6 / 10
第六話
しおりを挟む
「私が相手よ!!」
本当に大丈夫か…
『なんだ、この女は!!!銃で撃ち殺してしまえ!!』
紫苑も、日本刀ぽいものと銃を持っているが、敵が持っている銃に敵うものには到底見えない。
「まさか、私に武器で対抗しようと思ってるの?」
紫苑は強気だ。
『は…?なんだ、負け惜しみか?』
そして、敵は銃を構え始めた…無理だろこれ…
『ん?…なんだ…お前ら銃を早く打て!!!』
『銃が打てません!!!』
『なんだ!!俺に貸せ!!』
『あれ…?何でだ!?どうなっている!?』
敵が銃を打てなくなっているだと…?
「ほら、言ったでしょ?私に武器で対抗するのは不可能だって」
いや、言ってなかったよな…?
『クソ女がぁ!!!』
「早く降参しなさい、そうすれば、今日は見逃すわ」
紫苑は、敵の主将と思われる人物の首元に、日本刀の刃を突き付けた。
『チッ…これで撤退はするが、後で絶対に復讐する。覚えてろ』
敵の集団は、そのような言葉を残し、近くの車を使って一斉に撤収した…多分、この後に警察に追われて捕まると思うが。
「あぁ…覚えてるわ。多分、5時間後には綺麗さっぱり忘れてると思うけど」
紫苑は無関心そうな顔をしながら、敵に手を小さくふった。
「これがお前の異能なのか…?」
それはそうと、[ 敵の武器を使わせないようにする]か…よくわからない異能だな…2020年くらいに流行っていた異能系小説にもそんなのなかったぞ?
「そう。これは私の異能の一つ、『刀狩令』…」
刀狩令?なんか聞いたことあるぞ?歴史の授業で…
というか、一つって…まだあるのか?
「そういえば、貴方は誰の異能なの…?」
「誰…?誰ってなんだ…?」
私は紫苑の言っていることが一切わからぬ。
「本当に、何にも知らないのね…」
また侮辱されたな…これぞ、タイムハラスメントだ…
「貴方、豊臣秀吉って知っている?」
マジで馬鹿にしてるだろ…流石に知っている…
「三英傑の一人で、天下人の武将だろ?刀狩令や太閤検地などを行っていた…」
「そう、それで、私はその豊臣秀吉の能力者なの」
「は、はい…」
本当に豊臣秀吉さんには申し訳ないが、私はそれを聞いて、「マジでダサい」と思った。なんちゃらクリスタルという名前もダサかったが、これは別の意味でダサい。
というか、私が使う異能も歴史の人達に準したモノなのか…誰かと思って、私が持っているクリスタルを見たが、ただただ白濁で少し透けてるのが分かるだけで、何も映ってない…
「どうやって確認するんだ…」
「あ、そうか、異能を使わないと誰の異能か分からないんだった。」
「ほぼ、無理ゲー…なのでは???」
「大丈夫、大丈夫。なんか突然発動したというパターンで分かるから。私もそうだったし。」
そんな都合よくあるのか?
「あ、それはそれとして、あの時、あの集団鎮められたら、一緒に行動するって約束したよね。」
紫苑は急に私の目をじっくり見て、狂気にも見える笑みを見せ、その様な事を言った。
「や、約束した覚えはないが…」
「わかりました!!一緒に行動しましょう!!」
「ちょっと…キリア…」
「…朱雀さん、紫苑さんは寂しがり屋さんなんです…なので一緒に行動することを容認しましょう。」
キリアは紫苑にギリギリ聞こえないような声でこう私の耳元に囁いた。
「よし、そうと決まれば、早速、松本へ移動しましょう。」
「なんで、松本にいくという事を知って…」
「だから、貴方の事はグナイゼナウから聞いたって言ったじゃないですか」
そういえばそうだっt…ん?松本に行くってキリアが言った時ってグナイゼナウいたっけな…?まぁいいか
「まぁそれはいいとして、ここから松本に行くってどうするんだ?私がいた時代は、電車で3回ぐらいの乗り換えで5時間かかってたのだが…」
「昔ってそんなに面倒くさい移動方法だったのね、今なら特急電車で一本で行けるのに…」
「まぁ、私がいた時代の春日部と松本なんて全く発展してなくて、市街地外れればすぐ田園が広がってたしな。てか、今、一本で行けるのか!?」
「当然でしょ、大都市間だもの」
紫苑はそんなこといちいち聞かないでよという感じの顔をしていた。
「あ、10分後に特急が出ますよ!!早く予約しないと、席が取れませんよ!?」
キリアは駅の方向に駆けこんでいった。
「そんなに急ぐ必要はないわよ、まだ、帰宅ピークじゃないから…」
私と紫苑はキリアを追って同じように駅に駆け込んだ。
『1番線に停車中の電車は、特急 安曇日光 45号 有明行きです。全車禁煙席です。乗車券の他に特急券が必要です。』
「個室が空いていたのはラッキーだな」
「あともう一室だったから危なかったわ…」
「だから言ったじゃないですか!!」
私達が乗っている特急は、おそらく2023年くらいにデビューした特急だ。私はその前にグモって、2080年に転生(?)したから、デビュー当初の姿は直接見てないが。個室は、あと残り一室でキリアが券売機に駆け込んで即購入した。
『武蔵鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は特急 安曇日光 45号 有明行きです。停車駅は、せんげん台、新越谷、北千住、日暮里、池袋、高田馬場、新宿、吉祥寺、国分寺、立川、八王子、高尾、上野原、大月、塩山、甲府、竜王、韮崎、小淵沢、上諏訪、塩尻、松本、一日市場、豊科、穂高、終点 有明です。つぎはせんげん台に止まります。』
にしても、安曇日光って、カオスな電車だな…。安曇野に行くのか日光に行くのかはっきりしろよ。しかも停車駅が無駄に多い…
「さて、松本に向かいましょう!!」
松本かぁ…私のイメージでは「松本城と上高地以外何もない、2020年当時の春日部と瓜二つみたいな片田舎」なんだが…さて、2080年では3番目の都市、いわゆる当時の名古屋と同じレベルになっているらしいが…
本当に大丈夫か…
『なんだ、この女は!!!銃で撃ち殺してしまえ!!』
紫苑も、日本刀ぽいものと銃を持っているが、敵が持っている銃に敵うものには到底見えない。
「まさか、私に武器で対抗しようと思ってるの?」
紫苑は強気だ。
『は…?なんだ、負け惜しみか?』
そして、敵は銃を構え始めた…無理だろこれ…
『ん?…なんだ…お前ら銃を早く打て!!!』
『銃が打てません!!!』
『なんだ!!俺に貸せ!!』
『あれ…?何でだ!?どうなっている!?』
敵が銃を打てなくなっているだと…?
「ほら、言ったでしょ?私に武器で対抗するのは不可能だって」
いや、言ってなかったよな…?
『クソ女がぁ!!!』
「早く降参しなさい、そうすれば、今日は見逃すわ」
紫苑は、敵の主将と思われる人物の首元に、日本刀の刃を突き付けた。
『チッ…これで撤退はするが、後で絶対に復讐する。覚えてろ』
敵の集団は、そのような言葉を残し、近くの車を使って一斉に撤収した…多分、この後に警察に追われて捕まると思うが。
「あぁ…覚えてるわ。多分、5時間後には綺麗さっぱり忘れてると思うけど」
紫苑は無関心そうな顔をしながら、敵に手を小さくふった。
「これがお前の異能なのか…?」
それはそうと、[ 敵の武器を使わせないようにする]か…よくわからない異能だな…2020年くらいに流行っていた異能系小説にもそんなのなかったぞ?
「そう。これは私の異能の一つ、『刀狩令』…」
刀狩令?なんか聞いたことあるぞ?歴史の授業で…
というか、一つって…まだあるのか?
「そういえば、貴方は誰の異能なの…?」
「誰…?誰ってなんだ…?」
私は紫苑の言っていることが一切わからぬ。
「本当に、何にも知らないのね…」
また侮辱されたな…これぞ、タイムハラスメントだ…
「貴方、豊臣秀吉って知っている?」
マジで馬鹿にしてるだろ…流石に知っている…
「三英傑の一人で、天下人の武将だろ?刀狩令や太閤検地などを行っていた…」
「そう、それで、私はその豊臣秀吉の能力者なの」
「は、はい…」
本当に豊臣秀吉さんには申し訳ないが、私はそれを聞いて、「マジでダサい」と思った。なんちゃらクリスタルという名前もダサかったが、これは別の意味でダサい。
というか、私が使う異能も歴史の人達に準したモノなのか…誰かと思って、私が持っているクリスタルを見たが、ただただ白濁で少し透けてるのが分かるだけで、何も映ってない…
「どうやって確認するんだ…」
「あ、そうか、異能を使わないと誰の異能か分からないんだった。」
「ほぼ、無理ゲー…なのでは???」
「大丈夫、大丈夫。なんか突然発動したというパターンで分かるから。私もそうだったし。」
そんな都合よくあるのか?
「あ、それはそれとして、あの時、あの集団鎮められたら、一緒に行動するって約束したよね。」
紫苑は急に私の目をじっくり見て、狂気にも見える笑みを見せ、その様な事を言った。
「や、約束した覚えはないが…」
「わかりました!!一緒に行動しましょう!!」
「ちょっと…キリア…」
「…朱雀さん、紫苑さんは寂しがり屋さんなんです…なので一緒に行動することを容認しましょう。」
キリアは紫苑にギリギリ聞こえないような声でこう私の耳元に囁いた。
「よし、そうと決まれば、早速、松本へ移動しましょう。」
「なんで、松本にいくという事を知って…」
「だから、貴方の事はグナイゼナウから聞いたって言ったじゃないですか」
そういえばそうだっt…ん?松本に行くってキリアが言った時ってグナイゼナウいたっけな…?まぁいいか
「まぁそれはいいとして、ここから松本に行くってどうするんだ?私がいた時代は、電車で3回ぐらいの乗り換えで5時間かかってたのだが…」
「昔ってそんなに面倒くさい移動方法だったのね、今なら特急電車で一本で行けるのに…」
「まぁ、私がいた時代の春日部と松本なんて全く発展してなくて、市街地外れればすぐ田園が広がってたしな。てか、今、一本で行けるのか!?」
「当然でしょ、大都市間だもの」
紫苑はそんなこといちいち聞かないでよという感じの顔をしていた。
「あ、10分後に特急が出ますよ!!早く予約しないと、席が取れませんよ!?」
キリアは駅の方向に駆けこんでいった。
「そんなに急ぐ必要はないわよ、まだ、帰宅ピークじゃないから…」
私と紫苑はキリアを追って同じように駅に駆け込んだ。
『1番線に停車中の電車は、特急 安曇日光 45号 有明行きです。全車禁煙席です。乗車券の他に特急券が必要です。』
「個室が空いていたのはラッキーだな」
「あともう一室だったから危なかったわ…」
「だから言ったじゃないですか!!」
私達が乗っている特急は、おそらく2023年くらいにデビューした特急だ。私はその前にグモって、2080年に転生(?)したから、デビュー当初の姿は直接見てないが。個室は、あと残り一室でキリアが券売機に駆け込んで即購入した。
『武蔵鉄道をご利用いただきありがとうございます。この電車は特急 安曇日光 45号 有明行きです。停車駅は、せんげん台、新越谷、北千住、日暮里、池袋、高田馬場、新宿、吉祥寺、国分寺、立川、八王子、高尾、上野原、大月、塩山、甲府、竜王、韮崎、小淵沢、上諏訪、塩尻、松本、一日市場、豊科、穂高、終点 有明です。つぎはせんげん台に止まります。』
にしても、安曇日光って、カオスな電車だな…。安曇野に行くのか日光に行くのかはっきりしろよ。しかも停車駅が無駄に多い…
「さて、松本に向かいましょう!!」
松本かぁ…私のイメージでは「松本城と上高地以外何もない、2020年当時の春日部と瓜二つみたいな片田舎」なんだが…さて、2080年では3番目の都市、いわゆる当時の名古屋と同じレベルになっているらしいが…
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~
黒色の猫
ファンタジー
両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。
冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。
最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。
それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった…
そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。
小説家になろう様でも投稿しています。
人見知り転生させられて魔法薬作りはじめました…
雪見だいふく
ファンタジー
私は大学からの帰り道に突然意識を失ってしまったらしい。
目覚めると
「異世界に行って楽しんできて!」と言われ訳も分からないまま強制的に転生させられる。
ちょっと待って下さい。私重度の人見知りですよ?あだ名失神姫だったんですよ??そんな奴には無理です!!
しかし神様は人でなし…もう戻れないそうです…私これからどうなるんでしょう?
頑張って生きていこうと思ったのに…色んなことに巻き込まれるんですが…新手の呪いかなにかですか?
これは3歩進んで4歩下がりたい主人公が騒動に巻き込まれ、時には自ら首を突っ込んでいく3歩進んで2歩下がる物語。
♪♪
注意!最初は主人公に対して憤りを感じられるかもしれませんが、主人公がそうなってしまっている理由も、投稿で明らかになっていきますので、是非ご覧下さいませ。
♪♪
小説初投稿です。
この小説を見つけて下さり、本当にありがとうございます。
至らないところだらけですが、楽しんで頂けると嬉しいです。
完結目指して頑張って参ります

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜
黒城白爵
ファンタジー
とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。
死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。
自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。
黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。
使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。
※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。
※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

世界はいつも自分を中心にまわっている。
まるおさん
ファンタジー
ある日、男は奇妙な夢を見た。
夢の世界で、男は異形の存在と出会う。
そこで告げられる自らの死の運命。
助かるためには、試練をクリアするしかない。
死の運命を逃れ、命を繋ぐために課せられた試練、それは異世界転生だった――。
初投稿です。稚拙な文章ですが読んでいただければ嬉しいです。
感想、ご指摘、批評、等々コメント頂ければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる