13 / 46
12
しおりを挟む
するとちょうどその時、遠くからエメやアトラスの護衛たちとドミニクが駆けつけ、息を切らせ肩を上下させながら言った。
「お嬢様、傍を離れたことをお許しください。何故か突然モンスターの群れに囲まれてしまったのです。問題はありませんでしたか?」
アドリエンヌは顔をひきつらせながら答える。
「そ、そうなんですのね。いないことに気づきませんでしたわ」
するとアトラスがアドリエンヌの前に立つと心配そうに尋ねる。
「アドリエンヌ、どういうことなのか話してほしい」
そう迫られ、嘘はつけないと思い護衛たちにもとの配置に戻るように指示すると、話し始めた。
「先に謝りますわ。実は私、ずっと嘘をついていたんですの」
ルシールがアドリエンヌに質問する。
「どんな嘘を?」
「実は私、すべての魔法を完璧に操ることができますの」
「じゃあ今まで特訓してきたのも、できるのにできないように私たちに見せていたということ?」
「そうですの。ごめんなさい」
しばらく沈黙が続いたあと、ルシールが口を開く。
「でも、アドリエンヌがそんな嘘をつくなんてなにか理由があるのでしょう? なぜ、そんな嘘をついたの?」
「誰にも言わないでほしいのですけれど、王太子殿下との婚約を解消したかったからですわ」
その理由にエメは驚く。
「婚約の解消?! それはなぜですか? 君は学園に入学当初はとても王太子殿下に思いを寄せていたようにお見受けしましたが、なぜそんな……」
「気持ちが変わったんですの。だって王太子殿下は私のことをなんとも思ってらっしゃらないでしょう? だから婚約の解消をして、自分を愛してくれる人と、その、婚姻したかったんですわ」
そう答えて、恥ずかしくなったアドリエンヌは俯いた。するとルシールがアドリエンヌの顔を覗き込みじっと見つめた。
「その気持ち、私は凄く良くわかる! そうよね、お互いに尊敬し合える相手でないとダメよね?」
そこでエメがその会話を遮るように言った。
「ちょっと待ってください。僕はアレクシ殿下が君をなんとも思っていないとは思いません。それに、婚約の解消と力を隠すことになんのつながりが……。あぁ、そうか、アレクシ殿下に知られてしまうのが困るということか」
「そうなんですの、こんなに力を使えることが知られてしまったら、絶対に婚約の解消なんてしてもらえませんわ。それに、今ならとても優秀なシャウラ様もいらっしゃることですし、利益重視で彼女を選んでくれるのではないかと」
「なるほど、だから王太子殿下とブロン子爵令嬢がペアを組んでも君は怒らなかったのですね?」
「そうですわ」
「だとしても、です。君がそんな力を持っているということは、国を根本から変えてしまいかねない事象です。それを黙っていることだけでもあまりよくないことではないでしょうか?」
「もちろん、いずれ私が王太子殿下以外の誰かと婚姻したら隠さず本当のことを言うつもりですわ」
「いや、そういう問題ではないと思います。それにアレクシ殿下以外の誰かと、というのはとてもよろしくない」
そこで突然アトラスが割って入りアドリエンヌを背後に隠した。
「ここはアドリエンヌ様の言う通りにするべきだ。彼女は尊い存在なんだ、我々はそんな彼女の望む通りにするべきだと思うが」
その変わりように驚いたアドリエンヌはアトラスの服の裾を掴むと、顔を見上げた。
「アトラス? そんな、尊いとかそこまでは私自身も思ってませんわ」
するとアトラスは振り返りアドリエンヌの前に跪いて手を取った。
「いいえ、あなたは尊い人です。その力、あなたはきっと神の子『フィリウスディ』に間違いないでしょう」
アドリエンヌは思わず顔をひきつらせた。
「ち、違いますわ。絶対にあり得ませんわ」
するとエメが合点がいったとでも言いたげな顔で言った。
「なるほど、確かに。今までの歴史の中でも、こんなに魔法を自在に操った者は出てきませんでした。これが表だって発表されれば大変なことになるかもしれませんね」
その台詞にアドリエンヌは即座に反応する。
「それは困りますわ!」
困惑するアドリエンヌをルシールは尊敬の眼差しで見つめた。
「アドリエンヌ、でもすごいじゃない! もっと胸を張ってもいいのに」
アドリエンヌは戸惑いながら答える。
「えっと、そんなにすごいことではありませんの。それに私は私ですわ」
するとアトラスが羨望の眼差しでアドリエンヌを見つめる。
「自分を飾らず偽らない。そんなあなただからこそ、『フィリウスディ』に相応しいのです」
アドリエンヌはアトラスに向きなおる。
