106 / 190
第百五話 生きてこそ
しおりを挟む
しばらく夢中でオペラグラスを覗き込んでいたが、アルメリアはふとムスカリも楽しんでくれているだろうかと思い、そちらに視線をやる。
すると、熱っぽくアルメリアを見つめてくるムスカリの視線とぶつかり、アルメリアの心臓は大きく鼓動した。思わず目をそらそうとすると、ムスカリが口を開く。
「君はセントローズの伝説の内容を知っているか?」
もちろん、アルメリアはその伝説を本で読んで知っていた。
それは戦の最中の出来事だった。戦の要であった、イキシア騎士団の団長が不治の病にかかってしまったのだ。チュウベローズ教のシスターだったローズは夜通し神に祈りを捧げ、その祈りが通じると神からお告げがあった。
『お前の命と引き換えになら、その願いを叶えてやろう』
ローズは、迷いなく答える。
『この国の多くの民を救うためになら、この命を捧げることになんの躊躇がありましょう。喜んでこの命を捧げます』
そのときローズの瞳から、光輝く一粒の大きな涙がこぼれ落ちた。すると、その涙がこぼれ落ちた場所から芽がのび、その芽は蔓となりあっという間に大きく育ち、光輝く黄金の薔薇を咲かせた。ローズが急いでそれを床に伏している団長の上に掲げると、団長は光に包まれあっという間に病が治ったのだった。
団長はローズにお礼を言い、彼女に必ず勝利を勝ち取ることを誓うと戦場へ赴いた。そして宣言通りに無事に敵を打ち負かすことができたのだ。勝利を勝ち取ることができた団長は国へもどると、すぐに戦果の報告をするためにローズのもとへ訪れるが、ローズは自身の命と引き換えにその涙を流したために、すでに亡くなっていた。
団長はローズに深く感謝し、ローズの亡くなった日をセントローズ感謝祭として、その伝説を後世まで語り継がせることにした、といった内容だった。
「はい。ローズがその命で団長を、国を救った話ですわ」
「そうだ。だが、その話しには違う意味の話もあったのを、君は知っているか?」
そう言われ、アルメリアは少し考えるが思い浮かばなかった。
「いいえ、知りませんわ」
ムスカリは頷くと話し始める。
「この伝説は悲恋の話なんだそうだ。ローズは団長に恋し、団長もまたローズを愛していた。だが、ローズはシスターであり、恋愛ごとは固く禁止されていた。そんなときに団長が倒れ、その話を聞いたローズは、自分の命と引き換えに彼の病気を治して欲しいと神に強く祈った。すると、その気持ちが届き命と引き換えに彼を救ったというものだ」
「そうなんですの。ところで、そのお話はどちらでお知りになられたのですか?」
「城内には古書が収蔵されていてね、そこにこの話が書かれている書物も残されていた」
そこは以前リカオンと、教会本部の設計図を見に行った場所だろう。時間があるときに、あの古書室で教会のことを調べるのも良いかもしれない。そんなことを思っていると、ムスカリが言った。
「チュウベローズでは恋愛は欲としてタブー視されているために、この話は悲恋の話として語られることはほとんどなくなった」
この伝説にそんな経緯があるとは驚きだった。教会が絡んでいなければ、オペラなどの題材になっていたかもしれない。
「とても美しい物語だと思いますわ。ローズは愛を別の形で貫いたのですものね」
アルメリアが素直に感想を述べると、ムスカリは悲しげに微笑む。
「そうだろうか? 私はね、君を見ているとローズのことを思い出す。君なら命と引き換えにでも、大切なものを守ろうとするだろう」
「どうでしょうか。私はいつも自分がしたいと思うことしかしていませんわ。もしもそれで命を落としてしまったとしたら、それはそれで本望なのではないかと思います」
ムスカリは苦笑した。
「そうかもしれないな、それは否定できない。ところで、君は自分のことを第一に考えたことはあるか? 貴族令嬢としての普通の幸せを望んだことはないのか? 贅を尽くし綺麗に着飾り舞踏会へ行き、刺繍をして夫を待ちながら屋敷で優雅に過ごす。そんな普通の日常を望んだことは?」
アルメリアは思わず無言になった。確かに、今の生活に不満はないし前世の記憶のお陰もあり、充実した日々を送っていてとても満足している。
だが、もしも自分の人生が破滅へ進むと知らなければ? もしくは破滅へと向かわないことが確定しているならば? はたしてどうだったろう。
毎日執務に追われることなく、社交界デビューまで教育を施され、決められた相手と結婚し子供を生む。そんな幸せな人生だってあったはずだ。
沈黙するアルメリアを見つめ、ムスカリは更に畳み掛けるように言った。
「私は君がなにか目的のためだけに、いつも自分を犠牲にしているように見える」
「そんなことは……」
ないとは言い切れなかった。俯くアルメリアの手を、更に強く握るとムスカリは優しく言った。
「勘違いしないでほしい、君を攻めているわけではない。ただ、初めてセントローズの悲恋の話を読んだとき、私は、私が団長だったならば、ローズを守るために病気と戦い、教会の規律など変えてでもローズと結ばれる道を模索しただろうと思った」
いつも冷静で感情に流されない策略家であるムスカリが、そんなことを言うとはと驚いて無言で見つめた。ムスカリはアルメリアから視線を外し、前方にある遠くの山々を見つめながら、穏やかに話を続ける。
「だからこそローズには、なにがあっても生きていて欲しいと思っただろう。騎士団長が勝利し国に凱旋帰国したとき、ローズの亡骸を目の前にして彼はなにを思っただろうか。それは、はたして本当の勝利と言えただろうか」
つらそうにそう言うと、視線をアルメリアに戻す。
「私の言いたいことがわかるか?」
アルメリアは黙って頷く。それを見るとムスカリは優しく微笑む。
「もしも、何かあったときは自分を犠牲にするのではなく、みなで共に苦難を乗り越え生きることを第一に考えて欲しい。これは私からのお願いだ、いいね?」
ムスカリはじっとアルメリアの瞳の奥を覗き込む。その視線から、これがムスカリの本心であることは明白だった。アルメリアは自分のことをそこまで考えていてくれることに強く胸を打たれた。
「わかりました、そこまでお心を砕いてくださったこと、決して忘れません」
ムスカリはアルメリアの指先にキスをすると微笑む。
「さぁ、演劇はいよいよクライマックスだ。最後まで一緒に感謝祭を楽しもう」
そう言って、前方を向いた。
感謝祭が終わり、アルメリアを屋敷まで見送るとムスカリは寂しそうに微笑む。
「明日も会えるとわかってはいても、離れがたいものだな」
そう言って、宮廷へ戻っていった。
すると、熱っぽくアルメリアを見つめてくるムスカリの視線とぶつかり、アルメリアの心臓は大きく鼓動した。思わず目をそらそうとすると、ムスカリが口を開く。
「君はセントローズの伝説の内容を知っているか?」
もちろん、アルメリアはその伝説を本で読んで知っていた。
それは戦の最中の出来事だった。戦の要であった、イキシア騎士団の団長が不治の病にかかってしまったのだ。チュウベローズ教のシスターだったローズは夜通し神に祈りを捧げ、その祈りが通じると神からお告げがあった。
『お前の命と引き換えになら、その願いを叶えてやろう』
ローズは、迷いなく答える。
『この国の多くの民を救うためになら、この命を捧げることになんの躊躇がありましょう。喜んでこの命を捧げます』
そのときローズの瞳から、光輝く一粒の大きな涙がこぼれ落ちた。すると、その涙がこぼれ落ちた場所から芽がのび、その芽は蔓となりあっという間に大きく育ち、光輝く黄金の薔薇を咲かせた。ローズが急いでそれを床に伏している団長の上に掲げると、団長は光に包まれあっという間に病が治ったのだった。
団長はローズにお礼を言い、彼女に必ず勝利を勝ち取ることを誓うと戦場へ赴いた。そして宣言通りに無事に敵を打ち負かすことができたのだ。勝利を勝ち取ることができた団長は国へもどると、すぐに戦果の報告をするためにローズのもとへ訪れるが、ローズは自身の命と引き換えにその涙を流したために、すでに亡くなっていた。
団長はローズに深く感謝し、ローズの亡くなった日をセントローズ感謝祭として、その伝説を後世まで語り継がせることにした、といった内容だった。
「はい。ローズがその命で団長を、国を救った話ですわ」
「そうだ。だが、その話しには違う意味の話もあったのを、君は知っているか?」
そう言われ、アルメリアは少し考えるが思い浮かばなかった。
「いいえ、知りませんわ」
ムスカリは頷くと話し始める。
「この伝説は悲恋の話なんだそうだ。ローズは団長に恋し、団長もまたローズを愛していた。だが、ローズはシスターであり、恋愛ごとは固く禁止されていた。そんなときに団長が倒れ、その話を聞いたローズは、自分の命と引き換えに彼の病気を治して欲しいと神に強く祈った。すると、その気持ちが届き命と引き換えに彼を救ったというものだ」
「そうなんですの。ところで、そのお話はどちらでお知りになられたのですか?」
「城内には古書が収蔵されていてね、そこにこの話が書かれている書物も残されていた」
そこは以前リカオンと、教会本部の設計図を見に行った場所だろう。時間があるときに、あの古書室で教会のことを調べるのも良いかもしれない。そんなことを思っていると、ムスカリが言った。
「チュウベローズでは恋愛は欲としてタブー視されているために、この話は悲恋の話として語られることはほとんどなくなった」
この伝説にそんな経緯があるとは驚きだった。教会が絡んでいなければ、オペラなどの題材になっていたかもしれない。
「とても美しい物語だと思いますわ。ローズは愛を別の形で貫いたのですものね」
アルメリアが素直に感想を述べると、ムスカリは悲しげに微笑む。
「そうだろうか? 私はね、君を見ているとローズのことを思い出す。君なら命と引き換えにでも、大切なものを守ろうとするだろう」
「どうでしょうか。私はいつも自分がしたいと思うことしかしていませんわ。もしもそれで命を落としてしまったとしたら、それはそれで本望なのではないかと思います」
ムスカリは苦笑した。
「そうかもしれないな、それは否定できない。ところで、君は自分のことを第一に考えたことはあるか? 貴族令嬢としての普通の幸せを望んだことはないのか? 贅を尽くし綺麗に着飾り舞踏会へ行き、刺繍をして夫を待ちながら屋敷で優雅に過ごす。そんな普通の日常を望んだことは?」
アルメリアは思わず無言になった。確かに、今の生活に不満はないし前世の記憶のお陰もあり、充実した日々を送っていてとても満足している。
だが、もしも自分の人生が破滅へ進むと知らなければ? もしくは破滅へと向かわないことが確定しているならば? はたしてどうだったろう。
毎日執務に追われることなく、社交界デビューまで教育を施され、決められた相手と結婚し子供を生む。そんな幸せな人生だってあったはずだ。
沈黙するアルメリアを見つめ、ムスカリは更に畳み掛けるように言った。
「私は君がなにか目的のためだけに、いつも自分を犠牲にしているように見える」
「そんなことは……」
ないとは言い切れなかった。俯くアルメリアの手を、更に強く握るとムスカリは優しく言った。
「勘違いしないでほしい、君を攻めているわけではない。ただ、初めてセントローズの悲恋の話を読んだとき、私は、私が団長だったならば、ローズを守るために病気と戦い、教会の規律など変えてでもローズと結ばれる道を模索しただろうと思った」
いつも冷静で感情に流されない策略家であるムスカリが、そんなことを言うとはと驚いて無言で見つめた。ムスカリはアルメリアから視線を外し、前方にある遠くの山々を見つめながら、穏やかに話を続ける。
「だからこそローズには、なにがあっても生きていて欲しいと思っただろう。騎士団長が勝利し国に凱旋帰国したとき、ローズの亡骸を目の前にして彼はなにを思っただろうか。それは、はたして本当の勝利と言えただろうか」
つらそうにそう言うと、視線をアルメリアに戻す。
「私の言いたいことがわかるか?」
アルメリアは黙って頷く。それを見るとムスカリは優しく微笑む。
「もしも、何かあったときは自分を犠牲にするのではなく、みなで共に苦難を乗り越え生きることを第一に考えて欲しい。これは私からのお願いだ、いいね?」
ムスカリはじっとアルメリアの瞳の奥を覗き込む。その視線から、これがムスカリの本心であることは明白だった。アルメリアは自分のことをそこまで考えていてくれることに強く胸を打たれた。
「わかりました、そこまでお心を砕いてくださったこと、決して忘れません」
ムスカリはアルメリアの指先にキスをすると微笑む。
「さぁ、演劇はいよいよクライマックスだ。最後まで一緒に感謝祭を楽しもう」
そう言って、前方を向いた。
感謝祭が終わり、アルメリアを屋敷まで見送るとムスカリは寂しそうに微笑む。
「明日も会えるとわかってはいても、離れがたいものだな」
そう言って、宮廷へ戻っていった。
20
お気に入りに追加
712
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢、推しを生かすために転生したようです
みゅー
恋愛
ヴィヴィアンは自分が転生していることに気づくと同時に、前世でもっとも最推しであった婚約者のカーランが死んでしまうことを思い出す。
自分を愛してはくれない、そんな王子でもヴィヴィアンにとって命をかけてでも助けたい相手だった。
それからヴィヴィアンの体を張り命懸でカーランを守る日々が始まった。
王太子殿下が好きすぎてつきまとっていたら嫌われてしまったようなので、聖女もいることだし悪役令嬢の私は退散することにしました。
みゅー
恋愛
王太子殿下が好きすぎるキャロライン。好きだけど嫌われたくはない。そんな彼女の日課は、王太子殿下を見つめること。
いつも王太子殿下の行く先々に出没して王太子殿下を見つめていたが、ついにそんな生活が終わるときが来る。
聖女が現れたのだ。そして、さらにショックなことに、自分が乙女ゲームの世界に転生していてそこで悪役令嬢だったことを思い出す。
王太子殿下に嫌われたくはないキャロラインは、王太子殿下の前から姿を消すことにした。そんなお話です。
ちょっと切ないお話です。
忘れられた妻
毛蟹葵葉
恋愛
結婚初夜、チネロは夫になったセインに抱かれることはなかった。
セインは彼女に積もり積もった怒りをぶつけた。
「浅ましいお前の母のわがままで、私は愛する者を伴侶にできなかった。それを止めなかったお前は罪人だ。顔を見るだけで吐き気がする」
セインは婚約者だった時とは別人のような冷たい目で、チネロを睨みつけて吐き捨てた。
「3年間、白い結婚が認められたらお前を自由にしてやる。私の妻になったのだから飢えない程度には生活の面倒は見てやるが、それ以上は求めるな」
セインはそれだけ言い残してチネロの前からいなくなった。
そして、チネロは、誰もいない別邸へと連れて行かれた。
三人称の練習で書いています。違和感があるかもしれません
令嬢戦士と召喚獣〈1〉 〜 ワケあり侯爵令嬢ですがうっかり蛇の使い魔を召喚したところ王子に求婚される羽目になりました 〜
Elin
ファンタジー
【24/4/24 更新再開しました。】
人と召喚獣が共生して生きる国《神国アルゴン》。ブラッドリー侯爵家の令嬢ライラは婿探しのため引き籠もり生活を脱して成人の儀式へと臨む。
私の召喚獣は猫かしら?
それともウサギ?モルモット?
いいえ、蛇です。
しかもこの蛇、しゃべるんですが......。
前代未聞のしゃべる蛇に神殿は大パニック。しかも外で巨大キメラまで出現してもう大混乱。運良くその場にいた第二王子の活躍で事態は一旦収まるものの、後日蛇が強力なスキルの使い手だと判明したことをきっかけに引き籠もり令嬢の日常は一変する。
恋愛ありバトルあり、そして蛇あり。
『令嬢戦士と召喚獣』シリーズの序章、始まりはじまり。
÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷
『令嬢戦士と召喚獣』シリーズ
第一巻(完結済) シリーズ序章
https://www.alphapolis.co.jp/novel/841381876/415807748
第二巻(連載中) ※毎日更新
https://www.alphapolis.co.jp/novel/841381876/627853636
※R15作品ですが、一巻は導入巻となるためライトです。二巻以降で恋愛、バトル共に描写が増えます。少年少女漫画を超える表現はしませんが、苦手な方は閲覧お控えください。
※恋愛ファンタジーですがバトル要素も強く、ヒロイン自身も戦いそれなりに負傷します。一般的な令嬢作品とは異なりますためご注意ください。
÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷÷
モブの私がなぜかヒロインを押し退けて王太子殿下に選ばれました
みゅー
恋愛
その国では婚約者候補を集め、その中から王太子殿下が自分の婚約者を選ぶ。
ケイトは自分がそんな乙女ゲームの世界に、転生してしまったことを知った。
だが、ケイトはそのゲームには登場しておらず、気にせずそのままその世界で自分の身の丈にあった普通の生活をするつもりでいた。だが、ある日宮廷から使者が訪れ、婚約者候補となってしまい……
そんなお話です。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる