18 / 190
第十八話 アルメリアの気苦労
しおりを挟む
アルメリアはスパルタカスに微笑む。
「そこにいる彼は私の部下ですの」
そう言って部下を見た。
「ギル、こちらイキシア騎士団城内統括のスパルタカス閣下ですわ。貴方の初めてのお仕事です。城内統括の案内をよろしくお願いしますわ」
そう指示を出すと、部下は頷き口を開いた。
「これからクンシラン領を案内させていただく、ギルと申します。不自由のないように誠心誠意尽くす所存です。どうかよろしくお願い致します」
そう言って頭を下げた。それを見てアルメリアは、スパルタカスの方へ向き直った。
「忙しい身の上でしょうから、お時間に限りはあると思いますけれど、領地を見ていただければ少しでも私の人となりを知る参考になると思いますわ。そのあとで相談役に不適合かどうか判断していただいても遅くはないと思いますの。どうぞ時間が許す限りゆっくりしてらしてください」
そう言われたスパルタカスは、動揺したままクンシラン領へと連れていかれた。
「お嬢様、大丈夫でございましたか?」
そう言ってペルシックはアルメリアにソーサーごとティーカップを差し出した。アルメリアはほっとしながらそれを受け取る。
「爺、ありがとう、大丈夫ですわ。これから先も同じような難癖をつけてくる人は沢山いるでしょうし、全てに腹を立てていてはきりがないですものね。それに下手に問い詰めると、意地になって自分の間違いを否定したり、酷ければ激昂することもありえましたから、あのような対応をするしかありませんでしたわ」
そして、一息ついて話を続ける。
「スパルタカスは生粋の叩き上げですわ。実力の伴わない者がこねで昇進し、目の前で愚行を犯すのを何度も見てきたんでしょう。それが許せない気持ちもわからなくはないの。それにしても今回はあまりにもお粗末でしたけれど」
そう言って、ひとくちお茶を飲むとティーカップを手に持っているソーサーに置き、ふっと笑う。
「それにしても、作ったばかりの営業マニュアルと育て上げた人材を、私を嫌っている人物で試せるんですもの。こんなにラッキーなことはないかもしれませんわね。きっと彼なら遠慮なく意見を言ってくれるでしょうし、良いデータが取れそうですわ。まぁ、彼に案内したのは一番長い一週間のコースですから、契約する気のない物の営業を延々とされて、うんざりして途中で断って帰るのが関の山かもしれませんけれど」
そう言ってアルメリアは、何事もなかったかのように自分の仕事へ戻った。
スパルタカスの件は、彼のあの愚直な性格からしてアルメリアの悪い噂を流すようには思えず、特にそういった心配はしていなかった。それにこんな小娘にやり込められてしまったのだ、恥ずかしくて吹聴などできないだろう。
そもそも、スパルタカスのことなど気にしてはいられないほど忙しかったのも確かで、アルメリアはスパルタカスの存在をすっかり忘れ、自分の仕事に没頭していた。
今のままでは領地内での仕事が忙しすぎて相談役を兼任するなどできる状況ではない。なので、かねてから考えていたことを実行することにした。クンシラン領の事業の細かい細分化と組織化である。
現在は事細かにアルメリアが指示を出しているが、細分化することによって各々の役割をしっかり与え、組織化し各部署のトップが独自に判断し指示を出すようにすれば、結果の報告だけアルメリアが受ければ良くなり、大分楽になる。
これがうまくいけば、アルメリアがいなくとも問題に対処しうまく運営できるようになるだろう。
アンジーのお店では、健康食品と銘打って糠漬けや味噌なども売るようにすると、市井で健康ブームが訪れた。そのお陰でアンジーのお店は売り上げを落とすことはなかった。
そんな中、味噌漬けチーズを売り出すとそれが発酵塩レモンと並んでヒットしたことで、更に売り上げが上がることとなった。
ちょうど以前設立した専門学校から優秀な人材が育ち始めたところだったのも、タイミングが良かった。これで優秀な人材も現場投入でき、組織化が更にスムーズに進んだのだ。
もちろんアルメリアに相談したいことがあれば、いつでも聞ける体制は崩さないようにした。
こうして事業がアルメリアの手から離れ、以前よりだいぶ余裕ができてきたそんなとき、思いがけない報告がペルシックからあった。
「お嬢様、城内統括が正式にお嬢様にお会いしたいと面会を申し込まれていますが、いかがなさいますか?」
アルメリアはまさか向こうから会いに来るとは思ってもおらず、驚きながらも正式に抗議に来たのなら、少し厄介なことになってしまったかもしれないと思った。
ペルシックは先日のことで心配している様子だった。だが、それでもアルメリアは逃げずに対峙し、クレームも、領地についての意見も全て聞きたかった。
「問題ありませんわ」
そう言ってスパルタカスとの面会を許可し、予定を開けた。それにしても、以前はアポも取らずに突撃してきたことを考えると、段階を踏んで面会の予定を入れてきたことに、少しはなにか思うことがあったのかもしれない。そう思った。
しばらくして、アルメリアの執務室にスパルタカスが通された。以前と同じく笑顔で迎え、ソファに座るように促す。
「本日はどのようなご用件で?」
アルメリアが優しく言うと、スパルタカスは深く頭を下げた。
「本日はこんな私に時間をとってもらい、ありがとうございます。今日は先日の非礼の詫びと、その後の報告をさせてもらいに参りました」
アルメリアは、彼にどういった心境の変化をもたらしたのだろうか? と、不思議に思いながら頷いて話の先を促す。スパルタカスは更に頭を下げソファに座った。
「閣下に先日図星をつかれ、クンシラン領の案内をされている間、愚かにも私は侮辱されたような気持ちになっていたのです」
アルメリアは年端も行かぬ小娘にあんなに無下にされたのだから、それも当然だろうと思いながら黙って相づちをつく。
スパルタカスは自嘲気味に微笑んだ。
「それでも、閣下の部下による丁寧な説明を受けているうちに冷静さを取り戻し、改めて真剣にクンシラン領の現状に目を向けたのです。私が滞在している一週間の間、何度か閣下が領地を訪れている姿、領民の素晴らしい幸せそうな表情、そうしてお互いが信頼している姿を見ました。そこで、この領地には幸せが循環しているということに気づいたのです。そうすることによって、この平和が保たれていることにも気づきました。まぁ、それは閣下が制定した領内での条令や掟、法整備にそれに伴い整ったインフラや、自警団組織などの整備等の基礎があってのことですが」
流石に褒めすぎだと思ったアルメリアは苦笑した。
「そこにいる彼は私の部下ですの」
そう言って部下を見た。
「ギル、こちらイキシア騎士団城内統括のスパルタカス閣下ですわ。貴方の初めてのお仕事です。城内統括の案内をよろしくお願いしますわ」
そう指示を出すと、部下は頷き口を開いた。
「これからクンシラン領を案内させていただく、ギルと申します。不自由のないように誠心誠意尽くす所存です。どうかよろしくお願い致します」
そう言って頭を下げた。それを見てアルメリアは、スパルタカスの方へ向き直った。
「忙しい身の上でしょうから、お時間に限りはあると思いますけれど、領地を見ていただければ少しでも私の人となりを知る参考になると思いますわ。そのあとで相談役に不適合かどうか判断していただいても遅くはないと思いますの。どうぞ時間が許す限りゆっくりしてらしてください」
そう言われたスパルタカスは、動揺したままクンシラン領へと連れていかれた。
「お嬢様、大丈夫でございましたか?」
そう言ってペルシックはアルメリアにソーサーごとティーカップを差し出した。アルメリアはほっとしながらそれを受け取る。
「爺、ありがとう、大丈夫ですわ。これから先も同じような難癖をつけてくる人は沢山いるでしょうし、全てに腹を立てていてはきりがないですものね。それに下手に問い詰めると、意地になって自分の間違いを否定したり、酷ければ激昂することもありえましたから、あのような対応をするしかありませんでしたわ」
そして、一息ついて話を続ける。
「スパルタカスは生粋の叩き上げですわ。実力の伴わない者がこねで昇進し、目の前で愚行を犯すのを何度も見てきたんでしょう。それが許せない気持ちもわからなくはないの。それにしても今回はあまりにもお粗末でしたけれど」
そう言って、ひとくちお茶を飲むとティーカップを手に持っているソーサーに置き、ふっと笑う。
「それにしても、作ったばかりの営業マニュアルと育て上げた人材を、私を嫌っている人物で試せるんですもの。こんなにラッキーなことはないかもしれませんわね。きっと彼なら遠慮なく意見を言ってくれるでしょうし、良いデータが取れそうですわ。まぁ、彼に案内したのは一番長い一週間のコースですから、契約する気のない物の営業を延々とされて、うんざりして途中で断って帰るのが関の山かもしれませんけれど」
そう言ってアルメリアは、何事もなかったかのように自分の仕事へ戻った。
スパルタカスの件は、彼のあの愚直な性格からしてアルメリアの悪い噂を流すようには思えず、特にそういった心配はしていなかった。それにこんな小娘にやり込められてしまったのだ、恥ずかしくて吹聴などできないだろう。
そもそも、スパルタカスのことなど気にしてはいられないほど忙しかったのも確かで、アルメリアはスパルタカスの存在をすっかり忘れ、自分の仕事に没頭していた。
今のままでは領地内での仕事が忙しすぎて相談役を兼任するなどできる状況ではない。なので、かねてから考えていたことを実行することにした。クンシラン領の事業の細かい細分化と組織化である。
現在は事細かにアルメリアが指示を出しているが、細分化することによって各々の役割をしっかり与え、組織化し各部署のトップが独自に判断し指示を出すようにすれば、結果の報告だけアルメリアが受ければ良くなり、大分楽になる。
これがうまくいけば、アルメリアがいなくとも問題に対処しうまく運営できるようになるだろう。
アンジーのお店では、健康食品と銘打って糠漬けや味噌なども売るようにすると、市井で健康ブームが訪れた。そのお陰でアンジーのお店は売り上げを落とすことはなかった。
そんな中、味噌漬けチーズを売り出すとそれが発酵塩レモンと並んでヒットしたことで、更に売り上げが上がることとなった。
ちょうど以前設立した専門学校から優秀な人材が育ち始めたところだったのも、タイミングが良かった。これで優秀な人材も現場投入でき、組織化が更にスムーズに進んだのだ。
もちろんアルメリアに相談したいことがあれば、いつでも聞ける体制は崩さないようにした。
こうして事業がアルメリアの手から離れ、以前よりだいぶ余裕ができてきたそんなとき、思いがけない報告がペルシックからあった。
「お嬢様、城内統括が正式にお嬢様にお会いしたいと面会を申し込まれていますが、いかがなさいますか?」
アルメリアはまさか向こうから会いに来るとは思ってもおらず、驚きながらも正式に抗議に来たのなら、少し厄介なことになってしまったかもしれないと思った。
ペルシックは先日のことで心配している様子だった。だが、それでもアルメリアは逃げずに対峙し、クレームも、領地についての意見も全て聞きたかった。
「問題ありませんわ」
そう言ってスパルタカスとの面会を許可し、予定を開けた。それにしても、以前はアポも取らずに突撃してきたことを考えると、段階を踏んで面会の予定を入れてきたことに、少しはなにか思うことがあったのかもしれない。そう思った。
しばらくして、アルメリアの執務室にスパルタカスが通された。以前と同じく笑顔で迎え、ソファに座るように促す。
「本日はどのようなご用件で?」
アルメリアが優しく言うと、スパルタカスは深く頭を下げた。
「本日はこんな私に時間をとってもらい、ありがとうございます。今日は先日の非礼の詫びと、その後の報告をさせてもらいに参りました」
アルメリアは、彼にどういった心境の変化をもたらしたのだろうか? と、不思議に思いながら頷いて話の先を促す。スパルタカスは更に頭を下げソファに座った。
「閣下に先日図星をつかれ、クンシラン領の案内をされている間、愚かにも私は侮辱されたような気持ちになっていたのです」
アルメリアは年端も行かぬ小娘にあんなに無下にされたのだから、それも当然だろうと思いながら黙って相づちをつく。
スパルタカスは自嘲気味に微笑んだ。
「それでも、閣下の部下による丁寧な説明を受けているうちに冷静さを取り戻し、改めて真剣にクンシラン領の現状に目を向けたのです。私が滞在している一週間の間、何度か閣下が領地を訪れている姿、領民の素晴らしい幸せそうな表情、そうしてお互いが信頼している姿を見ました。そこで、この領地には幸せが循環しているということに気づいたのです。そうすることによって、この平和が保たれていることにも気づきました。まぁ、それは閣下が制定した領内での条令や掟、法整備にそれに伴い整ったインフラや、自警団組織などの整備等の基礎があってのことですが」
流石に褒めすぎだと思ったアルメリアは苦笑した。
11
お気に入りに追加
714
あなたにおすすめの小説
【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
妹と寝たんですか?エセ聖女ですよ?~妃の座を奪われかけた令嬢の反撃~
岡暁舟
恋愛
100年に一度の確率で、令嬢に宿るとされる、聖なる魂。これを授かった令嬢は聖女と認定され、無条件で時の皇帝と婚約することになる。そして、その魂を引き当てたのが、この私、エミリー・バレットである。
本来ならば、私が皇帝と婚約することになるのだが、どういうわけだか、偽物の聖女を名乗る不届き者がいるようだ。その名はジューン・バレット。私の妹である。
別にどうしても皇帝と婚約したかったわけではない。でも、妹に裏切られたと思うと、少し癪だった。そして、既に二人は一夜を過ごしてしまったそう!ジューンの笑顔と言ったら……ああ、憎たらしい!
そんなこんなで、いよいよ私に名誉挽回のチャンスが回ってきた。ここで私が聖女であることを証明すれば……。
【本編完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
八重
恋愛
社交界で『稀代の歌姫』の名で知られ、王太子の婚約者でもあったエリーヌ・ブランシェ。
皆の憧れの的だった彼女はある夜会の日、親友で同じ歌手だったロラに嫉妬され、彼女の陰謀で歌声を失った──
ロラに婚約者も奪われ、歌声も失い、さらに冤罪をかけられて牢屋に入れられる。
そして王太子の命によりエリーヌは、『毒公爵』と悪名高いアンリ・エマニュエル公爵のもとへと嫁ぐことになる。
仕事を理由に初日の挨拶もすっぽかされるエリーヌ。
婚約者を失ったばかりだったため、そっと夫を支えていけばいい、愛されなくてもそれで構わない。
エリーヌはそう思っていたのに……。
翌日廊下で会った後にアンリの態度が急変!!
「この娘は誰だ?」
「アンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」
「僕は、結婚したのか?」
側近の言葉も仕事に夢中で聞き流してしまっていたアンリは、自分が結婚したことに気づいていなかった。
自分にこんなにも魅力的で可愛い奥さんが出来たことを知り、アンリの溺愛と好き好き攻撃が止まらなくなり──?!
■恋愛に初々しい夫婦の溺愛甘々シンデレラストーリー。
親友に騙されて恋人を奪われたエリーヌが、政略結婚をきっかけにベタ甘に溺愛されて幸せになるお話。
※他サイトでも投稿中で、『小説家になろう』先行公開です
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
醜いと言われて婚約破棄されましたが、その瞬間呪いが解けて元の姿に戻りました ~復縁したいと言われても、もう遅い~
小倉みち
恋愛
公爵令嬢リリーは、顔に呪いを受けている。
顔半分が恐ろしい異形のものとなっていた彼女は仮面をつけて生活していた。
そんな彼女を婚約者である第二王子は忌み嫌い、蔑んだ。
「お前のような醜い女と付き合う気はない。俺はほかの女と結婚するから、婚約破棄しろ」
パーティ会場で、みんなの前で馬鹿にされる彼女。
――しかし。
実はその呪い、婚約破棄が解除条件だったようで――。
みるみるうちに呪いが解け、元の美しい姿に戻ったリリー。
彼女はその足で、醜い姿でも好きだと言ってくれる第一王子に会いに行く。
第二王子は、彼女の元の姿を見て復縁を申し込むのだったが――。
当然彼女は、長年自分を散々馬鹿にしてきた彼と復縁する気はさらさらなかった。
【短編】三姉妹、再会の時 ~三姉妹クロスオーバー作品~
紺青
恋愛
あれから十年後、三姉妹が再び会う時、お互いなにを思うのか? 離れ離れになった元スコールズ伯爵家の三姉妹がそれぞれの家族と幸せになり、互いの家族と共にひょんなことから再会することになった。大人になった三姉妹の再会の物語。
※「私はいてもいなくても同じなのですね」次女マルティナ、「私がいる意味はあるかな?」三女リリアン、
「私は生きていてもいいのかしら?」長女アイリーンのクロスオーバー作品。いずれかの作品を読んでいないとわからない内容になってます。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる