アルカディア

長ネギトロ

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第八話

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道が…になって、いよいよ…と思うころ、雨脚が…を白く…、すさまじい…から私を…来た。私は二十歳、…の制帽を…がすりの…はき、…を肩に…。

一人伊豆の旅…いや…旅じゃなくて、半強制的に転移しただけなのだが…四日目…まだ二日目ですが…修善寺温泉、湯ケ島温泉…どこだよ…そして朴歯の高下駄で天城を登って…いや、なにそれ…重なり合った山々や原生 林や深い渓谷の秋に…気温的にもう冬だが…私は一つの期待に胸をときめかして…期待もしてないし!!!胸もときめかしていない!!!!!!!




「…はっ!?」


 夢か…それにしても奇妙な夢だ。どこかで聞いたことがあるな…なんだったっけな…

 それはそれとして、もう7時か…大会の集合時間は9時だ。時間的には少し余裕があるが、早いに越したことはない。取り敢えず朝食を摂ろう。


「スースー」


 キリアは私の隣でぐっすり寝ていた…というか2人用の部屋と我修院という人は言っていたのに、ベットは一つしかない。キリアが女性でよかった。


「キリア、もう朝だぞ!!起きろ!!」


「スー…はっ…!?お…おはようございます…」


 キリアが起きた。


「にしても、凄い髪型だな…なにをしたらここまで寝癖が酷くなるんだ…」


 キリアは髪が凄いボサボサになっていた…


「フワァ…髪量が多いからいつもこうなるんです…」


「髪切ったら?」


 キリアは通常時はツインテールで髪を束ねているとは言え、それでも髪が腰よりも下に届いている。


「それは無理です!!lこの髪はお父さんに見せるんです!!」


 まさか、父親に会えてない時から、切っていないのか?


「まあいい、朝食を摂りにいくぞ。早く髪を整えてくれ…」


「セットに1時間もかかるんです…待ってくれますか?」


「一時間も!?」


 早く起きといてよかったな…







 そして、集合時間の9時になった。ここはドームの玄関口、参加者がある待っていてがやがやしている…



「あ、やっと来た。私達の対戦相手が決まったわ」


 紫苑がこの大会のトーナメント表を見せてきた。


 この大会の参加者は32人。最大で5回戦うようだ…


 
「さて、私が戦う試合まで、寝て待機するか…」


「朱雀さんの名前、トーナメント表の左上にあるから、一番最初だと思うんだけど…」


「は…?」



『お呼び出しの連絡です…トーナメント表の一番左上の2名はただちに第1会場に集まり下さい』


 嘘だろ…この大会の事何にも知らんから、他の人の試合を見て参考にしようと思ったのに…



『9時10分までに、指定場所に来なければ、大会を棄権したものとして満たします。』



 …て、もう5分じゃないか!!早く向かわなければ!!!てかどこだよ、会場の地図もないのだが!?





 …と、なんやかんやあって、会場入りすることが出来た。


 会場はとても広い、そもそもこのやまびこドームは「信州スカイパーク」とかいう公園の施設の一つであり、ただでさえ広いやまびこドームだが、その公園内には同程度の広さの施設が数個ある。で、この私が今いる会場も公園内の別の施設であり、残り数秒で棄権扱いになってた。本当に危なかった。



 まぁ、そんな愚痴を言っている暇はない。もう対戦相手は目の前にいる。相手の能力次第では、私は命を落とすかもしれない。なぜなら、私は実質無能力者だからだ。


「君が、私の対戦相手か…まぁよろしく頼むよ。」


「よろしく…お願いします…」


「実に活気がない挨拶だね。まぁ、だからと言って手加減するつもりはないが。」


 おおよそ20代くらいの男性…いや女性だ。全身は白スーツで統一されている。なんか、某阪神にいる歌劇集団の男役スターっぽい雰囲気の人だ…


「私の名前は、リシル・アルジャナク。レフ・トロツキーの能力者オペレーターだ。」


 レフ・トロツキー…なんか、ロシアの人だったことは覚えているが。


「さて、君の名前と能力を名乗ってくれ。」


 なんか、話し方も某歌劇集団っぽい…なんかイラっと来るな。


「私の名前は小倉朱雀…能力はわかりません…」


「わからない!?無能力じゃなくて、わからないだと…!?」


 わかったから二度も言うな。


「今まで、戦った中で初めてだ…こんな人は…我修院殿が期待している人って君なのか…強い人を期待していたのにこれはとても残念だ…?」


 うゎ、マジでムカつく。


「さて、長話なんてしている暇はない。即時決着をしよう。」


 …来るぞ!!





 …と、思っていたが相手は一向に攻撃をしてくる気配がない。


 おそらく舐めプをしているのだろう。


「どうした?来ないのか?」


 この一言を掛けられた時、私の何かが切れた。


 よし、一発殴ろう。


 私は助走をつけた。奴に一発ぶちかます為に。



「…おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



 奴は目と鼻の先…こいつはもしかしたらイキっている無能力者かもしれない。


 …と思っていたのだが




「…っ!!!!!!!」

 
 私が拳を振りかぶったとき、リシルという奴の前に一人の赤い色の軍人らしき人が現れ、私の拳を遮った。


「なかなかの助走のかけ方だ。私が無能力者だったら、大ダメージを追っていただろう。」



 ”バン!!!”


 突然と現れた軍人はその後に私に目掛けて銃を撃ってきた…


「やばい!!」


 私はこの銃撃をギリギリで交わした。


「だが、所詮君は無能力者…これはもうどうしようもない!!!」


「くそっ!!!なんだよこれは!!」



「突然として怒りを露わにしたね…もしかして君は陰キャとかいう者なのかい?」


「は…?」


 こいつマジでシバき倒したい。異能力が使えない事が非常に悔やまれる。


「私の能力オペレーションは『赤軍』…そしてこの軍人は、私の同志だ!!!」


 赤軍?同志?何言ってんだこいつ。


「さぁ、同志諸君よ!!革命の時間だ!!」


 奴がそう叫んだ時、そいつの周りから十数人くらいの赤い軍人が次々と現れ、30cmくらいの金色の鎌と金槌っぽい物を交差して上に掲げた…


「なに、やってんだこいつら…」


 意味不明すぎて、私はただ茫然と棒立ちをしていた。


「おや、こんな状況なのに、君は何もしないのかい?なら、そろそろ攻撃に移ろうか…」


 と、奴が言った時、その十数人の赤い軍人は鎌と金槌を持った状態で、私のもとに陸上選手並みの速さで向かってきた…


 勿論、無能力者である私には攻撃手段が皆無に等しいため、私は全力で逃げ回るしかなかった。

 だが、赤い軍人はとても足が速い。私も全力疾走で走り、コーナーで差を付ける等をしたが、十数人の内の一人が私に追いつき、鎌を振り下ろて攻撃してきた。


「ぐっ!!」


 上手くかわしたつもりだったが、刃先が私の右頬に当たり、頬から出血した。普通に痛い。


「一人の攻撃をかわした所で無駄に等しい!!革命はこれからだ!!」


 うん。試合開始から5分も経っていないけど、これは終わった。もうダメだ。


 こう落胆していたとき、私の左腕に強い衝撃と激痛が走った。


「…っ!!!!!!!」


 左腕は粉砕骨折をしていた。どうやら、金槌で叩かれたらしい…


「ウラァァァァァァァァァ!!!!」


 赤い軍人達はそう叫びながら、次々と私に向かって鎌や金槌を振りかざしてきた。





 畜生…なんだよ革命って。もう為す術がない。ほぼ万事休す状態だ。最初、紫苑達に誘われ、「もしかしたら私行けるのではないか?」と思った私が馬鹿だった。私のこの異世界(?)ライフもここでおしまいだな…
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