産は?」
シーディは首を横に振った。
「私の土産は、後宮でたくさんのことを学んだり見たり出来たことです。これ以上はいりません」
これは本音だった。それに、本当は運命の乙女候補ではないことがわかっているのに、追放もされずに贅沢をさせてもらっている。
これ以上望めば、罰が当たるのではないかと思っていた。
「そうか、実にお前らしい」
そう言って微笑んだ。
シーディはどれにするか迷ってしまい、店を行ったり来たりしたのだが、ユニシスは辛抱強くそれに付き合ってくれた。
「行ったり来たりと、申し訳ありません」
「なにを言っている。私が行こうと言ったのだから付き合って当然だろう。不思議なことを言う。ゆっくり選べ」
「はい」
そのあと、やっと両親へのお土産を決めた。ユニシスは代金を払おうとしたが、シーディはそれを断った。家族へのお土産は自分で買いたかったからだ。
買い物がすむと、後宮に戻るのかと思っていたがユニシスが手を引いて後宮と反対方向へ歩きだした。
「あの、後宮は反対方向です」
「お前、後宮に来てから外には出ていないのだろう? せっかくだ、いい場所に連れていってやる」
そう言うと、街を抜け丘の上へ歩き始めた。
「疲れたら言え、担いでやるから」
「は、はい」
シーディはユニシスに担いでもらうわけにはいかないと、必死でその後を歩いた。だが、途中でユニシスはなにも言わずにシーディを縦抱きに抱き上げた。
「あの、陛下?! 私は大丈夫です!」
「嘘をつけ、足に豆でもてきたのだろう。その履き物は外出には向いていないな。ほら落ちないように首に手を回せ」
「ですが……」
「お前がしっかりつかんでくれないと、余計に疲れる」
そう言われ、シーディはユニシスの首に手を回した。ふわっとユニシスの独特な体臭がした。嫌な匂いではなく、花のような甘い独特な香りだ。
昔はこの匂いを嗅ぐと安心したものだった。
「さて、着いた」
そう言うとユニシスはゆっくりと振り返る。すると、眼下に都の街並みが広がり、店先の提灯などが美しくキラキラと光り、それに照らし出された朱色の建物がより一層美しく見えた。
その向こうに長い橋が湖の上に伸び、その先に後宮が見えた。
湖に空が反射して、後宮はまるで空中に浮いているように見える。
「凄い!! 上から見るとこんなに美しく見えるのですね!」
シーディは思わずそう叫んだ。前世では後宮に上がってからは、外に出たことがなくこんな景色見たことがなかった。
「そうだ、美しいだろう」
しばらく無言でそれを見つめる。お互いに同じものを見てはいるが、きっと立場上お互いに見えているものが違うのだろう。そんなことを考えた。
この景色を、ユン様は今どんな気持ちで眺めているのだろう。
そう思いユニシスの顔を見ると、ユニシスと目が合った。ユニシスが街並みではなくシーディの顔を見つめていたからだ。
シーディは恥ずかしくてすぐに目を逸らすと、ユニシスはそれを見てクスクスと笑い景色に視線を戻した。
「さぁ、いつまでも見ていられる景色だが、早く戻らないとお前の帰りを待つものが心配するな」
そう言うと、そのまま丘を下り始めた。
後宮へ戻ると、ユニシスはシーディを部屋まで送り届けてくれた。
「今日はとても楽しく過ごせました。それに土産を買うこともできましたし、本当に素晴らしい一日でした。ありがとうございます」
「いや、私も気晴らしになった。それとお前にこれをやる」
そう言って花と鳥の美しい細工の簪を懐から取り出した。それは買い物途中でシーディが一度手に取ったものだった。
「陛下、よろしいのですか?」
「あぁ、私が持っていても仕方がないからな。お前にやる」
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいますね!」
すると、ユニシスは満足そうに頷くと去っていった。
迂回路を通っていると、ある部屋の中から誰かが会話する声がした。
「候補たちは……」
そんなふうに聞こえたので思わず立ち止まる。
「他の者たちにはそんな知恵はない」
「私の立場も安泰だな」
運命の乙女のことだろうか?
そう思っていると、突然後ろから口を塞がれ横の部屋へ連れ込まれる。シーディは必死に抵抗しようと、自分の口を塞ぐ人物を見るとそれはユニシスだった。
ユニシスは自分の唇に人差し指を立てた。
良く見ると、ユニシスは隠れて行動していたのかいつもより質素な着物を着ている。長い髪も綺麗に結い上げてあり、一見しただけではユニシスだとわからないだろう。
シーディはユニシスにしたがい、頷くと静かにしていた。
「とんだ食わせ者だな。あんなに信頼を得るとは」
「まかせろ。九割九分の真実の中に一分の嘘を入れれば、それは真実になる」
なんの話だろう? そう思っていると、突然会話しているふたりが廊下へ出てきた。
シーディはそのふたりが誰なのか見たかったが、ユニシスに突然抱きしめられ視界を遮られる。
「シーディ、少しすまない」
そう言ってユニシスはさらに強くシーディを抱きしめる。
すると、廊下から先ほど会話していた人物の声がした。
「なんだ、昼間から。逢い引きか」
「くだらない」
そう吐き捨てると去っていく足音がした。足音が聞こえなくなってからも、しばらくユニシスがシーディを抱きしめ続けるので、シーディはユニシスに訊いた。
「陛下、もうよろしいのではないでしょうか」
ユニシスは慌ててシーディを離した。
「すまない」
「いいえ、仕方ないと思います。ところであの人たちは一体」
すると、ユニシスは不機嫌そうに答える。
「お前が気にする必要はない」
これは、深入りするなということだろう。シーディは笑顔で答える。
「わかりました。では失礼いたします」
そう言ってその場を立ち去ろうとしたが、ユニシスに腕をつかまれ引き止められる。
「ちょっと待て。お前、どこへ行くところだ」
「はい、部屋へ戻るところです。いつもはあちらの廊下を通って帰るのですが、今日は改修をしているとかで通れなかったので」
「そうか、ならこれから暇な訳だな。じゃあ少し付き合え」
そう言うと、手をつないで歩き始めた。
「あの、子どもではないので手を繋がなくとも大丈夫です」
シーディがそう言うと、ユニシスは微笑んだ。
「私から見ればお前は十分子どもだ。はぐれないよう大人しく手をつないでいろ」
そう言ってつないでいる手にさらに力を入れた。
どこへ連れていくのだろう?
そう思っていると、ユニシスは後宮の外へと歩きだした。
「陛下、外へ出るのですか?」
「そうだ。お前、家族がいるのだろう? せっかく都に来たのだ、土産でも買えばいい。案内してやろう」
ユニシスに案内役をしてもらうなんて、とんでもないと思いながら答える。
「いいえ、あの土産なら今度リンと一緒に選びますから」
すると、ユニシスは突然立ち止まる。シーディは急に止まれずユニシスの背中にぶつかる。
「す、すみません」
ぶつけた鼻頭を押さえながら、ユニシスの顔を見上げると、不機嫌そうにシーディを見下ろしていた。
「お前は私と買い物に行くのが嫌なのか?」
シーディは慌てて答える。
「いいえ、違います。とても光栄だと思ってます。本当です!!」
必死にそう言うと、ユニシスは声を出して笑った。
「冗談だ。そんなに必死になるな」
「そうなんですね、良かった。では、今日はよろしくお願いいたします」
そう答えて頭を下げた。昔もユニシスは気まぐれなところがあったのを思い出す。だが、優しくて我が儘を言うような人物でもない。
きっとユニシスなりに気を遣ってくれているのだろう。ならば今日は甘えよう。シーディは気持ちを切り替えた。
店の前でシーディが土産を手に取るたびに、背後からユニシスが覗き込んでシーディに訊く。
「それが欲しいのか? お前はそういうものが好きなのか?」
「いいえ、これは妹にそれは弟に。あとは両親への土産も買わないといけませんね」
そう答えた。すると、ユニシスは不思議そうに言った。
「では、お前の土産は?」
シーディは首を横に振った。
「私の土産は、後宮でたくさんのことを学んだり見たり出来たことです。これ以上はいりません」
これは本音だった。それに、本当は運命の乙女候補ではないことがわかっているのに、追放もされずに贅沢をさせてもらっている。
これ以上望めば、罰が当たるのではないかと思っていた。
「そうか、実にお前らしい」
そう言って微笑んだ。
シーディはどれにするか迷ってしまい、店を行ったり来たりしたのだが、ユニシスは辛抱強くそれに付き合ってくれた。
「行ったり来たりと、申し訳ありません」
「なにを言っている。私が行こうと言ったのだから付き合って当然だろう。不思議なことを言う。ゆっくり選べ」
「はい」
そのあと、やっと両親へのお土産を決めた。ユニシスは代金を払おうとしたが、シーディはそれを断った。家族へのお土産は自分で買いたかったからだ。
買い物がすむと、後宮に戻るのかと思っていたがユニシスが手を引いて後宮と反対方向へ歩きだした。
「あの、後宮は反対方向です」
「お前、後宮に来てから外には出ていないのだろう? せっかくだ、いい場所に連れていってやる」
そう言うと、街を抜け丘の上へ歩き始めた。
「疲れたら言え、担いでやるから」
「は、はい」
シーディはユニシスに担いでもらうわけにはいかないと、必死でその後を歩いた。だが、途中でユニシスはなにも言わずにシーディを縦抱きに抱き上げた。
「あの、陛下?! 私は大丈夫です!」
「嘘をつけ、足に豆でもてきたのだろう。その履き物は外出には向いていないな。ほら落ちないように首に手を回せ」
「ですが……」
「お前がしっかりつかんでくれないと、余計に疲れる」
そう言われ、シーディはユニシスの首に手を回した。ふわっとユニシスの独特な体臭がした。嫌な匂いではなく、花のような甘い独特な香りだ。
昔はこの匂いを嗅ぐと安心したものだった。
「さて、着いた」
そう言うとユニシスはゆっくりと振り返る。すると、眼下に都の街並みが広がり、店先の提灯などが美しくキラキラと光り、それに照らし出された朱色の建物がより一層美しく見えた。
その向こうに長い橋が湖の上に伸び、その先に後宮が見えた。
湖に空が反射して、後宮はまるで空中に浮いているように見える。
「凄い!! 上から見るとこんなに美しく見えるのですね!」
シーディは思わずそう叫んだ。前世では後宮に上がってからは、外に出たことがなくこんな景色見たことがなかった。
「そうだ、美しいだろう」
しばらく無言でそれを見つめる。お互いに同じものを見てはいるが、きっと立場上お互いに見えているものが違うのだろう。そんなことを考えた。
この景色を、ユン様は今どんな気持ちで眺めているのだろう。
そう思いユニシスの顔を見ると、ユニシスと目が合った。ユニシスが街並みではなくシーディの顔を見つめていたからだ。
シーディは恥ずかしくてすぐに目を逸らすと、ユニシスはそれを見てクスクスと笑い景色に視線を戻した。
「さぁ、いつまでも見ていられる景色だが、早く戻らないとお前の帰りを待つものが心配するな」
そう言うと、そのまま丘を下り始めた。
後宮へ戻ると、ユニシスはシーディを部屋まで送り届けてくれた。
「今日はとても楽しく過ごせました。それに土産を買うこともできましたし、本当に素晴らしい一日でした。ありがとうございます」
「いや、私も気晴らしになった。それとお前にこれをやる」
そう言って花と鳥の美しい細工の簪を懐から取り出した。それは買い物途中でシーディが一度手に取ったものだった。
「陛下、よろしいのですか?」
「あぁ、私が持っていても仕方がないからな。お前にやる」
「ありがとうございます。大切に使わせてもらいますね!」
すると、ユニシスは満足そうに頷くと去っていった。
113
お気に入りに追加
1,184
あなたにおすすめの小説
聖なる乙女は竜騎士を選んだ
鈴元 香奈
恋愛
ルシアは八歳の時に聖なる力があるとわかり、辺境の村から王都の神殿に聖乙女として連れて来られた。
それから十六年、ひたすらこの国のために祈り続ける日々を送っていたが、ようやく力も衰えてきてお役御免となった。
長年聖乙女として務めたルシアに、多額の金品とともに、結婚相手を褒賞として与えられることになった。
望む相手を問われたルシアは、何ものにも囚われることなく自由に大空を舞う竜騎士を望んだ。
しかし、この国には十二人の竜騎士しかおらず、その中でも独身は史上最年少で竜騎士となった弱冠二十歳のカイオだけだった。
歴代最長の期間聖乙女を務めた二十四歳の女性と、彼女より四歳年下の誇り高い竜騎士の物語。
三島 至様主催の『聖夜の騎士企画』に参加させていただきます。
本編完結済みです。
小説家になろうさんにも投稿しています。

純白の牢獄
ゆる
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
【完結】婚約破棄された悪役令嬢ですが、魔法薬の勉強をはじめたら留学先の皇子に求婚されました
楠結衣
恋愛
公爵令嬢のアイリーンは、婚約者である第一王子から婚約破棄を言い渡される。
王子の腕にすがる男爵令嬢への嫌がらせを謝罪するように求められるも、身に覚えのない謝罪はできないと断る。その態度に腹を立てた王子から国外追放を命じられてしまった。
アイリーンは、王子と婚約がなくなったことで諦めていた魔法薬師になる夢を叶えることを決意。
薬草の聖地と呼ばれる薬草大国へ、魔法薬の勉強をするために向う。
魔法薬の勉強をする日々は、とても充実していた。そこで出会ったレオナード王太子の優しくて甘い態度に心惹かれていくアイリーン。
ところが、アイリーンの前に再び第一王子が現れ、アイリーンの心は激しく動揺するのだった。
婚約破棄され、諦めていた魔法薬師の夢に向かって頑張るアイリーンが、彼女を心から愛する優しいドラゴン獣人である王太子と愛を育むハッピーエンドストーリーです。
命がけの恋~13回目のデスループを回避する為、婚約者の『護衛騎士』を攻略する
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<死のループから抜け出す為、今から貴方を攻略させて頂きます。>
全く気乗りがしないのに王子の婚約者候補として城に招かれた私。気づけば鐘の音色と共に、花畑の中で彼の『護衛騎士』に剣で胸を貫かれていた。薄れゆく意識の中・・これが12回目の死であることに気づきながら死んでいく私。けれど次の瞬間何故かベッドの中で目が覚めた。そして時間が戻っている事を知る。そこで今度は殺されない為に、私は彼を『攻略』することを心に決めた―。
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。

俺の婚約者は地味で陰気臭い女なはずだが、どうも違うらしい。
ミミリン
恋愛
ある世界の貴族である俺。婚約者のアリスはいつもボサボサの髪の毛とぶかぶかの制服を着ていて陰気な女だ。幼馴染のアンジェリカからは良くない話も聞いている。
俺と婚約していても話は続かないし、婚約者としての役目も担う気はないようだ。
そんな婚約者のアリスがある日、俺のメイドがふるまった紅茶を俺の目の前でわざとこぼし続けた。
こんな女とは婚約解消だ。
この日から俺とアリスの関係が少しずつ変わっていく。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる