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第百三十五話 情報共有
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そう言うとアウルスを出迎え、苦笑いをした。
「アズルには話していませんでしたわね、これには色々事情がありますの」
そう言ったあと、今度はムスカリに向き直り質問する。
「殿下、アズルに話してもよろしいでしょうか?」
ムスカリはしばらく沈黙したのち、嫌そうに口を開く。
「見られてしまったのだから、仕方あるまい。話すしかないだろう」
「ありがとうございます」
お礼をするとアウルスに向き直り、麻疹は誕生会を欠席するための嘘であることを、今までの経緯とともにかいつまんで話した。
「なるほど、そういうことだったのだね。とにかく君が本当に麻疹に罹ったわけではないならそれに越したことはない。安心した」
「心配させてしまってごめんなさい」
「気にする必要はないよ」
そう言うと、お互いに微笑み合った。
「お嬢様、立ち話はなんですから、特使どのには座っていただくか、お帰りになってもらったらどうでしょうか?」
リカオンにそう言われ、アルメリアは慌ててアウルスに椅子を勧めた。
「ありがとう、アンジー。では、私もこのお茶会に参加させていただきます」
その場で軽く頭を下げると、アウルスは椅子に腰かけた。すると、その場にいる全員が一瞬嫌そうな顔をした。
そこでアルメリアはアウルスと初対面の人間もいたので、軽く紹介することにした。
「アズル、紹介しますわね。先ほど私を気づかってくださった紳士はリアム・ディ・パウエル侯爵令息ですわ。それとその奥にいる方はロベリア騎士団、場内統括のスパルタカスですわ」
紹介されるとお互い、頭を下げる。
「リカオンや、ムスカリ王太子殿下にはお会いしたことがありますものね」
「はい」
アウルスはムスカリに頭を下げる。ムスカリはそれを制した。
「私も君同様に公の訪問ではない。挨拶は抜きでかまわない」
そのときまたも、ペルシックがアルメリアの視界に入り目配せした。アルメリアは慌ててドアの方を見ると、そこにルーファスが立っていた。
「ルフス?! 貴男もいらしたんですのね」
「はい、貴女が屋敷からでられず退屈しているかと思いまして。ですが、私のでる幕はなかったようですね」
残念そうにそう言うルーファスをアルメリアは笑顔で出迎える。
「そんなことありませんわ。こうして皆で話せるのは楽しいですもの。さぁ、どうぞ座って」
そうして座るように促しルーファスが腰かけたところで、ルーファスにもアウルスを紹介する。
「ルフス、こちら帝国の特使のアズルですわ。アズル、こちらチューベローズ教のルーファス助祭」
すると、アウルスは鋭い眼差しでルーファスを見た。
「チューベローズの……」
アルメリアは慌てて説明する。
「アズル、問題ありませんわ彼は信頼できる方ですから」
「本当に? まぁ、君がそう言うのならそうなんだろう。それに、あの組織のすべての人間が堕落していると言うわけではないしね」
そう言ってルーファスに微笑んだ。それを見て、ルーファスは申し訳なさそうに言った。
「私の組織の一部の人間が信頼を裏切るような行いをしているようで、本当に申し訳ありません」
「ルフスが悪いわけではありませんもの、謝る必要なんてありませんわ」
そう言ってアルメリアも微笑みかけた。アウルスもルーファスに頭を下げた。
「私も初対面の人間に対して、その立ち位置のみで判断して疑い申し訳なかった」
そうして、アウルスの誤解を解いたところでアルメリアは、せっかくこれだけの人間が揃ったのだから、問題のローズクリーン貿易に関して情報の共有をすることにした。
もう皆をこれだけ巻き込んでしまったのだ、後戻りはできない。ならば、トラブルが起きないようにすることの方が大切だと考えた。
「これだけの人間が集まったところで、お話ししたいことがありますわ」
それにムスカリが答える。
「もしかしてそれは、ローズクリーンのことか?」
アルメリアは頷く。
「そうですわ。今ここにいる皆さんは私の不注意やお願いによってローズクリーンのことを調べていてくれていると思いますわ。ですから情報共有をする必要があると思いますの」
アルメリアがそう言うと、その場にいるもの全員が頷いて返した。
それを確認すると、アルメリアは話し始めた。
「では、まずは時系列で説明させていただきますわね」
アルメリアはツルスでヘンリーが不審船を拿捕したことを全員に話して聞かせた。
「この件に関して、殿下にはお話ししたと思いますけれどそのとき隠したことがありますわ」
ムスカリは頷いて答える。
「ローズクリーンがチューベローズの組織だということだな? 君が言わなかったから黙っていたが、部下からはそういった報告を受けて知っていた」
「やはりご存知でしたのね? 隠していて申し訳ありません」
アルメリアが頭を下げると、ムスカリはそれを制した。
「いや、君にも色々考えがあったのだろう? それにこうして今話してくれたのだから、もういい。話の続きをしよう」
「はい。そのときの乗組員を城下に連れてきて尋問をすると殿下には報告しましたわ。爺、結果は出ていて?」
「はい、お嬢様。現在報告書は作成中ですが、本日の午後には手元にお届けできるかと存じます。しかし、口頭で宜しければ報告をさせていただきます」
「簡潔にお願いしますわ」
「承知いたしました。結論から申し上げますと、賊はクチヤ海域を縄張りとしているキッドと名乗る海賊の部下でした。キッドとチューベローズが手を組んでいるとの証言が得られました」
「爺、ありがとう。ご苦労様でした、彼らの口を割らせるのは苦労したと思いますわ」
そう言ってペルシックに微笑むと、ペルシックは深々と頭を下げた。
アルメリアはムスカリに向き直る。
「この証拠の確認をしていただくために、殿下に証人を引き渡しますわ。それと違法薬物の出所もおそらく、キッドが横流ししたものだと思いますわ。これも殿下にお渡しいたしますわ」
「わかった、あずかろう」
「ありがとうございます」
そこでルーファスが手を軽く挙げる。その場にいた全員がルーファスに注目した。
「すみません、少し発言をお許しください。私はチューベローズの人間です。ですので先日アルメリアにローズクリーンについて聞かれました」
ルーファスはアルメリアにローズクリーンについての書類を入手してほしいと頼まれたことを話した。
「先ほどは皆さんの手前、アルメリアが時間を持て余しているかもしれないから訪問したと言いましたが、実は頼まれていた書類を手に入れたのでこちらに伺ったのです」
「アズルには話していませんでしたわね、これには色々事情がありますの」
そう言ったあと、今度はムスカリに向き直り質問する。
「殿下、アズルに話してもよろしいでしょうか?」
ムスカリはしばらく沈黙したのち、嫌そうに口を開く。
「見られてしまったのだから、仕方あるまい。話すしかないだろう」
「ありがとうございます」
お礼をするとアウルスに向き直り、麻疹は誕生会を欠席するための嘘であることを、今までの経緯とともにかいつまんで話した。
「なるほど、そういうことだったのだね。とにかく君が本当に麻疹に罹ったわけではないならそれに越したことはない。安心した」
「心配させてしまってごめんなさい」
「気にする必要はないよ」
そう言うと、お互いに微笑み合った。
「お嬢様、立ち話はなんですから、特使どのには座っていただくか、お帰りになってもらったらどうでしょうか?」
リカオンにそう言われ、アルメリアは慌ててアウルスに椅子を勧めた。
「ありがとう、アンジー。では、私もこのお茶会に参加させていただきます」
その場で軽く頭を下げると、アウルスは椅子に腰かけた。すると、その場にいる全員が一瞬嫌そうな顔をした。
そこでアルメリアはアウルスと初対面の人間もいたので、軽く紹介することにした。
「アズル、紹介しますわね。先ほど私を気づかってくださった紳士はリアム・ディ・パウエル侯爵令息ですわ。それとその奥にいる方はロベリア騎士団、場内統括のスパルタカスですわ」
紹介されるとお互い、頭を下げる。
「リカオンや、ムスカリ王太子殿下にはお会いしたことがありますものね」
「はい」
アウルスはムスカリに頭を下げる。ムスカリはそれを制した。
「私も君同様に公の訪問ではない。挨拶は抜きでかまわない」
そのときまたも、ペルシックがアルメリアの視界に入り目配せした。アルメリアは慌ててドアの方を見ると、そこにルーファスが立っていた。
「ルフス?! 貴男もいらしたんですのね」
「はい、貴女が屋敷からでられず退屈しているかと思いまして。ですが、私のでる幕はなかったようですね」
残念そうにそう言うルーファスをアルメリアは笑顔で出迎える。
「そんなことありませんわ。こうして皆で話せるのは楽しいですもの。さぁ、どうぞ座って」
そうして座るように促しルーファスが腰かけたところで、ルーファスにもアウルスを紹介する。
「ルフス、こちら帝国の特使のアズルですわ。アズル、こちらチューベローズ教のルーファス助祭」
すると、アウルスは鋭い眼差しでルーファスを見た。
「チューベローズの……」
アルメリアは慌てて説明する。
「アズル、問題ありませんわ彼は信頼できる方ですから」
「本当に? まぁ、君がそう言うのならそうなんだろう。それに、あの組織のすべての人間が堕落していると言うわけではないしね」
そう言ってルーファスに微笑んだ。それを見て、ルーファスは申し訳なさそうに言った。
「私の組織の一部の人間が信頼を裏切るような行いをしているようで、本当に申し訳ありません」
「ルフスが悪いわけではありませんもの、謝る必要なんてありませんわ」
そう言ってアルメリアも微笑みかけた。アウルスもルーファスに頭を下げた。
「私も初対面の人間に対して、その立ち位置のみで判断して疑い申し訳なかった」
そうして、アウルスの誤解を解いたところでアルメリアは、せっかくこれだけの人間が揃ったのだから、問題のローズクリーン貿易に関して情報の共有をすることにした。
もう皆をこれだけ巻き込んでしまったのだ、後戻りはできない。ならば、トラブルが起きないようにすることの方が大切だと考えた。
「これだけの人間が集まったところで、お話ししたいことがありますわ」
それにムスカリが答える。
「もしかしてそれは、ローズクリーンのことか?」
アルメリアは頷く。
「そうですわ。今ここにいる皆さんは私の不注意やお願いによってローズクリーンのことを調べていてくれていると思いますわ。ですから情報共有をする必要があると思いますの」
アルメリアがそう言うと、その場にいるもの全員が頷いて返した。
それを確認すると、アルメリアは話し始めた。
「では、まずは時系列で説明させていただきますわね」
アルメリアはツルスでヘンリーが不審船を拿捕したことを全員に話して聞かせた。
「この件に関して、殿下にはお話ししたと思いますけれどそのとき隠したことがありますわ」
ムスカリは頷いて答える。
「ローズクリーンがチューベローズの組織だということだな? 君が言わなかったから黙っていたが、部下からはそういった報告を受けて知っていた」
「やはりご存知でしたのね? 隠していて申し訳ありません」
アルメリアが頭を下げると、ムスカリはそれを制した。
「いや、君にも色々考えがあったのだろう? それにこうして今話してくれたのだから、もういい。話の続きをしよう」
「はい。そのときの乗組員を城下に連れてきて尋問をすると殿下には報告しましたわ。爺、結果は出ていて?」
「はい、お嬢様。現在報告書は作成中ですが、本日の午後には手元にお届けできるかと存じます。しかし、口頭で宜しければ報告をさせていただきます」
「簡潔にお願いしますわ」
「承知いたしました。結論から申し上げますと、賊はクチヤ海域を縄張りとしているキッドと名乗る海賊の部下でした。キッドとチューベローズが手を組んでいるとの証言が得られました」
「爺、ありがとう。ご苦労様でした、彼らの口を割らせるのは苦労したと思いますわ」
そう言ってペルシックに微笑むと、ペルシックは深々と頭を下げた。
アルメリアはムスカリに向き直る。
「この証拠の確認をしていただくために、殿下に証人を引き渡しますわ。それと違法薬物の出所もおそらく、キッドが横流ししたものだと思いますわ。これも殿下にお渡しいたしますわ」
「わかった、あずかろう」
「ありがとうございます」
そこでルーファスが手を軽く挙げる。その場にいた全員がルーファスに注目した。
「すみません、少し発言をお許しください。私はチューベローズの人間です。ですので先日アルメリアにローズクリーンについて聞かれました」
ルーファスはアルメリアにローズクリーンについての書類を入手してほしいと頼まれたことを話した。
「先ほどは皆さんの手前、アルメリアが時間を持て余しているかもしれないから訪問したと言いましたが、実は頼まれていた書類を手に入れたのでこちらに伺ったのです」
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