「本当にまだ私が『フィリウスディ』だと決まったわけではありませんわ。すべての魔法を操れるといってもそんなに大した力ではないかもしれませんし。とにかく、この事は今は誰にも言わないでほしいんですの」
それにはことがことだけに、全員が納得したようで三人ともすぐに承諾した。だが、その後エメはしばらく考えて付け加える。
「君の力のことはとりあえず黙っておきましょう。ですが、今日ここにデビルドラゴンが現れたこと、その時に護衛がモンスターに囲まれ足止めをされたこと。これは学園側に報告した方がいいでしょうね。ドラゴンを追い払ったのはあとから駆けつけた護衛たちがやったことにすればいいと思います」
「わかりましたわ。ありがとうございます」
そう言って頭を下げようとするアドリエンヌを、アトラスが止める。
「アドリエンヌ様、あなたが我々に頭を下げるようなことがあってはならない」
「アトラス、私を呼ぶときに敬称をつける必要はありませんわ。それに、私に対する態度も今まで通りにしていただけないかしら?」
「それは……。わかりました、それがあなたの望みならば」
そうして護衛たちとつじつま合わせの話合いをしているところに、エメが飛ばした使い魔に呼ばれた教師たちが駆けつけてきた。
「エメ! アドリエンヌ! ルシールもアトラスも無事か?!」
そう言って駆け寄ると、全員の無事を確認し心底ほっとしたような顔をした。
「良かった、君たちは無事だったんだな。ところでデビルドラゴンは?」
その質問にエメが答える。
「はい。護衛の者たちが追い払いました」
「そうか。とにかく君たちに被害がなくてなによりだ。君たちには詳しい話を聞きたいから来てくれ。今日のテストは中止だ、しばらく安全が確認できるまで森は閉鎖する」
アドリエンヌはもう少しで課題をクリアしそうだったのにと、少し残念に思った。
同じことを考えていたのか、エメが質問する。
「僕たちの課題の合否はどうなりますか?」
「それも含めて検討する必要があるだろう。まずは君たちに事情をきかなければね。そういうことで、課題のやり直しが決まったわけではないから心配しないように」
それを聞いてみんなホッとしたような顔をした。
「お嬢様、傍を離れたことをお許しください。何故か突然モンスターの群れに囲まれてしまったのです。問題はありませんでしたか?」
アドリエンヌは顔をひきつらせながら答える。
「そ、そうなんですのね。いないことに気づきませんでしたわ」
するとアトラスがアドリエンヌの前に立つと心配そうに尋ねる。
「アドリエンヌ、どういうことなのか話してほしい」
そう迫られ、嘘はつけないと思い護衛たちにもとの配置に戻るように指示すると、話し始めた。
「先に謝りますわ。実は私、ずっと嘘をついていたんですの」
ルシールがアドリエンヌに質問する。
「どんな嘘を?」
「実は私、すべての魔法を完璧に操ることができますの」
「じゃあ今まで特訓してきたのも、できるのにできないように私たちに見せていたということ?」
「そうですの。ごめんなさい」
しばらく沈黙が続いたあと、ルシールが口を開く。
「でも、アドリエンヌがそんな嘘をつくなんてなにか理由があるのでしょう? なぜ、そんな嘘をついたの?」
「誰にも言わないでほしいのですけれど、王太子殿下との婚約を解消したかったからですわ」
その理由にエメは驚く。
「婚約の解消?! それはなぜですか? 君は学園に入学当初はとても王太子殿下に思いを寄せていたようにお見受けしましたが、なぜそんな……」
「気持ちが変わったんですの。だって王太子殿下は私のことをなんとも思ってらっしゃらないでしょう? だから婚約の解消をして、自分を愛してくれる人と、その、婚姻したかったんですわ」
そう答えて、恥ずかしくなったアドリエンヌは俯いた。するとルシールがアドリエンヌの顔を覗き込みじっと見つめた。
「その気持ち、私は凄く良くわかる! そうよね、お互いに尊敬し合える相手でないとダメよね?」
そこでエメがその会話を遮るように言った。
「ちょっと待ってください。僕はアレクシ殿下が君をなんとも思っていないとは思いません。それに、婚約の解消と力を隠すことになんのつながりが……。あぁ、そうか、アレクシ殿下に知られてしまうのが困るということか」
「そうなんですの、こんなに力を使えることが知られてしまったら、絶対に婚約の解消なんてしてもらえませんわ。それに、今ならとても優秀なシャウラ様もいらっしゃることですし、利益重視で彼女を選んでくれるのではないかと」
「なるほど、だから王太子殿下とブロン子爵令嬢がペアを組んでも君は怒らなかったのですね?」
「そうですわ」
「だとしても、です。君がそんな力を持っているということは、国を根本から変えてしまいかねない事象です。それを黙っていることだけでもあまりよくないことではないでしょうか?」
「もちろん、いずれ私が王太子殿下以外の誰かと婚姻したら隠さず本当のことを言うつもりですわ」
「いや、そういう問題ではないと思います。それにアレクシ殿下以外の誰かと、というのはとてもよろしくない」
そこで突然アトラスが割って入りアドリエンヌを背後に隠した。
「ここはアドリエンヌ様の言う通りにするべきだ。彼女は尊い存在なんだ、我々はそんな彼女の望む通りにするべきだと思うが」
その変わりように驚いたアドリエンヌはアトラスの服の裾を掴むと、顔を見上げた。
「アトラス? そんな、尊いとかそこまでは私自身も思ってませんわ」
するとアトラスは振り返りアドリエンヌの前に跪いて手を取った。
「いいえ、あなたは尊い人です。その力、あなたはきっと神の子『フィリウスディ』に間違いないでしょう」
アドリエンヌは思わず顔をひきつらせた。
「ち、違いますわ。絶対にあり得ませんわ」
するとエメが合点がいったとでも言いたげな顔で言った。
「なるほど、確かに。今までの歴史の中でも、こんなに魔法を自在に操った者は出てきませんでした。これが表だって発表されれば大変なことになるかもしれませんね」
その台詞にアドリエンヌは即座に反応する。
「それは困りますわ!」
困惑するアドリエンヌをルシールは尊敬の眼差しで見つめた。
「アドリエンヌ、でもすごいじゃない! もっと胸を張ってもいいのに」
アドリエンヌは戸惑いながら答える。
「えっと、そんなにすごいことではありませんの。それに私は私ですわ」
するとアトラスが羨望の眼差しでアドリエンヌを見つめる。
「自分を飾らず偽らない。そんなあなただからこそ、『フィリウスディ』に相応しいのです」
アドリエンヌはアトラスに向きなおる。
「本当にまだ私が『フィリウスディ』だと決まったわけではありませんわ。すべての魔法を操れるといってもそんなに大した力ではないかもしれませんし。とにかく、この事は今は誰にも言わないでほしいんですの」
それにはことがことだけに、全員が納得したようで三人ともすぐに承諾した。だが、その後エメはしばらく考えて付け加える。
「君の力のことはとりあえず黙っておきましょう。ですが、今日ここにデビルドラゴンが現れたこと、その時に護衛がモンスターに囲まれ足止めをされたこと。これは学園側に報告した方がいいでしょうね。ドラゴンを追い払ったのはあとから駆けつけた護衛たちがやったことにすればいいと思います」
「わかりましたわ。ありがとうございます」
そう言って頭を下げようとするアドリエンヌを、アトラスが止める。
「アドリエンヌ様、あなたが我々に頭を下げるようなことがあってはならない」
「アトラス、私を呼ぶときに敬称をつける必要はありませんわ。それに、私に対する態度も今まで通りにしていただけないかしら?」
「それは……。わかりました、それがあなたの望みならば」
そうして護衛たちとつじつま合わせの話合いをしているところに、エメが飛ばした使い魔に呼ばれた教師たちが駆けつけてきた。
「エメ! アドリエンヌ! ルシールもアトラスも無事か?!」
そう言って駆け寄ると、全員の無事を確認し心底ほっとしたような顔をした。
「良かった、君たちは無事だったんだな。ところでデビルドラゴンは?」
その質問にエメが答える。
「はい。護衛の者たちが追い払いました」
「そうか。とにかく君たちに被害がなくてなによりだ。君たちには詳しい話を聞きたいから来てくれ。今日のテストは中止だ、しばらく安全が確認できるまで森は閉鎖する」
アドリエンヌはもう少しで課題をクリアしそうだったのにと、少し残念に思った。
同じことを考えていたのか、エメが質問する。
「僕たちの課題の合否はどうなりますか?」
「それも含めて検討する必要があるだろう。まずは君たちに事情をきかなければね。そういうことで、課題のやり直しが決まったわけではないから心配しないように」
それを聞いてみんなホッとしたような顔をした。
367
お気に入りに追加
725
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
キャラ文芸
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる