25 / 34
25話
しおりを挟む
「つきましたね」
「そうだな。ここからは二手に別れよう」
「はい」
「使い方は覚えてるな?」
「ええ。大丈夫です」
「よし!じゃあ何かあったら連絡し合おう」
こうして僕たちは二手に別れた。当然ミレティアが一人で、僕とサラさんが組になる。正直なところあの熊が出てくると僕の力じゃ厳しいかもしれないが、サラさんは倒す自信があるそうなのでこういう風に分かれることになった。
前回きた3層とは中身が違うので今までのマッピングなんかが役にたたないという理由もある。二人は極力早く見つけたいみたいだ。
「それじゃあ行きましょうか」
「そうね」
ミレティアを背に僕たちは歩き始める。いろいろな準備のおかげで快適だが、持ち物が増えて歩みは少し遅い。
「サラさん穴はどんな感じのものか知ってるんですか?」
「ええ。このダンジョンの階段のような扉型じゃなくて、空間に穴が開いてるタイプらしいわ」
「目を皿にして探さないといけませんね」
「本当にね」
ぴりぴりとした必死さが僕にも伝わってくる。どうしても見つけたいんだろう。
「そういえばどうして穴を見つけたいんですか?」
「あなたきいてないの?」
驚いた声で言う。
「はい」
「じゃあミレティアさんの独断ってこと?」
「いえ!そんなのじゃないですよ。時間はかかるだろうから別れてもいいって言われたんですけど、せっかくパーティーになったので一緒に探すことにしたんです」
「のんきな奴ね。無理だと思ったらすぐに諦めなさい。適当な気持ちだとこっちもしんどいから」
「適当なんてそんな。僕だって真剣ですよ」
「まあいいわ。これからすぐわかることだから」
それ以降特に話すことはなく、僕たちは探索を続け、マッピングしていくのだった。
「そうだな。ここからは二手に別れよう」
「はい」
「使い方は覚えてるな?」
「ええ。大丈夫です」
「よし!じゃあ何かあったら連絡し合おう」
こうして僕たちは二手に別れた。当然ミレティアが一人で、僕とサラさんが組になる。正直なところあの熊が出てくると僕の力じゃ厳しいかもしれないが、サラさんは倒す自信があるそうなのでこういう風に分かれることになった。
前回きた3層とは中身が違うので今までのマッピングなんかが役にたたないという理由もある。二人は極力早く見つけたいみたいだ。
「それじゃあ行きましょうか」
「そうね」
ミレティアを背に僕たちは歩き始める。いろいろな準備のおかげで快適だが、持ち物が増えて歩みは少し遅い。
「サラさん穴はどんな感じのものか知ってるんですか?」
「ええ。このダンジョンの階段のような扉型じゃなくて、空間に穴が開いてるタイプらしいわ」
「目を皿にして探さないといけませんね」
「本当にね」
ぴりぴりとした必死さが僕にも伝わってくる。どうしても見つけたいんだろう。
「そういえばどうして穴を見つけたいんですか?」
「あなたきいてないの?」
驚いた声で言う。
「はい」
「じゃあミレティアさんの独断ってこと?」
「いえ!そんなのじゃないですよ。時間はかかるだろうから別れてもいいって言われたんですけど、せっかくパーティーになったので一緒に探すことにしたんです」
「のんきな奴ね。無理だと思ったらすぐに諦めなさい。適当な気持ちだとこっちもしんどいから」
「適当なんてそんな。僕だって真剣ですよ」
「まあいいわ。これからすぐわかることだから」
それ以降特に話すことはなく、僕たちは探索を続け、マッピングしていくのだった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
呪われてしまった異世界転生者だけど、今日も元気に生きています
文字満
ファンタジー
井ノ上土筆は転生者だ。
物語に限らず主人公とは無縁の人生を歩み、子宝にも恵まれ、それこそ、日本政府がモデルケースとして用いるような極めて平凡なサラリーマンだった。
極めて平和な人生を歩み、子育ても一段落し、老後のプランを考え始めた矢先、出張先で突然意識を失い、そのまま帰らぬ人となってしまった。
多少の未練を残しながらもこの世にしがみつく程でも無く、魂が帰す場所である輪廻《りんね》へと還る予定であったのだが、その途中、ここ異世界ラズタンテの神を自称する存在《アティアノス》により掬い上げられたのだ。
それが偶然なのか必然なのか、それこそ正に神様のみぞ知る所なのだろう。
土筆はアティアノスと名乗る神からの神託を受け入れ異世界ラズタンテへ転生する事になったのである。
しかし、光が強ければ闇もまた深くなるのは世の常だ。
土筆がラズタンテの地へと転生する一瞬の隙を突かれ、敵対する魔王の妨害により呪いを受けてしまったのである。
幸運にも転生は無事終えることが出来たのだが、受けた呪いにより能力が大幅に制限されてしまう。
転生後、土筆が身を寄せていた教会に神からの啓示を受けた高位の神官が入れ替わり立ち代わり訪れては解呪を試みたのだが、誰一人として成功する者は現れず、最終的に新たな使命を担い再出発する事で落ち着いたのだった。
御《み》使いとして現れたコルレット=ラザ=フリルの計らいによって、同じような境遇にある天使メルト=リト=アルトレイと供にメゾリカの街に拠点を移し、新しい使命を果たす為に活動を始めるのであった。
*この小説は他サイトでも投稿を行っています。
タロース〈機械人形兵器 ロボット〉
川内小川
ファンタジー
*お知らせ*
しばらくの間、不定期更新と致します。
ご迷惑おかけいたしますが、今後とも宜しくお願い致します。
魔法が当たり前に存在する世界ーー
誰もが、元来、魔法使いーー
* * *
トーヤ・ス・アドリ・スプライトの唯一の魔法ーー。
それは、魔法発動時に発生するオーラを視るという……ただそれだけの魔法だった。
それだけなら、未だしも、魔力量が極端に少ないトーヤは一日に数回、僅かな時間しか使用する事が出来ない。
そんな自分に強い劣等感を抱いていた。
ある日、地面の裂け目に落ちたトーヤは、美しい『ロボット』〈機械人形兵器 〉を発見する。
ーー世界の運命が大きく変わるーー
※タロース〈機械人形兵器 ロボット〉は小説家になろう様にも、重複投稿しております※
【完結】竜を喰らう:悪食の魔女 “ドラゴン・イーター” は忌み嫌われる
春泥
ファンタジー
平和な農村に突如飛来したドラゴン。甚大な被害を被り困り果てた村人は、専門家を雇い退治してもらうことにする。
村一番の正直者と評判の男が山向うの都まで専門家を捜す旅に出るが、連れて来たのは美しいが非力そうな女。
ドラゴンの鱗で作ったセクシーなドレスを纏ったその女は、ドラゴン・スレイヤーならぬドラゴン・イーターだった。
村の運命やいかに。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる