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第二話
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…………………
「…はっ!?」
私は約4畳の一室にある、そこら辺の大型家具店で売ってそうな素朴なベットの上で寝ていた…
ここは誰かの家なのか?壁は木調で、眺めても何も意味がない…
その木調の壁に異様に立て掛けられていたデジタル時計を見たら、[2080年10月23日8:47]と表示されていた。
ああそうか…私は2080年の日本に転生したんだった…ん?これ、転生て言えるのか?どちらかというと転移だろ。
近くには、服が置いてあった。
倒れる前に着ていた服(ダサいジャージ一式)は脱がされ、私は白地のシャツとパンツしか着ていなかった。
デジタル時計の隣にまたもや不自然に置かれている水銀が使われた温度計を見たら、そこには、[-2℃]と表示されていた。10月だよな?秋になったとは言え、何故こんなに寒いのか、60年も経てばこうも変わるのか?
この状態では凍死確定なので、そこに丁寧に折りたたんで置いてある、服を着た…
「何これ…」
何とこの服は地雷女子と呼ばれる人が着ている、いわゆるゴスロリというものだった。
これが、2080年に流行っているファッションなのか?いや、こんなファッションが流行っていたら間違いなく日本は崩壊するだろう。まぁ、これ以外の服が無いので、着る事にしよう。暖かいだけマシか…
スカートの丈が膝まであるのは不幸中の幸いなのかもしれない。
"ガチャ"
誰だ!?ノックぐらいはしてほしいものだ…
「あ、起きてたんですね、おはようございます!!!」
扉から出てきたのは、一人の銀髪ツインテールの少女だ…服装もピンク色の長丈のセーターに黒タイツで至って普通で、私よりは特殊ではない…
「3日間も目を覚まさなくて心配したんですよ!!」
そうか、そんなに気を失っていたのか…
「西新井駅近くのコンビニ前で無傷で倒れていたみたいですけど、変な人に身包みとか剥がされてなくてよかったです!!」
未だにそんな人がいるのか…60年間経っても変わっていないなぁ…
「…さっきから、一言も話していなんですけど、私の話聞こえてます?」
一方的に話していたんじゃないのか…
「…そういえば、何をしに西新井駅に来ていたんですか?」
「私は60年前からタイムスリップしてきたんだ…」
「タイムスリップ?何を言っているんですか?」
「もしかして、私を騙そうとしています?無理ですよー 青いロボットが出てくる国民的アニメは好きで見ているんですけど…あれはちゃんとフィクションだってちゃんと理解しているので」
60年経っていたとしてもタイムマシンとか発明されていないのか? まぁ、ここが本当に60年後の日本とは確定していないけど…というか、あのアニメまだ続いているのか!?
「本当はどうなんですかー?」
「いや、本当にタイムスリップをしてきたんだけど…」
ここで嘘をついても仕方ない。
「そこまで揶揄うなら、もういいですっ!!」
あ、拗ねた。
「…まぁ、こんなことで拗ねるような人な私じゃないので、貴方はタイムスリップしたということにしておきましょう」
さっき思い切り拗ねていたじゃねぇかよ。
「そういえば、名前は何ですか?」
「名前?名前…名前何だったっけな…」
「あーまた私を揶揄っていますね!!」
揶揄ってなどいない…全く思い出せないのだ…これは、タイムスリップの代償なのか…
まぁ、今現在、身分証明書やカード類をもっていないし、本名が言えなくても致命的な問題はないか…
ここは、偽名でいいだろう…それ以上言えないと、彼女が本当に拗ねて(?)しまう…
「私の名前は、小倉朱雀…」
「朱雀さんですか!!素敵な名前ですね」
あー言ってろ言ってろ、こんな名前、どこぞの京都ら辺の地名とどっかの中華ら辺の神獣を合わせた名前だ…数秒で適当に考えた。
「で、それで君の名前は?」
「私は、紅月キリア・クロムウェルです。キリアって呼んでください!!」
ミドルネームがあるという事は、ハーフの子なんだろうか?まぁどうでもいい…
「あ、そうだ!!貴方が起きたら、電話で報告しないといけないんだった!!」
キリアはスマホを取り出した。折り畳み式らしい…しかも裏にはリンゴのマークが書かれてる…あの会社、折り畳みスマホを本当に開発したんだ…
「あーもしもし、起きましたー え?私達が行くんですか?わかりましたー」
「こっち、来てほしいという事なので、本部に案内します!!」
凄い単純なやり取りだなオイ。
「こちらに乗って移動しますー」
移動手段は自動運転車だ、流石に2080年になっていれば発明されているよな…
私がいたのはビジネスホテルだったらしい…なんと、20階建てで私が泊まっていた木目調の部屋はそのホテルで最も高い部屋だった…どう見てもそうは見えなかったが。
そして、そのホテルは大都会の構想ビル街の一角に建っていた。ここは一体どこなんだろうか?私が知っている中でこんなにも圧倒的に発展している都市は見たことが無い。
「ここは一体どこなんだ?」
私はキリアに現在位置の確認をした…
「どこって…どう見ても、春日部じゃないですか…ほらこのカーナビにも書いてありますよ?」
「はぁ!?春日部な訳ないだr…ホントだ…」
車のカーナビには、しっかりと春日部市粕壁と書いてあった…
確かに春日部駅の高架化や北春日部駅周辺の整備とかは計画されていたが、まさかここまで発展してしまっているとは… いや、おかしい…やっぱりここは未来を偽った異世界なのでは?
「関東一の都市が春日部という事も知らないなんて…あなたは一体どこから来たんですか?」
「いや、だから60年前の日本から来たんだって!!!」
え、というか今さらっととんでもない言葉が聞こえたような…関東一の都市ってどういう事?????東京は?横浜は?大宮は?なんで春日部????
「春日部って日本の首都なのか???」
「貴方、本当に何も知らないんですね…首都機能の一部は春日部にありますが…日本の首都じゃありませんよ…」
どう見ても首都にしか見えないが、関東圏で一番発展しているここが首都じゃないとすれば一体どこに首都があるんだ…?
「あ、ほら着きましたよ、続きの話はあそこでしましょう」
着いたのは、おおよそ70階建て全面ガラス張りのビルだ…そのビルは約10haの広場のど真ん中に堂々と立っていた…
私に会いたがっている人はどんな人なのか?キリアは一体ナニモノなのか?日本の首都はどこなのか?そもそも、60年後の日本に何があったのか?さらに謎が深まるばかりだ…
「…はっ!?」
私は約4畳の一室にある、そこら辺の大型家具店で売ってそうな素朴なベットの上で寝ていた…
ここは誰かの家なのか?壁は木調で、眺めても何も意味がない…
その木調の壁に異様に立て掛けられていたデジタル時計を見たら、[2080年10月23日8:47]と表示されていた。
ああそうか…私は2080年の日本に転生したんだった…ん?これ、転生て言えるのか?どちらかというと転移だろ。
近くには、服が置いてあった。
倒れる前に着ていた服(ダサいジャージ一式)は脱がされ、私は白地のシャツとパンツしか着ていなかった。
デジタル時計の隣にまたもや不自然に置かれている水銀が使われた温度計を見たら、そこには、[-2℃]と表示されていた。10月だよな?秋になったとは言え、何故こんなに寒いのか、60年も経てばこうも変わるのか?
この状態では凍死確定なので、そこに丁寧に折りたたんで置いてある、服を着た…
「何これ…」
何とこの服は地雷女子と呼ばれる人が着ている、いわゆるゴスロリというものだった。
これが、2080年に流行っているファッションなのか?いや、こんなファッションが流行っていたら間違いなく日本は崩壊するだろう。まぁ、これ以外の服が無いので、着る事にしよう。暖かいだけマシか…
スカートの丈が膝まであるのは不幸中の幸いなのかもしれない。
"ガチャ"
誰だ!?ノックぐらいはしてほしいものだ…
「あ、起きてたんですね、おはようございます!!!」
扉から出てきたのは、一人の銀髪ツインテールの少女だ…服装もピンク色の長丈のセーターに黒タイツで至って普通で、私よりは特殊ではない…
「3日間も目を覚まさなくて心配したんですよ!!」
そうか、そんなに気を失っていたのか…
「西新井駅近くのコンビニ前で無傷で倒れていたみたいですけど、変な人に身包みとか剥がされてなくてよかったです!!」
未だにそんな人がいるのか…60年間経っても変わっていないなぁ…
「…さっきから、一言も話していなんですけど、私の話聞こえてます?」
一方的に話していたんじゃないのか…
「…そういえば、何をしに西新井駅に来ていたんですか?」
「私は60年前からタイムスリップしてきたんだ…」
「タイムスリップ?何を言っているんですか?」
「もしかして、私を騙そうとしています?無理ですよー 青いロボットが出てくる国民的アニメは好きで見ているんですけど…あれはちゃんとフィクションだってちゃんと理解しているので」
60年経っていたとしてもタイムマシンとか発明されていないのか? まぁ、ここが本当に60年後の日本とは確定していないけど…というか、あのアニメまだ続いているのか!?
「本当はどうなんですかー?」
「いや、本当にタイムスリップをしてきたんだけど…」
ここで嘘をついても仕方ない。
「そこまで揶揄うなら、もういいですっ!!」
あ、拗ねた。
「…まぁ、こんなことで拗ねるような人な私じゃないので、貴方はタイムスリップしたということにしておきましょう」
さっき思い切り拗ねていたじゃねぇかよ。
「そういえば、名前は何ですか?」
「名前?名前…名前何だったっけな…」
「あーまた私を揶揄っていますね!!」
揶揄ってなどいない…全く思い出せないのだ…これは、タイムスリップの代償なのか…
まぁ、今現在、身分証明書やカード類をもっていないし、本名が言えなくても致命的な問題はないか…
ここは、偽名でいいだろう…それ以上言えないと、彼女が本当に拗ねて(?)しまう…
「私の名前は、小倉朱雀…」
「朱雀さんですか!!素敵な名前ですね」
あー言ってろ言ってろ、こんな名前、どこぞの京都ら辺の地名とどっかの中華ら辺の神獣を合わせた名前だ…数秒で適当に考えた。
「で、それで君の名前は?」
「私は、紅月キリア・クロムウェルです。キリアって呼んでください!!」
ミドルネームがあるという事は、ハーフの子なんだろうか?まぁどうでもいい…
「あ、そうだ!!貴方が起きたら、電話で報告しないといけないんだった!!」
キリアはスマホを取り出した。折り畳み式らしい…しかも裏にはリンゴのマークが書かれてる…あの会社、折り畳みスマホを本当に開発したんだ…
「あーもしもし、起きましたー え?私達が行くんですか?わかりましたー」
「こっち、来てほしいという事なので、本部に案内します!!」
凄い単純なやり取りだなオイ。
「こちらに乗って移動しますー」
移動手段は自動運転車だ、流石に2080年になっていれば発明されているよな…
私がいたのはビジネスホテルだったらしい…なんと、20階建てで私が泊まっていた木目調の部屋はそのホテルで最も高い部屋だった…どう見てもそうは見えなかったが。
そして、そのホテルは大都会の構想ビル街の一角に建っていた。ここは一体どこなんだろうか?私が知っている中でこんなにも圧倒的に発展している都市は見たことが無い。
「ここは一体どこなんだ?」
私はキリアに現在位置の確認をした…
「どこって…どう見ても、春日部じゃないですか…ほらこのカーナビにも書いてありますよ?」
「はぁ!?春日部な訳ないだr…ホントだ…」
車のカーナビには、しっかりと春日部市粕壁と書いてあった…
確かに春日部駅の高架化や北春日部駅周辺の整備とかは計画されていたが、まさかここまで発展してしまっているとは… いや、おかしい…やっぱりここは未来を偽った異世界なのでは?
「関東一の都市が春日部という事も知らないなんて…あなたは一体どこから来たんですか?」
「いや、だから60年前の日本から来たんだって!!!」
え、というか今さらっととんでもない言葉が聞こえたような…関東一の都市ってどういう事?????東京は?横浜は?大宮は?なんで春日部????
「春日部って日本の首都なのか???」
「貴方、本当に何も知らないんですね…首都機能の一部は春日部にありますが…日本の首都じゃありませんよ…」
どう見ても首都にしか見えないが、関東圏で一番発展しているここが首都じゃないとすれば一体どこに首都があるんだ…?
「あ、ほら着きましたよ、続きの話はあそこでしましょう」
着いたのは、おおよそ70階建て全面ガラス張りのビルだ…そのビルは約10haの広場のど真ん中に堂々と立っていた…
私に会いたがっている人はどんな人なのか?キリアは一体ナニモノなのか?日本の首都はどこなのか?そもそも、60年後の日本に何があったのか?さらに謎が深まるばかりだ…
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